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Bene Gesserit “Postcards From Arrakis”
ベルギーのInsane Musicに所属しているBene Gesserit第2弾は、1982年リリースのセカンド・カセットの再発盤です。彼等のバイオグラフィーについては、以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回の参加メンバーは、Benedict G.ことNadine Bal(Vo, Words), B. GholaことAlain Neffe (Rhythm Section, Syntf, Strings, Bulbul Tarang, Sax, Words, Sampler)に加えて、M.A.L.こと Daniel Malempré(B [A2], G, B [B1])がゲスト参加しています。それで、本作品では、A面7曲/B面6曲が収録されており、セカンド・カセットの再発であり、極初期の貴重な音源と言えるでしょう。それでは、各曲について、紹介していきます。 ★A1 “N.O.T.H.I.N.G” (2:46)は、カシオトーンのリズムに、不明瞭なストリングスや声が乗り、更に無機質なVoが絡む曲です。 ★A2 “Funny Toys (dedicated to friends) (second mix including bassist guitar)” (3:00)は、マシンリズムとシンセベースとBとシンセのミニマルから成る曲で、そこに自由に飛び回るVoが乗ります。やっぱり、M.A.L.のBが効いていますね。 ★A3 “Words” (4:30)では、淡々と続く機械的リズムに、囁き系のVoが絡み、そこに多重録音されたSax等のミニマルなフレーズが入り込んできます。既に、Bene Gesseritの作風が確立されています。 ★A4 “She Sells Sea Shells On The Sea Show” (3:30)は、スローなテンポで、ミニマルなシンセとリズムマシンにVoが乗る曲で、彼等の曲としては、ポップ過ぎて、ちょっと異色ですね。SaxやGも入ってます。 ★A5 “Dans La Crypte ...” (3:08)は、ミニマルなシンセベースと微かなリズムマシンの上で、SEのようなVo、シンセやサンプラー等の音が飛び跳ねる曲です。 ★A6 “Rednet Em Evol” (1:07)は、自分達のポップソングを逆回転させた実験的な小曲です。 ★A7 “My Brain Is My Worst Friend” (2:00)は、強力なリズムマシンに、シンセやディレイ処理された色んな物音等が絡みつく曲で、こう言うのも、彼等独自の路線でしたね。 ★B1 “Moki-Toki Oka-Owa” (6:20)では、ミニマルなBのフレーズがスローで不穏な雰囲気になり、ディレイ処理されたVoが更に電子ブルース化させています。 ★B2 “Do What You Have To Do” (1:35)では、懐いDR-55のリズムに乗って、フェイザーを掛けたVoとシンセ音が良い塩梅です。 ★B3 “Gloria” (4:00)は、マシンリズムに簡素なBやGが乗っていき、シアトリカルなVoが特徴的な彼等の初期代表曲です。 ★B4 “Be Happy !” (2:45)は、不明瞭なベースラインの上に語り口のようなVoが乗り、その他色んなサンプラー音が色を付ける曲で、BenedictのVoを堪能できます。 ★B5 “Turtle Bridge” (3:15)は、ノリの良いリズムマシンに、BやGが不明瞭なフレーズを奏でていますが、メインはシンセによるふにゃふにゃしたメロディですね。 ★B6 “Ce Matin ...” (1:44)は、シアトリカルなVoの独唱から成る曲で、多分リアルタイムで色んな処理をしているのだと思います。 このレコードにはミニインタビューみたいなものとハガキが付いてますが、特に、ミニインタビューで、B. Ghola (Alain Neffe)が「Bene Gesseritにはエモーションが重要だ!」と答えているのですが、無碍なるかな、その通りだと思います。Alain Neffe自身が、複数のユニットをやっていたのですが、特に、実験ポップ・ミュージックにその「エモーション」(多分に、Benedict G.[Nadine Bal]よる)をぶち込んだのが、このBene Gesseritであったのだったと思います。また、このセカンド・カセットで、既にその萌芽を感じ取ることができますね。その意味でも、Alain Neffe(或いはベルギーの地下音楽)の1980年代の活動に興味がある方には、本作品はマスト・アイテムです❗️ クレジット A1 “N.O.T.H.I.N.G” (2:46) A2 “Funny Toys (dedicated to friends) (second mix including bass guitar)” (3:00) A3 “Words” (4:30) A4 “She Sells Sea Shells On The Sea Show” (3:30) A5 “Dans La Crypte ...” (3:08) A6 “Rednet Em Evol” (1:07) A7 “My Brain Is My Worst Friend” (2:00) B1 “Moki-Toki Oka-Owa” (6:20) B2 “Do What You Have To Do” (1:35) B3 “Gloria” (4:00) B4 “Be Happy !” (2:45) B5 “Turtle Bridge” (3:15) B6 “Ce Matin ...” (1:44) https://youtu.be/57iujMtJH4M?si=5DX7hPEeS1tX0hz6 #GeneGesserit #PostcardsFromArrakis #EverythingIsShitRecords #DingDongRecordsAndTapes #Reissue #Remastering #Belgium #SynthWave #Experimental #B.Ghola #AlainNeffe #BenedictG. #NadineBal #M.A.L. #DanielMalempré
Synth Wave / Experimental Everything Is Shit Records (Ding Dong Records and Tapes) 5480円Dr K2
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V.A. “4 In 1 Volume 5”
もう、何度も紹介しているベルギーのInsane Music関連のバンド、Bene Gesserit, M.A.L., Human Flesh, I Screamの4バンドをコンパイルしたコンピ第五弾が、この作品となります。この”4 In 1”シリーズは元々、Insane Musicの首謀者Alain Neffeが1982年に始めたコンピ・シリーズで、もっと出ているのかと思っていたら、Volume 5までしか出ていなかったみたいです。当時は、カセットで出ていたのですが、LPになったり、CDになったりしてフォーマットは違っていましたが、Volume 3が、30年振りにリリースされており、このVolume 5が最新盤となります。以前にも”Insane Box”で書きましたが、上記4バンド中3バンドが、Alain Neffe絡みであり、彼が異なるコンセプトで演り分けているバンドなんです。簡単に各バンドを紹介しておきます。Bene Gesseritは、B. GholaことAlain Neffeとその妻Benedict G.ことNadine Balから成る夫婦デュオで、最も長く続いている歌物の実験ポップ・ユニットです。M.A.L.はDaniel Malempréのソロユニットで、実験的な音楽をやっていましたが、ここではガラッと変わって民俗音楽的アプローチをしています。Human Fleshは、Alain Neffeのソロユニットで、友人達から音源を提供してもらい、ミックスする手法で音源を制作するのをコンセプトとした実験色の強い音楽をやっています。I Screamも、Alain Neffeが、1972年〜1978年の間に、2台の古いオープンリール・テープマシン(要するにピンポン録音)にて、宅録していた極初期のソロユニットです。なので、この中では、最もリリース数が少なく、謎深いです。なお、CDには各バンドに1曲ずつボーナス・トラック (Bene Gesserit “Silicone Valley (Of The Dolls)”, M.A.L. “Trinity Will Kill Again !“, Human Flesh “Continuum“, I Scream “(Maybe) I'm Slowly Going Insane”)が付いています。 それでは、LP収録の各曲についてご紹介していきましょう。 ◼️A1-A4 Bene Gesserit 録音は、2012年夏に、Neffeの自宅で行われており、知っての通り、B. Ghola (All Instruments, Effects)とBenedict G (Vo, Words)の2人です。 ★A1 “Ceci N'est Pas Une Chanson” (2:35)は、擬似民族音楽的ミニマル電子音楽から成る曲ですが、宇宙音らしきシンセやVoには過剰エフェクトが掛けられており、ほぼインスト曲です。 ★A2 “Les Fourmis” (3:00)は、アコギのイントロから、やはり、ウッドBらしき音に沿って擬似民族音楽的リズムに、シアトリカルなVoが語るように歌う曲で、途中のシンセ音が良い塩梅です。 ★A3 “Half Hysterical Mid Tempo Sort Of Rock” (2:45)は、ノリの良いリズムに、多層化したオペラ的Voが乗る曲で、ドライブするBがカッコ良いです。 ★A4 “Who Stole Our Pride ?” (3:05)は、教会のオルガンの調べに乗って、抑制されていますが故に表情豊かなVoから成る曲で、マシンリズムが入ってくると更に迫力がアップします。 ◼️A5-A7 M.A.L. 録音は、2014-2015年にMalempréの自宅で行われており、楽器はオウドやインディアン・フルート, シタール等の民俗楽器の他にも、GやB及びSynthそれにリズムマシン等も使われており、ハイブリットな音源から成ります ★A5 “Turkish Morning” (3:20)は、タイトル通り、Muslimgauzeとはまた違った似非中東音楽風の曲で、打楽器をメインにして、それにGや笛及びホーンらしき音が加わって、こう言うのが好きな人には堪らないですね。 ★A6 “The Azure Buddah” (2:50)も、基本、リズムマシンや打楽器とGによる似非中東ポップスみたいな曲です。