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Heldon “Heldon 2 - Allez-Teia (αλετεια)”
久々に登場しました。仏のプログレ・バンドHeldonです。今回は、2枚目のアルバム”Heldon 2 - Allez-Teia (αλετεια)”を紹介します。何故、私がこのアルバムをスルーしていたかと言うと、YouTubeでちょい聴きした時に、アコースティックな印象があって、「ん〜何だか、Heldonらしくないなぁ」と感じていたからです。それは、私のHeldonの新体験がアルバム”Stand By”だからかもしれませんね。そんな訳で、今まで購入してこなかったわけです。Heldonのバイオグラフィーについては、散々書いてきましたので、ここでは省略させて頂きます。今回のメンバーは、Richard Pinhas (Mellotron, G, Tape, ARP & VCS3 Synth)とGeorges Grunblatt (G, ARP Synth, Mellotron, Rabat Louckhoum)の2人でやっています。因みに、アルバム・タイトル”Allez-Teia”とは「真・実」と和訳されるらしいですが、併記のギリシャ語も同様の意味なのでしょうか?. 知ってる方がいましたら、教えて下さい。 それで内容なのですが、今回のメンバーを見て頂けると分かるように、ベースもドラムもいません。つまり、リズム隊がいない訳です。とすると、想像出来るように、シンセなどのパルス音以外にリズムを刻む音が無く、全体としては、2台のギターとメロトロンによるインスト曲の印象が強いです。後にドラムとシーケンサーを同期させ、そこにベースやギターで躍動的で狂的なメロディを体現したHeldonを想像すると、何だか物足りない感があるかもしれません。先述のように、メロトロンとシンセをバックに、Robert Fripp的ギター(A1はタイトルがモロ”In The Wake Of King Fripp”です)を弾いており、その音の感触は、如何にもHeldon (Richard Pinhas)的ではあります。また、A4 “Moebius”とB1 “Fluence”の第二楽章(B1b) ”Disjonction Inclusive”とでシンセのパルス音が使われていますが、電子音はそれ程前面には出ておりません。そんな中で、A2 “Aphanisis”とB3 “Michel Ettori”とではアコギの二重奏です。これにはビックリしました!それから、口説いようですが、A3 “Omar Diop Blondin”は、Fripp & Enoに捧げられており、シンセ(?メロトロン?)をバックに、Pinhasがギターを弾きまくっています。良い悪いは別にして、多分、”No Pussyfooting”のような音楽をやりたかったのかなぁ?と想像しますが、それでも、ギターのトーンや弾き方はPinhas的だと分かりますね。Heldonにしては、ちょっと異色なアルバムかもしれませんが、これが、3枚目のアルバムへの足掛かりになって、最終的に名盤”Stand By” や”Interface”へと結実されるのだと思うと、一度は体験した方が良いと思います❗️ A3 “Omar Diop Blondin” https://youtu.be/OqwPF_LwEFQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kk0XnPPSQ6LtpsPAUWQdlOFp2Z4HAjfVk #Heldon #Heldon2 #Allez-Teia #αλετεια #UnusRecords #ProgressiveRock #Guitar #Mellotron #Synthesizers #RichardPinhas #GeorgesGrunblatt #Duo #Fripp&Eno #French
Progressive Rock Unus Records 3990円Dr K2
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King Crimson “In The Court Of The Crimson King (An Observation By King Crimson)(クリムゾン・キングの宮殿)”
今更何で?って言わないで下さい。もう私が紹介するようなものではなく、他に詳しい方もいらっしゃるので、大変恐縮ですが、かの有名なKing Crimsonのファースト・アルバム”In The Court Of The Crimson King (An Observation By King Crimson)[邦題は「クリムゾン・キングの宮殿」]”です。この中でも、A1 “21st Century Schizoid Man (Including ''Mirrors'')”は、プログレ好きなら一度はトライしたことのある曲ですよね。それと、ジャケの顔のドアップの迫力、これも今までに沢山のパロディやらリスペクトやらを受けてますね。King Crimsonのバイオグラフィーについては以前にも書きましたので、そちらをご参照ください。この時のメンバーは、Greg Lake (B, Lead-Vo), Michael Giles (Drs, Perc, Vo), Robert Fripp (G), Ian McDonald (Reeds, Woodwind, Vibes, Kbd, Mellotron, Vo)に、作詞家のPeter Sinfieldを加えており、この時期は、FirippよりもMcDonaldがバンドの主導権を握っていたそうです。このメンツに落ち着いたのが、1968年11月30日で、 最初のリハが1969年1月13日でした。バンド名は、作詞家のSinfieldがかつての彼の詩に使っていた Crimson Kingと言う単語のアナグラムとして付けられています。初期のステージングとかはThe Moody Bluesからヒントを得て、McDonaldの要望で、メロトロンを導入しており、これが初期のKing Crismsonサウンドのカギとなっています。また、曲はどんどん複雑なコード進行になっていったそうです。そして、1969年7月5日に、LondonのHyde Parkで行われたRolling Stonesのフリーコンサートに出演した時に、500,000人の観客の前で演奏したことが、彼等のファースト・アルバムでもある、本作品の売り上げに大きく寄与したとのことです。この時期には、多くのバンドがブルースをベースにした英国や米国のハードロック・シーンに向かって行ったのに対して、King Crimsonはどちらかと言うと、より中世/現代欧州的なものが混ざり合った音楽性を目指していたことも特異な点でした。なので、当時としては、画期的かつ驚異的なアルバムであったと認識されています。そんなKing Crimsonですが、A1 「21世紀のスキッゾイドマン(元々は21世紀の精神異常者)」の大名曲から始まります。途中のインプロヴィゼーション的なソロパートのインタープレイやサビのメロディがいつまでも心に残りますね。今でも大好きな曲です。またA3 “Epitaph”の泣けるメロディも最高❗️個人的にはB面は余り好きでは無いのですが、フルートのメロディが頭に残るB1 “Moonchild”なんかも良曲だと思います。長尺の曲がA面3曲、B面2曲ですが、聴き終えた後に、何とも言えない、甘酸っぱい気持ちになります。その意味では、最早「懐メロ」ですね。そう言えば、昔、深夜TV番組で、オール・アコースティック楽器でA1 “21st Schizoid Man”のカバーをする番組を観たことがあるのですが、凄かったです。それ程までによく知られた曲もありますので、未聴の方は是非とも聴いておいて下さい❗️また、A3 “Epitaph”やB2 “In the Court of Crimson King”でのメロトロンも秀逸ですので、是非とも聴いてみてください❗️ https://youtu.be/Uw85aNJabkE #KingCrimson #InTheCourtOfCrimsonKing #AnObservationByKingCrimson #AtlanticRecords #SecondPress #FirstAlbum #ProgressiveRock #21stSchozoidMan #Epitaph #GregLake #MichaelGiles #RobertFripp #IanMcDonald #PeterSinfield #Mellotron
