Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA

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動物瞳AFが使ってみたくてSonyのα7iiiを入手しました。それ以前からα7sを古いMFレンズの母艦として使っていましたが,Eマウント用AFレンズは1本も持っていませんでした。動物瞳AFを使うためにはAFのレンズがなくてはなりません(当たり前)。なので,28-70mmレンズがついたレンズキットの中古α7iiiをヤフオクで調達しました。

動いている犬でもちゃんと瞳を追いかけるのはさすが,ですし,28-70mmは悪くはないのですが,よいというわけでもなくて,結局,Sony ZeissのSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAをこれまた中古で買ってしまいました。物欲には際限がありません。

SEL55F18Zは最初のフルサイズミラーレスであるα7とα7Rと共に発表された5本のレンズのなかの1本で,2013年12月に発売されました。フルサイズセンサーを積んだα7シリーズのキットレンズであるSEL2870と同世代ということになり,現時点からみるとかなり古いレンズになってしまいました。しかし,AFも写りもそんなに古臭くはなく,いまだに,第一線で戦えるレンズだと思います。

レンズ構成をみるとどこがSonnarなのかよくわからん感じです。かの有名なベルテレが発明したSonnarは3枚貼り合わせレンズがあってこそのSonnarだという思い込みが(私には)あるので,SEL55F18Zのレンズ構成図を見てもSonnarという感じはまったくしません。たんにSonnarという名前を使っただけなんじゃないか,という気もしますが,何をもってSonnarと名付けたのかは知る由もありません。

SEL55F18Zは開放から解像度が高くて,ボケも綺麗,というもっぱらの評判で,実際その通りです。日頃,古いMFレンズばかりつかているので,さすがに現代的なレンズなんだ,ということを改めて思いました。SEL55F18Zが発売された時には,一部で,解像度番長,と言う人もいたようですが,現在ではもっともっと解像感が高いレンズが数多くリリースされていて,SEL55F18Zの解像感はもはや特筆すべきことではなくなったように思います。とは言え,私自身にとってはSEL55F18Zは十分すぎる解像度を持つレンズだと思います。

SEL55F18Zで撮った画だけみているとあまりなんとも思いませんが(たんに私の感覚が鈍いだけかもしれません),他のレンズから吐き出された画と比較してみると,SEL55F18Zはやたらと色が濃くてこってりした画に感じられます。レンジファインダーのContax時代(Contax Cマウント)のオールドZeissのレンズはもっとさらっとしていたように思うのですが,世代を重ねて新しいシステムに移ろうにつれて濃い,というかねっとりとした雰囲気を纏うように感じられます。その最初の兆候はたぶん,Zeiss IconのContarexに見られ,Yashica (というか富岡光学)が生産した一眼レフのContaxでその傾向が強まった結果,Zeissのレンズは濃厚というイメーッジも定着したのかもしれません。最近のCosina Zeissは使ったことがないのでどういう感じなのかわかりませんが,Sony Zeissはヤシカ/京セラのContax/Yashicaマウント時代のZeissレンズのイメージを継承しているように思われます。

個人的には,どちらかというと,さらっとした感じのオールドZeissが好みです。しかしその一方で,このこってり風味のZeissもこれはこれで捨てがたいと思う自分もいます。結局,欲には際限はないということなのかと。

このレンズによる作例を
https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/Sonnar%20T*%2055mm%20F1.8%20ZA
に置いています。

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