Y Pants “Beat It Down”

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皆さんは、この風変わりな名前のバンドを覚えてらっしゃいますか? Y Pantsは、米国NYCで、1979年に、写真家兼音楽家のBarbara Ess (B, Ukelele, Vo)と視覚芸術家のVirginia Piersol (Drs, Vo: 通称Virge Piersol)及びGail Vachon (Kbd, Vo)の女性3人で結成されたNo Waveバンドです。彼女達は、主に、おもちゃのピアノやウクレレ、ミッキーマウスのドラムキットなどの楽器とベースやカシオトーンなどのLo-Techな楽器を用いて、独自の音楽を、主に、マンハッタンのギャラリーなどで演奏していました。当時のNYCでのNo Waveの影響なのか、彼女達はやがてパンクの聖地CBGBなどでも演奏するようになっていきます。そして、Glenn Brancaの協力の元、1枚のアルバム(本作品です)と1枚のEPを出して、1982年に解散しています。また、Y Pantsの特徴は、フェミニズムな歌詞も特徴で、所謂、共用の洗濯場での危険や物質主義、家父長制度などについても歌っており、一方でBertolt Brechtの「3文オペラ」から"Barbara's Song" などもレパートリーにしています。そんな彼女達に呼応するのは、英国のThe Raincatsとも言われていますし、女流小説家のLynne Tillmanも彼女達の為に”Obvious”の歌詞を書いたりしています。彼女達は本作品であるアルバムをリリースして直ぐに解散していますが、その後は、毎年、メンバーの誕生日ごとに再結成(?一緒に演奏)していたようですが、Essは2021年に3月4日に76才で他界しています。
それで、内容なのですが、全体の印象としては、ドコドコしたドラムにスカスカなベースやおもちゃのピアノ或いはカシオトーンが乗っかり、更にウィスパーなヴォーカルが乗ることで、更にスカスカになっていくと言う簡素な音楽で、これが果たして「ロック」なのか?「No Wave」なのか?と考え込んでしまいそうです。スネアを余り使わないリズムは、No Wave的、特にDNAのような趣きもありますが、彼女達の音楽は明らかに空虚であるようです。歌詞が分かればもっと理解できるとは思いますが、多分Au Pairsのようなものではないかと想像します。その真骨頂がB6 “That's The Way Boy's Are”ですね。まあ聴いてみれば分かります(ちょっとショッキングだった)。彼女達の音楽はこの一枚のアルバムに凝縮されていますので、是非とも体験してみて下さい❗️因みに、後に、Y Pantsのセルフ・コンピも出ていますので、そちらの方が入手はし易いかもです。

https://youtu.be/mDyRn2Kg28c

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