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Hajime Tachibana (立花ハジメ) “Hm”
Plasticsで、有名になった立花ハジメのセカンド・ソロアルバムが、この”Hm (エイチ・マイナー)”ですね。Plastics時代はギタリストとして活動していましたが、ソロでは、専らSaxを中心に自作楽器Alpsや自動打楽器なんかを演奏するようになっています。彼のバイオグラフィーは以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。本作品では、Hajime Tachibana (Sax)を始め、他にHiroyasu Yaguchi (Sax), Robin Thompson (Sax, Clarinet), Mitsuru Sawamura (Reeds, Sax), Tatsuo Kondo (Piano, Kbd), Donbay Nagata (B), Saeko Suzuki (Drs, Piano)がゲスト参加しています。本作品では、曲にコンセプトらしき文言が付随している場合があり、それをちょっと記載しておきます。「A2では、細分化されたPIANO PILLOWSのイメージが元に戻る一瞬前 とA4-A5では、自分の一生の映っているビデオテーブを手に入れた主人公。誕生、少年時代に見入る興奮とスリル。ふと60才の自分が見たくなり、早送りしたものの画面に何も映っていないショック! 50才、40才と戻す。まだ何も映らない。次の瞬間にも自分もしくは世の中全体がなくなってしまうのではないかという不安にかられながらタイマーを現在に戻し恐る恐る再生スイッチに手をのばす⋯。こ、こ、これは⋯⋯!!!」と付加されています。更に、B3では、副題に「月を背にして自分の影を見ながらサバクを歩く突起物 」と付いており、B4では、再創造される幼年期と加最度のついた日常生活とか、B5では、A documentary program showcasing facets of Japanese life as-is that ran from 1957 to 1964と付記されています。単なるお遊びなのかもしれませんが、当時の立花ハジメにとっては、彼の音楽を理解する為のヒントだったのかもしれませんね。と言う訳で、本作品(両面5曲ずつ収録)の各曲をご紹介していきたいと思います。 ★A1 “Theme From ‘Hm’ /「Hm」のテーマ” (3:09)は、仰々しいティンパニのマーチングリズムで始まり、前作の点描的音ではなく、それぞれの楽器が重々しいメロディを奏で、かなり「音楽的」になっています。 ★A2 “Piano Pillows Going Abstract / 細分化されたPIANO PILLOWS” (3:05)は、6拍子を刻む管楽器が上下するミニマルな曲で、ドラムレスで心地良いです。この曲の終わりは! ★A3 “Liquid / リキッド(清楚な熱帯夜)” (6:28)では、ドタドタしたDrsと柔らかいKbdのミニマルな演奏を基礎に、劇的な管楽器が多層化してメロディを奏でています。特に一定のメロディは無いようですが、非常に心地良いです。 ★A4 “This Is ...... !!! (Death Video)” (4:07)は、柔らかい管楽器のアンサンブルなのですが、中盤からやや不穏な雰囲気になってきますが、クラリネットがメインだからでしようか?悲しげな室内楽です。 ★A5 “Theme From ‘Sex Symbol Strikes Back’ / セックスシンボルの逆襲のテーマ“ (1:30)では、飛び跳ねるような管楽器のリズミックな演奏とそれに乗るSaxがメロディを奏で、フェイドアウトしていきます。 ★B1 “Sex Symbol Strikes Back / セックスシンボルの逆襲” (3:57)では、機械のように正確なティンパニとピアノのリズムとホーンによるミニマルなリフの反復に、Sax類がメロディを奏でていますが、肉感的なイメージは全く無いです。 ★B2 “Arrangement” (4:22)は、本作品では珍しく、DrsとBのロックリズムに、Sax類がメロディを奏でており、途中にピアノのコロコロしたソロ演奏を挟んで、再びロック・アンサンブルへ。 ★B3 “Yoru No Tokkibutsu / 夜の突起物” (3:35)では、足踏みオルガンの朴訥な演奏とSaxのほんわかした合奏ですが、音数が少ないので、落ち着きますね。 ★B4 “Ab1013” (4:57)は、Drsとピアノのダイナミックな演奏とSax類のせめぎ合うような曲ですが、シンプルなコード進行ですね。しかし、収録されている音自体はダイナミックです!転調してからがカッコ良いです。 ★B5 “Theme From ‘Nihon No Sugao’” / 「日本の素顔」のテーマ(2:34)も、Saxとピアノの素朴な合奏で、子供向けTV番組のエンディングみたいです。 今回は、極めて音楽的な作品になっており、言い換えれば、Saxとかを「普通」に演奏していますが、どうもPlasticsのイメージがあるからか、真っ白な無菌室のような音楽と感じてしまいます。もっと人間臭い音楽になるのかな?とも思っていたのですが、前述のような無機的で衛生的な音楽になっているところが面白い、と言うか凄いですね。B面には、立花ハジメ以外の方が書き下ろした曲やカバー曲も含まれていますが、聴いた感じには全く違和感はないですね。これも、彼の才能なのでしょう。あと、ミニマルな曲が多いのも、時代的には特徴かもしれません。Sax等によるインスト曲に興味がある方にはお勧めします!いい意味で、ファースト・アルバムの内容を裏切ってくれました❗️なお、プロデュースは高橋幸宏です。 A1 “Theme From ‘Hm’” (3:09) https://youtu.be/KH_dMTL3LV0?si=VdoQwAUnOFlK20rP A2 “Piano Pillows Going Abstract” (3:05) https://youtu.be/trMeUn5xcco?si=dv0eE_ocy5c53Jr8 A3 “Liquid” (6:28) https://youtu.be/L5YXSolGC2Y?si=we3MuUUmdNgKNTGH B1 “Sex Symbol Strikes Back” (3:57) [Garage Band version] https://youtu.be/YpyxO4Oz2Eo?si=wKiCrYwXhZb4yB4E B2 “Arrangement” (4:22) https://youtu.be/AymYA8kJBa0?si=sFjdJJvlqnv9Hqto B2 “Arrangement (Cover)” (4:22) https://youtu.be/KH8VB4o58ws?si=KwKUUB7NFBHT-qFL B5 “Theme From ‘Nihon No Sugao’” (2:34) https://youtu.be/k3kkNFriP6E?si=IVf5LlAs11PWhOoQ #HajimeTachibana #Hm #YenRecords #SecondAlbum #SoloAlbum #ExperimentalPop #Contemporary #Sax #HiroyasuYaguchi #RobinThompson #MitsuruSawamura #TatsuoKondo #DonbayNagata #SaekoSuzuki
Experimental Pop / Contemporary Yen Records (Alpha Records) 不明Dr K2
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The B-52’s “Mesopotamia”
この前、The B-52’sのファースト・アルバムをご紹介しましたが、いつものように通販サイトを眺めていたら、The B-52’sのアルバムがありましたので、その後、どう言う風に変わっていったかを知りたくて、思わずポチりました。それが、3枚目のスタジオ・ミニ・アルバム”Mesopotamia”です。このミニ・アルバムでの特徴は、プロデュースがTalking HeadsのDavid Byrneがやっていることなんですね。当時と言えば、Talking Headsもアフリカン・リズムを大々的に取り入れて、ビッグバンド化していた時期でしたので、その傾向があるのかなあ、ホーン類やPercを多量に導入し、多重録音しているのかなとも思ってました。ただ、David Byrne自身は、このプロデュースをやる上で、レーベル側との衝突があったらしく、その結果、6曲入りのミニアルバムになったとのことです。それと、それまではDrsに専念していたKeith Stricklandが、KbdやB, Marimba等の楽器の演奏にシフトして、代わりにゲストのYogi HortonがDrsを演奏している点も大きいのではないでしようか?また、The B-52’sにとっても、セルフタイトルのファーストやセカンドアルバム”Wild Planet”に収録されている曲は、デビュー前からライブで良く演奏していたもので、今回はゼロから曲作りをすると言う意味でも大変だったらしいです。