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Gang of Four “Songs Of The Free”
続きますが、Gang Of Fourのサードアルバム”Songs Of The Free”の紹介です。Gang of Fourのバイオグラフィーは以前の紹介で書いてありますので、ここでは省略させて頂きます。でも、一つだけ。セカンドアルバム”Solid Gold”を出してから、1981年に、バンド創設者の1人であるDave Allen (B)が脱退します。その直後にはBusta “Cherry” Jones (B)が加わりますが、バンドの北米ツアーが終わると、彼も脱退し、League of GentlemenのSara Lee (B)が加わります。彼女はベースだけではなく、シンガーとしても才能があったので、このメンツで、本作品”Songs Of The Free”を作製します。この時のバンドの方向性はよりコマーシャルにと心掛けていたようです。A2 “I love a Man with a Uniform”は本作品の中でもラジオで掛かり易い曲でしたが、1983の春にフォークランド紛争が起こった為、そのシングルのリリースは暫くの間、禁止されてしまいます。そう言う背景もあって、Hugo Burnham (Drs)も本アルバムがリリースされた後、脱退しています。まあそんなところですが、本アルバムの内容はDaveとはちょっと違ったSaraのBやBack-Voを聴くことが出来ます。全体的には米国寄りな音作り/アレンジになっており、特に、ラップ調にも歌うBackingVoをA1 “Call Me Up”に取り入れたり、Jon Kingの歌い方と言うよりも、コーラスのゴージャスさが米国受けしそうな感じです。またAndy Gillのギターもフィードバック奏法は抑えられています。しかしながら、B面の曲では、ギターの引き攣ったコードを刻む音まで入っており、そこら辺にポスト・パンクな立ち位置としての意地を見せているように思います。初めて聴いた時は、ちょっとこれは米国チャートを意識し過ぎてるなぁとも思いましたが、何度も聴いていると、細かいところに、ギミック的アレンジがほどこされており、まだAndyの荒々しいギターも聴かれ、Sara LeeとHugoのファンク的なアレンジの妙もあって、聴けば聴く程に、スルメのように旨みが楽しめるようなアルバムになっています。そんな意欲的な彼等のアルバム、聴いてみませんか? https://youtu.be/NilQ4BejtBE #GangOfFour #SongsOfTheFree #EMI #PostPunk #AvantFunk #SaraLee #AndyGill #JonKing #HugoBurnham #Arrange
Post Punk / Funk EMI 1500 円Dr K2
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Gang of Four “Hard”
これは完全に騙されたな。Gang of Fourの4枚目のアルバム”Hard”です。アルバムタイトルにやられた!バイオグラフィーは前回も書きましたので、この作品の前後だけ少々補足しておきます。1981年にセカンド・アルバム”Solid Gold”をリリースした後に、Dave Allen(B)が脱退、一時期、Busta "Cherry" Jonesがヘルプで参加していましたが、The League of GentlemenのSara Lee (B)が正式に加入。1983年にHugo Burnham (Drs)が脱退。同年に残った3人で、本作品でもある4枚目のアルバム”Hard”を作製。1984年にバンドは解散しています。その後、何度も再結成と解散をしますが、肝心のギターのAndy Gillが2020年2月1日に64歳の若さで呼吸不全にて他界してしまいます。ただ、バンド自体は、2021年10月に創設メンバーのJon King (Vo)とHugo Burnham (Drs)に加えて、Sara Lee (B)と、Andy Gillの代役としてSlintのDavid Pajo (G)で再結成され、現在も活動中です。 それで本作品ですが、Punk Funkなバンドなのにドラマー不在で作られており、恐らくドラムマシンをこれでもか!と言う風に前面に押し出したミックスになっており、あのAndy Gillのフィードバック奏法やウィルコ・ジョンソン譲りのカッティングが余り聴こえないのが、Gang of Four として今一つなんですよねぇ。