マグネシオターフェアイト2N'2S/ターフェ石

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スリランカの誇る "宝石の都" ラトゥナプラで産出したターフェアイト原石です。

なんと摩耗や欠損にも耐え抜いたばかりでなくルース加工すら免れた稀有な結晶です。

彼らの凄いところはなんと言っても六方晶系の面影を残す六角板状であること。
紫色がギュッと濃くそれでいて透明度が高いことも高評価です。

モーブカラーの美しい石ですが、特筆すべき点は発見された経緯にあるでしょう。

1945年のことです。
アイルランドの宝石愛好家であったリチャード・ターフェ伯爵が「スピネル/尖晶石」と思しきルースを観察していたところ特異な点を発見。

スピネルと思われていた紫色のそれが、立方晶系のスピネルでは起こり得ないはずの光学現象(複屈折)を示していたことに、氏は違和感を覚えたのです。

その後の詳細な検査の結果、やはり正体は新種であったことが判明。
発見者の功績を讃え、未知の鉱物は『Taaffeite』と命名されました。

このようにカッティングされた石から新種が発見されるなど前代未聞の出来事であります。

おまけにターフェアイトの示す複屈折率など微々たる数値で、とてもではありませんが容易に肉眼判別できるほど劇的なものではありません。

ましてや当時の人々が使用していた検査機器の性能なども、現代のそれと比べたら一体どれほどのものだったのか。
そのような条件下で僅かな光学的差異を捉えた観察眼の鋭さには、ただただ敬服するばかりであります。

ターフェ氏が発見者でなければこの石はどのような名前になっていたのか…あるいは新種と認識されず、長いことスピネルと混同され続けていたかもしれません。

探求の眼差しが、ある一石の運命を変えたことは間違いないでしょう。

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    nyamore

    2021/01/04

    新年早々素晴らしいものを見せていただきありがとうございました!

    ターフェ伯爵さん愛好家でもあったからこその大発見だったんでしょうね。相当な集中と時間と愛情をかけて石を眺めていたのではと想像しました。

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    • こちらこそ、お気に入りへコメントしてくださりありがとうございます!
      伯爵はとても熱心なお方であったらしいので、仰るとおり石に対する熱意は人並み外れたものだったのかもしれませんね。

      また記録によると必要最低限の機材(顕微鏡)しか所有していなかったそうなのです。
      しかしそういった不便な環境で宝石を観察し続けていたからこそ眼力が鍛えられ、45年の伝説的な発見に繋がったのかもしれませんね。

      まさに「達人筆を選ばず」を体現して見せた尊敬の人物です😌

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    レイレイ

    2021/01/04

    新年に相応しい貴重なコレクション✨
    拝見できたこととても嬉しいです!
    その石の持つ歴史やストーリーも…探究心の強さに驚かされました
    ありがとうございました(*^^*)!

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    • こちらこそコメントしてくださりありがとうございます!
      このように六角形のフォルムが残っている個体がなかなか無いものですので、この石に巡り合えたことは本当に幸運でした😆
      売場で見かけた瞬間は心臓がバクバクするほど興奮しましたね(笑)

      ただ美しいだけではなく鉱物としての耐久性も抜群で、そして何といっても発見史のユニークさ…これほど興味深くて心惹かれる石はありませぬ!

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  • んむ、素晴らしいです、研究者の鑑ですねぇ~

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    • いやまったく、この観察眼を見習いたいものです😌
      ひょっとすると、高性能な測定機器に囲まれている現代の研究者よりも鋭い眼力を持っていたのかもしれません。

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