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Y Pants “Beat It Down”
皆さんは、この風変わりな名前のバンドを覚えてらっしゃいますか? Y Pantsは、米国NYCで、1979年に、写真家兼音楽家のBarbara Ess (B, Ukelele, Vo)と視覚芸術家のVirginia Piersol (Drs, Vo: 通称Virge Piersol)及びGail Vachon (Kbd, Vo)の女性3人で結成されたNo Waveバンドです。彼女達は、主に、おもちゃのピアノやウクレレ、ミッキーマウスのドラムキットなどの楽器とベースやカシオトーンなどのLo-Techな楽器を用いて、独自の音楽を、主に、マンハッタンのギャラリーなどで演奏していました。当時のNYCでのNo Waveの影響なのか、彼女達はやがてパンクの聖地CBGBなどでも演奏するようになっていきます。そして、Glenn Brancaの協力の元、1枚のアルバム(本作品です)と1枚のEPを出して、1982年に解散しています。また、Y Pantsの特徴は、フェミニズムな歌詞も特徴で、所謂、共用の洗濯場での危険や物質主義、家父長制度などについても歌っており、一方でBertolt Brechtの「3文オペラ」から"Barbara's Song" などもレパートリーにしています。そんな彼女達に呼応するのは、英国のThe Raincatsとも言われていますし、女流小説家のLynne Tillmanも彼女達の為に”Obvious”の歌詞を書いたりしています。彼女達は本作品であるアルバムをリリースして直ぐに解散していますが、その後は、毎年、メンバーの誕生日ごとに再結成(?一緒に演奏)していたようですが、Essは2021年に3月4日に76才で他界しています。 それで、内容なのですが、全体の印象としては、ドコドコしたドラムにスカスカなベースやおもちゃのピアノ或いはカシオトーンが乗っかり、更にウィスパーなヴォーカルが乗ることで、更にスカスカになっていくと言う簡素な音楽で、これが果たして「ロック」なのか?「No Wave」なのか?と考え込んでしまいそうです。スネアを余り使わないリズムは、No Wave的、特にDNAのような趣きもありますが、彼女達の音楽は明らかに空虚であるようです。歌詞が分かればもっと理解できるとは思いますが、多分Au Pairsのようなものではないかと想像します。その真骨頂がB6 “That's The Way Boy's Are”ですね。まあ聴いてみれば分かります(ちょっとショッキングだった)。彼女達の音楽はこの一枚のアルバムに凝縮されていますので、是非とも体験してみて下さい❗️因みに、後に、Y Pantsのセルフ・コンピも出ていますので、そちらの方が入手はし易いかもです。 https://youtu.be/mDyRn2Kg28c #YPants #BeatItDown #NeutralRecords #NoWave #ToyPiano #Casiotone #Ukelele #Bass #Drums #BarbsraEss #VirginiaPiersol #GailVachon #GlennBranca
No Wave Neutral Records 不明Dr K2
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Mars “Mars Archives volume three: N.N. End”
いよいよMars祭りも終盤になってきました。アーカイブの最終章第3弾は”N.N. End”です。この作品は少し遅れてリリースされましたが、Marsのメンバーで、このシリーズのキュレーションをやっているMark Cunningham の言葉を借りると、1978年6月にBrian Enoがプロデュースした”No New York”がリリースされていますが、その時には既に方向性を変えていて、同年12月リリースのMars EPに向けて、よりディープで、より実験的で、より抽象的な方にシフトしていたそうです。本作品のA面は、Max’s Kansas Cityでの7月12日でのライブ録音です。No New Yorkの曲も演っていますが、よりダークな方にアレンジし直していますし、また新曲も演奏されていまます。同年8月中旬でのIrving Plaza (既に紹介済み)でのライブではまだ新曲は披露されてはいませんでした。そして、同年12月のEPリリースの直前に行ったMax’s Kansas Cityでのラスト・ライブでは披露していましたが、録音されたテープは歪みまくって酷いものであったので、それをこのアーカイブには加えることが出来ず、その7月12日のライブ録音を使ったと言うことみたいです。その際.に”Fractions”や”Outside Africa”と言った新曲もまたその頃になると、NYCの地下音楽シーンにはダンス・ミュージックやクラブ・ミュージックが浸透してきたのも要因だったとのこと。A面もB面もラジカセで録音されてますし、それ程、違和感はないので、両方ともこのアーカイブに入れたとのことです。それでも、特にB面は聴きどころですね。 A1 “Puerto Rican Ghost”はやや粘着質な各楽器の絡みでショート・ヴァージョンになっています。A2 “RTMT”は呪術のようなVoが、縦方向に律動する楽曲の中を通り抜けるようなアレンジになっています。A3 “Cairo”は割とタイトな演奏ですが、やはり短目のアレンジ。A4 “Fractions”は新曲で、録音の為かもしれませんが、機関車の様なミニマルな曲です。やはり短目。A5 “Tunnel”はこれまでの録音の中で最も殺気立っているように聴こえます。特にSummerのVo❗️A6 “Hairwaves”はいつもよりも重た目の演奏で、不穏な曲調になっていますが、曲は短くなっています。