と言う訳で、本作品の参加者と担当楽器は、Cindy Wilson (Vo), Fred Schneider (Vo), Kate Pierson (Vo, Kbd, B, Organ, Bird Calls), Ricky Wilson (G, Kbd, B, Organ), Keith Strickland (Kbd, B, Drs, Organ, Piano, Marimba, G)の他に、ゲストとしてDavid Byrne (Fretless-B, Synth, G, Perc), Yogi Horton (Drs), Ralph Carney (Sax), Roberto Arron (Sax), David Buck (Trumpet), Charles Rocket (Accordion), Steve Scales (Perc)も参加しています。録音は、1981年9月にNYCのBlank Tape Studioで行われています。それでは、David Byrneプロデュースの3枚目のスタジオ・ミニアルバム”Mesopotamia”の各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Loveland” (5:00)は、タイトなリズム隊に、Cindyの元気一杯のVoが弾けている曲で、Gの刻みやシンセ音も心地良く、音も全体に厚くなっていますね。 ★A2 “Deep Sleep” (3:29)は、リズムマシンと生Drsに生ピアノやシンセ/Gが交互に絡み、囁くような2人の女性Voが入ってくる曲で、落ち着いた感じですね。 ★A3 “Mesopotamia” (3:49)では、タイトなリズム隊(DrsとSynth-B)に、単音弾きのGと男女Voが入ってきて、如何にもB-52’sらしいです。 ★B1 “Cake” (5:48)でも、リズムは強烈で、低音シーケンスとオルガンに、女性2人のVoが弾けています。隠し味のマリンバもですが、ホーンやGのコード弾きは新境地ですね。 ★B2 “Throw That Beat In The Garbage Can” (4:30)でも、打ち込みSynth-Bと生Drsのリズム隊に、FredのVoがメインで、女性コーラスがサブな曲ですが、シンセの音色とかフレーズが何故かDevoっぽい。 ★B3 “Nip It In The Bud” (3:32)は、最初のG一髪、カッコ良いビート感のある曲で、CindyのVoやGのフレーズもイカしています。しかし、こんなにG弾きまくっている曲はB-52’sには珍しい。 こうして聴いてみると、ファースト辺りの曲と印象がかなり違います。唯一、今までのキッチュさを感じたのは、タイトル曲のA3ですね。かと言って、Talking Heads色/アフリカン色もそんなに感じませんでした。リズム隊はタイトでしっかりしており、ダンス・ミュージックとしては成立していますので、ご安心を!大雑把に言ってしまうと、友達のパーティ・バンドが大ホールのダンス・バンドになった?と。そこら辺の楽器の音色とかアレンジの妙は流石、David Byrneプロデュースと言うところでしよう。ただ、個人的には、あの紛い物っぽいアメリカンなキッチュさが好きだったので、少々残念な気もしました。まあ好き嫌いは分かれるとは思います! https://youtu.be/A_wg-4A05mc?si=Po_9PxGf7n-aEuXt [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLkeXnBQNUnE25PsQ68wCiaRGM1RWKnJDe&si=nSzhMhGLTNS-mqt2 #TheB-52’s #Mesopotamia #WarnerBrosRecords #ThirdAlbum #Mini-Album #NewWave #SynthPop #CindyWilson #FredSchneider #KatePierson #RickyWilson #KeithStrickland #Producer #DavidByrne #Guests #YogiHorton #RalphCarney #RobertoArron #DavidBuck #CharlesRocket #SteveScales
New Wave / Rhythmic Music Warner Bros. Records 1400円Dr K2
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Penguin Cafe Orchestra “Music From The Penguin Cafe”
皆さんは、Penguin Cafe Orchestra (以下PCOと表記)を覚えてますか? 1980年代初頭に日本でも大ブームを巻き起こした英国グループで、Brian EnoのObscure Recordsの一貫としても紹介され、当時のアンビエント・ブームに乗っかる形で、それこそOLや女子大生にまで人気がありました。その時は、私は全然興味が無かったのですが、ふとしたキッカケで中古日本盤を購入していました。 先ずは、PCOのバイオグラフィーを書いていきたいと思います。中心人物のSimon Jeffesは、英国サセックス州生まれ、カナダ育ちで、13歳の時に、Gを弾いて欧州を回っており、その時に、クラシックGやPiano、音楽理論をChiswick Polytechnicで学んでましたが、卒業前にドロップアウトしています。それで、1972年に日本に住んでいたらしいのですが、その頃は、クラシックの硬直性とロックの限界を感じ、そのどちらにも幻滅していた時期で、その代わりに、いわゆるフォークミュージックに可能性を見出してしたらしいです。そして、その時に、エスニック・ミュージック、特にアフリカン・スタイルに興味を抱き、これらのスタイルを西洋の古典的音楽に掛け合わせようと決意します。こうして、Jeffesは、自ら作曲して、それを演奏する為に、PCOを始めます。ただ、Jeffesは、Penguin Cafeについて語る時、それは、1972年夏、南仏で不味い魚料理で食中毒になり、ホテルのベッドで横になっていた時に、「自分がPenguin Cafeの経営者になって、適当に話しをしていく」夢を見たことによるとしています。彼は、PCOの音楽をmodern semi-acoustic chamber musicと評しています。そうして、Jeffesは、本作品でもあるPCOのファースト・アルバム”Music From Penguin Cafe Orchestra”を1974-1976年に録音しており、この作品は、Brian EnoのObscure Recordsのシリーズとして、Edition EGから1976年にリリースされます。その後、メンバーも落ち着いてきて、1981年には、セルフタイトルのセカンド・アルバムを出しています。PCOは、1976年10月に、KraftwerkのRoundhouseでのライブサポートとして、初めて大きな会場での演奏を行っています。その後は、LondonのSouth Bankの専属になりながらも、様々なフェスに参加、1976年〜1996年に、北米、豪州、日本、欧州、英国で演奏をしています。1987年3月には、ITVのアートシリーズThe South Bank Showでも出演し、演奏を披露しています。一方、Jeffesは、より実験的な方向性を打ち出し、トロンボーンやオーボエも入れて、PCOをダンス・オーケストラにしようとします。その為か、オリジナル・メンバーのGavyn Wrightは1984年に、Steve Nyeは1988年にバンドを脱退してしまい、新たなラインナップで活動を続けます。新メンバーは1975年頃から1988年までの間に加入し、1995年に、アルバム”Concert Program”をリリースしています。しかしながら、1997年に、リーダーのJeffesは、脳腫瘍で亡くなってしまい、PCOは一旦休止状態となります。しかしながら、2007年に”Concert Program”の時のメンバー(若干の違いはある)でリユニオンを果たし、特に、Jeffesの息子Arthur JeffesがPercとKbdで加入してから、Arthurはバンド名を単にPenguin Cafeとして活動していますが、元々のPCOのメンバーの内4人はThe Anteatersと名乗ってフェスに出演したりしています。 以上がPCOの略歴となりますが、本作品はPCOとしてのデビュー・アルバムに当たります。少々、混乱するかも知れませんが、クレジットには、2種類のバンド名(?)が記載されています。一つは、ZOPFで、Simon Jeffes (G, B, Ukulele, Quatro, Spinet, E-Piano, Mouth Perc, Vo, Zither, Ring Modulator, Cello [A2-2]), Helen Leibmann (Cello), Gavyn Wright (Vln, Viola), Neil Rennie (Ukulele [A2-5]), Emily Young (Vo), Steve Nye (Mixing)から成り、主にA2を担当、もう一つは、Penguin Cafe Quartetで、Helen Leibmann (Cello), Gavyn Wright (Vln), Steve Nye (E-Piano, Engineer), Simon Jeffes (E-G)から成り、主にB面を担当しているようです。