この曲でもGを弾きまくってます。 ★A7 “Indian Song” (3:10)も、タブラ等の打楽器とGらしき弦楽器から成る似非中東ポップス風の曲で、クリーンなGと歪んだGを上手く使い分けています。 ◼️B1-B4 Human Flesh 録音は1980年代後半〜1990年代前半にNeffeの自宅で行われており、Lena Torgrimaen (Vo), Xavier (Vo), Malempré (G), Neffe (Piano, Sampler, Loop, Strings Organ, Synth, Harp)が参加しています。 ★B1 “Nattsvermer Drømmer Kneler” (1:35)は、不安定なピアノの調べに、やや興奮気味な変調Voから成る小曲です。歌詞はノルウェー語みたいです。 ★B2 “I'll Take Your Left Hand, Don't Be Afraid (Ballad With A Limpid Sky Over The Head)” (2:50)では、通奏低音にXavierのダイレクトな語り口VoとそのバックにもサンプリングされたVo、そして、いつしかオーケストレーションへ。 ★B3 “Météorites” (1:50)では、ゆったりした曲で、Gの音色やチェンバロ風のKbdが優雅に響きます。 ★B4 “Monotopi (For Sharon Tate)” (3:20)では、Gのボロンポロンしたアルペジオとハープに合わせて、ノルウェー語のVoが煽るように聞こえますが、何やら悲しげな音楽です。 ◼️B5-B6 I Scream 録音は1975年頃で、Neffeの寝室で、Sony TC630 2トラックのオーブンリールで多重録音されており、Neffeは、Roland SH-1000 Synth, Elka Strings, Welson RhythmBoxを使用しています。 ★B5 “Saved By The Synth” (5:00)は、上昇していくシンセのパルス音に、波のようなストリングス・シンセが絡む壮大な曲で、初期のタンジェリン・ドリームのような電子音系クラウトロックに近い音感触ですね。 ★B6 “Electronic Fascination” (6:30)でも、エコーの効いたシンセ音が自在に飛び回り、そこに硬い電子音が挟まって、やがて混沌となり、更にリズムボックスやストリングス・シンセが入ってくると、思わずそのスケール感が半端ないと感じますね。良きかな。 1980年代に、この”4 In 1”シリーズを知った時には、中々良いコンピだなぁと感心したものですが、本作品のように何十年の差があるにも関わらず、上記4ユニットの曲を1つに封印しても、それ程違和感はなく、楽しめました。特に、I Screamは音源が少ないので、聴き応えがありましたね。これはベルギーの地下音楽を一端を知るには、非常に良い作品ですので、是非とも体験してみて下さい❗️ クレジット曲順 A1 Bene Gesserit “Ceci N'est Pas Une Chanson” (2:35) A2 Bene Gesserit “Les Fourmis” (3:00) A3 Bene Gesserit “Half Hysterical Mid Tempo Sort Of Rock” (2:45) A4 Bene Gesserit “Who Stole Our Pride ?” (3:05) A5 M.A.L. “Turkish Morning” (3:20) A6 M.A.L. “The Azure Buddah” (2:50) A7 M.A.L. “Indian Song” (3:10) B1 Human Flesh “Nattsvermer Drømmer Kneler” (1:35) B2 Human Flesh “I'll Take Your Left Hand, Don't Be Afraid (Ballad With A Limpid Sky Over The Head)” (2:50) B3 Human Fleshl “Météorites” (1:50) B4 Human Flesh “Monotopi (For Sharon Tate)” (3:20) B5 I Scream “Saved By The Synth” (5:00) B6 I Scream “Electronic Fascination” (6:30) https://youtu.be/4bksBTCEvcI?si=Z13Z5_uBrWbPdKFx #VariousArtists #4In1Volume5 #EETapes #InsaneMusic #Belgium #CompilationAlbum #AlainNeffe #NadineBal #DanielMalempré #LP+CD #LimitedEditions #300部 #BeneGesserit #M.A.L. #HumanFlesh #IScream #SynthWave #Folklore-like #ExperimentalPop #ElectronicMusic
Synth Wave / Experimental / Electro EE Tapes 3487円Dr K2
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Hermine “The World On My Plates”
今回は、ベルギーの歌姫Hermine (「エルミーネ」或いは「エルミン」と発音?)のファースト・ミニアルバム”The World On My Plates”をご紹介しましょう。これも発掘ものです。先ずは、彼女のバイオグラフィーから書いてみたいと思います。Hermineの本名はHermine Demorianeで、仏語シンガー/作家で、その前には綱渡り師でもあります。もう少し詳しく書きます。1960年代には、彼女は、ヒッピー・マガジンInternational Timesに記事を投稿しており、1970年代初頭には、サーカスとかで綱渡りをする仕事をしており、COUM Transmissionsとかとも共演していたり、演劇Copi作の演劇”Goodbye Mister Freud”では、Chaosの役で、出演し、歌ったりしています。彼女が公で初めて歌ったのは、1974年で、綱渡り中に歌ったNick Loweの"I Won't Make It Without You"らしいです。また、1978-1980年には、彼女は、3作の演劇の台本を書いています(“Lou Andréas Salomé”と“He Who Is Your Lord Is Your Child Too”及び”The Knives Beside the Plates”)。1976年には、彼女はThe Subterraneans (Nick KentとプレThe Damnedメンバー)と共に2回程、コンサートで競演して、更にNick KentとPeter Perrett (The Only Ones)と一緒に録音までして、その音源はシングル盤としてもリリースされています。このシングルに興味を持ったのが、David Cunningham (Flying Lizards)で、それが縁で、彼女のファースト・シングル”Torture”を出しています。また、1980年10月〜1981年まで、Sohoでの老舗カフェシアターThe Comic Stripで幕間の音楽を担当したりもしており、それに加えて、彼女は、パフォーミング・アートを企画したり、出演したりしています。1982年には、John Maybury作”Court of Miracles (奇跡の宮殿)”に出演、また1986年にもLondonの映像作家Anna Thew作”Hilda Was a Goodlooker”にも出演しています。その一方で、ベルギーのレーベルCrammed Discsが、彼女の6曲入りミニアルバムで本作品でもある”The World On My Plates”をリリースしていますが、ジャケには、Richard Rayner-Canhamによる有名な写真が使われています。その後2年間は、彼女はツアーをしており、1984年7月に、セカンド・アルバム”Lonely at the Top”を自身のレーベルSalomé Recordsよりリリース。これと対になるアルバム”Who'll Come Walking”は、スイスで録音をし直して、2008年にリリースされています。1984年以来、彼女は殆ど録音の時間が取れませんでしたが、TV番組French & SaundersとAbsolutely Fabulousの視聴者は、彼女が仏語アクセントで語るのを聞いたり、観たりしていたとのこと。また、2008年5月の仏のl'Oiseでの自転車レースの時や同年6月のLondonのGlassHouseでのAndrew Loganのサマーセールの時に、彼女が歌ったとのことです。 Hermineの活動歴は以上ですが、調べてみると、意外とアクティブで自由奔放な方でしたね。それでは、彼女のファースト・ミニアルバム”World On The Plates”の収録曲を紹介したいと思います。なお、この作品は、同時に日本盤もリリースされており、また、2006年に英国のLTM RecordingsによってCDとして再発された際には、大幅に未発表曲が追加されています(下記のcomplete full albumはそう言う意味です)。この作品には、Hermine (Vo)の他に、Graham Painting (Cello, B, Perc [A2,A3,B1]), Simon Brint (Piano, Organ [A2, B1]), Ian Kane (Piano, Organ, G, Perc [A1, A3]), Ellie Ling (Cello [A1]), Rod Melvin (Piano [B1, B2]), Dave Brooks (Sax [A2]), Max Paddison (Piano [B3])が参加しています。 ★A1 “Happy Holidays”は、ややエスノチックなパーカッションと繊細なピアノの調べに、Hermineの生の仏語訛りのVoが乗る心地良い曲です。 ★A2 “The Thrill Is Gone”は、シャレ乙な雰囲気のSaxとピアノから成る「大人」な曲で、シャンソン風にHermineが歌い上げています。 ★A3 “Waiting”では、教会音楽風のオルガンをバックに、Hermineがシアトリカルに歌っています。後半はピアノやチェロのバックになります。 ★B1 “I Won't Make It Without You”でも、リリカルなピアノとチェロをバックに、不安定なHermineが歌う歌が返って沁みますね。ベルギーのNico? ★B2 “Too Many Men In My Life”も、遊び心のある、やや陽気なピアノとHermineのシアトリカルな歌が堪能できます。 ★B3 “Blue Angel”は、ピアノとHermineの歌から成りますが、敢えてホワイトノイズを入れて不鮮明に録音している為、終戦直後のラジオを聴いているようです。 Hermine自身は、決して歌が上手いと言う訳ではなく、何か聴き入ってしまうようなマジックが彼女にはあるように思えます。多分、それまでに、彼女が経験したことが影響しているのでは?と思います。それと、彼女の声質がややハスキーなのも魅力だと思います。なので、偶には、こう言ったラウンジっぽい音楽も良いのではないでしようか❗️ A1 “Happy Holidays” A2 “The Thrill Is Gone” A3 “Waiting” B1 “I Won't Make It Without You” B2 “Too Many Men In My Life” B3 “Blue Angel” B2 “Too Many Men In My Life” https://youtu.be/5pRoABoA3e8?si=Bl8f_KWhlDszwC0L [complete full album from reissued CD] https://youtube.com/playlist?list=PLMc2YZl8J2147Cwei9ykF4odq4ks6L0iq&si=vCPpuU1iULBtiDpl #Hermine #TheWorldOnMyPlates #CrammedDiscs #FirstAlbum #Mini-Album #Belgium #Lounge #NewWave #FemaleVocal #Singer #Actress #Writer #TightropeWalker #LondonBohemian #GrahamPainting #SimonBrint #IanKane #EllieLing #DaveBrooks #RobMelvin #MaxPaddison #HermineDemoriane
Lounge / New Wave Crammed Discs 不明Dr K2
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Christophe Clébard “Il Trionfo Della Morte”
これも謎物件です。もうタイトルとアーティスト名からしてこんがらがっていました。アーティストは”Christophe Clébard”で、ベルギーBrussels在住です。この作品までも、アルバムLPを2枚、カセット・アルバムを2本出しています。簡単に、”Christophe Clébard”についてちょっと調べてみました。2015/2016年頃から作品を出しているので、その前辺りから活動しているとは思います。私は、始め、1人のアーティストだと思っていたのですが、どうもプロジェクト名らしいです。つまり、DUの説明に寄れば、Christophe Clébardは、ベルギーのドゥーム・ディスコ / ダンスパンク・プロジェクトのことで、無機質なヴォーカルに加えて、SuicideやDAFなどのミニマル・シンセやインダストリアル或いはEBMからの影響があるプリミティブな暗黒ダンス・グルーヴを特徴としたプロジェクトらしいですが、その構成員/メンバーなどはちょっと調べても分からなかったですが、David Starrなる人物が深く関わっているらしいです。しかし、調べれば調べる程、良く分からなくなってきましだ。なので、先程はプロジェクト名とは言ったのですが、どうにも確信が持てません。すいませんです! それで、少なくとも、2023年の時点では、本作品はChristophe Clébardの最新作と言うことになります。A面4曲/B面5曲収録されていますので、各曲を紹介していきます。 A1 “Le Paradis C'est Ton Purgatoire”は、念仏のようなボソボソとしたヴォイスと延々と続くミニマルなピアノの単音弾きに段々と不明瞭な低音や叫び声らしき声が加わっていき、まるで何かの儀式のような異様な雰囲気を醸し出しています。そして、後半は接触不良音のループと不気味なシャントへと移行します。 A2 “Microdance à Chier”では、一転、割と明るいミニマルなシーケンスに合わせて、朗々としたヴォーカルで歌っています。ドラムマシンも使っているようですが、殆ど聴こえません。 A3 “Ce Soir, Ce Soir”は、インダストリアルなマシンリズムに合わせて、語りのような色っぽいヴォーカルが絡んでいます。やっぱり仏語(?)はエロい! A4 “La Solitude”でも、やはりインダストリアルなリズムでベースも使っているのですが、ヴォーカルが殆ど素の声で、益々インダストリアル感が強い曲に仕上がっています。 B1 “La Misere”は、A面とは違って、安っぽいリズムマシンと男性合唱と分厚いシンセから成る、割と王道のシンセ・ウェーブな曲です。一番聴きやすいかな? B2 “Petit Bourgeois”は、またまた重々しいリチュアル・インダストリアルなリズムと歪んだヴォーカル、それに分厚いシンセの持続音から成る、正にインダストリアルな曲です。途中で入ってくるピアノがグー。 B3 “Retour Au Vide Mdma”は、直線的なベース・シーケンスに抑制気味のヴォーカルが乗るミニマルな曲ですが、途中で入っている電子ノイズが効果的で飽きさせないですね。 B4 “T'as la Tête D'un Poisson Rouge”では、単調なリズムに女性(?)の語りのようなヴォーカルとそれに被るような男性ヴォーカルが延々と続き、全体の雰囲気はリチュアルな印象です。 B5 “Tes Yeux, la Plage”は、またまた一転して、はっきりしたマシンビートとベースラインと男性合唱から成るミニマル・ウェーブな曲となっています。 個人的には、初めはとっつき難かったですが、中々、面白い立ち位置にいると思い、最終的には気に入りました。多分、曲によってアプローチが変わっているので、焦点が定まらないようにも思いましたが、その分、曲毎に楽しめますし、各曲のクオリティも高いです。まあ、正体はよく分かりませんでしたが、どうも画像とかを見ると、1人の男性が全裸でキーボードを弾いている(?)ようでしたので、恐らくは、このChristophe Clébardはソロアーティスト名ではないかと思いました。あとDAFとかSuicideとの共通点は余りなく、所謂、宅録ダーク・ウェーブ〜リチュアル・インダストリアルな作品と思いますので、欧州のその辺りに興味ある方には是非聴いてもらいたいです‼️ B3 “Retour Au Vide Mdma” https://youtu.be/Cml3EfU5laM?si=s16YM5SUD5dx949O [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k5GaEq37m9MdMFCCVJPCHNb5tDutd3PpA&si=BKj-8a4QaXfbKI8s [BandcampのURLも貼っておきます] https://christopheclebard.bandcamp.com/album/il-trionfo-della-morte #ChristopheClébard #IlTrionfoDellaMorte #LesAlbumsClaus #4ThAlbum #Belgium #Electronic #DarkWave #MinimalWave #Industrial #Ritual #Synthesizers #DrumMachine #Vocal
Dark Wave / Ritual Industrial Les Albums Claus 不明Dr K2
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V. A. “Insane Music For Insane People Vol. 13”
また、出ましたねぇ。ベルギーInsane Musicが世界のカセット・シーンを席巻していた頃の代表的コンピ・シリーズ”Insane Music For Insane People”が、初めてカセット媒体ではなく、LP/ヴァイナルでリリースされたのが、第13巻の本作品となります。Insane Musicについては、以前にも”The Insane Box”のところでも書いていますので、そちらをご参照下さい。まあ、一言で言うと、色んなユニットをやっていたAlain Neffeが立ち上げたベルジャン・レーベルと言うことになります。それでは、各グループと各曲を紹介していきましょう。 <Easy Side (A面)> A1 Lelu/Lu's (英) “Down My Spine”は重めのリズムから成る打ち込みサウンドと女性ヴォーカルから成る、EBM的エレ・ポップです。結構、凝っています。 A2 Bill Pritchard (英) “Black Souls Under White Skies”は、軽めですがダークな打ち込みに、これまたダークで耽美的な男性ヴォーカルが乗る、今で言うところのダーク・ウェーブです。 A3 Thalassa Kollectif (白) “Are You Beush”では、ループ音と民族打楽器に、電子音シーケンスやシンセ音等が付け加えられていくミニマルな似非民族的音楽です。 A4 Jean-Louis Descloux (仏) “Les Fourmis”は、これまたエスプリの効いたシャレ乙な打ち込み(TR-606を使用か?)によるエレ・ポップで、男性ヴォーカルも加わり、如何にもフレンチなテイストです。 A5 Ninove (白) “Mechante Souris”はややアップテンポな打ち込みにフラマン語(?)によるヴォーカルの乗ったエレ・ポップです。急かされる感じが良いです。 A6 Human Dance (白) “Magikal Hystery Sour (The Beatles Were Not So Bad After All)”は、マシンリズムにギターも加わって、シンセのメロディが哀愁を誘うインスト曲で、最後にちょっとしたギミックがあります。 <Strange Side (B面)> B1 D'Archangel II (英/白) “Beautiful, Plastic”は不思議なシーケンスとリズムの曲で、語りのような男性ヴォーカルとそのバックのシンセが特徴的です。 B2 Collectionism (独) “Xsass”は持続電子音と偶に聴こえる打楽器(?)の上に、中近東風女性ヴォーカルが乗っかる不思議な曲で、それが段々と捻れていきます。 B3 Craig Burk / Alain Neffe (米/白) “Afternoon Improvisation (Eighth Part)”では、ヴォイス・ループに、これまた変わったヴォイス・パフォーマンスが加わる曲です。 B4 Rik Rue (豪) “Voices From The Inner Ear”では、ナレーションから早回しヴォイスと物音ループが混ざり合う曲です。