それにJonのヴォーカルもかなりクリーントーンでまるでメジャーアシンガーのようです。確かにベースとドラムマシンの掛け合いや、コーラスやストリングスの大胆な導入も、新しい局面かもしれませんが、初期のトンガっていた頃のファンとしては、ちと残念なアルバムでした。でも彼等にしたら、新しいダンス・ミュージックを提示したアルバムと言っても過言ではないかと思います。好き嫌いが分かれるアルバムですが、一回は聴いてみる価値はあると思いますよ、 “A Man With A Good Car” https://youtu.be/XvNmQGol9FM “I Fed” https://youtu.be/7BVuxEvBOxQ #GangOfFour #Hard #EMI #PostPunk #PunkFunk #Choir #Strings #JonKing #AndyGill #SaraLee
Post Punk / Funk EMI 不明。Dr K2
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Grauzone “s/t”
Neue Deutsche Welleの波は、隣国スイスにも波及したようで、このGrauzone(「グラウゾーネ」?「グラウツォーネ」と発音?)もその代表ですね。スイスのBernで、1980年に結成されて1982年には解散と言う一発屋(?)のようなパンドです。Marco Repetto (Dr)とChristian Trüssel (B; 別名GT)はスイス初のパンクパンドGlueamsで一緒に活動していましたが、何か新しい音楽性を探るべく、Martin Eicher (G/Vo/Synth)と1979年後半から試行錯誤してきました。Martinはその時Glueamsのヘルプも行っていましたし、彼らのシングル”Mental”でもヘルプしてます。この新しいトリオでGrauzoneとしての初ライブは1980年3月にベルンのClub Spexで行われ、その頃からMartinの兄弟のStephan Eicher (G/Synth)やMax KleinerとClaudine ChiracがSaxでライブやレコーディングの時にヘルプに入ります。スイスは勿論、独逸やオーストリアでもチャートインする程の人気があったみたいです。特に1981年リリースの "Eisbär (Polar Bear)"は一番有名なヒットソングです。それてで、10回のライブと4枚のシングルそして本作品でもあるアルバム1枚を出して、Grauzoneは1982年の終わりに解散します。その後も各メンバーはソロなどで活動を続けたみたいです。 それで、本作品ですが、本場のNDWのバンドよりも曲自体は少し洗練されていふように感じます。確かにシンセの使用やリズムボックスやテープ音(B面最後の曲とか)の使用はあるのですが、少しばかりのユーモアと上品さを纏っているかのようです。しかし私ははこのアルバムを買った時には、彼等がスイスのパンドとは全然知りませんでした。だけども、今、聴き直してみると、NDWとはちょっとだけ違うなと感じます。初期のNDWの破天荒さに欠けると言うかこじんまりまとまっていると言うか。でも、少しのユーモアがあるのは良いですね。それにヴォーカルも拗ねているみたいにぶっきら棒で。そんな訳で、スイスにも飛び火したNDWの典型なので、スイスのニューウェーブに興味のある方は聴いてみて下さい。 https://youtu.be/Y0jPRwuV8Zg #Grauzone #EMI #Swiss #NeueDeutscheWelle #Synthesizer #Glueams #NewWave #MarcoRepetto #GT #MartinEicher
Neue Deutche Welle /Techno EMI 不明Dr K2
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Kraftwerk “Trans-Europe Expres"