また、録音時期もA1, B1は1974年に、B2, B3は1976年に行われていますが、A2についての録音時期の記載はありません。しかしながら、作曲は全てSimon Jeffesで、プロデュースはJeffesとSteve Nyeが行っています。そうして、A面には2曲(内A2曲は7パートから出来ています)/B面は3曲と言う内容になっています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ★A1 “Penguin Cafe Single” (6:14)は、恐らくPCOとしての発想が初めて具現化した曲だと思います。弦楽器のリズミカルな音とピアノの軽やかな音の対比や、途中で即興っぽく、或いはロッケンローっぽくなってしまう辺りの崩し方が絶妙です。 ◼️ZOPF ★A2-1 “From The Colonies (For N.R.)” (1:38)は、弦楽器を弾く音とチェンバロ風の楽器にBが底上げしているミニマルな曲です。 ★A2-2 “In A Sydney Motel” (2:27)は、アコギと虚なVoからリズミカルな展開になるダイナミックな曲で、その対比が面白い。 ★A2-3 “Surface Tension (Where The Trees Meet The Sky)” (2:20)は、ショッキングなピアノで始まり、チェロやVlnが絡んでくるゆったりした曲です。 ★A2-4 “Milk” (2:20)は、BとVoのミニマルな曲で、変調音やフリーキーなチェンバロ音が絡んでくる曲。 ★A2-5 “Coronation” (1:30)は、弦楽四重奏をバックにゆったりと歌う曲ですね。 ★A2-6 “Giles Farnaby's Dream” (2:17)では、チェンバロのイントロから、Bやウクレレなんかがちょっとポップス調にメロディを奏でています。 ★A2-7 “Pigtail” (2:45)では、ポロロンとしたピアノに変調された音が被ってくる曲で、ミニマルにゆっくりと展開します。 ◼️Penguin Cafe Quartet ★B1 “The Sound Of Someone You Love Who's Going Away And It Doesn't Matter” (11:38)では、軽妙なGソロ弾きから次第にピアノや弦楽器がお互いに絡み合い、どれがメインとなる訳でもなく、躁鬱病のように流れていきますが、エレピの高音と弦楽器でいきなり「電気的」にもなったり、「不仲」になったりします。 ★B2 “Hugebaby” (4:43)でも、Gとエレピとチェロが網目のように絡み合いながら、盛り上がりかけたり、落ち着いたりします。 ★B3 “Chartered Flight” (6:37)は、漆黒の中からVlnが立ち現れ、エレピやチェロも出てきますが、突然、弾むんで散歩するような曲調へ。エレピソロが目立ちますが、やがて離陸していき、最後はVlnのピッキングでフェイドアウトしていきます。 普段、聴かない音楽なので、中々興味深く楽しめました。多分、サティ辺りの「家具の音楽」との関連もあるとは思いますが、A2の短い曲の連続もそれぞれの曲に工夫が凝らしてあって面白かったですし、B面の長めの曲も、表情の変化の移ろいが感じ取れて、面白かったです。特に、エレピの高音をああ言う風に弾くと、かなりエレクトリックな感じになるのが、発見でした。まだまだ、セミ・アコースティックでも新しい音楽が作れると確信出来た時代だったのかもしれませんね。まぁ「家具の音楽」と言うよりも「Obscure」と言った方がピンときます。貴方は聴きますか? A2-3 “Surface Tension (Where The Trees Meet The Sky)” https://youtu.be/e_VWTJeA3w0?si=0DDb8udV6ZmHiQVy [full album(B2を除く)] https://youtube.com/playlist?list=PLgUklsPQ_4toXsZljE4B7Kc7WhFZktD2z&si=fan-XsaHtUkMSj6v #PenguinCafeOrchestra #MusicFromThePenguinCafe #EditionsEG #PolydorRecords #ObscureRecords #FirstAlbum #1974-1976年 #日本盤 #Contemporary #ChamberMusic #Semi-Acoustic #ZOPF #PenguinCafeQuartet #SimonJeffes #SteveNye #HelenLeibmann #GavynWright #EmilyYoung #NeilRennie
Contemporary / Semi-Acoustic Editions EG / Polydor Records 不明Dr K2
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Shi-Shonen “Harvest”
何故か、聞いたことのある名前だなあと思って、中古屋で購入したのが、Shi-Shonenのマキシ・シングル”Harvest”でした。当時は、バブルも弾けて、シャレ乙ニューウェーブは廃れていたこともあり、聴いても余りピーンと来なかったので、今回、聴き直してみることにしました。それで、先ずは、彼等のバイオグラフィーを調べてみました。元々は、戸田誠司が、中央大学在学中に、渡辺等、友田真吾らと、極東通信と言うバンドを結成し、シンセを用いた宅録テープコンテストで多数入賞し、そこへ、福原まりが1981年秋に参加しで、Shi-Shonenと改名して活動を本格的に行います。日本Columbiaのディレクター三野明洋に見出され、1983年2月21日に、日本Columbia傘下のレーベルShan-Shanより、シングル”嗚呼上々”と、本作品でもある12インチ・マキシシングル”Harvest”の同時発売でメジャー・デビューを果たしています。また、彼等は、芸能事務所アミューズに所属し、TV音楽番組”アップルシティ500”などにも出演しています。1985年には、テイチク内で細野晴臣が立ち上げたレーベルNon-Standardに移籍し、同年5月にファースト・アルバム”Singing Circuit”を、また12月には12インチシングル”Do Do Do”をリリースしていますが、1986年2月の草月ホールでのライブを最後に、渡辺と友田が脱退し、同年7月に戸田と福原の2人ユニットとして、最後のアルバム”2001年の恋人達”を発表しています。しかしながら、その福原も脱退したり、レーベルの方も活動が鈍ってきたりした為、1987年秋にバンドは消滅します。 と言うのが、Shi-Shonenの略歴となります。それで、今回は、彼等のファースト・マキシシングル”Harvest”を紹介しますが、この時のメンバーは、戸田誠司 (Vo, G, Kbd, Sax), 福原まり (Vo, Kbd), 渡辺等 (B), 友田真吾 (Drs)で、立花ハジメ (Horn), 矢口博康 (Horn), Robin Thompson (Horn), MOMO (Horn)がゲスト参加しています。それでは、各曲についてご紹介しますね。 ★A “Harvest (Long Size)” (6:28)は、Chakraをもう少しシャレ乙にしたかのような曲で、Bの存在感が凄いのは勿論、似非中華風のアレンジやゴージャスなホーンの導入も聴くことができます。福原まりがVoですね。途中で突然、シンセ主体のアンビエント調の曲にカットインしますが、また元に戻ります。 ★B1 “今天好” (4:06)は、中華風ニューウェーブなんですが、Voは戸田誠司がやっています。アコギも使って、ちょいスカのリズムも取り入れています。相変わらず、Bはブリブリしています。因みに、作詞はなかにし礼です。 ★B2 “叛乱-ロマンス-” (4:05)も、中華風ニューウェーブですが、テンポは早めで、Voは戸田誠司がやっています。この頃のニューウェーブって何としても、シンセと中華音階を結びつけ易かったのですね。リズム隊が強靭で、タイトな演奏になっていますね。 まぁ、ここら辺の後続バンドは、初期YMOの影響を拡大解釈したのかなぁと思いますね。それが良いのか悪いのか、良くは分かりませんが、個人的には、YMOは、”BGM”と”Technodelic”しか評価していない私にとっては、Shi-Shonenは、これで充分かなと思いました。この如何にも垢抜けた感じが、返って「産業ロック」に思えますね。でも、戸田誠司は一時期、Yapoosにも入っていたみたいですし、福原まりや渡辺等もソロ等で最近まで活動していたみたいなので、気になる方はチェックしてみてはどうでしょう? A “Harvest (Long Size)” https://youtu.be/OBVFRI1GFaE?si=9Weqci9NKz1X5vzC B1 “今天好” https://youtu.be/Pbh4wY7MLfA?si=kZ413ZDxMsy9yL9Z B2 “叛乱-ロマンス-” https://youtu.be/aW9fUdo7jHY?si=9ycBSm0H_LgKIh-G #Shi-Shonen #Harvest #Shan-Shan #Columbia #12inchEP #Japanese #NewWave #中華風 #SynthPop #Synthesizers #戸田誠司 #SeijiToda #まり #MariFukuhara #渡辺等 #HitoshiWatanabe #友田真吾 #ShingoTomoda #Guests #HornSection and #立花ハジメ #矢口博康 #RobinThompson #MOMO
