月報 コロムビア 1970年代

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コロムビア月報1970年代です。

森山加代子さんがデノン・レーベルに移籍し、「白い蝶のサンバ」が久々のヒットとなりました。(70年2月号)

70年3月号には、クラシックの邦人演奏家のアルバムが2枚紹介されています。宮沢明子さんは、コロムビアでハイドンのピアノ・ソナタ全集を完成させ、トリオ・レコードに移籍した後にモーツァルトのソナタ全集を録音するなどレコード枚数も多く、御存知の方もたくさんいらっしゃるでしょう。一方ギタリストの渡辺範彦に関してはどうでしょう?
多分知っている方の方が少ないでしょう。パリ国際コンクールで第1位となり、天才ギタリストと呼ばれた方です。その後もご活躍されたのですが、誰もが知るような大家にならなかったのは、ご本人の演奏に対する厳しい姿勢(厳し過ぎるが故に、演奏会直前の「辞退」、所謂ドタキャンなども……)、本当に納得できる演奏が出来る作品のみ(レパートリーが限定的)といったことも影響していたように思います。が、今でも慕っているファンは少なくありません。

フルトヴェングラーの録音は、今でこそ出し尽くされた感すらありますが、60年代は全く事情が異なっていました。コロムビアが英ユニコーンと契約し、70年から大戦中の演奏会録音を発売し始め時は、大きな話題になりました。もともとドイツで録音されていたテープ(ドイツは磁気録音が早くから実用化されていました)ですが、敗戦時にソビエトに押収され、ソ連国内でのみ売られていました。それが晴れて西側に登場したわけです。

71年には、世界初のデジタル録音盤が登場します。71年1月25日に「サムシング/スティーヴ・マーカス」、71年4月25日臨発で「打/ツトム・ヤマシタの世界」が発売されます。月報では「PCMレコーディング」と書かれてはいますが、特別な説明や宣伝もしていないようです。この時点では量子化ビット数も今より低く、現在のCDと全く同じフォーマットではありませんが、デジタルであることに変わりはなく、これは特筆すべき出来事です。

71年6月号には、解散したスパイダースを離れた堺正章さんのソロ初作品「さらば恋人」が紹介されています。

美空ひばりは既に大御所、芸能生25周年を記念して2枚組アルバムの15巻セット(全30枚)という膨大な全集が1年以上かけて発売されました。

71年9月号では、キングから移籍したビリー・バンバンの「みにくいアヒルの子」が掲載されています。この次の作品が「さよならをするために」でした。

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