これは基本中の基本ですね、Kraftwerk (本来なら「クラフトヴェルク」ですが、世界では「クラフトワーク」と言う英国読みが主流)の久々の登場です。単独アルバムとしては、彼等の7枚目のフルアルバムになります。バイオグラフィーはとんでもなく長くなりますし、以前にも書いたと思いますので、割愛します。いやいや、ちょっと書いておこうかな?オリジナル・メンバーのFlorian Schneider (Flute, Synth, Vln ) とRalf Hütter (Organ, Synth) で、1960年代後半にはDüsseldorfのRobert Schumann Hochschuleの学生でした。実験音楽がやりたくて、彼等はOrganisationと言うグループを結成。LPを一枚出して、辞めてしまいます。その後、Kraftwerk (発電所の意味)を結成、初期ではKraftwerkは割と自由度の高い即興的演奏をやってました。後にNeu!を結成することになるMichael Rother (G)とKlaus Dinger (Dr)とのセッションは熱狂的だったそうで。それでフリーフォームなロック・アルバムを3枚出した後、1974年に5枚目のアルバム”Autobahn”をリリース。この際、Ralf HütterとFlorian SchneiderはMinimoogとかEMS Synthi AKSと言った新しい楽器を取り入れようとしました。その為か、それ以前のアルバムとは全く異なる音楽になっています。このアルバムは米国でビルボード・チャート5位にランクインします。それで、米国、英国、カナダにツアーに出ますが、2人ではとても足りないと言うとこで、Wolfgang FlürとKarl Bartosは自作の電子パーカッションを演奏するようになり、鉄壁のクインテットとなります。1975年に問題作”Radioactivity(Radio-Aktivität)”をリリース。このアルバムから一つのテーマに沿って曲を作り、録音し、アルバム化するスタイルになります。またアヴァンギャルドの背景をもつポップミュージックへの道を進んでいきます。この頃から自分達のスタジオであるKling Klang Studioで作業するようになります。それで1977年に単独アルバムとしては7枚目”Trans-Europe Express”をリリースします。この前後で、RalfとFlorianはDavid BowieとKling Klang Studioで会っていますが、特にそれでコラボ作が出来た訳では無いようです。本作品はEMIフランスではプレスの発表の時に流されたり、NYCでディスコで賞を取ったりしています。その後、1978年5月にまたもや問題作の”The Man Machine(人間解体)(独逸語ではDie Mensch-Maschine)”をリリース。このアルバムでは、Karl Bartosが作曲した曲が収められています。また、ジャケはロシアの芸術家El Lissitzkyの影響下で作製されています。この後、彼等は3年間アルバムを出していません。1981年5月にようやく”Computer World (独逸語ではComputerwelt)”をEMI Recordsからリリースします。まあ、このくらいから先は皆さんも知っているでしょう。平沢師匠曰く「プログレとしては最低、テクノとしては最高」なバンドとして活動を続けます。また、ライブでそっくりなマネキンを使ったり、3D映像を流したり、以前の膨大な機材からラップトップを使ったスタイルになったりと、独自の進化を遂げていきます。2008年にはオリジナルメンバーのFrorianがソロでやっていきたいとの事で脱退します。その後、2020年4月21日にFlorianは癌を煩い、73歳で亡くなります。彼等のバイオグラフィーはこのくらいにしておきます(キリがないので)。 それで本作品”Trans-Europe Express”ですが、極めて無駄ない音を削ぎ落としたテクノ・ポップになっていますが、単にテクノ・ポップと言うよりももう少し頭でっかちな匂い(プログレ風)がまだしますね。でも、タイトル曲では、「TEE(ヨーロッパ特急)でIggy PopとDavid Bowieに会った」と言う歌詞からも、Kraftwerkが通常のロックにも興味を持っていたのだろうと想像します。タメの無いリズムボックスのようなリズムは流石ですね。まるでMan Machineです。しかし、練りに練られたアレンジはやはり無駄とかモノ足らなさはなく、流石としか言えません❗️A-3”Showroom Dummies”のポップさも捨てがたいです。また、B面を占める組曲風の構成も聞き応えがあります。