New Wave / Synth Pop Shan-Shan / Columbia 不明Dr K2
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Devo “Oh, No! It's Devo”
またまた、ヤフオクで競り落としました。Devoの5枚目のスタジオ・アルバム”Oh, No! It’s Devo”です。ここら辺のDevoには当時、関心が薄れていたこともあって、買っていませんでしたので、まあ、Devoが私(達)にとって何者だったのか?も知りたくて、今更ながら聴くことにした訳です。前回、次のアルバム”Shout”を聴いていた訳ですが、その時に思ったのは、「漸く、時代がDevoに追い付いた」でした。これはDevoの歩みが遅くなったのか?それとも我々の歩みが早くなったのか?は分かりませんが、漸く、普段見聞きするポップスのレベルが、1980年代前半のDevoを理解可能なレベルまでになったのではないかと思いました。では、今回はどうでしようか?楽しみですね。後、1990年代に聞いた噂ですが、ある方が「Devoを日本に呼んでくれませんか?」と、あるプロモーターに尋ねた所、「Devoねぇ、、、う〜ん」と渋ったとか。この逸話もDevoの立ち位置らしいなぁと、その時は思いました。まあ、それは別として、2023年暮れには、Super Dommuneで、Devoの特集も組まれていましたので、Devoって、時代によって、その評価が変わり易いバンドなんだと思います。 本作品の参加メンバーは、変わらず、Mark Mothersbaugh (Vo, Kbd, Synth, G), Gerald Casale (Vo, B, Synth-B, Kbd), Bob Mothersbaugh (Lead-G, Vo), Bob Casale (Rhythm-G, Synth, Vo), Alan Myers (Drs)の5人で、その他にAnnerose Bücklers (Back-Vo [B6])がゲスト参加しています。内容的には、A面5曲/B面6曲となっており、前作からシンセを大々的に導入していますね。それでは、本作品収録の各曲について紹介していきます。 ★A1 “Time Out For Fun” (2:48)では、シーケンスと生Drsに合わせて、Devo流のシンセのリフとVoが乗ってきますが、コーラス部分はグーです。 ★A2 “Peek-a-boo!” (3:01)のタイトルは「いないいないばあ」は意味ですけど、そこら辺も含めて、Devoっぽいですね。やはり、シーケンスと生Drsに、ちょい変なアレンジのシンセとVoから成る曲です。 ★A3 “Out Of Sync” (3:34)でも、Bはシーケンスに取って代わられ、それに生Drsで、曲の殆どでシンセが使われていますが、コード進行がDevoっぽいですね。 ★A4 “Explosions” (3:01)では、アレンジがDevo的で、中々楽しめる曲です。GeraldはBを弾いているみたいですし、コーラスワークなんかも楽しいです。 ★A5 “That's Good” (3:23)は、如何にもDevo的なリズム隊と、簡素なシンセのリフと恐らくMarkの独特のVoで、前作との連続性を感じます。 ★B1 “Patterns” (2:57)は、曲の骨格とアレンジが中々Devo的なんですが、曲調はやや悲しげかな?ここで漸く、Gのリフを聴くこと出来て、嬉しい限りです。 ★B2 “Big Mess” (2:42)も、出だしからモロDevoの曲調で、往年のDevoの未発表曲と言っても通用しそうです。個人的には、こう言う曲を待っていた! ★B3 “Speed Racer” (2:38)でも、Voと濁声のコーラスの掛け合いは、往年のDevoを想起させる曲で、チープなシンセのリフも味わい深いです。 ★B4 “What I Must Do” (2:34)も、Devo的なアレンジをビンビンに感じる曲で、Drsとシーケンスによる同期演奏やシンセの音色及びVoのメロディラインが懐かしさすら感じます。 ★B5 “I Desire” (3:13)は、ちょっと正攻法で攻めているシンセポップのようですが、やっぱり一筋縄では行かないのがDevoで、間奏のGソロやコーラスワークなんかもそれっぽいんですよ。 ★B6 “Deep Sleep” (3:24)では、独特のシーケンスと曲調で押し切るDevo流のロックを聴かせてくれます。この曲は、このアルバム前後のMarkの不睡眠症用音楽(“Musik For Insomniaks”等)のアイデアから生まれたのかな?と深読みしてしまいます。 やはり、Devoのここら辺の曲は慣れ親しんでいないことや初期のようにロックのフォーマットでは無く、シンセバンド化している為、リスナーの方が、何だか不完全燃焼な気分になりますねぇ(私だけかもしれませんが)。やはり、初期の破天荒なシンセの使い方や曲の変態性からすると、物足りない感じは残ります。しかし、Devoらしさは、アレンジの細かい所なんかには発見出来ますので、ちょっとは安心します(特にB面)。しかし、どんどんマトモになっていくDevoにちょっと残念さを感じざるを得ません(或いは今回のユニフォームがイマイチだったのかな?)。でも、単にヒット曲が無いと言うだけで、この作品を聴かないのも勿体無いので、気になる方は一度は聴いてみてちょ❗️あと、私が「Devo的」とか言っているのは、一種の変態的アレンジなんかのことですが、ずっとDevoを聴いてきたリスナーさんには何となくわかるかな? B6 “Deep Sleep” [live version] https://youtu.be/rs1KZpFeOSs?si=pmiCKMNstYUf0kEy [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lLguIf2b4kjbqNgUZBX0rlaH6AITRZAxU&si=0XXtxSTqmcImb8Kv #Devo #OhNo!It’sDevo #WarnerBrothRecords #5ThStudioAlbum #ElectroPop #NewWave #SynthRock #Synthesizers #MarkMothersbaugh #GeraldCasale #BobMothersbaugh #Bob1号 #BobCasale #Bob2号 #AlanMyers #AnneroseBücklers
Electro Pop / Synth Rock Warner Broth Records 1000円Dr K2
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Devo “Shout”
最近、Devo熱がまた上がってきて、ついつい買ってしまいました。今回は、スタジオ・アルバムとしては6枚目”Shout”をご紹介します。実は、このアルバムは、出た時に、ちょっと気になっていたんですが、その時は「まぁ、Devoはもういいかぁ」と思ってスルーしていたんですよ。そんな訳で、久しぶりに、このアルバムをヤフオクで落札しました。Devoのバイオグラフィーは以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。 本作品でのメンバーは、Mark Mothersbaugh (Vo, Kbd, Synth, G), Gerald Casale (Vo, B, Kbd, Synth), Bob Mothersbaugh (Bob1号: Lead-G, Vo), Bob Casale (Bob2号: Rhythm-G, Kbd, Synth, Vo), Alan Myers (Drs)で、それ以外にEmulatorのプログラミングの補助として、Will Alexander (Programming Consultation), Al Horvath (Emulator Programs), Bill Wolfer (Emulator Programs)も加わっています。内容も両面とも5曲ずつと収録されています。それでは、各曲をご紹介したいと思います。 ★A1 “Shout” (3:15)は、かつての”Devo Corporation Anthem”を想起させるシンセで始まり、大胆なDrsとSynth-Bでノリの良い曲になります。シンセも大々的にフィーチャーされています。 ★A2 “The Satisfied Mind” (3:06)は、ヴォコーダーVoも使ったイントロから始まり、迫力あるリズム隊とシンセのリフから成る曲で、Voのメロディ・ラインは不変! ★A3 “Don't Rescue Me” (3:04)は、完全にシンセとシーケンスを使ったシンセポップになっていますが、飛び道具のシンセや唐突な終わり方はDevoですね。 ★A4 “The 4th Dimension” (4:26)は、ちょっと落ち込んだ雰囲気で始まりますが、曲としてはシーケンサーも使ったシンセポップです。如何にもDevoな変なアレンジは細かい箇所にちょっとだけ。 ★A5 “C'Mon” (3:16)は、生Drs(?)を使ったシンセポップですが、細かいアレンジやシーケンスの絶妙さ或いはGソロにDevoっぽさを感じます。 ★B1 “Here To Go” (3:15)は、イントロの変態さにDevoらしさを感じますが、ほぼ全部打ち込みなのかな?曲調やGソロやDrsソロはDevoっぽい。 ★B2 “Jurisdiction Of Love” (2:58)は、怪しい感じの打ち込みによるシンセポップですが、コーラスとか間奏のGの音色とかにDevoを感じます。 ★B3 “Puppet Boy” (3:08)も、出だしのVo等は、如何にもDevoっぽく、その後、ちょい変なシーケンスのシンセポップになっていきます。特にこの曲はDevoのイメージそのままな感じです。 ★B4 “Please Please” (3:00)も、一聴、シンセポップなんですが、細かい所がちょい変なんですよ。例えば、ヴォコーダーVoのコーラスとかサブ・シーケンスに乗ってくるシンセとか。 ★B5 “A U Experienced?” (3:08)は、Jimi Hendrixのカバーですね。その為、Gの比重が他曲より多いです。逆回転も含んだアレンジからは、完全にシンセポップ化してしまい、原曲は欠片しか残っていません。 本作品は一回聴いただけでは、その良さは分からないなあ。一聴すると、やたらDrsが大胆なシンセポップ或いはシンセをふんだんに使ったポップロックみたいな演奏にしか聴こえないし。しかしながら、デビュー当時のDevoの変態的アレンジや演奏が凄過ぎて、本作品では、それ程ズレている部分が目立たず、本当に細かいところに、そんなDevoっぽさを感じるだけなので、時代が彼等に追いついてしまったのではないだろうか?と考え込んでしまいました。でも、この作品がリリースされたのが1984年と言うことを考えると凄いのだけれども。まあ、再結成したDevoも、今では、初期の曲ばかり演奏しているみたいですし、仕方ないのかな?ちょっと寂しいな。なので、Devoの変態性を少しでも感じていたいと思うコアなファンの方だけにはお勧めします❗️ B5 “A U Experienced?” (MV) https://youtu.be/qonTIZGu27w?si=bhnQN6_FtVKtmtrK [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nTtIBRyH6k79Z2JAcPHyIZQQsz2W0cAtU&si=JIwvn3snMkl5cFmE #Devo #Shout #WarnarBrothRecords #6ThStudioAlbum #TechnoPop #ElectroPop #SynthRock #Synthesizers #Emulators #JimiHendrix #CoverSong #MarkMothersbaugh #GeraldCasale #BobMothersbaugh #BobCasale #AlanMyers
Electro Pop / Synth Rock Warner Broth. Records 550円Dr K2
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The No Comments “Psychedelic ‘C’”
私は、このバンドの名前は聞いたことはあるんですが、どう言うバンドかは、全然知らなかったので、「まあ、一度、聴いてみよう」と思い、本作品”Psychedelic ‘C’”を買ってみました。(敬称略).The No Commentsは、関西のバンドで、元々はAunt Sallyの丸山孝 (Drs)と中岡義雄 (B)が、1979年に結成したバンドで、その時は、明石昌人(G)達を加えた4人編成で活動しています。INU、のいずんずり、ウルトラ・ビデ等と対バンして、日本語のオリジナル曲を演奏しています。リーダーの佐原一哉 (Kbd)は、「京都黒人会」と言う黒人に憧れている京都在住の若手音楽家の寄り合いサークルの発起人でもあり、その影響で、バンドはスカ・ニューウェーブへと傾倒していったようです。それで、1979年秋に中岡が脱退し(恐らく、丸山も脱退し、Drsは西岡潤一郎に)、野田達哉がVoからBにパート・チェンジし、佐原と野杁秀二が再加入、それを機に、Voとして山崎憲、川嶋晃教、中島律子も加入し、8人編成のバンドとなり、音楽性が変わります。そして、彼等は、日本初のスカ・ニューウェーブ・バンドとして名を馳せ、同年大晦日の京大西部講堂でのイベント”REVO ‘80”に出演、Friction、不正療法、グンジョーガクレヨン、突然段ボール等と対バンしています。1980年4月29日から5月2日の間、法政大学学館ホールにて行われたイベント”Imaging kids garage”に、ジグザグ、INU、だててんりゅう等の関西勢とともに出演し、S-KEN、ハルメンズ、イヤミ、CHACHA'82等とも対バンしています。同年6月には、来日したThe Specialsの前座も務めており、また同年、来日したMadnessの日比谷野外音楽堂ライヴでのオープニング・アクトも務めています。そうして、同年12月に、ビクター音楽産業傘下のInvitationより、ファースト・アルバム”No Comments”をリリースし、メジャー・デビューしています。このアルバムでは、”ひょっこりひょうたん島”のカバーをスカでやっています。1981年4月5日には、日比谷野外音楽堂でのイベント”100円コンサート”に出演し、ARB、アナーキー、ロッカーズ、ルースターズ、シルバースターズ等とも対バンしています。同年9月、大村憲司がプロデュースしたセカンド・アルバム”東京ガール”をリリースし、表題曲”東京ガール”はシングルカットされ、早過ぎたスカコア歌謡として再評価の声も高いらしいです。しかしながら、音楽性の違いにより、野田、山崎、明石、野杁が脱退してしまい、野田と山崎は、玉城宏志、安藤”アンディ”文雄、神田ヒデヒロ、望月ジュンコの4人と共に、アーバン・ニューウェイブ・ファンクをコンセプトとするノンカテリアンズを結成しています。1982年には、ノンカテリアンズが本格的に活動を始めますが、残ったThe No Commentsは、同年1月21日に、本作品でもあるサード・アルバム”Psychedelic ‘C’”をビクター傘下のInvitationからリリースしていますが、このアルバム制作時には、川嶋、西岡、野田、山崎、明石、野杁、山崎、会長、りつこがまだ在籍中でした。The No Commentsは、同年12月には大阪バラードでのイベント”千年王国の夜”に出演し、ゲルニカ、Spoil、佐藤薫(EP-4)、Animal-Z等と対バンしています。なお、The No Commentsにもノーカテリアンズにも入っていなかったメンバーは、ノカメ[NO, KA, ME]を結成し、後にコンフントココアーズと改称しています。1983年には、The No Commentsのリーダー佐原が河内家菊水丸と交流を深め、その内、河内音頭に傾倒し、菊水丸のバックバンドとして、1984年に結成した河内家菊水丸&エスノ・リズム・オールスターズでの活動に重点を置くうちに、The No Commentsは自然消滅しています。 以上が、The No Commentsのバイオグラフィーになります。先述のように、本作品は、分裂後にリリースされたものですが、アルバム制作時のメンバーは、Ken Yamazaki (山崎憲: Vo, Sax), Ritsuko Nakajima (中島律子: Vo, Sax), Atsunori Kawashima (川嶋晃教: Vo), Kazuya Sahara (佐原一哉: Kbd, Cho), Tatsuya Noda (野田達哉: B), Masato Akashi (明石昌人: G), Junichiro Nishioka (西岡潤一郎: Drs)で、ゲストとして、Shuji Noiri (野杁秀二: G), Hiroshi Muraji (Alto Sax, Tenor Sax), Kenji Sato (Tenor Sax, Bass Sax), Hideki Mitsumori (Kbd)も参加しています。内容はA面5曲/B面4曲が収録されています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ★A1 “Psychedelic Boogie (サイケデリック・ブギ)”は、ちょっとだけスカっぽいリズムに、何となく惚けた歌詞を女性Voが歌い、男性のコーラスが絡む曲です。 ★A2 “Pink Flamingos (ピンク・フラミンゴ)”は、ファンク調のドコドコしたDrsがダンス・ミュージックで、そこにスラップ奏法も魅せるBや多重化されたSaxが絡む曲で、やはりやや惚けた歌詞の女性Voを聴くことができます。 ★A3 “Radio Atlantis (ラジオ・アトランティス)”は、ダンサブルなリズム隊に、マンドリンらしき哀愁のメロディ及び感情たっぷりな男性VoとラジオDJのような女性Voの掛け合いが効果的な曲です。 ★A4 “Jungle Night (ジャングル・ナイト)”は、SaxやGやオルガンのイントロから、強力なリズムとコケティッシュな女性Voが続くスカっぽい歌謡曲です。 ★A5 “Oikimuchi March (オイキムチ・マーチ)”も、ダンサブルなスカっぽい歌謡曲で、焼肉応援な歌詞を男性Voが歌っています。リズムは基本的にスカなんですが、余りその影響を感じさせないですね。Saxも良い塩梅です。 ★B1 “Mezurashi (珍)”は、一転、スローでジャジーな曲かと思うと、いきなりアップテンポなスカっぽいリズムになります。「軽快な」とは、この曲の為の言葉ですね。 ★B2 “Dance Market”は、強力なリズム隊とSax隊から成るダンサブルな曲で、男性Voが割と真面目な(?)歌詞を歌っています。ノリノリですが、いきなり終わります。 ★B3 “Uwakina Sailor (浮気なセイラー)”も、スカっぽいリズムの上で、女性Voがニューウェーブな歌詞を歌っている曲です。アレンジもニューウェーブですね。 ★B4 “Seikimatsu Mania (世紀末マニア)”も、強力なリズム隊と男女のVoが活躍するダンサブルな曲ですが、所謂、ニューウェーブ歌謡曲的なノリですね。終わり方にピアノを使ったギミックが差し込まれています。 総じて、スカのリズムを日本語歌詞向けに上手くアレンジしたニューウェーブ歌謡曲と言った印象なのですが、当時はこう言うバンドあったよなぁ!と納得してしまいますね。まあ、サイケデリックではないですが、アレンジ力が卓越していて、英国Two Tonesの様な、もろスカと感じさせずに、ダンサブルなリズムを繰り出すのには驚きました。そんな1980年代のダンサブルなThe No Comments、如何ですか? A3 “Radio Atlantis” https://youtu.be/AVJ6ufgp5HE?si=RspbGf7YF167G1FD [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lO63Tit6kLAn0NgsfY8YZtVWoDL_Qjff0&si=45YX6nuID8-ctPxw #TheNoComments #PsychedelicC #Invitation #3RdAlbum #JapaneseBand #NewWave #Ska #DanceMusic #KenYamazaki #山崎憲 #KazuyaSahara #佐原一哉 #TatsuyaNoda #野田達哉 #RitsukoNakajima #中島律子 #AtsunoriKawashima #川嶋晃教 #MasatoAkashi #明石昌人 #JunichiroNishioka #西岡潤一郎 #Guest #ShujiNoiri #野杁秀二 #HiroshiMuraji #KenjiSato #HidekiMitsumori
New Wave / Pop Music Invitation 782円Dr K2
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Tom Tom Club “s/t (おしゃべり魔女)”
本家のTalking Headsではなく、今回は、そのバンドのリズム隊からスピンオフしたバンドTom Tom Club (以下、TTCと表記)をご紹介します。先ず、TTCのバイオグラフィーを紹介したいと思います。米国バンドTalking HeadsのTina Weymouth (B)とChris Frantz (Drs)の夫婦が、1981年に、サイドプロジェクトとして始めたのが、TTCです。2人は、Compass Point All StarsのメンバーやAdrian Belew (G)、それにTinaの姉妹達の比較的緩い関係で録音したり、ライブを行ったりしています。TTCと言うネーミングは、元々、1980年のTalking Headsのリハを行ったバハマのダンスホールから付けられたとのこと。そして、1980年代初頭に出したシングル”Genius Of Love”や”Woody Rappinghood”がヒットしたこともあって、ダンス・ミュージック・シーンで成功を収めます。それで、これらの曲も含んだファースト・アルバムをSire Recordsからリリースし、そこそこの成功を収めていますが、David Byrneには無視されていました。しかし、"Genius of Love"は、色々なアーティストにサンプリングされ、それはHip Hopの黎明期とも関係しています。一方、英国でもこの曲の短縮盤が、1982年に12㌅EPでIsland Recordsから配給され、英国ではThe Driftersの”Under the Boardwalk"のカバーが英国Top 40に食い込む程のヒットを記録しています。た、”Genius of Love”は、1984年に、Talking Headsのコンサート映画”Stop Making Sense”にもフィーチャーされています。しかしながら、翌年にリリースしたTTCのセカンド・アルバム”Close to the Bone”はヒットしませんでした。ただ英国盤は6種類のカラー盤でリリースされており、Treacherous Threeは、シングルカットされたTTCの"Pleasure of Love"をサンプリングしていたりもします。その後1988年に4年振りに、TTCは、サード・アルバム”Boom Boom Chi Boom Boom”をリリースしていますが、この時には、米国外のレーベルFontana/PolyGramと契約しており、内容も、もう少しエッジの効いたロック調の作品が制作されています。しかしながら、このアルバムでも商業的成功は収められず、1992年には、4枚目のアルバム”Dark Sneak Love Action”をリリースしています。このアルバムには、Hot Chocolateの”You Sexy Thing”のカバー曲も含んでおり、全体としては、よりテクノに近いた内容です。2000年には、5枚目のアルバム”The Good, the Bad, and the Funky”をリリースし、これにはDonna Summerの”Love To Love You Baby”とLee “Scratch” Perryの”Soul Fire”のカバー曲を含んでいます。2002年にはTalking Headsがロックの殿堂入りを果たしますが、その後、TTCとしてのライブも時々と言う風に少なくなっていきます。しかしながら、現在もWeymouthとFrantzはTTCを現役で活動を続けているとのことです。 と言うのが、TTCのザッとした流れです。ではTTCのファースト・アルバムで本作品でもある”おしゃべり魔女”の紹介をしていきましょう。 ★A1 “Wordy Rappinghood (おしゃべり魔女)”は、結構、Weymouthのラップ調のVoと着実でタイトなリズムとシンセやPercが初々しくも、弾けるような曲です。当時はよく流れていましたね。 ★A2 “Genius Of Love (悪魔のラブソング)”は、A1に連続して始まり、Weymouth姉妹のコーラスワークが映えるファンキーな曲です。シンセのリフが癖になります。しかし邦題は酷いんじやない? ★A3 “Tom Tom Theme (トムトムクラブのテーマ)”も、連続して始まり、Percをふんだんに使ったリズム楽器だけのインスト曲です。 ★A4 “L'Éléphant (エレファント)”は、Adrian Belewお得意の「パォーン」なGワークとダンサブルなリズムに、Weymouth姉妹の可愛らしいコーラスワークが冴えています。 ★B1 “As Above, So Below (魔法は気まぐれ)”は、DrsとPercとKbdの刻みが絶妙な曲で、やはり姉妹のコーラスが素人っぽくてキュート!間奏のシンセがピロピロしてて、グーです。 ★B2 “Lorelei (ローレライ)”は、ちょっと落ち着いた雰囲気の曲ですが、多分それはウィスパーなコーラスのせいでしょう。曲自体はダンサブルです(Aunt Sallyとは同名異曲)。しかし、結構、細かい所に凝った音作りしています。 ★B3 “On, On, On, On... (オン・オン・オン)”は、割と直線的なビートの曲で、ファンクっぽくはないです。そんなロックなビートと姉妹のVo/掛け合いが良くマッチしています。ダブ処理もあり。 ★B4 “Booming And Zooming (ブーミングとズーミング)は、フニャフニャなシンセとビートに、変調(男性)Voによる語りが乗る曲で、最初と最後だけ姉妹のコーラスが聴けます。ちょっと毛色が違う曲です。 Talking Headsより肩の力が抜けた感じで、楽しんでやっている感がひしひしと感じられます。それも、キュートかつ素人的なWeymouth姉妹のコーラスがメインVoであることによるのでしよう。また、よく聴いてみると、曲の至る所にダブ処理などちょっとだけ凝った音作りも発見できて、そこら辺の塩梅がアート臭くないポップネスになったのではないか?と思います。肩の力を抜いて聴く時に良いかも❗️またはビール片手に軽く踊る感じかな? A4 “L'Éléphant (エレファント)” https://youtu.be/pll08D09IJk?si=u6Sf-7ACBQeYhcWC [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLE2DNBZSMVztRgpDFQ8-jAaAuhjbDkWVh&si=tWL4wvmLT9yRJovC #TomTomClub #おしゃべり魔女 #SireRecords #FirstAlbum #NewWave #Funk #Rhythm #Drums #Bass #TalkingHeads #ChrisFrantz #TinaWeymouth #AdrianBelew #UziahStickyThompson #TyroneDownie #MonteBrown #LoricWeymouth #LaniWeymouth #LauraWeymouth #BenjaminArmbrister #KendalStubbs
