PENTAX Super-Multi-Coated MACRO TAKUMAR F4/50mm

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PENTAX Super-Multi-Coated MACRO TAKUMAR F4/50mm

大変インパクトのある外観を持つレンズです。
正面から見るとすり鉢状になっていてズーット奥の方にレンズが見えています。
見えているレンズもずいぶん小さくて、一般的なレンズのイメージとはずいぶん違う風貌をしています。

このレンズもオークションで手に入れたのですが、カビや汚れが多く分解クリーニングが必要な状態。
解体自体は比較的簡単でしたが、外見どうりと言うか、現れたレンズ本体の小ささにちょっとびっくり、大げさに言うと、コンパクトデジカメのレンズ?と思うぐらいのサイズです。

何時もの様に、無水アルコールや、レンズクリーナーを駆使してクリーニングをし、一見綺麗になったと感じたのですが、光を当てて確認してみると小さな気泡のようなのにが全体にあり、ルーペで見てみると裏表の表面ではなくレンズの中にある・・・。

よく見るとこのレンズ、合わせレンズ?と言う事は、バルサム切れ?
何分初めての経験、言葉は知っていても実際には見たことない、どうしよう・・・

ネットで調べるも、明確な対処方法が分かる訳ではなく結構大変そう。
このままでも使えそうですが、やっぱり綺麗にしたい。失敗すればレンズはオシャカニにってしまいますが、これからもあるかもしれない事例です。何事も経験と一大決心をし、先ず、張り合わせレンズを剥がす作業です。
一番簡単そうな、シンナーに漬けて数日放置。全く効果なし。
次に、パーツクリーナーを直接噴射して冷却し、すぐに60度くらいの温水を掛けたところヌルっといった感じで外れたのです。成功です!

丁寧にクリーニングをした後にいよいよ張り合わせです。
貼り付けに使用した接着剤は、「パジコ UV-LED レジン 星の雫 ハード」。
紫外線照射で固まるタイプで、数秒で接着完了します。早い接着は大切ですがズレずに張り合わせなければ正しく撮影が出来ません。
これがなかなか難しく、貼っては剥がすの繰り返し、何とかずれなく貼れたのですが、本来は、剥がす前と同じ位置でズレなく張り合わせ必要なのですが・・・。

張り合わせ完了後、ルーペを使って確認したところ完全に綺麗になっており、バルサム切れを直すことが出来ました。
貴重な経験で、今後のレンズクリーニングの自信になりますね。

前段が長なりました。肝心のレンズについてですが、
外見上の特徴歩一つとして、鏡胴の先端外周に数字が記されています。
この数字は、分数で表わされる倍率の分母を表わしていて、倍率は「倍率=繰出し量/焦点距離」で得られるとのことです。

1964年に旭光学工業初のマクロレンズとして発売された『Macro-Takumar 50mm F/4』に採用された3群4枚テッサー型レンズ構成を引き継いで、レンズコーティングを7層にし1971年に発売されたのが『Super-Multi-Coated MACRO TAKUMAR F4/50mm』と言う事です。
勿論、ペンタックスのM42マウン、ト標準マクロレンズです。

1971年の発売当時の本体価格は19900円で、当時はかなり高価なレンズだったようです。

最短撮影距離は23.4cm、最大倍率は0.5倍で、絞り羽根枚数5枚、最小絞りF22、フィルタ径49mmで、M⇔A絞り切り替えスイッチ付きの完全自動絞りのレンズです。

ヘリコイドの長い全群繰出しタイプで、テッサータイプの小さなレンズ群の割りに大振りな鏡胴は、1/2倍の撮影を可能にする為だった様です。

写りは結構シャープで マルチコーティングおかげで色合い実像に近く、大きな欠点もなく寄れる標準レンズとしても使えそうです。

参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=C7rtGH9CkaI

【仕 様】
概要 : 1971年旭光学製、スーパー マルチコーテッド化されたマクロレンズ
正式名称 : Super-Multi-Coated Macro-Takumar 50mmF4
焦点距離 : 50mm
明るさ : F4
レンズ構成 : 3群4枚
コーティング : マルチコーティング
最短撮影距離 : 23.4cm
最大撮影倍率 : 1/2 倍
絞り構造 : 完全自動絞り
絞り羽根 : 5枚
フィルター径 : φ49mm
重量 : 240g

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