Progressive Rock Atrantic Records 不明Dr K2
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Magma “Mekanïk Destruktïw Kommandöh”
プログレ初心者の私ですが、これは勉強と思ってヤフオクで競り落としました。暫く聴いていなかったので、バイオグラフィーも含めて紹介することにします。Magmaは1969年にクラシックのトレーニングを受けていたChristian Vanderによってパリで結成されたプログレッシヴ・ロック・バンドです。「人間の精神世界と環境学的未来」が彼のモチベーションにあったようです。多分、1967年に彼がファンだったJohn Coltraneの死をきっかけに、イタリア放浪していた時に受けた「啓示」によると言われています。それに賛同したRené Garber (Sax), Laurent Thibault (指揮者)と共に、Lucien Zabuski (Vo)と Francis Moze (Organ)も加わり、最初はUniweria Zekt Magma Composedra Arguezdraと名乗っていましたが、短縮してMagmaになりました。その後、ツアーを行うにあって、メンバーを入れ替えています。VoのLucien ZabuskiはKlaus Blasquizに代わり、Eddie Rabin (Piano), Claude Engel (G), Jacky Vidal (Double-B)が加わります。彼等は3ヶ月間、Chevreuse Valleyで合宿し、またメンバーを代えています。Eddie Rabinの代わりにFrançois Cahen (Kbd)が加入し、Laurent Thibault は自主的に脱退、Francis MozeかBにシフトします。更にブラス・セクションとして、Taddy Lasry (Sax, Clarinet), Richard Raux (Sax, Flute), Paco Charlery (Trumpet)で強化しています。このメンバーでデビューアルバム”Magma”を1970年にPhillipからリリースします。聴いた人のリアクションは賛否両論だったとか。その後に、Claude Engelが脱退、またRichard RauxとPaco Charleryもバンドを去り、それぞれJeff Seffer (Sax) とLouis Toesca (Trumpet)が代わりに加入します。このメンツで、セカンド・アルバム”1001° Centigrades”を1971年4月にリリースし、また、Montreux Jazz Festivalなどでのライブにも出演しています。また、1972年8月に”Unnamables”をUniveria Zekt名義でリリースしましたが、1500枚しか作られず、その為、古参のメンバーは脱退しています。1973年にChristian Vanderは新しいラインラップでレコード作製を始めます。Stella Vander (Vo), Claude Olmos (G), Francis Mozに代わってJannick Top (B), René Garber (Sax, Clarinet), Jean-Luc Manderlier (Kbd)でリリースしたのが、本作品”Mëkanïk Dëstruktïẁ Kömmandöh”であります。この後、彼等は1年半に渡る全仏ツアーを行いますが、メンバーをスケールアップしています。Jannick Topの代わりにBernard Paganotti (B), Difier Lockwood (Vln), Gerald Bikialoの代わりにJean-Pol Asseline (Kbd)とBenot Widemann (Kbd), Claude Olmosの代わりにGabriel Federow (G)と言うメンツになっています。そこで、初のライブアルバム”Live / Hhaï”を1975年11月ににリリースしています。セカンドアルバムから、Christian Vanderはコバイヤ語(架空の言語で、日本ではRuinsの吉田達也さんがコバイヤ語で歌ってますね)の歌詞を書いて歌い始めてます。音楽的には、いわゆるジャズ・ロックの枠内にとどまらない音楽性を創出しており、オペラ、古典派のクラシック、ミニマル音楽などの要素を導入したズール(Zeuhl Music) なるジャンルの創始者として知られています。音楽性の微細な変化は幾度か経てはいますが、惑星コバイアを舞台とした神秘主義的なストーリーを叙事詩的に描くスタイル、特徴的なボーカリゼーション、ギター・キーボードより前面に出るリズムセクション、執拗な反復とビートの変化を繰り返しながらも狂熱的なアンサンブルは概ね普遍ですね。後はまた、機会があればバイオグラフィーを追加したいと思います。 それで、本作品は”Mekanïk Destruktïw Kommandöh”は異形のロック・オペラの如くで、邦題も「呪われし地球人たちへ」となっています(しかし、この頃のプログレの邦題の付け方は興味深いですが、つい、クスって笑っちゃいますね)。肝心の音楽の方は壮大なスケールと圧倒的な厚みを持った一大スペース・オペラ言えば良いのでしようか。緩急をつけて歌い上げるヴォーカルとコーラス隊、それを的確にサポートする楽器隊、もう完璧です(ベタな感想ですいません)。このアルバムでのメンバーは、Jannick Top (B), René Garber (Bass Clarinet, Vo), Teddy Lasry (Brass, Conductor, Flute), Doris Reinhardt (Choir), Evelyne Razymovski (Choir), Michèle Saulnier (Choir), Muriel Streisfeld (Choir), Stella Vander (Choir), Christian Vander (Dr, Vo, Organ, Perc), Claude Olmos (G), Jean-Luc Manderlier (Piano, Organ), Klaus Blasquiz (Vo, Perc)です。兎に角、変拍子で複雑な曲を弾けんばかりに演奏し、歌うのが、凄いです。特にコーラス隊には、人の「声」の迫力が十二分にあるのだなと感服させられました。クレジットでは7曲と書いてありますが、聴いてる分には片面1曲ずつと言う感じで、曲の切れ目がよく分かりません。しかしながら、コバイヤ語で歌われていることもあって、曲の切れ目とかは枝葉末節ですね。兎に角、音を浴びると言う感じて、出来れば、大音量で聴きたいですね。皆さんも大音量でどうぞ❗️ https://youtu.be/23k0pCLLmuE #Magma #MekanïkDestruktïwKommandöh #Celluloid #Reissue #Kobaïans #RockOpera #ChristianVander #JazzRock #ProgressiveRock
Progressive Rock Celluloid (Vertigo) 不明Dr K2