やがてループの応酬へ。 B5 Bene Gesserit (白) “Evening Star”は、Alain Neffeとその妻から成るデュオですが、キックと共に男女のヴォイス・パフォーマンスが繰り広げられます。 B6 Kaoru Todoroki (日) “Bobldg”は初期レジデンツのような捻れたユーモアを醸し出すポップ・ソングです。 B7 Human Flesh (白) “(Only A) Human Being”は、逆回転ヴォイスのループに別の逆回転ヴォイスがどんどん加わっていく曲で、如何にもな風情があります。 B8 Denis Mpunga & Paul K. (白) “Terra Incognita”は、オモチャのピアノのようなミニマルな演奏と変なヴォーカル(?)から成る曲です。 聴いて分かるように、A面は所謂、リズムのはっきりしたシンセ・ウェーブな曲を集めており、B面はリズムが不明瞭な、より実験的な曲を集めています。だからか?A面をEasy Sideと、B面をStange Sideとしています。ここら辺の音楽は、如何にも1980年代の世界の地下音楽の潮流を巧く捕まえていると思われますが、このように2つにキッチリ分けたのが良いか悪いかの評価は、リスナー次第ですね。と言う訳で、1980年代地下音楽を俯瞰出来る作品になっていますので、そこら辺に興味のある方は是非とも聴いてみて下さい‼️ 収録曲を全て(B4以外)のURLを貼っておきます。 A1 Lelu/Lu's “Down My Spine” https://youtu.be/HhXfxGXkKG4 A2 Bill Pritchard “Black Souls Under White Skies” https://youtu.be/5LDo7fNo1Go A3 Thalassa Kollectif “Are You Beush” https://youtu.be/gZgqcKVLtwk A4 Jean-Louis Descloux “Les Fourmis” https://youtu.be/l62VRo47QNI A5 Ninove “Mechante Souris” https://youtu.be/zBKyuzGXJlg A6 Human Dance “Magikal Hystery Sour (The Beatles Were Not So Bad After All)” https://youtu.be/dApfayuzx7E B1 D’Archangel II “Beautiful, Plastic” https://youtu.be/lt-Je7NEZDc B2 Collectionism “Xsass” https://youtu.be/_DiboAtjvaw B3 Craig Burk / Alain Neffe “Afternoon Improvisation (Eighth Part)” https://youtu.be/KD9xaH_6o9I B5 Bene Gesserit “Evening Star” https://youtu.be/KO61X5LdRms B6 Kaoru Todoroki “Bobldg” https://youtu.be/8H-RRgicRBg B8 Denis Mpunga & Paul K. “Terra Incognita” https://youtu.be/EEnhAw_si5o #VariousArtists #InsaneMusicForInsanePeopleVol13 #InsaneMusic #Belgium #Compilation #International #MailMusic #SynthWave #MinimalWave #Electronic #Experimental #Pop #Lelu/Lus #BillPritchard #ThalassaKollectif #Jean-LouisDescloux #Ninove #HumanDance #DArchangelII #Collectionism #CraigBurk/AlainNeffe #RikRue #BeneGesserit #KaoruTodoroki #HumanFlesh #DenisMpunga&PaulK.
Synth Wave / Experimental INSANE Music 不明Dr K2
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Aroma Di Amore “De Sfeer Van Grote Dagen”
またまた来ました!ベルギーのニューウェーブの極みAroma Di Amoreの12㌅EPです! Aroma Di Amoreは、1982年に、Elvis PeetersとLo MeulenとFred Angstをコアメンバーとして結成されたカルト的人気のバンドで、40年間も活動し、2022年に解散しています。バイオグラフィーは前回、書きましたので、そちらをご参照ください。今回は、1985年にリリースされた彼等の3枚目のEPで、この時のメンバーは、Elvis Peeters (Vo, Clarinet), Lo Meulen (B, Kalimba), Fred Angst (G, Rototoms), Andrea Smits (Organ, Synth), Frits Frats (Sax, Whistle, Mouth Organ)の5人組で、A面B面共、3曲ずつ収録されています。ライブの動画とかを観ると、やはり生ドラムじゃないですね。今回もまた、独特なフラマン語のヴォーカルと1980年代ニューウェーブ全開のサウンドから成りますが、サックスがやや強調されているように思います。A1 “Hoofd In De Supermarkt”やA2 “Plaatsje Onder De Zon”, A3 “De Aarzel”のA面曲は、図太いリズムに、安っぽいオルガンとサックスの効いたニューウェーブの良いとこ取りした3曲で、特にA1はギターのカッティングが秀逸です。また、A2のリズムはまるでJoy Divisionなのですが、オルガンの音とリフが安っぽくて、全くアレンジが違う所がニクいです。B面に移ります。B1 “El Macho”は、ガラッと変わって、スローテンポで、物憂げなヴォーカルとギターのリフに単調なリズムと言う、どちらかと言うとJoy Division風のダークな曲です。B2 “Overleven”は硬く重目のリズムに煽るようなヴォーカルが、何処となくPublic Image Limitedのアルバム”The Flowers of Romance”を想起させてくれます。B3 “Moeder Gaat Neer”はこれまた意外にもアコギとヴォーカルと言う弾き語りで、サックスが良い味を出しています。ちょっとだけスパニッシュな感じもありますね。と言う訳で、ちょっと曲数は少な目ですが、楽しめました。A面はニューウェーブ路線の発展型で、B面はポスト・パンクで、意外な一面を見せてくれました。と言うか、彼等は矢張り、ちゃんと流行をリサーチして、自分達の音楽に昇華させていますね。1980年代のベルギーのニューウェーブ/ポスト・パンクに興味がある方は聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/EqQpjF9zcrM #AromaDiAmore #DeSfeerVanGroteDagen #OnderStroomRecords #PlayItAgainSamRecords #Reissue #Belgium #NewWave #PostPunk #12InchEP #1985 #ElvisPeeters #LoMeulen #FredAngst #AndreaSmits #FritsFrats #BelgianCultBand
NEW WAVE / Post Punk OnderStroom Records (Play It Again Sam Records) 2000円Dr K2
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Human Flesh “Second-Hand Emotions And Half-Forgotten Feelings”
出ました!ベルギーで1980年初頭から活動しているAlain Neffeのユニットの一つであるHuman Fleshをご紹介します。Neffe自身は、Pseudo CodeやBene Gesseritと言ったユニットを数多くやっているだけはなく、Insane Musicと言うレーベルも運営していました。Human Fleshは、1984年前から活動を始めたNeffeのソロユニットで、カセット作品では逆回転を使ったり、ミニマルな実験ポップをやっていたりしています。私が初めて知ったのは、1980年代初頭のカセット・コンピなんかに収録されていたのが、キッカケです。特に、日本のStratosphere Musicの出したコンピに入っていた曲が良くて、何度も聴き返してしました。 それで、調べてみると、実は、1981年にはNeffeはもう Human Fleshを始めているみたいで、彼自身もグループと言うより、個人的なプロジェクトの一つとして立ち上げたようです。彼は、アルバムに作成に当たって、気心知れた友人であるXavier S (Pseudo Code), Debbie Jaffe (Master/Slave Relationship), Nadine Bal (Bene GesseritのBenedict G), Guy De Bièvre, Daniel Malempré, Mirella Brunelloらに声をかけていました。それで、1985年に、Human Fleshのファースト・アルバム”The 35th Human Attempt”を自身のレーベルInsane Musicよりリリースしています。Human Fleshのキッカケとなったのは、1981年にセコハンの8トラック・レコーダーを購入したからだそうで、機材に焦点を当てた曲を作ろうと思ったこのことです。それまでは、即興で1時間にも及ぶ演奏をしていたみたいです。それて、先述のように、仲間に楽器や声を録音してもらい、数ヶ月〜数年掛けて、音源を集めていたそうです。この場合、友人たちは、他の人がどんな演奏をしているかは知らされていませんでした。彼等の音源を全て知っているのは、Human FleshをやっているAlain Neffeだけです。また、音源を録音する時にエフェクトをかけてもらい、ミックスの時にはエフェクトは掛けないとしています。それらの音源を集めて、ミックスをNeffeがやるのですが、最終的なミックスは、最初のミックスから約1年経った頃に行うようにしていたそうです。このミキシングは即興的であり、彼のクリエイティビティにとっては最も重要な作業だと言うことです。