“Outside Africa”も新曲で、意外とバックの演奏はミニマルですが、雰囲気としては、もう混沌の海の中、或いは幻覚を催すような熱帯夜で、Chinaが叫んでいるかのよう。 では、B面にいきましょう。B1 “N.N.End”は壊れた掃除機のようなギターのノイズの中で、Sumnerの引き攣るようなヴォーカリゼーションが悲鳴をあげている様です。とするとMarkがトランペットかな? B2 “Scorn”は、Nancyのドコドコしたトライバルなドラムに象などの野生動物の鳴き声のようなトランペットらしき音が主役になつています。B3 “Monopoly”淡々としたドラムにツインVoが呪文の様にも聴こえてきます。それにしてもNancyのドラムは味があるなぁ。B4 ”Immediate Stages of the Erotic”では、アンプに繋いであるシールドを指で触った時のノイズ音でリフを作り出している実験的(?)な曲。もうGもBもVoも成立させない「アンサンブル」の如しで、Drsだけで辛うじて「楽曲」になっているようです。 A面の今までもレパートリーはどれも短めにアレンジしてしてありますが、B面のリハーサル・テープではもはやバンドと言う概念を覆すかどうかの瀬戸際でせめぎ合っているかのような危ういバランスで演奏されています。バンドが解散することになるのも然もありなんと言うところでしようか? いやーこんなにMarsばっかり聴いてると、頭、おかしくなりそうです。でも、この作品は後期Marsの貴重な記録なので、Marsファン(っているのかな?)は必聴ですよ❗️ Recorded Live On Cassette At Max's Kansas City - July 12, 1978 A1 “Puerto Rican Ghost” (1:26) A2 “RTMT” (1:57) A3 “Cairo” (2:40) A4 “Fractions” (2:17) A5 “Tunnel” (3:18) A6 “Hairwaves” (3:21) A7 “Outside Africa” (2:14) Rehearsal Cassette - December 1978 B1 “N.N. End” (2:55) B2 “Scorn” (3:04) B3 “Monopoly” (3:32) B4 “Immediate Stages of the Erotic” (5:15) https://youtu.be/9dZRKya5xdY?si=Dqf12Wm0hdNTA58_ [full album + bonus tracks https://youtube.com/playlist?list=PL8dshfU__G3W-bZ1vFHb5hBnsN8TGxlAk&si=QY-BU1720jPPloMK [BandcampのURLです] https://marsnowave.bandcamp.com/album/mars-archives-volume-three-n-n-end #Mars #MarsArchivesVolumeThree:N.N.End #N.N.End #NoWave #NoNewYork #SumnerCrane #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #Fractions #OutsideAfrica #Scorn #Monopoly #ImmediateStagesOfTheErotic
No wave Feeding Tube Records / Negative Glam 不明。Dr K2
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Mars “Mars Archives volume two : 11000 Volts To Tunnel”
またまた、大好き!Marsのアーカイブシリーズ第2弾 “11000 Volts To Tunnel”です❗️この中期辺りが最も油がのっていた頃ではないでしょうか?既に何度も紹介してきていますので、もう野暮なバイオグラフィーは省略しますよ。一応、メンバーだけ書いておきます。Sumner Crane (G, .Vo), China Burg (G, Vo), Mark Cunningham (B, Vo), Nancy Arlen (Drs)の鉄壁の4人です。それで本作品は、1978年の2月5日(A1-A3)及び3月29日(B1-B5)のCBGBと1978年の4月25日のMax’s Kansas City (A4-A7)でのライブをカセット録音されたものをコンパイルしたライブ・アルバムです。キュレーションは、生き残りの1人Mark Cunninghamが行っており、マスタリングもされて、カセット録音ながら、音質も随分とマシになっています。この中で、”Cairo”とら”RTMT”の2曲はスタジオ録音された方がなかったらしいですが、このアーカイブアルバムには、先述の2曲の他に、彼等のファースト・シングル(“3E”と”11000 Volts”)とコンピ・アルバム”No New York”に収録された曲で構成されています。A1 “3E” Velvet Underground (VU)の影響が感じられるノリの良い曲。ここではややダウンテンポしているかな?A2 “Helen Fordsdale”はスライド奏法の痙攣ギターとギチギチと刻む金属質なギターのコンピネーション及びSumnerのVoが凄い。A3 “Cairo”は、珍しくベースとドラムがしっかりとした曲ですが、呪文のようなSumnerのVoとの対比が興味深いです。A4 “11000 Volts”も混乱したようなVUの影が聴取できる曲。A5 “Hairwave”はカオスな演奏なのに、アルバム・ヴァージョンと大差がないのが、逆に凄いです。Chinaの虚なVoもグー。そのままA6 “RTMT”に突入します。