Heldon “Stand By”

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初期に紹介した文章をうっかり消去してしまいましたので、再度、紹介します。
「フランスのRobert Fripp」の異名を取るRichard Pinhas (リシャール・ピナス)が率いたエレクトロニック・プログレ・バンドがHeldon (エルドン)です。バイオグラフィーを簡単に書いておきます。Richard Pinhasは元々は、Schizo(スキゾ)と言う前身バンドを大学生の時にやっており、197?〜1972年に2枚のレコードを出しています。その後も同国のバンドMagmaのメンバーや音楽ライターでマルチ奏者のHervé Picartともコラボをやっています。彼はパリ・ソルボンヌ大学で、Gilles Deleuze (ジル・ドゥルーズ)に師事して哲学を学んでおり,同時に小説家Jean-François LyotardやNorman Spinrad及びエッセイスト兼小説家Maurice Dantecにも影響を受けていたそうです。彼は「スキゾ分析とサイエンス・フィクション」と言う論文で、同大学から1974年に博士号を取得しています。1年間は教壇にも立っていたそうです。それで、彼は1974年にHeldonを結成し、Pierrot Roussel (B), Coco Roussel (Dr), Alain Renaud (G, Synth), Patrick Gauthier (Kbd, Synth), Georges Grünblatt (Synth), Gilles Deleuze (Vo)で,Heldonのファーストアルバム” Électronique Guerilla”を自身のレーベルDisjunctaからリリースします。Heldonは、彼がいさえすれば、成り立つバンドであると定義しており、それはその後も継続されています。
それで,本作品ですが、Heldonとしては7枚目のアルバムにして最高傑作となります。本作でのメンバーはFrançois Auger (Dr), Didier Batard (B), Richard Pinus (Synth, G, Vocoder), Patrick Gauthier (Synth, Piano), Klaus Blasquiz (Voice)となっています。基本的には、シーケンサーに生ドラムが同期して複雑なリズムを刻むと言う曲から成るんですが、それはFrançois Augerと言うドラマーあって、初めて可能になった音楽と言えるでしよう。A面は”Bolero”と題された8パートから成る組曲で、その名の通り、ボレロのリズムが刻まれた後、シーケンサーが駆動し始め、それに生ドラムが複雑に絡んでいきます。聴き進めると、また異なるシーケンスにMoogと思われる電子音と速弾きギター及びリード・シンセが絡んできます。B面にはタイトル曲”Stand By”と”Une Drôle De Journéeの2曲が収められています。シーケンサーの渦に絡む生ドラムがメチャカッコいいです。B2の曲は不穏なフレーズを刻む、メチャカッコいいベースとドラムに切り裂くようなギターが入り込んできて、本作中でもピカいちの曲になっています。Heldonは1978年に一旦解散します。2001年にHeldon :として”Only Chaos is Real”を発表しますが、一時的だったようです。近年では、体力的な問題で最後としてRichardが、来日し、日本のミュージシャンとセッション・ライブをやっているのも記憶に新しいと思います。しかしながら、この作品はめちゃくちゃカッコいいので、未聴の方は是非とも,この機会に聴いてみてください。

https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mBTC60GygcdbYIT31eSSKU4DXBlfoesWE

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