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Yes “Close To The Edge”
Yes!プログレを語る際に外してはいけないバンドの一つですね。今回は、そんな大御所のYesの5枚目のアルバム”Close To The Edge (邦題は「危機」)”をチョイスしました。またいつもですですけど、私より詳しい方も沢山いらっしゃるとは思いますが、彼らのバイオグラフィーを少し。元々は、1968年にJon Anderson (Vo)がWorriorsと言うバンドを脱退し、短期間だけ、Jon Anderson and The Gunと言うバンドで活動していましたが、その後にMabel Greer's Toyshopと言うバンドを結成したばかりのChris Squire (B)とClive Bayley (G)と合流、また Bob Hagger (Dr)とPeter Banks (G)も合流します。その際(1968年6月)に、音楽雑誌メロディ・メイカーのメン募に応募してきたBill Brufordがドラムとして採用され、Bobと入れ替わります。また、Peterも脱退しますが、ChrisがPeterを呼び戻し、クラシックの教育を受けたオルガン・ピアノ奏者としてTony Kayeが加わり、代わりにCliveが脱退します。この時のメンバーはJon (Vo), Chris (B), Peter (G), Bill (Dr), Tony (Kbd)となっています。この新バンドは1968年6月10日から7月9日までShaftedbury AvenueのThe Lucky Horseshoe cafeの地下室でリハをしています。この直前に、5人編成による初ライブが、1968年6月7日にLondon近郊の近いレイチェル・マクミリアンズ・カレッジで行われ、それに関してPeter の案でバンド名を”Yes”と改名したとか。それで、1968年9月のライブの時、主催者だったRoy FlynnがYesを気に入って、マネージャーになっていますか、その月に、Billはリーズ大学でパフォーマンス・アートを学びたい為に一旦抜けます。その代わりに、初めはTony O’Rellyが務めますが、他のメンバーといざこざがあり、結局、後のKing CrimsonのドラマーになるIan Wallaceに落ちつきます。結局、Billは大学に落ちてしまい、JonとChrisは戻ってきて良いよと言ってサポートメンバーとして再び在籍することになります。そんなこんなことをしていた時に、米国Atlantic Recordsと契約を結び、ファースト・アルバム”Yes”を1969年にリリース。音楽ライターには好評でした。翌年1970年にはセカンド・アルバム”Time and a Word (邦題「時間と言葉」)”をリリースします。因みにこの頃のYesはプログレではなく、BeatlesやThe WhoのようなArt Rock或いはサイケらしいです(私は未聴)。1970年4月18日のコンサートを最後にPeter Banksは解雇され、TomorrowのギタリストSteve Howeが加入します。このメンバーでサードアルバム”The Yes Album”を1971年2月にリリース。その前に、彼らはDevonの農場にてリハをやっていました。また、エンジニアのEddy Offordがこの作品以降、重要なポジションになります。ツアーをするのですが、SteveとTonyのイザコザが起きて、1971年7月31日のコンサートを最後にTonyが解雇され、新Kbdとして、フォークロックがループStrawbsに在籍していたRick Wakemanが加入します。このメンバーで、1971年11月26日に、4枚目のアルバム”Fragile(邦題「こわれもの」)”が、翌年1972年2月にはPaul Simonの”America”のカバーを録音しています。更に1972年9月には本作品”Close To The Edge (邦題「危機」)”をリリース。特にタイトル曲は片面全部を使ったクラシックやサイケやポップスやジャズの混合したような長尺の曲になっています。その後、またツアーに出ますが、3回目のツアー時、米国では”The Yes Album”と”Fragile”がゴールドディスクを獲得しています。”Close To The Edge”リリース後、BillがKing Crimsonに加入する為に脱退、代わりに、Plastic Ono BandにいたAlan Whiteが加入します。とまあ、色々ありますが、ここら辺で一旦バイオグラフィーはやめておきます。 それで、本作品”Close To The Edge”について書きたいと思います。この時のメンバーはChris Squire (B, Vo), Jon Anderson (Vo), Bill Bruford (Dr), Steve Howe (G, Vo), Rick Wakeman (Kbd)です。完全なコンセプト・アルバムで、1枚のLPに全3曲です。ロック・アルバムと言うよりも何かの物語を聴いているみたいです。まあ、メンバーの皆さん、上手いのでしょうが、私にはそれ程大事なことではないです。音色の豊かさ故に、このようなコテコテのプログレも聴くことができるようになりました。元々、プログレが好きではなかったのですが、最近ですよ、聴くことができるようになったのは。と言う訳で、プログレ嫌いな方も一度は聴いてみてください。きっと何かを発見することができますから。 https://youtu.be/GNkWac-Nm0A #Yes #CloseToTheEdge #AtlanticRecords #ProgressiveRock #5ThAlbum #ChrisSquier #JonAnderson #BillBruford #SteveHowe #RickWakeman #Symphonic
Progressive Rock ATLANTIC Records 不明。Dr K2
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Amon Düül II “Carnival In Babylon”
ここんところ、独逸と英国のグループを行ったり来たりですが、また我慢してつかわさい。と言う訳で独逸篇で、Amon Düül IIの4枚目のスタジオ・アルバムを紹介です。1960年代後半に、西独逸では大学生などによるコミューンが各地で形成されていましたが、その中でもBaader–Meinhof Groupとも言われたRed Army Factionの創設者もいました。それで、バンドの創設者として、Chris Karrer (G, Vo, etc), Dieter Serfas (Dr), Falk Rogner (Kbd), John Weinzierl (G), Renate Knaup-Krötenschwanz (Vo)がいましたが、彼等以外にも元Amon DüülのDrのPeter Leopoldがいました。そうして、John Wernzierlを中心に作られたのが、ミュンヘンのコミューンのAmon Düülで、そこでは何か楽器が出来るとか上手いとかは関係なく、演りたい人が演っていると言う緩い関係で、成り立っていました。それて、自分達の音楽を録音する機会に恵まれた時に、賛成派と反対派に分裂、後者はより音楽的素養のあるメンバーから成り、それが、Amon Düül IIになっていきます(なお、賛成派の録音はペナペナなものになってしまいましたが、それがAmon Düülの元になっています)。Amon Düül IIはメンバー・チェンジをして音楽的にも成功していきます。そして、1969年にAmon Düül IIは待望のファースト・アルバム”Phallus Dei”をリリースし、同時にライブ用の準備もしています。