Tom Robinson Band “Power In The Darkness”

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もう皆んな、忘れちゃったかな?一世を風靡したTRBことTom Robinson Bandのファーストアルバムの登場です。パンク勃興の時期に出てきたことと初期からLGBTQの権利を守るアティテュードを示していたことから、パンクの仲間と思われていますが、寧ろ正当なブリティッシュ・ロックのバンドであり、パンクとは言えないですね。バイオグラフィーを少し。元々は13歳で自分がゲイであることに気づいたTom Robinsonが自殺未遂や専門の学校に移らされたりしたのですが(当時、英国ではゲイは罪であり、投獄されていた)、1973年にアコースティック・トリオCafé Societyをで活動を開始していますが、ファーストアルバム600枚を売って、直ぐに脱退し、自身のバンドTom Robinson Bandを作ります。時代的にSex Pistolsに影響を受けた彼はすぐに,ゲイ・シーンと繋がり、ゲイやレズビアンの権利を得るための音楽をやるバンドとして、先ず旧知のDanny Kustow (G)を誘い、Brian "Dolphin" Taylorを連れてきます。それでオーディションでベーシストとしてMark Amblerを採用しますが,実はMarkは鍵盤楽器が出来ることを知り,MarkをKbd担当にして、Tom自身はBとVoになります。そうして1978年にTRBは結成されます。ライブハウスで、パンクバンドと一緒に出演していきますが、その噂を聞き付けたEMIと契約します。その後もゲイやレズビアンについてのリーフレットやチラシを配布しています。また、The ClashやX-Ray Spexと共にRock Against Racismにも出演しています。彼等のファーストシングル"2-4-6-8 Motorway"が1977年後半にリリースされ、UKチャートで5位まで上がります。その後、1977年11月のライブトラックからの4曲入りEP”Rising Free”をリリースしますが、このEPには彼等のプロテストソング”(Sing If You’re) Glad To Be Gay”が収録されています。それで1978年にファーストアルバムである本作品がリリースされます。このアルバムはUKチャートの4位まで上がり、ベストUKバンドとも言われました。その直後、KbdのiMarkが脱退したので、ヘルプでNick Plytasが加入、セカンドアルバムの作製にかかりますが、この頃にパーマネントのKbd担当に Ian Parkerが加入。しかし、DolphinがプロデューサーをTodd Rundgrenに代えるべきだと進言しましたが、実際にはDolphinは気に入らず、ゴタゴタが起きます。結果、ドラマーはCharlie Morganになります。それでツアーに出たのですが、今度はギターのDannyが1979年に脱退し、バンドは消滅してしまいます。ザックリとこんな数奇な運命のバンドでした。
それで、彼等のファーストアルバムの本作品”Power In The Darkness”ですが、兎に角、演奏がタイトで、カッコいいいです。それとTomの作曲能力やメンバーのアレンジ力も凄いです。当時出てきたパンクバンドとは一線を画すテクニックを全員が持ったロックバンドですね。彼等のプロテストソング”(Sing If You’re) Glad To Be Gay”が入っていないのが、ちょっと残念ですが、どんなパンクバンドにも負けない演奏テクとソングライティング、辛辣な歌詞を持ったバンドであり、聴いていて飽きませんね。シングルカットされた”2-4-6-8 Motorway”もキャッチーです。昨今のLGBTQの権利を声高々に歌い上げたTRBの辛辣なロック・アルバムを聴いてみてください。

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLKdCN0xE8luR1HF9q9O7vlY5gCzS-MXkX

#TomRobinsonBand #PowerInTheDarkness #LGBTQ #EMI #ProtestSong

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