光電スイッチ式自動ドア装置@昭和初期の電機製品カタログ

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東芝の前身企業のひとつ東京電氣の製品開発部門の研究所が昭和十年代に出したカタログに載っている、光電スイッチを採用した自動ドア装置の図。建具そのものは木製枠のガラス框扉に見える。感知部の光源は説明文を読んでも「特殊電球」としか書かれていないのでよくわからないが、赤外線ではなくて可視光と思われる。
我が国の自動ドアの歴史について安直に調べよー、とググってみても、「建物には当時の日劇前の東芝営業所玄関に、光線スイッチ起動による自動ドアが設置され、銀座マンの話題を呼んだが大衆にとっては、高嶺の花であった。」という某大手メーカーの言説(現在は削除されているようだ)の一部がコピペされているばかりで、その姿形などはどこにも見当たらないが、東京電氣の営業所か研究所に併設されていたのだろうショウルーム内部らしきこの写真のものに、恐らくは似通った装置だったと思われる。
あるいは、これこそがその「営業所玄関」の写真なのかもしれない。入口と出口とが分かれているところからすると、どうやら一方通行だったようだ。手前にある背の低い円柱の内側にセンサが仕込まれているようだが、脇に鎖が張られているのは多分扉が手前側に開くので、お客がそれにうっかりひっぱたかれないようにするためではないかしらん。
今では当たり前のようにそこら中に設置されている自動ドアも、国内で普及したのはようやく昭和三十年代になって、というから、戦前の実物の詳細な図版はやはり珍しいといえるだろう。
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