この時のコア・メンバーは Chris Karrer (主にviolinとG), John Weinzierl (G, B, Piano), Falk Rogner (Kbd), Dave Anderson (B), ベルリンから参加したPeter Leopold (Dr)及びDieter Serfas (Dr)で、Renate Knaup-Krötenschwanzはまだこの時点では最低限のVoでしか参加していませんでした。しかし、このアルバムをリリースしたことで、彼等は独逸国内のコミューンで寝泊まりして廻ることができたそうてす。そして1970年に”Yeti”をリリース、よりプルージーなVlnとGのジャムセッションに合わせての作曲・アレンジとなっています。翌年にはサード・アルバム”Tanz der Lemminge”をリリースしますが、Dave Andersonが英国に帰ってHawkwindに加入する為、代わりにLothar Meid (B)が加入します。また、Karl-Heinz Hausmann (Synth)の参加で、バンドとしても大きく成長します(因みに、1966年に、Chris Karrerは、後にEmbryoを決済する Lothar Meidとドラマーの Christian Burchardと共にAmon Düül Oと言うバンドも作っていますが、これは短命に終わります)。この頃からハードなツアーが増えていきますので、1972年にはライブアルバム”Live in London”をリリースしています。また、彼等は映画音楽にも手をつけていて、映画”San Domingo”に付与した音楽で、独逸映画賞も受賞したとか。その後、2006年11月8日に、Peter Leopoldが他界してします。代わりに、長年Popol VuhでGとDrを担当してきたマルチ奏者Daniel Fichelscherがドラムとして正式に加入します。実際Amon Düül IIで長年やっていくことになりますが、元々は1972年のアルバム”Carnival in Babylon”からの付き合いになっています。今回は、このアルバムを紹介します。 本作品ですが、Amon Düül IIはそれまではジャムセッションを中心にした演奏を繰り広げていたのですが、この作品からは、寧ろ、キチンとした作曲をやっていることが大きな違いですね。この時の録音メンバーはJohn Weinzierl (G, アコースティック12弦G, Vo), Chris Karrer (G), アコースティックG, Vln, Soprano Sax, Vo), Lothar Meid (B, Vo), Renate Knaup-Krötenschwanz (Vo), Daniel Fichelscher (Dr, Congo), Peter Leopold (Dr, Tambourin), Karl-Heinz Hausmann (Kbd, Electronics, Organ)で、ゲストとしてJoy Aloskar (B-Vo)とF.U. Rogner (Organ)及びOlaf Kübler (soprano Sax)も参加しています。Ratena嬢のVoが力強くも、伸びやかで、聴きごたえがありますね。ちょっとダグマー・クラウゼを思い起こしました。演奏の方も嘘のようにジャミングせずにキチンと演奏しており、また同時にヴォーカルを活かすように緻密な譜割りになっています。想像していたのと随分違うなあと言うのが本心ですが、まあそこは歌物アルバムということで。寧ろ、これを聴いてダラダラするのが、本来の楽しい聴き方ではないかのかな? まあ、それは兎も角、そんな歌心、満載のアルバムですが、良かったら、聴いてみてください❗️しかし、ダブル・ドラムは羨ましい! https://youtu.be/ONXT-L1ihuM #AmonDüülII #CarnivalOfBabylon #UnitedArtistsRecords #ProgreesiveRock #Song #KrautRock #Psychedelic #Commune #RenateKnaup-Krötenschwanz
Progressive Rock UNITED ARTISTS Records 不明。Dr K2
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Richard Pinhas “Iceland”
やっぱり好きなんだよなあ、Richard Pinhas大先生 (「リシャール・ピナス」と発音するのかな?)❗️本作品はソロ・アルバムとしてはサードに当たるもので、最初の発売は1979年にPolydorより。当然、こちらの方はリマスタリングしてあるので、聴き易くなっていると思います。彼はHeldonとソロ共に同時に活動しており、このアルバムが出た時には、Heldonは名作”Stand By”をリリースした時でした。それなのに、全然違う感触を感じ取るのは、やはり、Richard大先生の懐の深さなのか? バイオグラフィーは今まで書いてきた通り、ジル・ドゥルーズなどの哲学とSF小説との混合物から、バンドとして、最初はSchizo(「スキゾ」かな?)を、そして一躍彼を有名にしたHeldon(「エルドン」と発音)になり、シンセやシーケンサーを用いた作曲家としての彼の成長過程を見ること(聴くこと)ができるようになった訳ですが、それにしても、このアルバムは、盟友François Auger(「フランソワ・オジェ」と発音)も参加しているにも関わらず、Heldonの炸裂するシーケンサー対生ドラムのような緊張感は無くて、どちらかと言うとBrian Enoとかのアンビエントらしき音楽を奏でています。これもFripp & Enoの”No Pussyfooting”に影響を受けたのかな?と思います。本の1分前後の曲から10分近い長尺の曲まで収めてありますが、まあ、短い曲にも何らかの意味はありそうですね。まあ、コアなファンはこのアルバムも入手するとは思いますが、普通はここまでは買わないわなぁ。でも好きなんですよ、Richard Pinhasが!そんな方にもお勧めなので、聴いてみて下さいね! “Greenland” https://youtu.be/KGXnRm7kYKY [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nWlJiKHypl8tUhhhDDV3wph086QxkprEQ #RichardPinhas #Iceland #SoloAlbum #BureauB #Remastering #Ambient #ProgressiveRock #RobertFripp&BrianEno #Electronic #Guitar #Synthesizers
Progressive Rock Bureau B 3000円位Dr K2
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Heldon “I (1974) Electronic Guerilla"
