Vangelis “Spiral (螺旋)”

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Vangelis、名前は知っていたけれど、アルバムを買ってまともに聴いたのは初めてです(お恥ずかしい)。という訳で、今回は、ギリシャが世界に誇るVangelisのソロ7作目のアルバム”Spiral (螺旋)”について紹介します。多分、私より詳しい方は大勢いらっしゃると思いますが、バイオグラフィーを少し(って言って長くなるパターンかな?)。VangelisことΕυάγγελος Οδυσσέας Παπαθανασίουは,ギリシャに生まれた早熟なキーボード・プレーヤーでしたが、1963年にアテネで、The Formingsを結成、国内では6枚のシングルを出し、そこそこの人気がありました。その後、政情不安からギリシャを脱出し、Demis RoussosとLoukas Siderasとで、1968年にフランスでAphrodite's Childを結成。ここでも名盤”666”等のアルバムを残します。この頃からソロ活動にも注力し、パリでオリジナル作品や映画音楽を作製し始めます。1973年にソロアルバム”Earth”をリリースし、翌年ロンドンに渡り、個人スタジオNEMOを開設しています。1975年に”Heaven And Hell (天国と地獄)”をリリース、その後も世界規模で作品群を発表していきます。映画音楽では、「炎のランナー」(1981年)や「ブレード・ランナー」(1982年)、「南極物語」(1983年)などが有名です。ちょっと前後しますが、1975年に,英国プログレバンドYESにRick Wakemanの後任として加入しないかとの話が出ましたが、彼はキッパリと断っています。この時からJon Andersonとの交流が始まり、Jon and Vangelis名義でも作品をリリースしています。1989年にアテネに戻って活動しています。ここら辺がザックリとしたVangelisの経歴です。
それで、本作品”Spiral (螺旋)”ですが、彼のRCA時代のソロアルバムとしては3作目になります。このアルバムも含めて前後4作は、老子の思想にインスパイアされた作品でもあり、本作のジャケには"Going on means going far Going far means returning”と言う記載がありますが,これは老子の『老子道徳経』(TAO TE-CHIN)第25章の第5節「大曰逝、逝曰遠、遠曰反」の英訳です。また、シングルカットされた”To the Unknown Man”は米国盤と欧州盤でB面が異なっており、特に欧州盤はコレクターズ・アイテムになっています。アルバムの内容的には、全編、これ、シンセとシーケンサー及びドラム(マシーン?)の洪水であり、「陽」のエネルギーに満たされています。私はもっとアンビエントなのかと思っていましたが、実はポップミュージックの範疇で語られるべき音楽ですね。曲の長さも丁度良く、しかも全体的に曲のバランスと配置も良いです。また、メロディアスで、彼がシンセで表現したかったのは「プログレ」ではなく「良質なポップミュージック」であると確信しました。偶々、それを表現するのに、シンセがあったのだと。 そんなアルバムですがら聴き易いので、是非アルバム単位で聴いてみて下さい。

https://youtu.be/9VV1lWVhMCk

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