この曲では弾けるようなリズムにも関わらず、SumnerとChinaのツインヴォーカルがズレまくってて、逆にカッコいいです。A7 Puerto Rican Ghost”はコンピ・アルバムの中でも全パートがズレまくっていた曲を再現しています。最後に観客の拍手がありますが、恐らく10-15人程度ではないか?と思われます。B面5曲は先述のようにCBGBでのライブ録音です。B1は“11000 Volts”ですが、こちらのテイクの方がベースが聴いていて、カッコいいかな? B2 “3E”ですが、混沌としてはいますが、やっぱりカッコいいです。B3 “Cairo”はこちらの方が、曲の輪郭がハッキリしてますね。客のノリが凄い❗️B4 “Tunnel”はアルバムよりも(Summary のVoを除くと)整然としている感じですが、これぞNo Waveな一曲ですね。B5 “Hairwaves”は虚なChinaのVoに切り裂くようなギターやドラムなどが絡んできます。しかしながら、これでちゃんと終われるのも凄いです。また観客の盛り上がりも凄いです❗️初期から中期のMarsを知るには本作品は最適ですので、是非とも聴いてみて下さい! Side A / 1-3 CBCB's February 5th, 4-7 Max's K.C. April 25th A1 “3E” A2 “Helen Forsdale” A3 “Cairo” A4 “11000 Volts” A5 “Hairwaves” A6 “RTMT” A7 “Puerto Rican Ghos Side B / CBGB's March 29th B1 “11000 Volts” B2 “3E” B3 “Cairo” B4 “Tunnel” B5 “Hairwaves” [BandcampのURL] https://marsnowave.bandcamp.com/album/mars-archives-volume-two-11000-volts-to-tunnel #Mars #MarsArchives:VolumeTwo #11000VoltsToTunnel #FeedingTubeRecords #LiveAlbum #NoWave #3E #HelenFordsdale #Cairo #11000Volts #Hairwaves #RTMT #PuertoRicanGhost #Tunnel
No wave Feeding Tube Records (Negative Glam) 不明。Dr K2
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Mars “Live At Artists Space”
私の大好きなNo Wave Band、それがMarsです。これは、No Waveの教科書的コンピ”No New York”を聴いた時に、訳が分からず、本当に頭で理解することが最も困難であったバンドだからです。確かにJames Chance & The Contortionsはカッコいいんですが、Marsは最後まで理解出来なかったけれども、どこか頭の中にこびりついていたサウンドを奏でるバンドだからです。メンバーはSummer Crane (Vo, G), China Burg (G, Vo), Mark Cunningham (B, Vo), Nancy Arlen (Dr)と言う当たり前のような4ピースのバンドにも関わらず、出してる音楽は殆ど「音楽」とは言えないものであった訳で、後々になって、彼等はVelvet Undergroundに近い立ち位置にいたのだなと思えるようになりましたが、Marsはそれを無意識的に演っていたんだと思います。まあ、ここら辺のことは、語り出すと止まらなくなるので、ここら辺にしておきますが、本作品は1978年5月6日に、NYCのArtist’s Spaceで行われたライブを、2種類のカセットレコーダーで録音したものをそれぞれSet OneとSet Twoとして収められているアルバムです。Set OneはNakamichi 550で、Set Twoはバイノーラル録音機の模造品で録音されています(それ程変わらないようにも思えますが、Set Twoの方が生々しいかな?)。曲は名曲”3E”のような初期の曲から”Tunnel”や”Puerto Rican Ghost”のNo New York期までの持ち歌が収められています。珍しくノリの良い”3E”で始まり、激しいぶつかり合いの”Cats”〜ややダウナーな11000 Volts”へ。更には緊張感マックスの有名曲”Helen Fordsdale”へ。未発表曲(?)で彼等の独特のアンサンブルが聴ける”Cairo”から、これまたギターとは思えない”Tunnel”。そして鬱々たる雰囲気の強い”Hairwaves”からのツインヴォーカルが特徴的で皆んなバラバラなアンサンブル”Puerto Rican Ghostで締めています。やっぱり、最高のAnti-ensembleですね。よだれが出てきます。曲目は良いのですが、Set oneとSet twoが録音違いだけなので、少し、マニア向けかもしれませんね!それでも聴きたい方は是非! Set One A1 “3e (Fragment)” A2 “Cats” A3 “11000 Volts” A4 “Helen Fordsdale” A5 “Cairo” A6 “Tunnel” A7 “Hairwaves” A8 “Puerto Rican Ghost” Set Two B1 “3e” B2 “Cats” B3 “11000 Volts” B4 “Helen Fordsdale” B5 “Cairo” B6 “Tunnel” B7 “Hairwaves” B8 “Puerto Rican Ghos https://youtu.be/AupQ2LHbmWs?si=EHWzPEY06Z6M1e1k #Mars #LiveAtArtistsSpace #FeedingTubeRecords #NegativeGram #LiveRecording #LiveAlbum #SumnerCrane #ChinaBark #MarkCunningham #NacyArlen
