Cabaret Voltaire “Live At The Y.M.C.A. 27.10.79”

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Cabaret Voltaire(通常Cabs)の最初のライブ・アルバムです❗️Cabsについては今までもバイオグラフィーは書いていますので(特に初期のは)、今回は省略しておきます。簡素な白ジャケにハンコでタイトルが押されているだけのぶっきらぼうな体裁でリリースされたアルバムですが、聴いて見ると中々当時を思い出させるような音風景が広がります。独特のリズムを刻むドラムマシーンに茫漠とした特徴的なギターノイズ、コードを刻むキーボード、テープ操作などなど、彼等ならではのアンサンブルを聴くことが可能です。ただ、インダストリアルか?と言うと何か違うようにも思えるんですよね。確かにシンセやテープの使い方、ドラムマシンの打ち込みにそう言う要素は見出せるんですが、ちやんとコードなりパタンなりの楽曲としてギリギリの線で持ち堪えているみたいで、後にエレクトロ・ファンクへの移行も自明の理であったように思えるんです。T.G.やSPKも時にテクノ路線の曲を交えてきたり、そっち方面に移行したりしていますので、本当は「ちゃんとした」音楽をやりたかったのでは?と勘ぐってしまいます。リリースの当時は、インダストリアル・ノイズなのに、「Chris Watson、オルガンのコード、弾いとるやないか?」とも思ったものです。なので、個人的には、このライブアルバムの後にリリースされた”Voice of America” や”Red Mecca”の方がやはり興味深いですね。一番、この時期で、聴きたいのは、機関車のスチーム・エンジンの音をリズムにして演奏していたら、客が怒って暴動になった時のライブが聴きたいです(なんかブートでありそう)。そんなCabsですが、何と今年、春頃に唯一のメンバーとして残っていたRichard H. Kirkが亡くなり、Cabsは永遠のインダストリアル〜エレクトロ・ファンクの代表として名を残すところとなりました。あとライブアルバムで面白いのは、観客の反応ですね。嫌に大人しく聴いて、大人しく拍手をしているのが、かえって不気味です。なので初期のCabsを語るには、このライブ盤を聴いてからにして下さい。

“Baader Meinhof”
https://youtu.be/ODiWDOdGhjU

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