S.I.N.A. “Get Better”

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クラブ仕様の簡素なジャケに包まれたのは、独逸Technoiseのレーベルの、もう一つの総本山Hands ProductionsよりのS.I.N.A.の変則LP (片面45回転/もう片面33 1/3回転)です。先ず、S.I.N.A.ですが、Sina Hübner (Vo)とStefan Böhm (Instruments)のデュオのことです。2人とも、ソロでも活動しており、多数の作品に関わっていますが、このS.I.N.A.に関しては、それ程多くの作品は残していません。このデュオの前に、パワーノイズ・バンドMono No AwareにいたBöhmは、Die Farbenに在籍していたFrank KlattとPzychobitchと言うバンドをやっていて、そこにVoとして Sina Hübnerが加わります。そして、2002年にKlattの代わりにMartin Kovacicが加入して本格的活動を始めますが、2006年にはリリースは止まり、彼等の内、BöhmとHübnerはS.I.N.A.として活動を始めます。因みに、Böhmは別名義でNullvektorとしてもHands Productionsからリリースもしています。それで、内容なんですが、A面(45回転)には、”Can't Stop Your Mind”とそのセルフ・リミックス曲Can't Stop Your Mind (Pzycho-Bitch Remix)が収められています(Pzycho-BitchとはS.I.N.A.の最初の3人のことです)。テクノのような4つ打ちとは異なる重いリズミックなキック、それにひび割れたHübnerのヴォーカルとホワイトノイズが絡まる原曲もカッコいいんですが、リミックス曲では、モロ4つ打ちのキックで、よりダンサブルな出来になっています。また、途中から入ってくるシーケンスするベースラインもエフェクティヴで、不吉なHübnerのヴォーカルも聴きものですよ。B面(33 1/3回転)の1曲目は、タイトでひび割れたキックと女性ヴォーカルによるリズミックなタイトル曲 “Get Better”で始まり、B3 “Fist”では更に歪んだビート・ノイズにメタパーまで投入しており、ここら辺に特徴を感じますね。また、B4 “Ball Of War”では、ダンサブルでノイジーなインスト曲も披露しています。Hands Productions自体が、テクノイズだけではなく、IDM, Drum & Bass, Breakcore, Minimal Techno, Ambient, Electronica更にはSound Artまでを扱っていることもあって、リリースされる作品にも層が厚いようです。そんな中でのS.I.N.A.の変則アルバムも2000年代辺りのリズミック・ノイズを再考する上で重要だと思いますので、是非、聴いてみて下さい❗️

“Get Better”
https://youtu.be/rGWrvKwPf1I

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLkUKZw1nS9sZJY7mbU3fwv46a6Ia1PCUd

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