No wave Feeding Tube Records / Negative Glam 不明。Dr K2
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Lydia Lunch “Hysterie”
NYCの裏の女帝にして、No New Yorkの立役者、Lydia Lunchの初期音源集が、この”Hysterie”です(如何にも彼女の生き様を表しているタイトルだと思います)。音源は彼女が1976-1986年に関わったパンドの集大成と言えるでしょう。 先ず1枚目LPのA面がTeenage Jesus and the Jerks (このグループで一気に彼女の名前が知れ渡ったと言っても過言ではないでしょう)です。メンバーはLydia Lunch (G, Vo), Bradly Field (Drs), James Sclavunos (B)或いはGordon Stevenson (B)のトリオで、1978年のCBGBでのライブからの音源です。この時、彼女は「楽器は弾けなければ、弾けないだけ良い」との名言を残しています。ロータムとスネアだけのBradlyのドラムに単調なベース、LydiaのヒステリックなVoと引き攣るようなギターがルーズに絡まっている音楽ですが、それ故に凄いエネルギーを感じます。”No New York”収録曲が主に収録されていますが、ライブにおける、そのような曲の再現性が素晴らしいです。 1枚目LPのB面がBeirut Slumpで、メンバーは、Lydia (G), Bobby “Berkowitz” Swope (Vo, Vln), Liz Swope (B), Vivienne Deck (Organ), James Sclavunos (Drs)で、このパンドではLydiaは歌っていません。元々、Lydiaの呼びかけで始まったバンドです。リハーサルは結構やっていたようですが、ライブは3回くらいしかやっておらず、また1979年に、シングル"Try Me/Staircase"をレーベルMigraineから1枚出しただけです。Lydiaのギターは明らかにNo New York的ではありますし、BobbyのVoも、歌うと言うよりは叫ぶタイプのぶっきらぼうな感じですが、他のメンバーによるのか、曲もそれなりの体裁や構成も有しています。余り知られていないのが、ちょっと残念ですね。 2枚目LPのA面は8 Eyed Spyで、メンバーは、Lydia (Vo), Pat Irwin (Sax, G, Piano, B), Michael Paumgardhen (G), James Sclavunos (Drs)或いはGeorge Scott The 3rd (B)となります。彼女の音楽キャリアの中で最も「普通」の曲を、彼女は、スキルのあるバックバンドとして歌っています。時にジャジィーに時にカリプソ風に、またスイング風にアレンジされています。こればちょっと驚きましたね、Voスタイルや声質は明らかにLydiaなのに!そんな彼女の一面をみた感じです。 2枚目LPのB面はSlow Chokeと題されていますが、その他諸々で、D1 ”I Feel In Love With A Ghost”の方はLydia Lunch & Rowland S. Howard名義の録音で、Lydia (Vo), Rowland S. Howard (G), Genevieve McGuckin (Piano), Barry Adamson (Drs)で1982年に仕上げています。ある種、ダルなLydiaのVoがムーディーですらありますね。D2では更にはLydia (Vo)でバックが、独逸のDie Hautが仕上げているのか”Der Karibische Western”です(これは名曲です!)。タイトルからも分かる通り、ウエスタン・スタイルの超絶カッコいい曲です。D3ではデンマークのパンクパンドSort SolとLydiaの共作“As She Weeps”ですが、モロパンクと言うよりもポストパンクですかね?スローな曲にLydiaの(堕)天使のような、必死の祈りの唄のようなVoが最後に配置されていると言う粋な図らいです。 とまあ、本作品を何度も聴き返すのは精神的にキツいので、ここら辺でやめておきますが、初期Lydia Lunchの活動を知る上ではこれは外せませんね。皆さんも聴いてみて下さい。 Lydia Lunch & Rowland S. Howard “I Fell In Love With A Ghost” https://youtu.be/QE9rE0J_RzI Die Haut “Der Karibische Western” https://youtu.be/uagKcel3mY8 #LydiaLunch #Hysterie #WidowspeakProductions #TeenageJesus&TheJerks #BeirutSlump #8EyedSpy #SlowChoke #NoWave #JazzyMood #Hysteric #DieHaut
No Wave Widowspeak Productions 2399円Dr K2
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Mars “78”