もういい加減せーよ‼️と言われながらも、やっぱり大好きHeldonのファースト・アルバム(私のはその再発盤)、”Electronic Guerilla (初盤では” Electronique Guerilla”と表記されていた)”です。Richard Pinhasが書いているように、このアルバムでのRichardはAKS SynthiとレスポールのGで作られています。ヘルプと言うか、メンバーと言うか、Alain Renaud (G), Georges Grünblatt (Synthi VCS3), Gilles Deleuze (Vo), Patrick Gauthier (Piano, Synthi VCS3), Coco Roussel (Dr), Pierrot Roussel (B)で参加してます。と軽く書きましたが、何とドゥルーズ・ガタリの哲学者にしてRichardの恩師ジル・ドゥルーズの肉声(スポークン・ワード)が入っているのです❗️これは驚きましたねぇ。なお、A面には副題として"Guerilla Electronique" William Burroughsが、B面にはSpecial Thanks To Norman Spinradと記載されています。内容的には、シンセを使っている他には、まだそれ程の工夫は練られて無いようですが、それても、一聴して分かるシンセの音色と伸び伸びしたギター・フレーズはこの頃から既にあったのがと確信しました。この頃は、Richardはまだギタリストっぽい立ち位置にいたようにも思えますが、それでもシンセはたっぷりと使ってます。この対比が堪らないんですよね。ロック、強いて言えばプログレにおけるシンセの重要性や発展性を導いた伝道師的な立ち位置が、彼の持ち味と思います。なお、このアルバムはRobert Wyattに捧げられているようです。そんなアルバム、聴きたいでしょ?どつぞ!どうぞ! https://youtu.be/XS0WuJrp_4I #Heldon #ElectronicGuerrila #Cobra #AKSSynti #Guitar #Richard Pinhas #GillesDeleuze #SchizoStudio #再発盤 #FirstAlbum
Progressive Rock COBRA 3575円Dr K2
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Can “Live In Stuttgart 1975”
Can、「出来る」とも「缶」とも取れるネーミングを冠した独逸のプログレ・バンド。私は何故かこれまで余り好きにはなれなかった。大体、メンバー4人ともそれなりに音楽教育を受けてきたのに、ヴォーカルはいつも素人(ダモ鈴木やMalcolm Mooney)に歌わせてきた経緯と、その素人のVoが何となく気に入らなくて、どうも好きになれなかったんです。そんなCanのVo無しの4人組によるフリー・インプロヴイゼーションのライブ盤が出たと聞いて、何とか入手したいと思って、やっとヤフオクで競り落としたのが、この”Live In Stuttgart 1975”です。それで、まずは簡単にバイオグラフィーをちょっと(皆さんの方が良く知っていると思います)。Canは、Holger Czukay (B), Irmin Schmidt (Kbd, Synth), Jaki Liebezeit (Dr), Michael Karoli (G)による最重要なクラウトロックの一翼を担うバンドで、結成は1968年に、独逸ケルンにて。その始まりは、リーダーのIrmin Schmitが1966年に米国NYCを訪れた時、Steve ReichやLa Monte Young, Terry Rileyのようなアヴァンギャルドな音楽だけではなく、Andy WarholやHotel Chelseaに触れて、何が弾けたことからと言われてます。そこで、その年の終わりに、Irminは米国前衛作曲家のDavid C. Johnsonと音楽教師のHolgerとで、ロックの可能性を体現する為にバンドを組みます。この時点では3人ともクラシックの前衛音楽の素養を持っていました。事実、IrminとHolgerはかの独逸現代音楽界の巨人Karlheinz Stockhausenの教え子でした。取り敢えず、Irminはオルガンとピアノを、Holgerはベースを担当して、2チャンネルのテープマシンに録音してました。Holgerの教え子でもある19歳のMichael Karoliとフリージャズバンドで演奏していたJaki Liebezeitが加わり、Davidが抜けて、1968年によりロックに方向を定めたバンドが結成されました。最初はInner SpaceとかThe Canとか名乗ってましたが、最終的にはCANになります。Jaki曰くCANとはCommunism, Anarchism, Nihilismの略だとか。そして、その年には、米国人の彫刻家Malcolm MooneyをVoに入れて、”Prepared to Meet Thy Pnoom”と言うアルバムを作り上げますが、これは、どのレコード会社にも無視されます。それにへこたれず、1969年に記念すべきファーストアルバム”Monster Movie”がリリースされます。この作品は、ガレージやサイケ或いはファンクによる影響もありますが、後にハンマー・ビートと言われるように執拗なまでのベースとドラムの繰り返しから成り、そこにMalcolmの奇妙で催眠的雰囲気が塗された、画期的なものになりました。しかし、Malcolmは精神的に参ってしまい、米国に帰ります。その後、1970年にミュンヘンのカフェで「面そうなヤツがいる」とHolgerとJakiが目を付けたのが、ダモ鈴木で、いきなり「その夜のライブに出るかい?」と声をかけてメンバーとなりました。そして出来たのか、1970年のアルバム”Soundtracks”です。1971年にリリースされた”Tago Mago”は強力なリズムを纏ったジャジーなドラム、即興的ギター、効果的なキーボードソロ、そしてHolgerによるテープ編集に加えて、Damoによる不思議な言語感覚のヴォーカルからなり、一つの頂点に達しています。1973年にアルバム”Future Days”を出した後に、Damoはバンドを去ります。この作品はややアンビエントの要素があるようです(私は未聴)。その後もコンスタントにアルバムを出していき、英国のTop of the Popsにも出演しています。しかしながら、Holgerは、更なる前衛化を目指して、短波ラジオやモールス信号などを用いますが、他のメンバーがついて来れず、1977年に彼は脱退します。まあ、それで解散と再結成を繰り返すますが、今日はここまでにしておきます。 それで、本作品ですが、ヴォーカリスト不在の4人組での長尺の即興的な曲が十二分に収められています。先に言っておきましたが、私はそれ程Canのファンではないですが、これは買って正解でした。多分、ロックのイディオムで即興演奏を行なっているんだろうなと確信しました。こんな良い音源が残っていたなんて!まあ、基本的に皆さん、テクもあって演奏自体も上手いんですが、特筆すべきは、Holgerのベースがしっかり土台を支えていることです。なので、他のメンバーは割と自由に演奏ができているように聴こえます。私の苦手なヴォーカル(しつこくてすまん)が無いことが幸いしているとも思いました。それにIrminのキーボードの演奏も良く聴こえるし。ブルースじゃないロックのジャム・セッションってこう言うのを言うんだなあと思います。そんな白熱した演奏を是非聴いてみてください。オレンジ盤アナログは限定なので、お早めに❗️ A “Stuttgart 75 Eins” B “Stuttgart 75 Zwei” C “Stuttgart 75 Drei (Part 1)” D “Stuttgart 75 Drei (Part 2)” E “Stuttgart 75 Drei (Part 3)” F1 “Stuttgart 75 Vier” F2 “Stuttgart 75 Fünf” F1 “Stuttgart 75 Vier” https://youtu.be/uQntAMfeX9g?si=MiRuF6iVgde9G64O [full album] https://youtu.be/fdooNglw1cU?si=MZ8ywo6eULOC4Jxt #Can #LiveInStuttgart1975 #SpoonRecords #Live #IrminSchmit #HolgerCzukay #JakiLiebezeit #MichaelKaroli #Improvisation #Session
Progressive Rock SPOON Records (Mute Records) 5800円Dr K2