テクノとかロックとは言う前に、こんな素晴らしい音楽を皆さんも聴いてみてください! A1 “Europe Endless” (9:38) A2 “The Hall Of Mirrors” (7:52) A3 “Showroom Dummies” (6:12) B1 “Trans-Europe Express” (6:40) B2 “Metal On Metal” (6:36) B3 “Franz Schubert” (4:25) B4 “Endless Endless” (0:58) https://youtu.be/loZPXGAyOVg?si=w5EqdKsm8nAHv_Ib [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLlfZher7p1yGnvanxr2gluTj5PFw4fhu6 [オマケ: “Trans-Europe Express” live] https://youtu.be/gj_scseCmkk?si=gyx3chXNDq9Z22Eu #Kraftwerk #Trans-EuropeExpress #EMI #TechnoPop #Experimental #Synthesizers #ElectricPercussion #Vocoder #ShowroomDummies #FlorianSchneider #RalfHutter #KarlBartos #WolfgangFlür
Electronic Pop EMI 不明。Dr K2
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Gang Of Four “Solid Gold”
ここに来てこれです。そうです、Gang Of Four (「4人組」)です。1976年に英国Leedsで結成されたポスト・パンク・バンドで、オリジナルメンバーはJon King (Vo), Andy Gill (G), Dave Allen (B), Hugo Burnham (Dr)で、金属質なギターとファンク色の強い演奏及び政治的歌詞が特徴のバンドです。実は私は、食わず嫌いで、リアルタイムでは聴いていません。1990年になって、漸く中古で入手しました。簡単にバイオグラフィーを。上記のように結成され、ファースト・アルバム ”Entertainment!”を1979年にリリース。後にRolling Stone誌でオールタイム・フェイヴァリット・アルバム500選にも入っています。彼等はパンク、ファンク、レゲエ、ダンス・ミュージックなどが絶妙にミックスされた独自の音楽を作り出し、後進のRed Hot Chili PeppersやR.E.M., U2などに影響を与えました。また、Nine Inch Nailsが彼等の曲をカバーしたりとジャンルに囚われず影響を与えています。それで、1981年に本作”Solid Gold”をリリース。益々冴えるJonの政治的な歌詞と鋭い鋼のようなAndyのギター、時に実験的とも言えるリズム隊の演奏。世間ではWilco Johnsonから影響を受けたAndyのギターが取りただされますが、リズムや曲のアレンジがとても変で、ヘビーかつ実験的で、それがあるからこそ、Andyのギターが冴えるのだと思います。歌詞は残念ながら,我々日本人にはちょっとピンとこないかもしれませんが、直接的と言うよりも比喩的なものだと思います。本作録音後、Dave Allenが抜けて、代わりにThe League of GentlemanのベーシストSara Leeが加入します。そしてサードアルバム”Songs of The Free”を1982年にリリース。最も商業的には成功したアルバムになりましたが、今度は、リリース後にHugoが脱退します。1984年にJonとAndyはバンドを続けアルバム”Hard”を出します。しかし、その年にSaraがアメリカに移住したのをキッカケにバンドは解散してしまいます。その後、1990-1991年、1993年、1995年、 2004–2020年、2021年から現在までと言う風に、リユニオンと解散を繰り返しますが、Andyは2020年に呼吸器疾患で他界してしまいます。現在のメンバーはJon King (Vo), Hugo Burnham (Dr), Sara Lee (B), David Pajo (G)となって活動しています。途中で,本作品について書きましたが、今聴くと、The Pop Groupよりもファンクで、実験的かもしれませんね。何れにしろ、本作も名作に違いはないです。未聴の方は是非とも聴いてみて下さい。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLjYhpGCfoYYoxxEJMJM6T3NSed5_Uky8D #GangOfFour #SolidGold #EMI #JonKing #AndyGill #DaveAllen #HugoBurnham #PostPunk #Funk #Punk #DanceMusic #Reggae
Post-Punk EMI 1500円?Dr K2
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Wire “Chairs Missing"