しつこい!とも言われてますが、またまた、登場のNo WaveバンドMarsです‼️バイオグラフィーは前回のを参照してください。それで、Lydia LunchのレーベルWindspeak Productionsよりリリースされたセルフ・コンピがこのアルバム”78”です。これは今までのライブ録音など集めたセルフ・コンピなのですが、1986年にミックスをFoetusことJ.G.Thirlwellがちょこっと行なっています。しかし、メンバーはそのミックスが気に入らなくて、自分達でミックスし直した”78+”をCDフォーマットで1996年にAtavistic Recordsから出しています。その時の雑誌には「Marsは明らかな混沌の中から、本当に面白い音楽を作ら出している。ヴォーカルは弾け、ギターやベースやドラムの音はそれらに取り込まれたり、外されたりして、皆んなが一度に色んな方向に向かって行くように思える。その狂ったような大音量の中で行われている為、バンドは妙に説得力のある方向を向いているね。」と評されています。バンドメンバーのJ. G.Thirlwallに対する不満は強く、その為、2003年にスペインのレーベルG3G と Spookysound から、新たにスタジオ・レコーディングがなされた音源が発売されました。それが”Mars LP: The Complete Studio Recordings, NYC 1977–1978 “ですが、内容はよーく聴き込まないと分からないですが、苦笑)。先述の様に、Sumner Craneは悪性リンパ腫で2003年4月15日に他界してしまい、Nancy Arlenも心臓の手術の後、2006年9月17日に他界しており、バンドのマネージメントは、スペインに移住したMark Cunninghamが引き受けているようです。なので、多分、Markが気に入らなかったのでしょう(ところで、China Burgさん、解散後、どうしたんでしょうか?してる方がいたら教えてちょ!) と言う訳で、本作品についてですが、これは、言わば、Marsのベスト盤的な選曲です。A面はMarsにしてはノリの良い名曲”3E”で始まり、名盤”No New York”に収められていた曲が続きます。B面は”Monopoly”にはじまり、極初期の曲”Cairo”や”Cats”などと新し目の曲”Outside Africa”も収められています。しかし、Velvet Undergroundの影響を受けたとは言え、ここまで「酷い」音楽(勿論、褒め言葉です)は凄いです。不調和のアンサンブルと言うか、ノイズでもなく、ロックと言うには壊れすぎてる。最早敵無しですね。ただ、本作品はJ.G. Thirlwellの為か、幾分聴きやすくなっている印象があります。ライブトラックも使っているみたいですが。Phewさんが何処かで書いていましたが、「Marsの無意識の音楽だから、命に関わるの」と言う様なことを言っていましたが、正に、その通りだと思います。彼等はこれを音楽として提示した時から、無意識を掘り起こしたのかもしれませんね。そんな恐ろしい音楽ですが、これは聴きやすいので、是非、見つけたら、買って聴いてみてください。私も”78+”の方も聴きたいです! A1 “3-E” A2 “11,000 Volts” A3 “Tunnel” A4 “Helen Forsdale” A5 “Puerto Rican Ghost” A6 “The Immediate Stages Of The Erotic” B1 “Monopoly” B2 “Cats” B3 “Cairo” B4 “Hairwaves” B5 “Outside Africa” A1 “3-E” https://youtu.be/Ds-I_xA-Prw?si=uKy55EHq1NHiKkVr A2 “11,000 Volts” https://youtu.be/4RDfQhPf16g?si=9VjYgEHEPUIhaMRD A4 “Helen Forsdale” https://youtu.be/rigg3ovRNzc?si=jm4eNQ9S8yoef0LO B1 “Monopoly” https://youtu.be/aD5LFuQhVFA?si=APDZz6xtxqNiE6ns B2 “Cats” https://youtu.be/xP5e9nKBHVE?si=8oWu0uJNdsgjacgv B3 “Cairo” https://youtu.be/yzKWiOAfqxw?si=DpzTyEzVVwL0lwql B5 “Outside Africa” https://youtu.be/ILu9nnZxWDc?si=e49jC7YO3UbSfRvh #Mars #78 #WindowspeakProductions #J.G.Thirlwell #NoWave #SumnarCrane #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #NoiseRock #VelevtUnderground
No wave Widowspeak Productions 不明。Dr K2
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Mars “Rehearsal Tapes & Alt. Takes NYC 1976-78”
もう、この音源、どの媒体でも似たようなものをいくつも買てるんだろ⁉️と思わせる、元祖No WsveバンドMarsの短い歴史を網羅したアルバムLP3枚組の登場です!Marsの始まりですが、Lucy Hamilton (China Burg或いはConstance Burg)とMark Cunningham が、1975年にSumner CraneとNancy Arlenに会って、Velvet Underground (VU)のことで意気投合し、バンドを始めました。幸いSumnerは子供の頃、ピアノを習っていて、Markはトランペットやギターをやっていたらしいのですが、ベースも少しかじっていました。それで、まずパートをどうするか?で、Lucyはギターを、Nancyは紙袋をパーカッション代わりに叩くとして、Nancyのロフトでジャム・セッションをやり始めました。初めはVUの曲を、そして自分達の曲を演奏し始めます。