月報 日本ビクター 1970年代

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日本ビクターの月報1970年代です。
1967年〜1969年のところでも触れましたが、ビクター(本体)の月報は邦楽のみとなっており、洋楽はRCA,ワールド・グループ,フィリップス,MCA(1970年5月新譜より)に分散されています。

70年1月号では、二村定一(ふたむらていいち)さんの「君恋し」が掲載されています。フランク永井さんのカバーが有名ですが、この曲の初録音は髙井ルビーさん(浅草オペラ)のようで(1926年頃)、その後木村時子さん(オペラ歌手としてキャリア・スタート)(1928年頃)を経て二村定一盤が発売されてヒットしたようです。(1929年頃)
これらの古い録音を聞くと、ムード歌謡としてのフランク永井盤とはかなり異なっており、当時のジャズ・ソングだったことが判ります。コード進行も一部違っています。二村定一盤の伴奏も「日本ビクター・ジャズ・バンド」となっています。

70年4月号では、中山千夏さん、アン真理子さんのアルバムが紹介されています。

70年8月号のシングル盤新譜を見ると、吉永小百合さん、岡林信康さん、小畑実さん、青江三奈さん、田宮二郎さん、太田博之さん、ソルティー・シュガー(走れコータロー)等、「流行歌」として括られていますが、随分ジャンルは幅広いなと感じます。

70年12月号では、洋楽クラシック新シリーズがスタートしています。同じ月にSL(蒸気機関車)のLPが載っていますが、当時かなりのブームとなっていて、各社から同系統のレコードが発売されていました。

71年1月では森進一さんのデビュー5周年豪華アルバムが企画されており、個性の強い歌い方もすっかり定着していました。橋幸夫さんやフランク永井さんの2枚組ベストなども紹介されています。ビクターの中核を担う歌手だったということでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=8Y2rOe5HmTo

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