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H海岸の高温石英/ベータクォーツ
とある海岸で採取した高温石英です。
波の作用で摩耗が進んでおり、角が落ちたり完全な球形となった結晶がほとんどです。
ここに形の良いものだけを厳選しました。
普通 "水晶" あるいは "石英" と聞いて真っ先にイメージする姿というと、恐らく先端の尖った六角柱の結晶が殆どだと思います。
しかし彼らのように柱面を著しく欠いた特徴的な結晶形の者も存在します。
それが約573~867℃の高温条件で晶出した『高温石英』です。
H海岸は高温石英の産地としてはまったく無名の地。
ですが周辺の地質環境から見て高温石英が発見できてもおかしくないと思い調査をしてみたのでした。
結果はこの展示のとおりで、ここでもまた素晴らしい結晶に出会うことができました。
一粒だけ気になる個体があり、なんと結晶内部に黄色く蛍光するインクルージョンを内包していたのです。
水磨作用により表面が磨りガラス状になっているため内部を覗き見ることができませんが、たしかにブラックライトに反応する包有物が確認できました。
真っ黒な個体に続き、今度は蛍光物質を含む高温石英の発見ときました。
国産の高温石英も奥が深いです。