パンクよりも早くポストパンクを実践していたWireのセカンドアルバム”Chairs Missing (邦題: 消えた椅子)”の登場です。前回、サードアルバム”154”のところで、バイオグラフィーは書きましたので、それを参照してください。実はこのアルバムはCDとサブスクで毎日毎日、仕事しながらか通勤中に聴いていたのですが、どうしてもヴァイナルが欲しくて、ヤフオクで買いました。Wireはこの作品までは日本盤が当時は出ていなかったんですよ。なので、邦題もCD再発した時に付けられたタイトルだと思います。前作の”Pink Flag”がミニマルな展開で殆どの曲が1分台で終わるのに対して、本作品ではもう少し展開を付けていることやプロデューサーのMike Thorneのキーボードが控えめに加わっている点で、パンクとは異質な音楽になっています。また、エフェクターの使い方も段々と巧みになってきており、「ギターはアンプ直でいいんだ」と言うパンクバンドとは一線を画しています。奇妙なベースラインで始まるA1の”Practice Makes Perfect (「習うより慣れろ」の意)やエフェクティド・ギターの絡みが興味深いB3の”I Am The Fly”、Big BlackもカバーしたA8の“Heartbeat”、UKチャートにも入ったB2の“Outside Minor”などなど、ヴァラエティに富んだ曲が目白押しで、個人的には凄く好きなアルバムです。入手は困難かもしれませんが、そんな初期Wireのバンドサウンドを堪能してみてはどうでしょう?是非❗️ https://youtu.be/G-_aFM8exps #Wire #ChairsMissing #EMI #PostPunk #MikeThorne
Post-Punk EMI 4300円Dr K2
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Tom Robinson Band “Power In The Darkness”
もう皆んな、忘れちゃったかな?一世を風靡したTRBことTom Robinson Bandのファーストアルバムの登場です。パンク勃興の時期に出てきたことと初期からLGBTQの権利を守るアティテュードを示していたことから、パンクの仲間と思われていますが、寧ろ正当なブリティッシュ・ロックのバンドであり、パンクとは言えないですね。バイオグラフィーを少し。元々は13歳で自分がゲイであることに気づいたTom Robinsonが自殺未遂や専門の学校に移らされたりしたのですが(当時、英国ではゲイは罪であり、投獄されていた)、1973年にアコースティック・トリオCafé Societyをで活動を開始していますが、ファーストアルバム600枚を売って、直ぐに脱退し、自身のバンドTom Robinson Bandを作ります。時代的にSex Pistolsに影響を受けた彼はすぐに,ゲイ・シーンと繋がり、ゲイやレズビアンの権利を得るための音楽をやるバンドとして、先ず旧知のDanny Kustow (G)を誘い、Brian "Dolphin" Taylorを連れてきます。それでオーディションでベーシストとしてMark Amblerを採用しますが,実はMarkは鍵盤楽器が出来ることを知り,MarkをKbd担当にして、Tom自身はBとVoになります。そうして1978年にTRBは結成されます。ライブハウスで、パンクバンドと一緒に出演していきますが、その噂を聞き付けたEMIと契約します。その後もゲイやレズビアンについてのリーフレットやチラシを配布しています。また、The ClashやX-Ray Spexと共にRock Against Racismにも出演しています。彼等のファーストシングル"2-4-6-8 Motorway"が1977年後半にリリースされ、UKチャートで5位まで上がります。その後、1977年11月のライブトラックからの4曲入りEP”Rising Free”をリリースしますが、このEPには彼等のプロテストソング”(Sing If You’re) Glad To Be Gay”が収録されています。それで1978年にファーストアルバムである本作品がリリースされます。このアルバムはUKチャートの4位まで上がり、ベストUKバンドとも言われました。その直後、KbdのiMarkが脱退したので、ヘルプでNick Plytasが加入、セカンドアルバムの作製にかかりますが、この頃にパーマネントのKbd担当に Ian Parkerが加入。