LP1A面 「Piano Session」では1976年夏のジャム・セッションで演奏したVUの”Pale Blue Eyes”を VoがSumnerのヴァージョンとChina(Lucyのこと)がVoのヴァージョンの2曲が収められています(これが白眉‼️)。”Cry”は初めて作ったオリジナル曲です。また、LP1A面の最後の曲は、The ContortionsのJudy Harrisのギターを加えた”Leather Jacket”です。その時、Judyはこのバンドの事をべた褒めしています。しかしながら、演奏できるヴェニューにはピアノが置いてないので、Sumnerは悩んでました。そこで、4人はアコースティックな楽器からエレクトリックな楽器へとシフトし、Sumnerはエレキ・ギターに、またNancyもドラム・セットを購入します。それで、1977年6月にCBGBのMonday audition slotで、初めて4人組として出演しましたが、その時にはまだバンド名が決まっていなかったので、誰が言い出したか分かりませんが、Chinaと呼ばれます。その時の演奏がLP1B面「June ‘77 - China To Mars」に収められています。これは凄いです!と言うかAunt Sallyのライブのようです!そして、この時期ではまだ「楽曲」っぽいですね。既にこの頃には名曲”3E”が演奏されています。この頃、Nancyのロフトでのリハとかが余りの大音量であったので、ロフトの隣人からクレームが付き、彼等は、Teenage Jesus & The JerksのDon Christensenがスクワットしていた場所に移動し、Teenage Jesusらと頻繁に対バンすることになります。LP2A面は「December ‘77 - 11000 Volts」では、それ以前の雑然としていた曲をもっと実験的に演奏するのはどうしたらいいか?社会的断絶を不協和音にするにはどうしたらいいか?と言う命題の下、初期の曲のヴァージョン違いを作り試していたみたいです。LP2B面は「No New York Alt. Takes」と題された、世紀の名盤”No New York”のスタジオ録音の際に、カセットで録音したヴァージョンやラフ・ミックスなどからなっています。これらは門外不出(?)なので、貴重です。LP3A面は「July ‘78 - Scorn」と題されており、これは、Lydia Lunchが住居兼リハスタとしていたDelaney StreetのDuplexに引っ越した1978年春、デ・チューンされたギターやベースで、より進化(?退化?)した自分達の音作りや難解なSumnerの歌詞に舵を切ったバンド・サウンドの記録です。A面最後にはテープが切れて、唐突に終わる曲が、収められていますが、Markにも曲名は分からないとのことです。LP3B面は解散する直前辺りのライブ録音で、「November ‘78 - NN End」と題されています。Marsとしては、セッション録音である”Mars EP”が出てすぐの12月にMax’s Kansas Cityで最後のライブを行なっています。なので、そのちょっと前と言うことになりますが、ここに収められている曲はその時点での新曲ばかりですね。そしてこの後、またAmerican Thread Buildingのオフィス跡に最後の引っ越しをします。大体、この3枚組のアルバムは、Marsの一部始終が年代毎に整理されていますので、その足取りを追うにはベストなレコードだと思います(ちょっと高いけど)。それとNo Waveファンは必須アイテムですぞ‼️ ◼️LP1: Summer '76 - The Piano Sessions A1 “Sumner Piano Solo” A2 “Pale Blue Eyes (Sumner)” A3 “Pale Blue Eyes (China)” A4 “Cry” A5 “I Can Feel It” A6 “Leather Jacket ⬜︎June '77 - China To Mars B1 “Look At You” B2 “Son of Sam (Crazy Like You)” B3 “Cry” B4 “3E” B5 “Plane Separation” B6 “Cats” B7 “Don’t Be So Sensitive” ◼️LP2: December '77 - 11000 Volts C1 “11000 Volts” C2 “11000 Volts” C3 “Cats” C4 “3E” C5 “11000 Volts Jam” ⬜︎No New York Alt. Takes D1 “Helen Forsdale (LP Takes Rough Mix)” D2 “Helen Forsdale (Alt. Take)” D3 “Puerto Rican Ghost (2 Takes Drums And Vocals)” D4 “Puerto Rican Ghost (Alt. Take)” D5 “Puerto Rican Ghost (LP Takes Rough Mix)” D6 “Hairwaves (Alt. Take 1)” D7 “Hairwaves (Alt. Take 2)” D8 “Hairwaves (Alt. Take 3)” D9 “Tunnel (LP Take Rough Mix)” ◼️LP3: July '78 - Scorn E1 “RTMT” E2 “Cairo” E3 “Cairo” E4 “Scorn” E5 “Tunnel” E6 “Hairwaves” E7 “Untitled Mystery (Tape Cuts Off)” ⬜︎November '78 NN End F1 “NN End” F2 “Scorn” F3 “Monopoly” F4 “Mummy Talk Pauses” F5 “Monopoly” F6 “Immediate Stages Of The Erotic” [original cassettes] https://youtu.be/tmF5_5cbHMk?si=JyFwhNpyWkOECvrg #Mars #RehearsalTapes&Ant.Takes1976-1978 #ImprovedSequenceRecords #LiveRecording #LiveAlbum #NoWave #NoNewYork #SumnerCrane #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen
No wave Improved Sequence Records 6000円位Dr K2
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V.A. “No New York”
私はこのアルバムを最初に聴いたのは、阿木譲氏がパーソナリティを努めてしたラジオなんです。兎に角、衝撃を受けました。未だに、聴く度に、発見のあるアルバムです。収録されているのは、The Contortions, Teenage Jesus & the Jerks, Mars, DNAの4組なんですが,どれも素晴らしい音楽を奏でています。あと、この頃に出たオムニバムアルバムはこの作品の裏ジャケを真似たのが多かったですね。特に、The ContortionsのJames Chanceが目に青タン作って載っていたり、明らかに東洋人の森郁恵さんがIkue Ileと載っていたり、他のメンバーもヤバそうな人ばかりでした。このアルバムはBrian Enoのプロデュースですが、必要以上に硬質な音で録音されています。それで、A面1曲目のThe Contortionsの”Dish It Out”の爆走する曲だけで、充分ノックアウトされてしまいますね。未だに私にとってのフリージャズのサックスのデフォはJames Chanceとなっています。まあ、この4組の中では一番「格好良さ」が分かりやすいとも言えます。続いて、ダルな演奏を繰り広げるTeenage Jesus & The Jerksは不協和音だらけで、ショッキングでした。しかし、バンド名はめちゃカッコいいですね。B面はMarsなんですが、これはEnoのプロデュース力が遺憾無く発揮されており、また演奏も、元から合わせる必要を度外視したアンサンブルで、初めて聴いた時、「なんだ!この音楽は!これでも音楽か?」と度肝を抜かれてしまいました。後々、このMarsが一番のフェイバリットになり、今でも追い続けています。最後はDNAなんですが、Robin Crutchfieldのキーボードがカッコよく、今から思うにArto Linsayのギターはまだ爆発していない様に思います。この時のDNAの印象としては「記号的」音楽とも言えましょう。 こんなかっこいい音楽が詰め込まれたアルバムが、既に1978年に出ていたのはやはり衝撃でしたし、Enoの目利きの良さも後になって納得できました(ただ、Enoは積極的に音をいじっていないと言う噂もあります)。このアルバムがリリースされた当初は大手音楽雑誌ではこてんぱんに評されましたが、リスナーは高値でも良いから聴きたいと言う人も多かったらしいです。まあ,このアルバムに関しては、何度もリイシューされており、また色んな方が紹介していますので、細かいデータは書きませんが、兎に角、未聴の方には是非とも聴いて頂きたいアルバムです。 A1 The Contortions “Dish It Out” (3:15) A2 The Contortions “Flip Your Face” (3:09) A3 The Contortions “Jaded” (3:50) A4 The Contortions “I Can't Stand Myself 5:00 A5 Teenage Jesus & The Jerks “Burning Rubber” (1:42) A6 Teenage Jesus & The Jerks “Closet” (3:45) A7 Teenage Jesus &The Jerks “Red Alert” (0:32) A8 Teenage Jesus &The Jerks “I Woke Up Dreaming” (3:06) B1 Mars “Helen Fordsdale” (2:27) B2 Mars “Hairwaves” (3:38) B3 Mars “Tunnel” (2:37) B4 Mars “Puerto Rican Ghost” (1:00) B5 D.N.A. “Egomaniac's Kiss” (2:08) B6 D.N.A. “Lionel” (2:04) B7 D.N.A. “Not Moving” (2:35) B8 D.N.A. “Size” (2:10) https://youtu.be/nul3A0pS_oc?si=SsmkkAAb6MRIg2Mh [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLoIzyRxu9KXzrwqd63nuqaV_VLWJIQHSS&si=SCtIKD8IYSyYKVAK #VariousArtists #NoNewYork #Antilles #TheContortions #JamesChance #JodyHarris #PatPlace#AdeleBertei #GeorgeScottIII #DonChristensen #TeenageJesus&TheJerks #LydiaLunch #GordonStevenson #BradlyField #Mars #SumnerCrane #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #DNA #ArtoLindsay #RobinCrutchfield #IkueMori #NoWave #NYUnderground #NoiseRock