時には、最終的なミックスが終わらない場合もあったとか。この作業自体は、実は私もK2名義で曲を作る時にやっていることで、正にAlain NeffeがHuman Fleshでやっているやり方と似たような手法です。 それで、本作品の内容についてなのですが、録音及びミックスはベルギーのNivellesで、1980年代中半に行われています。A面はSlightly Disturbed Sideとされて4曲、B面はRather Dark Sideとされて5曲収録されています。 A1 “Petite Fille De Marseille”では、Masaki Eguti (Electronic Drums), Alain Neffe (Synth, Prepared-G, Bells, Strings Organ, Casio SK1, Perc), Xavier S (Vo, Ocarina)が参加、複雑なリズムパタンのドラムマシン(因みに、このリズム音源は日本のMasakiこと江口昌記氏のこと)にXavierの粘着質な語りのようなヴォーカルが絡む曲で、結構、複雑な構成から成ります。まるで、ひっくり返ったオモチャ箱のような感じですね。A2 “Déjà Vu”では、Daniel Malempré (G, B), Alain Neffe (Synth, Rhythm Box, Strings Organ]が参加。逆回転のドラムマシンとシンセなどによる短い曲ですが、終わり方はカッコ良い。A3 “The V.A.T.”では、Cor Gout (Vo)とAlain Neffe (Zither, G, Flute, Subliminal Effects)が参加。リズムレスで、ギターとかフルートなどのバックにGoutの芝居掛かった、怪しげな語りが被ってくる曲で、催眠術に掛かったかのような感じがします。A4 “Rock And Roll Stars Are Getting Old And My Favourite Guitar Player Is Selling Ice Cream At The South Coast”では、Alain Neffe (Synth, Rhythm Box, Strings, Ring Oscillator, Bulbul Tarang)とDaniel Malempré (12弦G, B)が参加して、金属質な打楽器とシンセの急降下音からテンポの早いドラムマシンへ。やがて12弦ギターのカッティングからアルペジオへと移り、リズムもフェイドインしてきたと思ったら、パルスのようなシンセ音と歪んだギターと共にノリの良いドラムマシンにまたまた移ってしまいます。中々、ドラマチックな展開です。 B1 “ Louie Louie, Un Au-Revoir”では、Alain Neffe (Synth, Vocoder)とXavier S (Vo)が参加しており、悲しげなワルツのリズムに乗って、Xavierが語り出したり、歌い出したり。しかしながら、メロディは好みです。B2 “What Happened ?”では、Alain Neffe (Flute, Synth, Rhythm Box, Bulbul Tarang, G, Casio SK1, Subliminal Vo)とDanica Marzidovšek (ユーゴスラビア語のVo)が参加。またまた逆回転のバックにDanicaのしっかりした感じのユーゴ語での語りが❗️バックにも暗澹たるシンセが流れてきます。B3 “Un Matin De Plus…”では、Alain Neffe (Rhythm Box, Vo, Synth, Strings Organ)とPatrick Parent (G)が参加。ドラムマシンの凝ったミックスにNeffeのフラマン語(?仏語?)の柔和な語りと緩やかなストリング・オルガンが映える、如何にも欧州的なシャレ乙な曲。B4 “No One But A Shadow”では、Alain Neffe (Text), Nadine Bal (Vo), Deborah Jaffe (Vo)が参加したいますが、2人の女性ヴォーカルの対比が面白い。B5 “Swimming And Dying Around The Sinking Titanic (While Some Sirens Are Singing Their Strange Songs)”では、Daniel Malempré (Synth, Rhythm Box), Alain Neffe (Tape, Noises, Reel To Reel Tape Scratch, Vo), Nadine Bal (Vo)が参加。この曲も優雅なワルツのリズムで、効果的なシンセの音色とテープ・スクラッチのノイズがマッチしています。ミックスも凝っています。本作品の最後の曲として最適で大好きです。ここら辺のセンスは時代的なものを感じます。 総合的には、Neffeのセンスが光る秀逸な作品であると思えます。特にミックスを重要視しているのも高得点です。なので、少し変わったポップ・ミュージックを探している方は一度トライしてみては‼️ https://youtu.be/RlTPcP0UUtE #HumanFlesh #Second-HandEmotionsAndHalf-ForgottenFeelings #OnderStroomRecords #InsaneMusicForInsanePeople #ExperimentalPop #Electronics #Synthesizers #StringOrgan #Belgian #AlainNeffe #SoloProject
Experimental Pop / Electronic OnderStroom Records 不明Dr K2
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Jan Van Den Broeke “Time And Desire”
これも所謂「謎物件」でしょうか? ただ、ベルギーのEE Tapesが出していたので、このJan Van Den Broekeのことは全然知らずに購入しました。Broekeもベルギー人で、建築家兼音楽家兼視覚芸術家と言うことで、本名名義での音楽作品は、このアルバム1枚だけで、あと2枚はJune11やAbsent Music, The Misz, Canto De Mudoなどのソロユニットやデュオでの作品がそれぞれ数枚ずつ程リリースされています。彼は元々の名前はJean-Pierre Van Den Broekeだったのですが、ちゃんと法的にJan Van Den Broekeと改名してきます。彼はどうも1980年代初頭より音楽活動を開始しており、その時は怒れる若者だったようで。しかし、音楽への執着は衰えず、音楽の無い生活なんて考えられない、夢が無ければ、人生なんて無意味だと言っています。それでサブユニットの簡単な説明ですが、The Miszは1983年辺りに彼とDries Dekockerの2人でやっていたシンセ・ウェーブ・バンドです。June 11は、2003-2004年にやっていた新しいユニットで、アンビエントと歌物のギャプを埋める音楽を目指して、エレクトロニクスとアコースティックな楽器やサンプラーを使っていたらしいです。そしてそれは、唯一無比のサウンドとのこと。実は、本作品は、このJune 11名義の曲が殆どを占めています。一方、Absent Musicは元々はレーベルの名前でしたが、1980年代を通してやっていた実験的ミニマル・ウェーブ・プロジェクトの名前にしています。1980年代には、Broekeは、The MiszとAbsent Musicの2本立てで活動しており、カセット作品も2本出しています。コンピ・カセット”Mad in Belgium 2”や”Cortisol”及びHomi Sexpies Project”に参加して、Absent Musicは終わりました。ただ、後になって、EE Tapes (2012年と2022年)やStrom (2017年)はAbsent Musicのセルフ・コンピを再発しています。そして、Broekeは、Helena Legaz, Anneleen de Causmaecker, Philippe Van Keymeulenと共に現在、やっているのがCanto De Mudoで、本作品にも1曲だけ、この名義の曲が収められています。また、彼等はライブも地元ベルギーGentで稀ながら行っており、ギター、サックス、クラリネット、カリンバ、パーカッション、エレクトロニクスそしてフィールド録音を組み合わせた、インストのシュールな音楽をやっています。初めは、Brian EnoとLhasa de Selaの曲を演奏していたそうです。とまあ、Jan Van Den Broekeは色んな音楽をこれまでやってきていることが分かると思います。 それで、本作品についてなのですが、先述のように10曲中9曲がJune 11名義で、B5だけがCanto De Mudo名義となっており、2006年〜2021年のテイクがコンパイルされています。全体的には、非常にゆっくりした落ち着いた調子の曲が占めており、ある種のアンビエントとも言えるがもしれませんが、スポークン・ワードのようなしっとりしたヴォーカルも入っています。June 11名義の曲(A1-A5, B1-B4)では、Jan Van Den Broeke (Electronics, Vo, Sampler, Rainstick, G)の他に、Hilde De Clercq (Perc, Shaker, Cajon, Darbuka), Drita Kotaji (Vo), Helena Legaz Torregrosa (Clarinet), Stephan Barbery (G), Philippe Van Keymeulen (Soprano Sax, Rainstick, Darbuka, Baritone Sax), Stefan Thaens (Clarinet), Waander Devillé (B), Jacob D'Hollander (Electronics)が参加しており、Canto De Mudoの曲(B5)では、Jan Van den Broeke (Electronics, E-Bow G, Sampler)とPhilippe Van Keymeulen (Baritone Sax, Projector, Marbles) 及びHelena Legaz Torregrosa (Vo, Field Recording)のトリオでの演奏が収められています。基本的には、Broekeが電子音やサンプリングした音や声を担当しており、他の(ゲスト)メンバーがアコースティックな楽器などやヴォーカル(主にDrita Kotaj)が担当して曲作りをしています。先述のように、アンビエントと歌物の間に位置する音楽ですが、単なるラウンジ・ミュージックになっておらず、どちらかと言うと、音による風景画を観ている(聴いている)感覚に近いと思います。凄く繊細な音楽ですが、そこには強い抑制が働いているようです。個人的には、A2 “I'm Harriet (A Free Woman)”, A3 “La Vie Est Un Rêve”, B1 “Memories 2”辺りが好みですねぇ。もし、アンビエントの一歩先を見据えてみたいリスナーさんには良い指標となるでしょう‼️是非聴いてみて下さい! “Je Trébuche Pas #2” (アルバム未収録曲) https://youtu.be/i_wZLkLB6Ys [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mTauIe1-lLm30oumElu_SWtJLVKC2O4FQ #JanVanDenBroeke #TimeAndDesire #EETapes #LimitedEdition #350部 #June11 #CantoDeMudo #SelfCompilationAlbum #2006-2021 #Experimental #Ambient #Electronics #AcousticInstruments #Song