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Heldon “Interface”
またまた来ました、フランスの電子音楽のカリスマ・バンドHeldonの6枚目のアルバム”Interface”です。もういい加減にしなさい!と言われても、好きなモノは好きだから、仕方ないです。この作品の次に名作”Stand By”がリリースされるのですが、本作品もそれに劣らず凄いです。もうバイオグラフィーは無しです。漸く手に入れたブツです。気色悪いジャケに包まれての本アルバムは、兎に角、Moogシンセによるシークエンスとそれに同期する複雑なドラミングが中心になって曲が作られており、また、ギターや上物のシンセもビシッと決まっています。また、最早ベースも要らないかように、Moogのベース・シンセも大々的に使われています。この時のメンツはRichard Pinhas (Moog Synth, G), François Auger (Dr, Perc, Synth), Patrick Gauthier (Moog base, Mini-Moog)で、一曲だけ(A-4: “Bal-A-Fou”)、Didier Batardがベースで参加しています。シークエンスってやっぱりクセが出ますね。ここでは、技術的な面もあるとはいえ、それ程複雑なシークエンスは組んではいませんが、例えば、DAFのそれとはやっぱり違う訳で、たかがシークエンス、されどシークエンスですね。それにしてもFrançoisのドラミングは凄いですね。特にB 面全部を占めるタイトル曲”Interface”は聴きどころ満載ですが。最早、「音の永久機関」ですね。最後の最後にちょっとした仕掛けがありますが、ネタバレしそうなので、今は秘密にしておこうと思います。こう言う音楽は爆音で聴きたいものです。どうですか?皆さん! [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nC5J11N59_PVuYFT02VDnlp1HirgqcYbU #Heldon #Interface #Cobra #RichardPinhas #FrançoisAuger #PatrickGauthier #Moog #Synthesizer #Sequence
Progressive Rock COBRA 4000円Dr K2
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Richard Pinhas “Chronolyse”
フランスの電気仕掛けのプログレを代表するHeldon (「エルドン」と発音)の首謀者Richard Pinhas (「リシャール・ピナス」と発音する)のソロアルバム”Chronolyse”です。タイトルは「時間化」或いは「時間融解」と言う意味でしようか?Richard Pinhasの経歴はHeldonの項目で書きましたが、彼の音楽は、一言で言うならば、ジル・ドゥルーズの生徒であった若者が哲学じみた態度でもって、SFとスキゾ分析の間から作った電子音楽と言うところでしようか。分かりにくいですね。もっと卑近に言うならば、哲学者崩れがやってるプログレです。Pinhas は、Heldonをやりながらも、ソロ活動も平行してやっており、本作はソロアルバムの2枚目に当たります。本作A面では、ドラムもベースもいないので、リズムは主にシーケンサーによって作り出された小曲が並んでいます。また、バンドと違い、ギターは殆ど使われず、主にアナログ・シンセ(Moogですね)をメインに使っています。それに対して、B面全体を占める”Paul Atreïdes”では、シンセを中心にギターやベース、ドラムも加わった電子音楽のジャムセッションを繰り広げています。まだ、この頃にはドラムとシーケンサーの同期演奏は行われていません。後半にはシンセによる多重層ドローンも聴取できます。B面では、ベースはDidier Batard、ドラムはFrancois Augerが演奏しています。また、Pinhas はギター、メロトロン、ARP シンセを演奏しているとクレジットにありましたが、この音はMoogだと思います。近年では、来日して、吉田達也氏やMerzbowこと秋田昌美氏とのコラボ・ライブも記憶に新しいかと思いますが、Pinhas自体がもう70歳なので、体力的にこれ以上の来日は無理っぽいです。このアルバムはMoogシンセが多量に使われていますので、シンセ好きならば、是非、その太い音を聴いてみて下さい。 A1 “Variation I ~ Sur Le Theme De Bene Gesserit” https://youtu.be/xVHlJdbY9Qw [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lF_qPT9m979jvt-XlHsy6fKdaDDoby7wo #RichardPinhas #Chronolyse #Cobra #SoloAlbum #Synthesizer #Sequencer #Moog #Guitar #ProgressiveRock #Electronic
Progressive Rock COBRA 2800円Dr K2
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Heldon “Stand By”
初期に紹介した文章をうっかり消去してしまいましたので、再度、紹介します。 「フランスのRobert Fripp」の異名を取るRichard Pinhas (リシャール・ピナス)が率いたエレクトロニック・プログレ・バンドがHeldon (エルドン)です。バイオグラフィーを簡単に書いておきます。Richard Pinhasは元々は、Schizo(スキゾ)と言う前身バンドを大学生の時にやっており、197?〜1972年に2枚のレコードを出しています。その後も同国のバンドMagmaのメンバーや音楽ライターでマルチ奏者のHervé Picartともコラボをやっています。彼はパリ・ソルボンヌ大学で、Gilles Deleuze (ジル・ドゥルーズ)に師事して哲学を学んでおり,同時に小説家Jean-François LyotardやNorman Spinrad及びエッセイスト兼小説家Maurice Dantecにも影響を受けていたそうです。彼は「スキゾ分析とサイエンス・フィクション」と言う論文で、同大学から1974年に博士号を取得しています。1年間は教壇にも立っていたそうです。それで、彼は1974年にHeldonを結成し、Pierrot Roussel (B), Coco Roussel (Dr), Alain Renaud (G, Synth), Patrick Gauthier (Kbd, Synth), Georges Grünblatt (Synth), Gilles Deleuze (Vo)で,Heldonのファーストアルバム” Électronique Guerilla”を自身のレーベルDisjunctaからリリースします。Heldonは、彼がいさえすれば、成り立つバンドであると定義しており、それはその後も継続されています。 それで,本作品ですが、Heldonとしては7枚目のアルバムにして最高傑作となります。本作でのメンバーはFrançois Auger (Dr), Didier Batard (B), Richard Pinus (Synth, G, Vocoder), Patrick Gauthier (Synth, Piano), Klaus Blasquiz (Voice)となっています。基本的には、シーケンサーに生ドラムが同期して複雑なリズムを刻むと言う曲から成るんですが、それはFrançois Augerと言うドラマーあって、初めて可能になった音楽と言えるでしよう。