No wave Antilles 3000円位?Dr K2
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Mars “Live At Irving Plaza”
以前にも紹介したNYのMarsですが、もう少し補足を。メンバーはSumner Crane (Vo/G), China Burg (G/Vo), Mark Cunningham (B), Nancy Arlen (Dr)の4人組で、1974年結成、1979年解散しました。元々はChinaと言うバンド名だったようですが,短期間の内にMarsに変更していました。Sumnerは最初期には、Velvet Undergroundのようなバンドを想定して、ピアノを弾いており、Nancyが紙袋(!)を打楽器代わりに叩いていたとのことです。メンバー全員がそれまで音楽経験はなかったらしく、Marsがメンバー全員にとって最初のバンドでした。そんなMarsの1978年8月4日のライブを収めたのが本作品になります。しかも、これをカセットで録音したのが、”No New York”をプロデュースしたBrian Eno自身です。マスタリングなどもされてはいますので、音は比較的鮮明ですが、彼らの混沌としたパンド・サウンドを体験するには充分であると思われます。初期の曲はともかく、アンサンブルとして合わせようとすることが殆ど感じられず、しかしながら、ちゃんと曲が終わるのは、彼らの中には確実に「パンドである」との意識があったからでしょう。またB面を占める”NN End”は、Rudolph Grey (G)の参加もありますが、更に混沌した音世界を現出させています。Marsは短命なバンドでしたが、個人的には、”No New York”の中で、最も好きなバンドです。それは、前述のコンピが発売されて、某阿木譲氏のラジオ番組で聴いた高校生の時から痺れ続けています。「これは音楽か?音楽とは何か?」と言う問いを投げかけてくれたバンドだからです。なお、Sumnarは2003年に悪性リンパ腫で、Nancyは2006年に心臓の手術後、亡くなっています。 A1 “Outside Africa” (2:42) A2 “Puerto Rican Ghost”’(1:28) A3 “Hairwaves” (3:45) A4 “Fractions” (2:51) A5 “Immediate Stages Of The Erotic” (4:03) B “NN End (With Rudolph Grey)” (15:21) https://youtu.be/JpnOQfyvURE?si=xObqJP_NonYkcqn- #Mars #LiveAtIrvingPlaza #NoWave #NoNewYork #FeedingTubeRecords #NegativeGlam #LiveRecording #LiveAlbum #LimitedEditions #500部 #SumnerCrane #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #Guest #RudolphGrey
No wave Feeding Tube Records/Negative Glam 2380円Dr K2
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Mars “Mars Archives volume one:China to Mars”
Brian Enoがプロデュースしたことで世界に衝撃を与えたコンピレーション”No New York”の中でも、更に衝撃的だった4人組Mars。近年、発掘音源が出されてきており、これも1977年のライブ音源。まだこの頃はヴェルヴェット・アンダーグランドと影響を感じることができる演奏だが、ここに各パートが合わせることを拒むような彼等の方向性を見出すことも可能。なお、メンバーの内、DrのNancy ArlenとVo/GのSamner Craneは病死している。これはわざわざスペインのレコード店から直で購入した。 Side A China名義 (February & June 1977) A1 “Cry” A2 “No Idea” A3 “Can You Feel It?” A4 “Big Bird” A5 “Red” A6 “Look At You” A7 “E (Early Version)” Side B Mars名義 (September 1977) B1 “Cats” B2 “Cry” B3 “3E” B4 “Plane Separation” B5 “Compulsion” B2 Mars “Cry” https://youtu.be/60fbb724HJU?si=0UiwhlBbXOHjq-00 B4 Mars “Plane Separation” https://youtu.be/XTwKq0ZzjRg?si=_t-Yllm20YawqFGQ B5 Mars “Compulsion” https://youtu.be/WduJVYKb8Kw?si=JTenj7AHihiMDuIl #Mars #MarsArchivesVolumeOne:ChinaToMars #NoNewYork #FeedingTubeRecords #NegativeGlam #China #LiveAlbum #LimitedEditions #800部 #LiveRecording #EarlyRecording #NoWave #ConstanzaBurg #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #SumnerCrane
No wave Feeding Tube Records / Negative Glam ¥3000くらい?Dr K2