昨日みた風景 The scenery I sew yesterday: 内林武史

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2021年12月に「石を見ながらお酒を楽しむ」鉱物Barで開催された、内林武史さんの個展『石と星の標本室』。鉱物を使った宇宙や星をイメージした作品が展示されていました。

これは、展示されていた作品の1つ『昨日みた風景』。2021年にあった、三日月と金星の接近を見たことがきっかけで作られたというもの。

その月と金星を、古代の遺物か未来の建造物のような方解石(カルサイト)が見上げています。石をよく見ると、小さな虹が。

見たときから、時間と空間を超越した旅の風景という印象で、ぜんまい仕掛けの時計の横に置きたいなと思っていました。

また、ちょっと思い浮かんだのは、稲垣足穂の『黄漠奇聞』の最後のシーン。

神にならんと月を捕らえた王が、砂漠の帰路で自分の都を見失って彷徨う。廃墟にたどりつくと、そこは幾千年を経た、かつて栄華を極めた自分の都、バブルクンドであった。王は絶望して月を捕えた箱を開ける。空には何事もなかったように三日月がカラカラと嘲笑っていた…

作品は会期後に引き取れたので待ち時間は長かったのですが、個展の目録の写真集とポストカードを付けてくださいました。

#アート #天文 #鉱物

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    パプリカ

    2022/03/19 - 編集済み

    ・・・素敵です。引用されているシーンも、ぴったりですね。

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    • Gx6fcyly

      ofugutan

      2022/03/19

      実際の文章は違って、こんなシーンという要約を書き起こしているため、伝わってよかったです。『一千一秒物語』の文庫に収録されてる短編ですが、雰囲気あって好きなんですよね。

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