A面は”Bolero”と題された8パートから成る組曲で、その名の通り、ボレロのリズムが刻まれた後、シーケンサーが駆動し始め、それに生ドラムが複雑に絡んでいきます。聴き進めると、また異なるシーケンスにMoogと思われる電子音と速弾きギター及びリード・シンセが絡んできます。B面にはタイトル曲”Stand By”と”Une Drôle De Journéeの2曲が収められています。シーケンサーの渦に絡む生ドラムがメチャカッコいいです。B2の曲は不穏なフレーズを刻む、メチャカッコいいベースとドラムに切り裂くようなギターが入り込んできて、本作中でもピカいちの曲になっています。Heldonは1978年に一旦解散します。2001年にHeldon :として”Only Chaos is Real”を発表しますが、一時的だったようです。近年では、体力的な問題で最後としてRichardが、来日し、日本のミュージシャンとセッション・ライブをやっているのも記憶に新しいと思います。しかしながら、この作品はめちゃくちゃカッコいいので、未聴の方は是非とも,この機会に聴いてみてください。 https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mBTC60GygcdbYIT31eSSKU4DXBlfoesWE #Heldon #StandBy #EGGRecords #Sequencer #Synthesizer #ProgressiveRock #RichardPinhas #FrançoisAuger
Progressive Rock EGG 不明Dr K2
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Heldon “Un Rêve Sans Conséquence Spéciale/A Dreams Without Reason”
もう、このバンドはオールタイム・フェイヴァリットですね、Heldon❗️このアルバムは5枚目で、これの後に、傑作”Interface”が出ますので、その布石的作品になっています。バイオグラフィーは前回とかに書きましたので、省略します。この作品で、首謀者Richard Pinhas (Moog Synth, G)の他に、シーケンサーと同期出来るドラマーFrançois Augerが初めて参加しています。まだこの頃はそれ程タイトな演奏ではありませんが、その片鱗を聴くことをは可能です。それ以外にはPatrick Gauthier (Moog Synth)やDidier Batard (B)なども参加しています。まだ、シーケンサーに同期してのバリバリの演奏は爆発していませんが、それでも、Françoisの演奏はこのアルバムのキモになっていると思います。またA1での金属質なシンバル・プレイも聴きものです。それとRichard自身もSynthと共にギターを思いっきり演奏していますが、後から考えると、やはりシーケンサーとドラムのタイトな同期演奏があって、初めてRobert Fripp的ギターが活きてくると思っていたのでは?。全4曲ですが、ちょっと短いように感じるのが,ちょっと物足りないように思います。今でこそ,シーケンサーとドラムの同期演奏は当たり前ですが、この時代にそんなことを演るのは如何なものか⁉️と受け止める人(特にライター)は多かったと記憶しています。と言う訳で、過渡期的作品ですが、緻密なシンセの演奏も聴けますので、興味のある方は是非聴いて下さい。因みに私の持っているのは、1977年の米国盤ですが、元々は、1976年Cobraよりリリースされています。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_keFtyBvf7qvd37PryUXS8dilUIbdp-y-w #Heldon #UnReveSansConsequenceSpectale #ADreamsWithoutReason #RichardPinhas #MoogSynthesizer #FrançoisAuger #InnerCityRecords
Progressive Rock Inner City Records (Cobra) 2850円Dr K2
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Mike Oldfield “Tubular Bells”
もうベタなんですが、暫く聴いていなかったので、取り上げます。Mike Oldfieldの”Tubular Bells”です。あの映画「エクソシスト」にも使われた、彼のファーストアルバムです。先ずは簡単にバイオグラフィーを(と言いながらいつも長くなるんですが、、、)。1967年に姉のSally OldfieldとフォークデュオThe Sallyangieを結成し、アルバム1枚出して解散してます。Londonでのセッション活動で、Kevin Ayersらと知り合い、Kevinの結成したバンド”The Whole Worldでベースを担当。1970年、1971年にアルバムを2枚出して、バンドは解散しています。その後、音楽理論をDavid Bedfordに習い,1973年5月に、Sir Richard Charles Nicholas Bransonが立ち上げたVirgin Recorddの第一弾として、本作品”Tubular Bells”をリリースしました。映画「エクソシスト」にも本作品の一部が使われたこともあって、英国で大人気となります。1974年に”Hergest Ridge”、1975年に ”Ommadawn”を出しますが、成功による重圧から一時療養生活をしてます。1978年に”Incantations (呪文)”でカムバックしてツアーとかも精力的にこなしていきます。1980年代になると、時代の変化(主にレーベルの変化)に合わせて,ポップ寄りの作品を発表するようになってきます。例えば、Maggie ReillyがVoの”Moonlight Shadow” (“Crisis”に収録)などです。1990年代から現時点までは、”Tubular Bells”の続編を2枚のアルバムとして制作しており、未だ現役で活動しています。ザックリ言うとこのような経歴です。 それで、本作品ですが、Mikeのソロデビュー作でもあり、同時に大ヒットアルバムでもあります。2400回もダビングを重ねたスタジオ盤であり、当時としては他に類を見ない作品です。ドラムやコーラスは他のミュージシャンにも頼んでいますが、弦楽器や鍵盤楽器は基本的にはMike一人で演奏しています。一人でやっていることもあって、非常にリリカルで内省的な内容で、一つの物語りのようにも聴くことも可能ですね。片面に1曲ずつと長尺の曲ですが、割と素直に聴けてしまえる多面性もあります。なので、聴く度に,新たな発見のあるアルバムですね。これでドラムがもう少し入っていなら?とも思いますが、やはりドラムレス(勿論ドラムが入っているパートもある)だからこそ聴けるのもまた事実ですので、これはこれで良かったのかなとも思います。いずれにしろ、スタジオでの多重録音なので、宅録派の私にはシックリきますね。貴方もこんな音楽、如何でしょう? https://youtu.be/bv_4sZCLlr0 #MikeOldfield #TubularBells #VirginRecords #Multi-instrumentalist #Overdub
Progressive Rock Virgin Records 2500円位?Dr K2
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Amon Düül II “Made In Germany”
