Pseudo Code “Europa”

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私がPseudocodeの名前を知ったのは、Fool’s Mateのサイキック・ミュージックの特集記事でしたが、当時は全くの謎でした。それで調べてみると、1980年代にメール・ミュージックを介して、世界のインダストリアル・シーンへと活動の場を拡げたベルギーの最初(ヨーロッパ最初とも言われている)の地下音楽レーベルInsane Musicの首謀者にして、中心的人物であったAllan Neffeがメインに活動していたバンドが、このPseudocodeであったと言う訳です。Pseudocodeは1979年から1983年まで活発に活動をしていました。コア・メンバーはXavier Sこと Xavier Stenmans (ブリュッセル初のパンクバンドThrillsでも活動で、後にベルギー国営ラジオのDJとなる), Guy-Marc Hinant (ベルギーの実験音楽レーベルSub Rosaの共同設立者となる)及びAlain Neffe (Insane Musicの首謀者)で、特にAllan Neffeは数多くのユニット(Bene Gesserit, Human Flesh, Cortex, M.A.L., I Screamなど)でも活躍しています。今回は、Xavier SがVo, Indian Flute, Rhythm Boxを、Allan NeffeがSynth, String, Sax, Flute, Vocoder, Rhythm Boxを、Guy Marc Hinantがe-Piano, G, Vo, Xylophone, Percを担当しており、ゲストとしてStephan BarberyがGで、Antonin ArtaudがVoで参加しています。Pseudocodeとしては、本作品の前に”Potlach Music vol.1とvol.2をカセット(最近、CDとしてリイシューされてます)で出していましたが、LPとしては ファーストアルバムになります。先程、「インダストリアル・シーン」と言いましたが、本作はThrobbing GristleやCabsなどのインダストリアル・グループのポップな成分を抽出したかのようなアヴァン・ポップな曲から成り、適度に実験的要素を含んだ意欲作となっています。Allan Neffeがレーベルでやっていた/やっている(最近、vol.26がCDでもリリースされた)国際コンピレーションシリーズ”Insane Music for Insane People”ではヨーロッパを中心に数多くの参加者がいましたが、彼自身はノイズ・ミュージックよりも前述のように捻くれたアヴァン・ポップなものを好んでいたようです。本作品でも、スロー〜ミドルテンポのRoland TR-606と思われるリズムマシンとミニマルなベースラインに加えて、ポリシンセのコード演奏やフリーキーなサックスが上物として絡み、そこにXavier Sの粘っこいヴォーカルが被ると言った構造から成る曲が多く、エレクトロニクスによる”アーバン・ブルース”としても聴くことも可能です。それはテクノ・ポップとは別次元の音楽です。なので、万人にお勧めはしませんが、ベルギーの電子音楽/アヴァン・ポップに興味のある方は是非とも聴いてみて下さい。個人的には、このアルバム本体よりも、コンピなどに収められてる曲の方が好みです。

“Simulation (To the Blue Eyed Boy”
https://youtu.be/LJO1PS62ov8

“The Brightness of Love and Illusion”
https://youtu.be/uJnT4xWY2BI

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