Synth Wave / Ambient EE Tapes 1900円Dr K2
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A Blaze Colour “Against The Park Trees Beyond”
これは完全に欧州物シンセ・ウェーブと言うことで購入しました。ベルギーのA Blaze Colourのセルフ・コンピ・アルバムです。彼等のバイオグラフィーを調べたのですが、殆ど情報がありませんでした。メンバーは、Karel ‘Bam’ Saelemaekers (Synth [Korg Polysix, MS20, M10, Casio VL Tone], Sequencer [SQ10] )とLudo Camberlin (Synth [Roland Jupiter 4, Roland SH2], Drum Machine [DR-55, TR808] )から成るデュオです。このデュオは現役時代には、カセット1本とシングル2枚(7㌅と12㌅)しか出しておらず、その詳細は不明です。その現役時代も、1981年〜1983年と言う短期間で、結成は1980年初頭にベルギーのLeuvenでと言われています。彼等がバンドを組んだ背景には、シンセが安価に入手できるようになったと言うことがあるみたいです。何でも、ライブトラックをコンパイルしたブートレッグがあるらしいのですが、これは本人達も確認できていないそうで、信ぴょう性に欠けるようです。それで、内容なんですが、多分、リズムボックスはBOSS DR-55と言う一番安価な物も使っていると思います。一応、シーケンサーと同期されていますが、簡素なシンセのリフやメロディから成る曲が多いです。ポップなことはポップなんですが、ん〜ひっかかりが無いと言うか、もう一つ個性的なところがあると良いなあと思います。でも、1980年代の欧州で流行ったシンセ・ウェーブの一端を知るには良いアルバムなので、聴いてみてはどうでしょうか❗️ https://youtu.be/rRsLkjHtiy4 #ABlazeColour #AgainstTheParkTreesBeyond #OnderStroomRecords #SynthWave #Belgium #Minimal #ElectroPop #Karel‘Bam’Saelemaekers #LudoCamberlin
Synth Wave OnderStroom Records 不明Dr K2
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Aroma Di Amore “Koude Oorlog”
これまた「謎物件」です。ベルギーのニューウェーブ・バンドAroma Di Amoreを紹介します。これは、当時、非英語圏のバンドに関心があって、購入したものだと思いますが、今回、その背景なども調べてみました。先ず、彼等の内、コアメンバーと言われているのが、Elvis PeetersことJos Verlooy (Vo), Fred AngstことGerry Vergult (G), Lo Meulenこと本名Lode Vandermeulen (B)の3人で、結成は1982年で、その時には、コアメンバー以外に、Andreas Smits (Organ, Synth)やFrits De Cauter(Sax)も在籍しており、Luc Van CapellenとMiet Van Spittaelと言ったメンバーも極初期には関係していたようです。それで、彼等は結成後、直ぐに、Humo’s Rock Rallyと言うコンテストに参加、ファイナルまで残ります。そして、Antwerpの伝説的ヴェニューDe Muzeでライブ・デビューしてから、40年間もベルギー国内外で活動し、2022年にBrusselsABで最後のライブを行って、その活動を停止しました。その間に、6枚のアルバム、数多くのマキシ・シングルやシングルをリリースし、何百回と言うライブもやってきましたが、毎回、ファンや音楽メディアによって支えられてきています。そして、2018年には、フラマン語とオランダ語の音楽についてのエキビジョン(Lang lebe de muziekとSint-Pietersabdij)で、彼等はその代表として選ばれており、活動停止した2022年には、彼等の1980年代のレコードを全て詰め込んだボックスセット”Zwarte Doos”がリリースされています。資料のフラマン語は良く分からないので、大体の流れは以上のようになります。 それで、今回、紹介するのは、1984年にリリースされたAroma Di Amoreのファースト・アルバム“Koude Oorlog”です。ファースト・アルバムと言っても、ミニアルバムで、A面4曲、B面3曲が収録されています。歌詞は全てフラマン語と思われます。ドラムは生かマシンかはちょっとよく分かりませんが、多分、マシンかな? 曲調は、シンセを多用した、典型的な1980年代初頭のニューウェーブで、比較的ミニマルな流れと吐き捨てるようなヴォーカルが特徴的でしょうか。A1 “Het Gesticht”, A3 “Koning Der Belgen”やB2 “Wir Haben Es Nicht Gewußt”のビート感覚やポップなハーモニカ/オルガンなんかはカッコいいです。A2 “De Schaarmeester”のベース・シンセの使用や多分「ふざけている歌詞」のヴォーカルもいい感じです。逆に、B3 “Een Mens Met Een Mes”のような気怠い陰鬱な曲とサックスのメロディも懐かしいですよね。まあ、こう言った「オモチャ」みたいなニューウェーブって、この時代には流行りましたが、そこにフラマン語を持って来たのが特徴でしょうか?皆さんも気に入るかもしれませんよぉー❗️ https://youtu.be/voMsEC44N8k #AromaDiAmore #KoudeOorlog #PlayItAgainSamRecords #NewWave #BelgianRock #FirstAlbum #FlemishLyrics #Synthesizers #Organ #DrumMachine #ElvisPeeters #FredAngst #LoMeulen #AndreasSmits #FritsDeCauter #LucVanCapellen #MietVanSpittael
NEW WAVE Play It Again Sam Records 不明Dr K2
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Blaine L. Reininger “Book Of Hours”
前回、紹介しましたTuxedomoonの創設者でもあるBlaine L. Reiningerのソロ・アルバム”Book of Hours”を、今回は紹介します。Tuxedomoon時代に関しては前回書いた通りですので、ソロアーティストとしてのReiningerのバイオグラフィーについて書いてみます。彼は、Tuxedomoonのメンバーとして3枚のアルバムを出した後、1983年に完全にソロアーティストとして、1988年にバンドが再結成するまで活動に専念していますが、実は、その後も、ソロ活動も続けています。バンド在籍時には、John CageとAllen Ginsbergにインスパイアされており、それは、1982年にリリースされた彼のファースト・ソロ・アルバム”Broken Fingers”でも継承されています。1983年にバンドを脱退した時に、以前よりもっと電子音楽的な方向性の持ったアルバム”Night Air”を、Michael Belferと共に作製しています。なお、プロデュースはGareth Jonesが行っています。また、彼のソロは、ベルギーのレーベルLes Disques Du Crepusculeからリリースされています。その後、着実にEPやアルバムを出していきます。その後も、コラボ作品等も作製し、Durutti Columnとは”Short Stories For Pauline”と”Without Mercy”の2枚のコラボ・アルバムを出しており、この時期にはネオ・クラシックな音楽を作製しています。また、盟友Steven Brownとも”Colorado Suite”とライブ録音アルバム”Live In Lisbon”をリリース、ミニマルでクラシックな音楽をやっています。1989年には、William Lee SelfのバンドMontanablueにも曲を提供したりしていますが、Reininger自身もその曲を彼のソロアルバム"Songs From The Rain Palace"に再録音しています。この辺りで、本作品も録音されています。1990年代に、彼は、メジャーレーベルからソロのサントラ・アルバム”Radio Moscow”をPolygramから、”Kingdom Of Dreams”をSony Musicから出しており、後者はアンビエント・ハウスな曲だそうです。また、1994年には、UVO IIとコラボしたアンビエント・アルバム”Sound Of Heaven”を独自主レーベルからも出しています。1990年代後半には、ギリシャに移住し、まだ18歳だったJJ La Rueと結婚しますが、その直後に、彼女は心疾患で亡くなっています。この頃は、主に映像作品のサントラを主に作製しており、また彼自身も俳優業を始めています。また、2009年〜2011年に、再びWilliam Lee Selfとのコラボを行うことになり、Lee SelfのHamburgの自宅スタジオにて録音作業を行っています。2013年には、7人のダンサーと3人のミュージシャンの劇版もやっており、そのサントラはCrammed Discsよりリリースされています。