Pete Shelley “XL・1”

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大元のBuzzcocksも紹介せずに、いきなりのPete Shelleyのソロ3枚目からです。多分、皆さんはソリッドでシャープなパンクパンドBuzzcocksのヴォーカル/ギターの方は知っているリスナーさんの方が多いと思いますが、実はPete Shelleyは、1980年からはソロでも活動していたんですよ。Pete Shelley、本名Peter Campbell McNeish。ステージメネームPete Shelleyはロマン派詩人Percy Bysshe Shelleyから閃いたそうです。1975年に彼はHoward Devitoと共に、Bolton工科大学で出会い、London近郊のHigh Wycombeに旅行した時にSex Pistolsを観て、1976年にマンチェスターで最初のパンクパンドBuzzcocksを結成しました。その後1977年2月に、Howardが脱退した後も、ヴォーカルとして、ソングライターとして突き進んでいきます。まあ、ここまでは、よくある展開なのですが、彼は実はバンドを組む前、1974年に既に”Sky Yen”という作品を作っており、彼自身のレーベルGroovy Recordsから、1980年3月に12㌅EPとしてリリースするまでは誰もそんな作品があったなんで知りませんでした。そこで、彼は自家製オシレーターを使って持続音と回転スピードを変えた音のレイヤーを重ねた実験音楽風の音楽をやっています。所謂「電子音楽」であり、時にクラウトロックとも比較されます。彼は、Sally TimmsとLindsay Leeと共に、”Hangahar”のサントラLPやFree Agentsの作品もGroovy Recから出していましたが、基本的には自分のソロ作品をだけを出しています。それで1881年にPeteは最初のソロ・シングル”Homosapien”をMartin Rushentのプロデュースで出しています。この時点で、彼は元々好きだった電子音楽へ回帰しており、ギターの代わりにシンセを使い、Martinもドラムマシンとシンセのプログラミングで参加して作り上げています。この”Homosapien”という曲は実はゲイ・セックスのことを歌っているとのことで、英国BBCでは放送禁止になりますが、USダンス・チャートでは14位に食い込みます。当時、Peteはバイセクシャルであることを公言し、シングルと同名のセカンドアルバムをリリースしています。その後、本作品”XL-1”を1983年にGeneric Recordsからリリースしています。このアルバムからシングルカットされた”Telephone Operator”はマイナーヒットします。ここでは、ZX Spectrumによるコンピュータ・プログラミングを導入しており、MartinとPeteは共同プロデュースしています。その後もソロ作品をリリースしていますが、1987年にアルバムと共に”Do Anything”を映画”Some Kind of Wonderful”の為に書き下ろしており、更にTour de France用に書い下ろしたテーマ曲はチャンネル4で1980年終わりから1990年中期まで使われてました。1989年には、以前のシングルのニューヴァージョン”Homosapien II”を録音しています。一方、Buzzcocksの方も1989年に再結成され、新アルバム”Trade Test Trandmissions”を1993年にリリースしています。しかしながら、エストニアのTallinnに家族で移住しましたが、2018年12月16日に63歳で心不全で他界してしまいます。まあ彼のバイオグラフィーはザッとこんな感じです。
それで本作品”XL・1”ですが、完全にエレクトロで、ダンサブルな曲が詰め込まれています。そうですねえ、大袈裟に言うと分裂後のHuman Leagueの”Dare”辺りとも共通する要素がありますね。参加メンバーはPeteとRuchent以外にBarry AdamsonとJim Russellです。元々、Pete のヴォーカルって独特な声質なんですが、そのプラスティックな声質とマッチしたヴォーカルが聴けます。しかしながら、ゴージャスなホーンセクション(これもシンセで作った?)は入った曲もあり、ん〜、それはそれで良いかな?と思いますが、余りに変わり過ぎていて、ビックリですよ。彼は本当はこう言う音楽がやりたかったんだろうか?とも思えますが、ソング・ライティングの才能は否定しようが無いですね。ピカイチです!後、全曲、ボトムが強調されたアルバムで、後々のダンス・ミュージックにも通底しますね。偶にはこう言うのを聴いても良いかな?皆さんもどうですか?

https://youtu.be/y4X2FG9Jbqw

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