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福島県郡山市逢瀬町多田野鬼ヶ城 松茸水晶クラスター
鬼ヶ城の水晶は、細い単結晶が同じ方向に生えるタイプ、という認識でした。しかし、こちらのものはその特徴を持ちつつ、太い単結晶数本、かつ一本は松茸水晶になっているというものです。 よく見れば、松茸のくびれた部分は他の水晶が貫入しており、元のくびれは更に細いものになっています。下手すると折れてしまいそうです。 立派なクラスターながらも、折ってしまいそうであまり取り出して眺めたりはしておりません… ちなみに、出回ることはほぼありませんが、どうやら単結晶で10cmを超えるものもある様子。
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新潟県胎内市持倉 日本式双晶
持倉の水晶についての研究で、日本式双晶が確認された、と以前お話しましたが、ようやく入手することができました。 横7cmほどの、チャート上に生えた濁りつつも透明な水晶、その中に一対の日本式双晶が見られます。両翼1cmの大きさです。 周りの単結晶は欠けが目立つものが多いのですが、幸運なことに日本式双晶は無傷。奈留島のものと異なり、気持ちぶ厚めな双晶です。 一部両錐の水晶が見られるので、生育が邪魔されない空隙で伸びたのでしょう。両錐自体はガマ内部の中心に生えるため、割と持倉では見られるものです。日本式双晶はどうなのでしょうか? 日本式双晶は論文にて、日本各地で確認されるもので「珍しいものではない」とのことですが、コレクター目線で言えば、やっぱりレアですよね。
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長野県木曽郡南木曽町田立 グウィンデル煙水晶
グウィンデル水晶については、山口県の水晶の方で解説しております。 https://muuseo.com/Matsu_Crystal/items/337 こちらは平行連晶なのですが、いびつな形状をしております。曲がった平行連晶なのか、はたまた海外で人気のグウィンデル水晶に当たるのか… 田立はアマゾナイトの産地として「伝説的」と表現される場所で、明治42年で既に採取が難しい(長野県地学標本採集旅行記より引用)と記載された記録があるほど。そんな場所で煙水晶が取られたわけですが、特に記載があるわけではなく、形状についても文献がありません。 ただ、平行連晶であり、ねじれた感があるとなれば、やはりグウィンデルだと思いたくなってしまう。 他に同様の物があればなんて思いますが、田立の煙水晶自体見かけることが稀。 もし同様の煙水晶をお持ちの方は、情報をいただけたらと思います。
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奈良県吉野郡川上村瀬戸 鋭錐石・桝石付き水晶クラスター
手持ちの奈良県の水晶としては地味なもの。 こちらの産地では大きいものも採れるようですが、現状こちら2つのみ。 ズームすれば、桝石(黄鉄鉱の仮晶、褐鉄鉱)と鋭錐石がわずかに見えるでしょうか。水晶としては3mmが最大サイズ。 そのうち大きいものが手に入ることを期待しております。
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山梨県甲府市黒平町金石沢 ハロ入りエレスチャル煙水晶
ハロとは、放射性鉱物が鉱物内部で放射線を出した結果、色が濃くなった部分、というもの。多色暈(たしきうん)とも。 通常の松茸エレスチャル水晶というだけでも個人的にはレアに思えますが、こちらは松茸の茎部分にハロが見られます。恐らくジルコンか何かを内包しているものと思われます。 全体的に、煙水晶としてはねずみ色に近い(灰水晶)ですが、ハロ部分だけ通常の煙水晶といった趣です。
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沖縄県某所 微細な水晶
場所は明かせませんが、珍しい沖縄県の水晶となります。前掲の久米島とは違う島の物ですが、雰囲気が似ておりますね。 収集開始から沖縄県の水晶、というものは情報が割と入ってきておりますが、実物が出回ることは稀。こちらも偶然手に入れられたもので、次に手に入れられるかといえば極めて難しい気がします。 沖縄には珍しい、結晶片岩の上に生えた水晶。柱面に乏しいものではありますが、県内では数少ない標本です。
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山口県山口市秋穂二島 グウィンデル水晶
グウィンデル水晶、ねじれ水晶はスイスのアルプス山岳地帯で産出されることで有名です。数万に一つと言われるほどレアな形状の水晶で、かなりの金額を積まないと入手ができないという、コレクター垂涎の水晶です。 パキスタンやウラル、ブラジルでも発見はされていますが、極めてレアなことに変わりはありません。 日本ではねじれ水晶はあるものの、グウィンデルタイプのもの、つまり平行連晶のねじれ水晶はこれまで見たことがありません。長野県の田立でそれらしきものはあるようですが… その中で、こちらの煙水晶はどうでしょうか? 秋穂二島の海岸のガマにて発見された煙水晶で、細かな水晶と一緒くたに3年間も箱詰めしていたものですが… 見た感じ、グウィンデル水晶に見えます。 色の濃さやテリツヤは文句なし。ねじれに関しても、確かにS字にねじれています(こちらはS型ではなく乙型といえば分かりやすい?)。 グウィンデル水晶の説明としては ①水晶の柱面から左右どちらかにx面を見つける ②右水晶か左水晶を判別する ③そのx面がある部分が上になるよう、横倒しにする ④その水晶を上から覗くとねじれが見られる となります。今回は左側にX面が出ているので左水晶です。 実物を生でじっくり見てみないと、説明だけでは分かりにくいですね。