D川の高温石英/ベータクォーツ

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普通 "水晶" あるいは "石英" と聞いて真っ先にイメージする姿というと、恐らく削った鉛筆のような先端の尖った六角柱の結晶が殆どだと思います。

しかし彼らのように柱面を著しく欠いた特徴的な結晶形の者も存在します。
それが約573~867℃の高温条件で晶出した『高温石英』です。

思えば2020年3月上旬。
雪の融け残る山間を訪れ、川底の砂泥からこの特異な結晶を見止めた瞬間から探求が始まります。
https://muuseo.com/tezzarite/diaries/11

それから長閑な谷川に通い詰めること数ヶ月。
最初の漁り場から上流1㎞ほどの範囲を探しまわり、ようやく数粒の理想的な結晶を見つけることができました。

まずは大きさ。
見つかる結晶は精々1~3㎜程度といったものが殆どでしたが、1枚目の標本は堂々た5ミリ級。
6枚目の上部に映っている結晶に至っては軸長6㎜にも達していました。

次に透明感。
実は5㎜以上の結晶にもちょくちょく遭遇したですが、そういった個体の悉くが亀裂もしくは不純物だらけ。
お世辞にも美しいとは呼べぬものばかりでした。
そんな中、大きさと透明度を兼ね備えた彼らは奇跡の存在であります。

加えて形状バランス。
結晶面のひとつひとつがほぼ均等な大きさで揃っており、結晶軸にも偏心がありません。
そのため上下の六角錐が鏡写しになっていると錯覚するほど対称性に優れています。
また多少の欠けこそあるものの致命的な欠損には至っておらずソロバン玉のシルエットはしっかり保たれています。

総じて様々な要素が小高く纏まった合格品。
かの有名な千本峠産にも匹敵する美結晶であると思います。

これまでは形が綺麗なのに極小サイズだったり、5㎜以上だけれど欠けが多かったり…といった調子が殆どであったものですから、見つけた瞬間は最高に嬉しかったです。

山が育み川が運んだ水の結晶。
恵んでくれた自然に感謝です。

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  • うはっ川底漁りに又新たな理由が出来てしまった!

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    • フフフ・・・川漁りはイイですよ~😋
      ちょっとした宝探しみたいで夢中になりますし・・・
      そこでうっかり綺麗な石を見つけてしまうと、もう病みつきです🤤
      そして何より清らかな流れに身を寄せているだけで心が潤いますし、これからの季節には絶好の涼みスポットでございます!

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  • 何と美しい。自然が作り出した芸術ですね。
    モノ日記拝見しましたが、まさに宝探しですね。

    水晶・石英というと確かに6角柱状のものを想像しますので、
    このような結晶があるとは知りませんでした。
    この形に結晶化する温度条件の範囲が明確に決まっているのも、面白いですね。

    知らない事だらけなので、大変勉強になります。

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    • コメントありがとうございます!
      天然物にも係わらず古墳などから出土する切子玉そっくりで加工品と見紛うばかりです。
      仰るとおり結晶は自然の生み出す芸術ですよね。

      一般的な図鑑などで掲載されるのは大抵こういう六角柱の結晶ばかりなのであまり馴染みがありませんよね。
      水晶の成分である二酸化ケイ素は温度や圧力によってその構造が流動的に変化するので、一口に石英と言っても生成環境次第で複数の形態が見られるのです。
      鉱物の中でも最も普遍的な存在ですが、そういった奥深さがあるのも面白さや魅力だと感じますね😌

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    baggio10

    2020/06/18

    ご自分で発見されたんですね!すごいです!!

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    • ありがとうございます!
      はい、河原を探索して見つけました。
      川底を漁ったり土を掘り返したりするまでもなく表面採集だけで入手することができたので幸運でした😌

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    リリアソー

    2020/09/12

    3枚目の写真では特に透明に見えますね👀✨
    まるで氷のようにも見えました😚🎵

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    • おぉッ、まさにそうなんです!
      今のところ数粒あるですが、その中で最も透明度が高いのが3枚目の結晶でした。

      水晶にとって「氷」に例えて頂けることは大変な栄誉です!
      ありがとうございます😆

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    A-chan

    2020/10/17

    こんばんは。
    きれいな水晶ですね。透明なだけで無く
    中に物が散りばめられている感じが良いです。
    加工物では無い大自然のアートですね。
    まだ雪解け水の冷たい川から採取されたそうで
    大変でしたね。苦労して採取した分
    掛け替えの無い宝物ですね。

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    • どうもお晩です。
      ありがとうございます!
      クリアな中に包有物が込められていて、お感じになられた通りそこがチャームポイントにもなっているのです。

      探索を開始した時期はまだまだ寒く、防寒ゴム手袋越しにも冷気が伝わってくるほどでしたので、ホント諦めずに通い詰めた甲斐がありました😌

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