New Wave / Funk Sire Records 不明Dr K2
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Sheena & The Rokkets “Channel Good”
今や、伝説にまでなってしまった、日本のロックの草分け的存在Sheena & The Rokkets (以下、シナロケと表記)。彼等のセカンド・アルバム”真空パック”を探そうとしていたら、サード・アルバム”Channel Good”が出てきましたので、こちらを先にご紹介します。「伝説」と言うのは、もうシーナも鮎川誠も他界してしまったからなんです。そこまで紹介出来るかどうか分かりませんが、取り敢えず、彼等のバイオグラフィーを書いてみます。元々は、1970年から福岡で活動していたブルースロックバンド・サンハウスのG/作曲家であった鮎川誠 (米国人とのハーフ)と、妻のシーナを中心に1978年に結成されたのが、シナロケで、当時は地元福岡に拘って活動しています。しかし、父親に「一回、東京でスパッと勝負してこい!」と言われ、上京。1978年8月に新宿Loftで、鮎川誠&ミラクルメン名義でライブを敢行、同年10月に、Elbon Recordsより鮎川誠&シーナロケット名義で、”涙のハイウェイ”でメジャーデビューしています。翌年に、ファースト・アルバム”# 1”をリリース。そして、その年にAlfa Recordsへ移籍し、YMOのメンバーの協力を得て、セカンド・アルバム”真空パック”をリリースし、シングル”You May Dream”が、JALのCMに使用されたこともあって、ブレイクします。また、1980年9月には、細野晴臣と高橋幸宏がプロデュースし、YMOがゲスト参加したサード・アルバム”Channel Good (チャンネル・グー)”をリリースし、同年のYMOの初国内ツアーでは、福岡、神戸、京都、札幌、東京のゲスト・ギタリストとして鮎川が参加しています。1981年には、アルバム”Sheena & The Rokkets”が米国限定で、A&Mからリリースされています。1984年に、ビクター系列のレーベルInvitationに移籍、アルバム”New Hippies”をリリースしますが、1987年に、浅田孟 (B)が脱退します。その後、1992年に、シナロケは、同じビクター系列のSpeedstar Recordsに移籍、アルバム”(ha! ha! ha!) Hard Drug”をリリースしています。1998年には、野外フェスFuji Rock Festival ‘98 in Tokyoに出演し、翌年5月には、Wilco Johnson/シナロケJapanツアーを開催しています。2000年には、オリジナルメンバー川嶋一秀 (Drs)が復帰し、15枚目のアルバム”Rock The Rock”をリリース、Fuji Rock Festival ‘00にも出演。翌2001年には、初期の名曲から最近の楽曲までを網羅したライブ・アルバム”爆音ミックス”をリリースしていますそうして、2003年に、Shibuya-Callingに出演。同年7月にボックスセット”Dream Box”とベスト・アルバム”The Greatest Sheena & The Rokkets”を同時リリースしています。同年11月に東京Shibuya-AXにてシナロケ25周年ライブを開催し、2004年には、25周年を記念してリミックス・アルバム”Electrokkets”と、映像作品”Love Live”をそれぞれリリースしています。2007年には、Sony Music Directよりベスト・アルバム”Golden Hits The Alfa Yearsもリリース。2008年、シナロケ結成30周年として、アルバム”Japanik”をリリース、同年5月、恵比寿ガーデンホールにて”Japanik”発売と結成30周年を祝う”S&R Happy 30th Anniversary Special”を開催しています。そうして、2009年12月には、シーナの自伝的エッセイ”You May Dream: ロックで輝きつづけるシーナの流儀“を発刊し、その中で、悪化した声帯ポリープの手術のことを書き記しています。2013年には、シナロケが、Wilco Johnsonのホストバンドとして、”Wilco Johnson Tokyo Session 2013”を開催、ライブDVDはリリース後、即完売となります。2014年5月、鮎川の生誕66年祭を2日間行う。同年7月に、18枚目のアルバム”Rokket Ride”リリース。その時に、シーナがステージIVの子宮頸癌が発覚するも、シーナの希望で、病状は一切明かすことなく、亡くなる2ヶ月前までライブ活動を行っています。しかし、2015年2月14日、シーナが子宮頸癌により死去(61歳没)。鮎川は、シーナの意志を次いで、オリジナルメンバー3人でシナロケとして活動を続けます。末娘のLucyは、2015年4月7日「シーナの日#1」よりゲストボーカルを務めています。2018年には、デビュー40周年を迎え、鮎川の監修・選曲による41曲がデジタルリマスターされたベスト・アルバム”Golden☆Best Sheena & The Rokkets Early Rokkets 40+1”とGolden☆Best Sheena & The Rokkets Victor Rokkets 40+1”がそれぞれリリースされます。しかしながら、2023年1月29日、鮎川が膵臓癌で、東京都内の自宅で、74歳で他界して、シナロケは終わりを迎えます。 随分、端ょりましたが、シナロケの大体の歴史はこのようなものになります。それで、本作品”Channel Good”は先述のように、YMOの協力の元、細野晴臣と高橋幸宏のプロデュースによって制作されたアルバムで、時代的にも関わった人的にも、本来のシナロケよりは、随分とニューウェーブ色/テクノポップ色が強い内容になっています。一応、メンバーは、シーナ (Vo), 鮎川誠 (G, Vo), 浅田孟 (B, Chorus), 川嶋一秀 (Drs, Chorus)で、ゲストとして、細野晴臣 (Kbd), 高橋幸宏 (Drs [B5]), 坂本龍一 (Kbd [B1]), 松武秀樹 (Programming)が参加しています。それでは、各曲について内容を紹介していきたいと思います。 ★A1 “Hot Line”は、カントリー調のアップテンポの曲で、舌足らずなシーナのVoがキュートです。 ★A2 “My Boyfriend”は、Ramonesのカバーで、スカっぽいリズム。バックのKbdが如何にも細野晴臣のプロデュースですね。 ★A3 “I Spy”は、割と元々のシナロケに近いアレンジでしょうか。軽快なリズムの上に、鮎川誠のGが良く聞こえます。シーナのVoは可愛らしい! ★A4 “Dead Guitar”は、本来のシナロケらしいロックンロールで、メインVoは鮎川で若々しく、しっくりきますね。 ★A5 “Kiss Me Quick”は、シーナのキュートなVoとKbdのフレーズが、甘い砂糖菓子のような溶ろける曲です。間奏のGも良い! ★A6 “Oh! Suzy Q”もカバー曲みたいですが、タイトなリズムとGリフに、シーナの低めのVoが、Suzy Quattroへのシンパシーと直ぐに分かります。本当なら、もっとGをバリバリ前面に出したい所でしょうか? ★B1 “Ukabi No Peach Girl (浮かびのピーチガール)”は、YMO色の強いアレンジで殆どテクノポップですね。まあそれでもシーナのロリータなVoが合うんですが。これは日本語歌詞です。 ★B2 “Taikutsu Na Sekai (退屈な世界) und ”は、鮎川のGとシーナのドスの効いた日本語Voが、本来のシナロケ路線で、ロックンロールしてます!めちゃカッコ良いです。 ★B3 “Good Luck”も鮎川のGのリフと若々しいVoがガチンとハマった曲ですね。この曲もめちゃカッコ良いです!勿論、日本語歌詞です。 ★B4 “One Night Stand”は、バラード調の曲で、シーナの切な気なVoが沁みます。間奏の鮎川のGもハートフルでカッコ良い! ★B5 “Baby Maybe”は、再びテクノポップ調の曲で、ここでのシーナのコケティッシュなVoは堪らないですね。これは”You May Dream”へのアンサーソングなのかな? ★B6 “Snakeman”は、Gのカッティングから始めるスケールのデカいバネのあるパブロックっぽい曲で、こう言う曲でのシーナのVoは良く映えますね。 