画像で判別することは難しいので動画にしたもののリンクを貼り付けます。 https://twitter.com/Matsu_Crystal/status/1693131613419483570?t=EAYuiHJcCSNgnG7BJMPDag&s=19 グウィンデル水晶が成長する要因は詳しく分かってはおりませんが、産出される海外産地はほぼ高山帯。しかし、日本の田立は海抜500mほど、秋穂に至っては海岸なのでほぼ0m。 これはどう考えれば良いのでしょうか…? 山口県をはじめ、瀬戸内海には広大なペグマタイト地帯があります。中生代、白亜紀にかけてプレート沈み込みの影響で発生したマグマによって、この花崗岩帯は形成されています。スイスやヒマラヤも同じくプレートの動きによる形成。南木曽町の田立は、同じ年代の花崗岩によるもの。 関連はありそうですが、収集メインの私にとって、これ以上の研究をするにはまだまだ知識が乏しいです。どなたか調べてみて!(笑)
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北海道古宇郡泊村 盃村 玉川鉱山 紫石英上の水晶
前掲の玉川鉱山の水晶の説明にありました、稀に産出された紫水晶がこちらになります。 紫水晶、というよりは紫石英。クラスターの上部には紫が現れず、きれいな水晶が黄鉄鉱と共に見られます。 何となく単結晶の方も紫、に見えなくもありませんが、光の加減でしょうか。 北海道の他の水晶と同じく、柱面があまり伸びないタイプです。それでも僅かながら柱面があり、小さな水晶が横に生えたカテドラル気味になっています。
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愛媛県西条市市之川 市之川鉱山 松茸両錐水晶
市之川鉱山の水晶で、このような松茸のものも存在します。前掲のクラスターとは異なり、結晶のサイズが5cmと大きくなりました。 平行連晶かつ松茸水晶のコラボ。市之川特有の輝安鉱の内包は見られず、クリアな水晶です。剥離痕の段々模様をきれいに映してくれています。 tenkawacrystalさんのライブにて購入。
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岐阜県飛騨市神岡町 神岡鉱山 栃洞坑 魚眼石に覆われた水晶
光沢に関して言えば、手持ちの国産水晶では最高の輝きを誇っています。 その理由は、母岩の灰鉄輝石が透けて見えるほどの透明な水晶の周りに生えた魚眼石。国内随一、海外に負けないテリツヤのおかげで、水晶がより美しく見えます。 水晶の錐面にエッジが見られますが、成長痕と蝕像痕でしょうか?本来の蝕像に見られるトライゴーニックは確認できませんが、至る所で同様の痕が確認できます。 神岡鉱山栃洞坑の標本はかなりの数が出回っておりますが、この美しさはトップクラスだと思っています。
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新潟県胎内市持倉 水晶単結晶
前掲の産地の単結晶となります。 5cmほどの長さです。 表面には擦りガラス状のザラつき、錐面には凸凹が見られますが、どちらも石英由来。中身は曇りのない透明な水晶です。 生成の際に偏りがあったのか、錐面ポイントが平行なタビー水晶となっています。 持倉の晶洞ではタビーもそうですが、両錐、日本式双晶といったものも見つかっております。
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北海道札幌市手稲区 手稲鉱山 負晶入り水晶
金山として近代から戦後に栄えた手稲鉱山。つい10年ほど前は立ち入りができたようで、水晶をはじめテルルやバライトが採れることで知られていました。 その中で、これらの水晶は極めてクリアなものになります。長野県、麻績の水晶に近い雰囲気でしょうか。 2cmほどの単結晶ですが、ルーペで中を覗くと負晶が見られます。物によっては気泡が見られるものもあると聞きますが、こちらは確認できません。一部は両錐水晶となっています。 立入禁止となった今、新たな産出は望み薄となっております。
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宮崎県西臼杵郡日之影町見立上八重 日本式双晶
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山梨県山梨市牧丘町柳平 乙女鉱山 金属鉱物のファントム水晶
銀色の金属鉱物片が内包され、かつファントム状になっているこちら。前掲の「水面のような錐面」を持つ水晶と同じく、昇仙峡にて入手しました。 店主が言うには輝水鉛鉱ではなかろうか、とのことです。黄鉄鉱だとしたら黄色みがありませんし、金属ではなく雲母では、という考えもありましょうが、そうなると極小粒の部分は何になるのか、と何ともいえません。 分からなくて良い。 正直、美しければそれでいいのです。
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山梨県山梨市牧丘町柳平 乙女鉱山 錐面に模様のある透明水晶
2019年、山梨旅行の際昇仙峡で購入したもの。5cmほどの大きさ、クリアかつ端正な細身で気に入ったものです。 当時から乙女鉱山の水晶というものは、コレクター憧れの存在だったと記憶していますが、こちらは一本800円。地元価格なのか、かなり格安で驚いた記憶があります。 こちらの水晶の最大の特徴は、その錐面に浮かぶ模様。水面に水滴を垂らした時の水紋の様に、あるいは年輪の様に描かれた模様が素敵です。一般的な成長痕とは異なるタイプで、写真に見えない部分含め、六面全てが弧を描いた模様となっています。 柱面にも年輪タイプの成長痕が見られます。鉱液の流れがどの様なものかが分かる気がする、そんな雰囲気まで感じられます。
昇仙峡 2019.8水晶好きな松ちゃん