しかし、DolphinがプロデューサーをTodd Rundgrenに代えるべきだと進言しましたが、実際にはDolphinは気に入らず、ゴタゴタが起きます。結果、ドラマーはCharlie Morganになります。それでツアーに出たのですが、今度はギターのDannyが1979年に脱退し、バンドは消滅してしまいます。ザックリとこんな数奇な運命のバンドでした。 それで、彼等のファーストアルバムの本作品”Power In The Darkness”ですが、兎に角、演奏がタイトで、カッコいいいです。それとTomの作曲能力やメンバーのアレンジ力も凄いです。当時出てきたパンクバンドとは一線を画すテクニックを全員が持ったロックバンドですね。彼等のプロテストソング”(Sing If You’re) Glad To Be Gay”が入っていないのが、ちょっと残念ですが、どんなパンクバンドにも負けない演奏テクとソングライティング、辛辣な歌詞を持ったバンドであり、聴いていて飽きませんね。シングルカットされた”2-4-6-8 Motorway”もキャッチーです。昨今のLGBTQの権利を声高々に歌い上げたTRBの辛辣なロック・アルバムを聴いてみてください。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLKdCN0xE8luR1HF9q9O7vlY5gCzS-MXkX #TomRobinsonBand #PowerInTheDarkness #LGBTQ #EMI #ProtestSong
Punk/New Wave EMI 2000円位?Dr K2
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Wire “154”
以前にDomeのことを書きましたが、その前に本来なら、このWireを先に書くべきでした。本作品は国内盤も出ていたサードアルバム”154”です。WireのメンバーはColin Newman (Vo, G), Graham Lewis (B, Vo), Bruce Gilbert (G)とRobert Gotobed (Dr)の4人組で、1976年、ロンドンで結成。元々、彼等はUKパンク・シーンから出てきましたが、何かが違っていました。それで名言「ロックじゃなければ何でも良い」❗️が彼等から発せられたように、セカンドアルバム ”Chairs Missing”から既にポスト・パンクとも言える音楽を指向してきました。しかもシンプルな形で。その一つ完成形が,本作品”154”です(タイトルの数字はそれまで彼等が行ってきたギグの回数とのこと)。彼等の曲は初期はミニマル・ミュージックの様な単純な構造を持っており、それ故に、ハードコア・パンクへの影響も持っていましたが、本作品位になると、構造は比較的単純なのですが、ギター・エフェクターの使用やシンセの導入・アレンジにより、表現力は格段にぶち上がり、ダイナミックな音楽へと昇華されています。特に、プロデューサーでもあるMike Thornのシンセが大々的にフィーチャーされた本作品は素晴らしい出来栄えです。多分、1979年にこんな音楽をやっていたグループはいなかったでしょう。また,歌詞も抽象的でシュールなものが多く、ジャケもそっけない感じで、こんなパンクバンドいないだろ!と言う程です。後発に与えた影響も計り知れず、Big Black, Minor Thread, Minutemen, R.E.M., Elasticaなどが、カバーをしています。ただ、リリース元のEMIは彼等の音楽がコマーシャルではないとして、理解を示さなかったと、Colinは語っています。その為、カットアップされた曲から成るライブ・アルバム”Document and Eyewitness”をリリースして、1980年に一旦、解散します。BruceとGrahamはDomeとして、Colinはソロとして活動した後に、1985年〜1992年にかけて再結成しますが、この時の音楽は大々的にエレクトロニクスを取り入れたものとなります。この時期の1990年にRobertが脱退、バンド名の表記をWirとしています。一旦休止。1999年にRobertが復帰しますが、2008年の作品”Object 47”の辺りでBruce Gilbertが脱退し、その後、Matt Simmsが加入しています。そのメンツで今も活動を続けています。特にファーストから本作品までの3作は名盤なので、是非とも未聴な方は聴いてみてください。 https://youtu.be/gLh15kamjBs #Wire #154 #MikeThone #PostPunk #Surrealism
Post-Punk EMI 2500円Dr K2