Gina Birch “I Play My Bass Loud”

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Phewさんも大絶賛!The RaincoatsのベーシストGina Birchのソロアルバム”I Play My Bass Loud”を紹介します。The Raincoatsについては以前にバイオグラフィーは書いてありますので、そちらをご参照ください。Gina Birch, 英国Nottingham、1955年生まれの音楽家/ヴィジュアル・アーティスト/写真家/映像作家でもあり、一番よく知られているのは、The Raincoatsの結成メンバーであったことです。そんな彼女の初のソロは、2021年作シングル”Feminist Song”です。今回は、2023年2月にリリースされた彼女のソロデビューアルバム”I Play My Bass Loud”を紹介します。Birchの音楽的キャリアは、1977年に結成した女性パンクバンドThe Raincoatsに始まります。BirchはAna de SilvaとHornsbyアートスクールの同級生で、The Slitsを観たのがキッカケに、音楽的素養は無かったにも関わらず、バンドを組むようになりました。その数ヶ月後には、彼女達は、それぞれの楽器を持って、Londonのステージに立っていました。The Raincoatsは、当時のパンク・ロック・シーンの中にあって、大きな反響を呼びました。特に、Red Krayola, Swell Maps, Rough TradeのGeoff Travisのお気に入りになり、彼女達は、3枚のアルバムをRough Tradeからリリースしています。それらのある初は、当時だけではなく、現在でもアーティストに大きな影響を与えています。1984年に、The Raincoatsは解散しますが、その後、Birchは、Red CrayolaのMayo Thompsonと独逸での共同作業に入ります。その後、Birchは、元The RaincoatsのVicky Aspinallと共にDorothyと言うバンドを始めます。1994年にNirvanaのKurt Conainは彼等のツアーのサポート頼んでいたのですが、CobainとKim Gordonによるバンドに新しい興味が湧いたこともあって、The Raincoatsの作品は、CobainとGordon自身らのライナーで再発されます。それで、1996年に、彼女達は世界ツアーをやり、DGC Recordsより、The Raincoatsとして新作で4枚目のアルバム”Looking In The Shadows”をリリースしており、また、彼女達自身のレーベルWe Three Recordsを立ち上げています。一方、Birchは、ペインターとしても映像作家としても認められていており、同時に2人の娘の母親でありましたが、The Hangoversとしてアルバム”Slow Dirty Tears”もリリースしています。因みに、彼女は、The LibertinesやNew OrderのMVにも関わっています。その後、2021年9日に、Birchは最初のソロシングル”Feminist Song”をThird Man Recordsよりリリース、好評を得ます。そして、2023年2月には、本作品で、彼女の初のソロアルバム”I Play My Bass Loud”を、Killing JokeのYouthやSonic YouthのThurston Mooreの協力の元、リリースしました。
以上がこのGina Birchの初ソロアルバムまでの経歴です。それで、内容なのですが、先ず、参加メンバーについて記しておきます。Gina Birch (Vo, B, G, Sampler, Kbd, Oohs, Clicks)の他に、Emily Elhaj (B [A1]), Jane Perry Woodgate (B [A1]), Shane Bradley (B [A1]), Helen McCookerybook (B, Back-Vo [A1, A5, B9, B10]), Youth (B, G [A1, A3-A6, B8-B10]), David Barbenel (Cello [A6]), Debbie Smith (G [B11]), Thurston Moore (G [A3, B11]), Michael Rendall (Kbd, Synth. Organ, Drum Machine [A1-A3, A5-B11]), Ana da Silva (Monotron [B10])と豪華な面子が揃っています。因みに、ジャケの絵は、Gina Birch自身が描いたものです。それで、A面6曲、B面5曲が収められています。A1 “I Play My Bass Loud”では、ベースを4本も使っていますが、力んだところも無く、良質なポップソングに仕上げています。A2 “Then It Happened”は軽くディレイを掛けたベースの弾き語りのような曲で、Birchの語りのようなVoもグーです。A3 “Wish I Was You”は、一転して、カッコ良いノリのロックな曲で、思わず身体が動きます。BirchのVoとMooreのノイズ・ギターが冴えています。A4 “Big Mouth”も跳ねるようなリズムのダンサブルな曲で、ヴォコーダーを通したようなVoは現代風ではあります。A5 “Pussy Riot”は、あの「ロシアのバンド」のことでしょうか?電子化されたレゲエ調の曲ですが、途中からノイジーなギター(?)が入ってきます。A6 “I Am Rage”はしっとりしたポップな曲ですが、歌詞は「怒り」で、それを囁くように歌っているところに、余計に「怒り」の増幅を感じます。
B面に行きます。B7 “I Will Never Wear Stilettos”は、囁くように歌うBirchからダンサブルな曲調に変わり、1人コーラルワークやバックのギターも良い感じです。歌詞は辛辣かな? B8 “Dance Like A Demon”では、ややハスキーなBirchのVoと懐かしい感じの曲調の演奏を聴くことができます。途中のBirchが叫ぶところも良いです。B9 “Digging Down”はダブっぽい曲で、やはり英国のアーティストはレゲエ・カルチャーの影響が大きいのかなと思います。Kbdが良い味を出しています。B10 “Feminist Song”は先行シングル曲でもありますが、語りのようなBirchのVoと、サビの盛り上がりとキャッチーなメロディが良い感じです。B11 “Let's Go Crazy”は正にポストパンクな曲で、バックで鳴っている引き攣ったMooreのギターも良い隠し味になっています。
それにしても、BirchのVoが気負いや怒りを全面に押し出すこもなく、極々自然体で歌っているところに感動しました。こんな風に歳を取りたいなとも思えます。それと、電子音などを隠し味にしながらも、Gina Birchと言う等身大のポップ・ミュージックに昇華させているところも凄いです❗️正直、私はこのアルバムを買おうかどうか迷ったのですが、買って良かったです。なので、英国の女性アーティストによる音楽に触れたいと思ったら、これはお勧めです❗️

Gina Birch “I Play My Bass Loud” live動画
https://youtu.be/zbqBsutVXx0

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nLh31S6bCgFiFkBVUihv1pFvvtw126KWE

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