Reiningerは2019年までは独自のペースで活動を続けています。 それで、本作品”Book Of Hours”は、Reiningerの活動が最も油の乗っていた頃の作品で、参加したメンツは、Blaine L, Reininger (Vo, Vln, G, Mandlin, Kbd, Drs [Octapad])の他に、Steven Brown (Sax, Kbd), Ivan Georgiev (B, Kbd), Luc Van Lieshout (Trumpet, Flugel Horn), Jo Moens (Drs), Paul Zahl (Octapad, Drs[B1]), Eric Sleichem (Sax [A1]), Ian Devine (G [A2]), Iben Larssen & Niki Mono (Back-Vo [B4])が参加しています。それで内容に関しては、一言で言えば、「ゴージャス」ですね。参加者の皆さん、結構、マルチ奏者の方が多いので、音にも厚みがありますし、アレンジも凝っています。A1 “Zombie Bop”やB4 “Come The Spring”なんかも、イカした曲ですし、A2 “Sainte Thérèse”やB3 “Salad Day”は色っぽいバラード調です。またA3 “Letter From Home”やB1 “El Paso”では、Reiningerがしっとりと歌い上げています。A4 “Software Pancake House”では歌詞に「寿司」とか「味の素」とか出てきて、意味不明です。B2 “To The Green Door”は中東風のアレンジに、朗々としたVoが響く曲で驚きます。また、A5 “Pavane”やB5 “Marchand De Feraille”なんかは、ピアノや弦楽器等を使ったインスト曲です。このように、色んなベクトルを持った曲で、我々を楽しませてくれます。正しく、映画のようなゴージャスさです❗️一度は聴いてみても良いのではないでしょうか。 https://youtu.be/q_EiP_HQ6vo #BlaineL.Reininger #BookOfHours #LesDisquesDuCrepuscule #SoloAlbum #Tuxedomoon #PopMusic #Theatrical #Gorgeous #Instrumental #VocalSong #StevenBrown #IvanGeorgiev #LucVanLieshout #JoMoens #PaulZahl #EricSleichem #IanDevine #IbenLarssen #NikiMono
Pop Rock Les Disques Du Crepuscule 2800円Dr K2
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V.A. “Rock Rally 1982”
これは多分、裏ジャケにThe Chromeの名前を見たので購入したレコードだと思いますが、今となっては「謎物件」です(しかもChromeも同名異バンドでした)。今回、調べてみましたが、1978年から運営されているLarkと言うベルギーのレーベルの”Humo's Rock Rally”のシリーズの第二弾みたいで、全員、ベルギーのバンドです。しかも、全曲、結構大きそうなホールでのライブ録音みたいです。参加バンド、全然知らなかったので、忘備録として、参加グループと曲を簡単に紹介していきます。 A1 The Chrome “You Call” メンバーはFrank Ermgodts (Vo), Mark Hermans (G), Luc De Bal (B), Ron Vervecken (Drs)の4人組で、2枚のシングルを出しています。これはポジ・パンですね。中々、迫力があります。 A2 The Boxcars “After Hours” 元々Harry Vanbuel (Kbd), Jokke Kerkhofs (Drs), Luk De Graaff (B), Peter Vansantvoet (Vo, G), Wouter Van Belle (?)でしたが、どうもKerkhofsとDe Graaffだけが残ったようです。ここではピアノを中心にバラードをソウルフルに歌い上げています。Saxも情緒たっぷりに吹いています。余りニューウェーブと言う感じでは無いです。 A3 Automatic Heat “Outside” 全くの不明。これまた、弾けたポストパンクな演奏を繰り広げています。結構、カッコいいです。 A4 Gruppenbilt “Mastschappy” Stijn Meuris (Vo), Koen Meuris (Synth), Frank Coonen (Drs), Luk Vrancken (B), Marc Guffens (G)の5人組です。ちょいとダウナーでダークなスローチューンを演奏しています。シンセが中心になっています。 A5 Chant “In Remembrance” 全く正体不明。簡素なDrとBからなりますが、GやVoも後からしっかり入ってきて、盛り上げる時にはテンポアップするのが面白いです。 A6 5CV “New Dimentia” メンバーはJan Moens (B), Nicolas Lateste (Vo, G); Dirk Van Hoorde (Drs); Peter Van Mulders (G, Vo); Phillippe "Phil" Coen (Synth)の5人組でどうもこのシリーズで3位だったそうてす。ドラムパターンやギターの音色からはポジ・パンのようですね。 B1 2 Belegen “Fever” メンバーは、Rembert De Smet (G, G-Synth, Vo)とHerman Celis (Drs)のエレ・ポップ・デュオです。ギターシンセが唸りを挙げて始まるのですが、結構、肉体系で汗が迸っています。 B2 Crew “Put Out The Light” メンバーはAnn de Bruyn (Vo), Herman Peters (B), Jan De Bruijn (G), John van Vessum (G), Pieter Van Bogaert (Kbd, Organ)です。またまた、こちらもスローでソウルフルなバラードですね。オルガンが泣けますね。 B3 De Combi’s “You Don’t Need Me Anymore”全く正体不明。ジャンル的にはニューウェーブっぽいんですが、いかんせん、なんか古臭い感じもするんですよね。 B4 Aroma Di Amore “Due De Mafia”メンバーは、定かではないが、オリジナルはElvis Peeters (Vo), Fred Angst (G), Lo Meulen (B)の3人みたいで、現在も活動中です。やっとここに来てドラムマシンのバンドが登場です。シンセ音が聞こえるのですが、Angstが弾いているのでしようか? B5 The Rotor “Back On Sunday” メンバーは、Luc Dubois (G), Bart Lens (B), Peter Pinckers (Drs), William Contrino (G,Vo, Kbd)の4人組で、1983年にシングルを1枚出しています。割と爽やか系ネオ・アコとも取れるバンドです。華やかはないですが、聴き易くで、メロディもキャッチーです。 B6 Blanc De Blanc “Cynic(al) Grin” メンバーはDirk Deferme (Vo), Koen Brandt (?), Koen Claeys (後にNacht Und Nebelに参加?), Philippe Véridique (G)ですが、ヘルプでFrancis Stroobants (Sax), Joris Brouwers (Drs)が入っていたみたいです。これまた、P-Funk系の正当ファンクで、ダンサブルです。 とまあ、1982年におけるベルギーの若者音楽の事情が垣間見られるようなコンピですね。私自身もこのレコードのこと、すっかり忘れていましたが、中々、興味深かったです。もし、気になる方は、聴いてみて下さい。 The Chrome “You Call” https://youtu.be/DMWysbbD_w0 Automatic Heat “Outside” https://youtu.be/USORzuooQ7w 2 Belegen “Fever” https://youtu.be/zi3jqHb3OxM Aroma Di Amore “Do De Mafia” https://youtu.be/cGYdDU1kgnE #VariousArtists #RockRally1982 #Lark #Belgium #NewWave #TheChrome #TheBoxcars #AutomaticHeat #Gruppenbilt #Chant #5CV #2Belegen #Crew #DiCombi’s # AlomaDiAmore #TheRotor #BlsncDeBlanc
Rock Lark 不明Dr K2
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Snowy Red “s/t"
もう、Snowy Redを知ってる人なんて、殆どいないだろうなぁ。と言う訳で、ベルギーのもう一つのテクノ・ポップ系と言うかエレ・ポップなワンマン・ユニットSnowy Redを紹介します。このユニットは、元ChainsawのベースだったMicky Mike (本名Marcel Thiel)のソロでのステージネームです。元々、Micky Mike, Jerry WX, Dan DeeとBob SeytorからなるベルギーのBrusellで初めてのフランス語で歌うパンクバンドにベーシストとして在籍していましたが、バンドを作っては壊し、作っては壊していましたが、1980年にソロ活動を開始し、それがSnowy Redになる訳です。なんでも、たった一人で宅録して、10曲位作って、1000枚くらいプレスしたとか。それが彼のエレポップなアルバムである本作品になるのですよ。第一回ベルギー・リズムボックス・コンテストで、Snowy Redは賞金をPseudoCode, Etat Brut, Nausea、そして別の新バンドPolyphonic Sizeで分け合いました。彼はライブの時に、ステージ映えするように、スライドを投影したりしてますし、一方ではポラロイド写真を使ったりしてます。Sylviane V, Stéphaneはレコードのジャケ用の写真を撮ってくれたりして、視覚的なことを任せるようになります。 1981年に5月18日から同年6月30日に、MickyはBrusselsのクラブCool Gateに出てましたが、かなり演劇色が強かったみたいで、Serge Nicolas作、監督のサントラとして書かれた曲“Inquest into the death of Marilyn Monroe (マリリン・モンローの死因解明)”(実際の演奏ではYolanda Sonigaさんが実際に演奏したました)。