レコ棚をゴソゴソ見ていたら、何故か見つかったAmon Düül IIの9枚目のアルバムです。何故、このアルバムを購入したのかは最早よく分からないのですが、久しぶりに聴いてみようと思いましたので、少し,紹介しておきます。バイオグラフィーも少しだけ、本当に少しだけ。元々は1960年代後半に,西独逸のバイエルン州で活動していた政治的・芸術的コミューンAmon Düül(アモン・デュール)から派生したバンドです。この時期は、ドラッグできめた、長々とフリーなジャムセッションをやっていたとのこと。メンバーはコアメンバーを除いてかなり流動的でしたが、派生した時はChris Karrer (Vo, G, Banjo, Violin), Peter Leopold (Dr, Perc), Falk-U Roger (Synth, Organ), Renate Knaup (Vo), John Weinzierl (G), Dave Anderson (B; 後にHawkwindに加入)らが主要メンバーでした。それで、ミュンヘンのクラブで演奏をしていたとのこと。1969年にファーストアルバム”Phallus Dei (神の鞭)”をリリース、同年、映画”Sun Domingo”のサントラを担当、ドイツ連邦映画賞を受賞しています。1970年に名作”Yeti (地獄)”をリリース。延々と続くジャムセッションが収められています。1971年にはサードアルバム ”Tanz der Lemminge (野鼠の踊り)”を発表。ここでDaveが脱退し、Lothar MeidとKarl-Heinz Hausmann(Lotharは後にEmbryoを結成)が加入してきます。そこで,ツアー後、1972年後半に”Live In London”を発表します。 その後も割とコンスタントにアルバムをリリースしながら,活動していましたが,ドラマーのPeter Leopoldが1972年に、マルチ奏者のDaniel Fichelscherと一時的に入れ替わり、同年に”Carnival in Babylon”をリリース。その後,Peterは復帰して1979年までドラマーとして活躍していました。その後、彼は2006年11月8日に亡くなっており、ベーシストのLotharも2015年11月3日に死亡していますが、現在もバンドは継続しています。ザックリと言うとこんな感じです。 それで本作品”Made In Germany”ですが、まずメンバーと担当楽器は、Renate Knaup (Vo), Robby Heibl (Vo, B, G, Violin), Chris Karrer (Vo, G, Banjo, Violin), Peter Leopold (Dr, Perc), Falk-U Roger (Synth, Organ), Nando Tischer (Vo, G), John Weinzierl (G)で、ゲストとしてThor Baldursson (Kbd), Heinz Becker (Timpani, Gong, Perc), Lee Harper (Trumpet, Brass Section), Bobby Johns (Sax solo), Jürgen S. Korduletsch (B-Vo), Helmut Sonnleitner (First Violin, String section)が参加しています。このアルバムでは、初期のジャムセッション的なカオティックな演奏はは完全に無くなり、ピアノやプラスセクションやストリングスもたっぷりと活かしたゴージャスなポップ・ミュージックになっています。コアメンバーの約半分は入れ替わっているので,そのような音楽性になったのかもしれませんね。元々がジャーマン・サイケ志向のバンドだったので、こんな風に曲調が変化してしまうのも致し方ないのかも。それでも随所にサイケっぽい曲がありますね。なので、ちょっとリッチな気分で聴いてみてください。 https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nQLslNdrMQHNJ7IhRRRNWdlbpQFQi53-Q #AmonDüülII #MadeInGermany #Krautrock #AtranticRecords #Psychedelic #ProgressiveRock #PopMusic
Progressive Rock ATCO/Atlantic (Warner) 不明Dr K2
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Vangelis “Spiral (螺旋)”
Vangelis、名前は知っていたけれど、アルバムを買ってまともに聴いたのは初めてです(お恥ずかしい)。という訳で、今回は、ギリシャが世界に誇るVangelisのソロ7作目のアルバム”Spiral (螺旋)”について紹介します。多分、私より詳しい方は大勢いらっしゃると思いますが、バイオグラフィーを少し(って言って長くなるパターンかな?)。VangelisことΕυάγγελος Οδυσσέας Παπαθανασίουは,ギリシャに生まれた早熟なキーボード・プレーヤーでしたが、1963年にアテネで、The Formingsを結成、国内では6枚のシングルを出し、そこそこの人気がありました。その後、政情不安からギリシャを脱出し、Demis RoussosとLoukas Siderasとで、1968年にフランスでAphrodite's Childを結成。ここでも名盤”666”等のアルバムを残します。この頃からソロ活動にも注力し、パリでオリジナル作品や映画音楽を作製し始めます。1973年にソロアルバム”Earth”をリリースし、翌年ロンドンに渡り、個人スタジオNEMOを開設しています。1975年に”Heaven And Hell (天国と地獄)”をリリース、その後も世界規模で作品群を発表していきます。映画音楽では、「炎のランナー」(1981年)や「ブレード・ランナー」(1982年)、「南極物語」(1983年)などが有名です。ちょっと前後しますが、1975年に,英国プログレバンドYESにRick Wakemanの後任として加入しないかとの話が出ましたが、彼はキッパリと断っています。この時からJon Andersonとの交流が始まり、Jon and Vangelis名義でも作品をリリースしています。1989年にアテネに戻って活動しています。ここら辺がザックリとしたVangelisの経歴です。 それで、本作品”Spiral (螺旋)”ですが、彼のRCA時代のソロアルバムとしては3作目になります。このアルバムも含めて前後4作は、老子の思想にインスパイアされた作品でもあり、本作のジャケには"Going on means going far Going far means returning”と言う記載がありますが,これは老子の『老子道徳経』(TAO TE-CHIN)第25章の第5節「大曰逝、逝曰遠、遠曰反」の英訳です。また、シングルカットされた”To the Unknown Man”は米国盤と欧州盤でB面が異なっており、特に欧州盤はコレクターズ・アイテムになっています。アルバムの内容的には、全編、これ、シンセとシーケンサー及びドラム(マシーン?)の洪水であり、「陽」のエネルギーに満たされています。私はもっとアンビエントなのかと思っていましたが、実はポップミュージックの範疇で語られるべき音楽ですね。曲の長さも丁度良く、しかも全体的に曲のバランスと配置も良いです。また、メロディアスで、彼がシンセで表現したかったのは「プログレ」ではなく「良質なポップミュージック」であると確信しました。偶々、それを表現するのに、シンセがあったのだと。 そんなアルバムですがら聴き易いので、是非アルバム単位で聴いてみて下さい。 https://youtu.be/9VV1lWVhMCk #Vangelis #Spiral #RCA #ProgressiveRock #Synthesizer #Tao #Sequencer
Progressive Rock RCA 2300円位Dr K2