これのミソは、1981年に、マリリン・モンローはまだ存命中の55才で、NYCのボロボロのアパートで隠遁生活をひっそりと送っていると言う設定であった点です。そしてファーストアルバムである本作品を1981年にリリースします。そして、その後、すぐは、彼は素人の同名の女の子とCarolを結成し、シングル”Breakdown / So Low”をリリースしますが、2枚目のシングルを出す前に別々の道に進むことになります。1981年10月には、MickyはSnowy Red一周年記念として、セカンドアルバム”Right To Die”を作ります。ファーストと同様のミニマルな曲調ですが、ギターやベースと言ったオーソドックスな楽器やしっかりしたヴォーカルも入っています。このアルバムは数年後に、予想外の評価を得ることになり、ベルギーの音楽雑誌だけでなく、メロディ・メイカーやヴィニールと言った英語雑誌にも賞賛されることになります。1983年にMickyはSnowy Redをバンドにしようと考え、Paul, Stephan BarberyとAlain Lefèvreらとで、バンド化します。3枚目のアルバム”Vision”はMickyにとってマイルストーンになります。それは、彼のアイデアをユニークなアプローチで具体化できるようになつたからです。 その後、MickyはAntlerと契約し、セルフ・コンピ”Snowy Red, The Compilation 1980-1984”をリリースし、その後に4枚目にしてラストのアルバム”The Beat Is Over”をリリース、再び1人での作業になっています。1990年代になると、彼は再びバンドセットを組むことになりますが、2009年5月26日にベルギーの仏語放送番組RTBFが突如、ベルギー・ニューウェーブの伝説Micky Mikeが52歳と言う若さで、Brusselsの病院で亡くなったと放送します。こんな感じで、Snowy Redは終わりますが、それがザックリとしたバイオグラフィーです。 それで、彼のファーストアルバムである本作品は、所謂、今で言うシンセ・ウェーブであり、宅録でもあります。恐らくはドラムマシンはRoland TR-606を使っており、ミニマルなベースラインのリフにやや妖艶なヴォーカルやシンセによるメロディらしき音が被さる形態です。単純ですが、インパクトは大です。しかしながら、メロディがやや感傷的になっている点で、表情豊かな曲に仕上がっていますし、如何にも欧州産と言ったメランコリックな旋律が特徴的ですね。ちょっとだけSuicideの2枚目のアルバムに近いところもありますね。そこら辺は意識していのか、Mickyに訊いてみたかったですね。この時代には一人で宅録ができるようになってきており、その先駆けであったと思います。そんなプリミティブながらドリーミーなSnowy Redを聴いてみて下さい! [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mt4c-YDEx7IBdxzmo2C-3-dvH5l161Zqg #SnowyRed #DirtyDanceRecords #SynthWave #MickyMike #Belgium #Synthesizer #TechnoPop #Electronics #Carol
Techno pop Dirty Dance Records 不明。Dr K2
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Jan Bruyndoncjx “Rails and Other Tracks”
このアーティストは全然知りませんでした!そのアーティストとは、ベルギーのJan Bruyndoncjx(何と読むのかも解りません。誰か教えて❗️)のことです。視聴して気に入ったので、即、購入しました!もう謎だらけの人で、1926年生まれの1999年死亡のベルギー人としか記載がありません。このレコードが無ければ、完全に時代の闇に埋もれていた位の「謎」です。なので、バイオグラフィーは省略しようと思いましたが、裏ジャケに経緯などが載ってましたので、そこから和訳・要約して書くことにします。それで本作品ですが、同国のMetaphonがこのアーティストを掘り起こしたもので、彼の曲をコンパイルしたアルバムとなっています。そしてその内容はと言うと、Janが色んな所でフィールドレコーディングした音源や会話やモノローグのような音源から成るオープンリール音源を1958-1965年に継ぎ接ぎして録音したコラージュ7曲を収録しています。どれも、今ならPCで簡単に出来ることを黙々とテープを弄って作り上げただけでも凄いと思いますが、何よりも、テープ加工の技術やコラージュの感覚が抜群に秀でていて、今でも充分通用すると言っても過言ではないです。特にA-1”Rails”の完成度は高いんですが、何故か、Chris WatsonとDD.RecordsのT.Kamadaさんとダブります。1950年代と言うのは色々な技術が発展した時代で、例えばPierre Schaefferがミュージック・コンクレートをやり始めており、またブリュッセルで行われたExpo58では音楽の技術的側面の発展も行われていました。そのExpo58では、蘭の企業Philipsが自社のパビリオンで流す音楽をIannis XenakisのLe Corbusierに頼んだりしていました。それは ”Gesammtkunstwerk”と呼ばれていました。一方、この時期の音楽的新技術として、安価なテープ・レコーダーとテープ(多分、オープンリールのこと)の開発・普及が行われたと言うことです。それによって人々は色んな音、ラジオやテレビの音や音楽等を簡単に録音出来るようになった訳です。それによって、テープの加工(コラージュ、ループ、逆回転、速度の調節など)が考え出され、テープ音楽がより身近なものになってきたと言うことです。そして、Janは自分のことを音楽家だとか作曲家だとは言っておらず、寧ろ、ベルギーの工場で化学を学んでたらしいです。そして、彼も磁気テープを用いて「サウンド・ハンター」として、周りにある色んな音や音楽を録音しまくり、彼自身のサウンド・ライブラリーを作り上げ、自宅スタジオを持ったと言う経緯です。A-1”Rails”は、この題名通り、彼が興味を持った鉄道や列車或いは駅での音を用いて、様々なテープ加工を行って作り上げた最初の曲で、この作品をもって、彼は国内外で数々の賞を受賞します。また、1950年終わり頃には、G58と言うヴィジュアル/ワード・アーティストの集まりやNationale Filmgroep 58と言った映画関係の集まりがベルギーのAntwerp周辺で結成され、Janはそれらの団体でレクチャーもしてます。特に映画関係の仲間であるRik KuypersやJos Pustjens、Louis Van Maelderには楽曲の提供をしていますし、またベルギーの詩人で音響詩もやっているPaul De Vreeとも共作をしています。そう言うこともあって、彼が楽曲提供した映画も数々の受賞をしています。そして1969年にJanは自宅スタジオをより本格的なものにして、テープ加工のHi-Fi化を試みています。とまあ、ザッと彼のバイオグラフィーはこんな感じですね。多分、彼の様なアマチュアでコアなミュージシャンって沢山いるのだと思いますが、それをできるだけ救ってあげるのも、レーベルの仕事の一つですね(Metaphon、いい仕事してます!)。と言う訳で、初期のテープ音楽に興味のある方は是非とも聴いてみて下さい!内容は押して知るべし❗️ YouTubeには無かったのでBandcampで! https://metaphon2.bandcamp.com/album/rails-and-other-tracks #anBruyndoncjx #RailsAndOtherTracks #Metaphon #TapeMusic #Collage #MusiqueConcrete #Belgium #Rails Expo58
Experimental music (tape music) Metaphon 4027円Dr K2
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Bene Gesserit “Half-Unreleased Madness”
やっとこさ来ました、ベルギーの地下ポップの至宝Bene Gesserit (「ベネ・ジェセリ」と呼ぶ)の登場です。メンバーは、ベルギー地下音楽界のドンAlain Neffeとその妻Nadine Balからなるエレクトロ・ポップ・ユニットです。彼等はB. GholaとBenedict G.と言う偽名も使っていますね。それで、彼等は1980年にこのユニットを結成。Alain自身がPseudocodeやHuman Flesh, I ScreamやCortexなどの多数のユニットをやっており、更に自身のレーベルInsane Musicも運営していますが、それらの内の一つで、かつ長い間、継続しているのが、このBene Gesseritなんです。基本的には実験色の余り無いエレクトロ・ポップと言え、他のユニットと違って、生楽器や逆回転は殆ど使われ無い,割と「正統な」ポップミュージックをやっています。1980年前後と言うとT.G.などのインダストリアル・ミュージックが,世間を席巻していましたが、Alainは、そう言った流れを必ずしも良くは思っておらず、ノイズミュージックやインダストリアル・ミュージックとは一線を画して活動をしており、あくまでも「新しい」ポップ・ミュージックを狙っていたのだと思います。それで、このBene Gesseritの本作品ですが、A面は未発表曲7曲を、B面にはコンピなどに発表した曲5曲を集めて編集しています。基本的には、シンセとリズムマシンを用いた宅録的ポップ・ミュージックで、Nadineはベルギー語或いはフランス語で歌っています。如何にもヨーロッパ的と言うよりもInsane Music的と言いますか、独特のミニマル・ウェーブな音楽を奏でています。A-2はダブ処理していて興味深いですね。本作品は未発表曲とコンピでの既発表曲のコンパイルしたものですが、それ程違和感なく、一つの作品になっています。そこら辺は流石Alainの一押しユニットだと思いますね。皆さんもベルギーの地下ポップを体験してみて下さい。 https://youtu.be/UTSIBvK51Cc #BeneGesserit #Half-UnreleasedMadness #OrderStroomRecords #UnreleasedTrack #CompilationTrack #B.Ghola #BenedictG. #AlainNeffe #Electro-Pop #Bergium
Avant-pop OnderStroom Records 3000円位?Dr K2