久々に聴いたのですが、やはりシーナのVoの多彩さが凄くて、表現力豊かなヴォーカリストだと思いました。また、前作”真空パック”より、またA面よりB面の方がよりロック・テイストが強く、ロック好きな鮎川を始め、バックの浅田や川嶋も生き生きと演奏しているようですね。やっぱり、シナロケはこうでなきゃと思いましたよ、ホント❗️なので、YMO色が弱まった、このアルバムは一度は聴いてみて下さい❗️ B1 “Ukabi No Peach Girl (浮かびのピーチガール)” https://youtu.be/xebOOjfkeyo?si=n97fztzFSHNjjJoY [full album] https://youtu.be/VGQfVhafG54?si=2ZAnfdoc4s6P5tdh #Sheena&TheRokkets #ChannelGood #AlfaRecords #ThirdAlbum #NewWave #MentaiRock #Producer #HaruomiHosono #YukihiroTakahashi #Programming #HidekiMatsutake #Sheena #シーナ #MakotoAyukawa #鮎川誠 #TakeshiAsada #浅田孟 #KazuhideKawashima #川嶋一秀
New Wave / Rock’n’Roll Alfa Records 不明Dr K2
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Devo’s Gerald V. Casale “The Invisible Man”
先日のDommuneでDevoの特集がありましたが、私は丁度、自分のライブがあった為、観ることができませんでした!残念❗️と言う訳でもないのですが、Mark Mothersbaughと並んで、Devoのブレインの1人でもあるGerald V. Casaleのソロアルバム”The Invisible Man”を紹介します。この作品は、元々、Record Store Dayの為に作られています。先ずは彼個人のバイオグラフィーを紹介しておきます。Gerald Vincent "Jerry" Casale (元々の姓はPizzute)は、米国ニューウェーブ・バンドDevoの創設者/ベーシスト/ヴォーカリスト/ソングライターであり、Bob2号ことBob Casaleは実の弟です(Bobは2014年2月17日に61歳で他界)。Gerald V. Casaleは、Ohio州Ravenna生まれで、初めのバンドThe The Numbers Band (別名: 15-60-75)でベースを弾いていた彼は、考え方の違いでよく口論になっており、それでバンドを脱退しています。彼はKent州立大学で芸術(特にパーフォーミング・アートやファッション)について学んでいました。1960年代後半には、自称ヒッピーでしたが、1970年5月4日の銃撃事件を機に、ヒッピーを辞め、1973年に、Bob Lewisと共に、「退化」のコンセプトで、Devoを始めます。その時のメンバーは、Casale (B), Mark Mothersbaugh (Vo), Markの兄弟Bob (Lead-G), Jim (Electronic Drs)でしたが、Gerald Casale (B)は、Bob Casale (Second-G), MarkとBob Mathersbaugh兄弟, Alan Myersと共に、バンドを段々と堅固なものにしていきます。1978年10月14日には、TV番組Saturday Night LiveにDevoは出演しており、同年、デビュー・アルバム”Q: Are We Not Men? A: We Are Devo!”をリリースしており、露出が大きくなっていきます。まあ、その後はDevoのバイオグラフィーと同じになるので、Casaleのソロ・アーティストとしての経歴を紹介します。2005年から、彼はJihad Jerry & the Evildoersというソロの為のバンドを、Devoと並行して、始めます。このバンドは、Devoよりもハードでブルース・スタイルの音楽をやっており、Hard-Core Devo時代1974-1977年)の多くの曲を新たにアレンジし直して演奏しています。このバンドは、Gerald Casale, Bob Mothersbaugh, Mark Mothersbaugh, Bob CasaleのDevoのメンバーに加えて、Josh Freese, Steve Bartek, Josh Hager, Geri Lynn, Alex Brown, Dave Schulzもメンバーとなっているようです(担当楽器は不明)。それで、2005年11月に、”Army Girls Gone Wild”がデジタル配信され、翌年8月にはらアルバムとして”Mine Is Not a Holy War”がiTuneで配信され、9月にはCordless Recordingsによってリリースもされています。更に、2021年7月には、新たなシングルとビデオ"I'm Gonna Pay U Back"もリリースされています。また、Casaleは、1987年作Joe Roth監督のコミカル映画”Revenge of the Nerds II: Nerds in Paradise”や1988年作Dimitri Logothetis監督のホラー映画“Slaughterhouse Rock”のサントラを担当していたり、Devo, The Cars, Rush, Foo Fighters, Soundgardenなどのミュージック・ビデオの制作も行なってきています。ソロアルバムとしては、現在までに、6枚制作しており、本作品”The Invisible Man”は、2023年現在では、最新作となっています。 そんな多才なGerald V. Casaleの最新作”The Invisible Man”について紹介していきます。先ず、今回のメンバーですが、Gerald V. Casale (Lead-Vo, B, Synth)の他に、Josh Freese (Synth, Programming, Perc), Jeep Jone (Ukulele, Organ, Others), Steve Bartek (G), Jade Hendrix (Back-Vo [A1-A3]), Peggy Gedeon (Back-Vo [B1-B3]), Sharon Hendrix (Back-Vo [A1-A3])が参加しています。 ★A1 [Single] "The Invisible Man" (2:46)は、流石にDevoのブレインだけもある、ちょっとの変なエレクトロ・ポップになっています。途中で出てくるギターソロもカッコ良い! ★A2 [De-Construction] "The Invisible Man" (4:36)では、先述のギターソロが更に長く続き、正に「脱構築」ヴォージョン!強力です。 ★A3 [Instru-mental] "The Invisible Man" (2:46)は、A2に続く連続インスト曲ですが、とにかく、直線的なシーケンスがカッコ良い。やっぱり、インストでも曲の良さは変わらない、いや倍増しています! ★B1 [Lounge] "I'm Gonna Pay U Back" (3:05)は、元曲を聴いていないので、よく分からないですが、ブラシでのドラム・ワークと、ヘンテコなサビは雰囲気爆発ですね。オルガンのフレーズで曲の良さがわかりますね。 ★B2 [E-Z Listening] "I'm Gonna Pay U Back" (3:05)では、ヴォーカルの音量が抑制されている所がE-Z listeningなのかな? ★B3 [E-Z Listening Instru-mental] "I'm Gonna Pay U Back” (3:05)も、B2に連続して収録されているインスト・ヴァージョンなのですが、インストの方が曲の良さが分かりますね。 と言う訳で、今回はDevoの左利きベーシストにしてブレインの1人でもあるGerald V. Casaleのソロアルバムを聴きましたが、アルバムと言うよりもリミックス集のような内容になっていました。しかしながら、彼がこんな良い曲を書けることを思い知らされました。内容が内容だけに一般のリスナーさんにはお勧めし辛いのですが、Devoのファンなら、是非とも聴かれることをお勧めします❗️ A1 [Single] "The Invisible Man" https://youtu.be/jC2UHmoeGko?si=pQFdLcWFZmbHAbez A2 [De-Construction] "The Invisible Man" https://youtu.be/YLWLI2F3CPI?si=BFRzCooiAGWORzex A3 [Instru-mental] "The Invisible Man" https://youtu.be/HDahmkRaouU?si=VCNjuWOi0Hw04RYQ B1 [Lounge] "I'm Gonna Pay U Back" https://youtu.be/n7j9OTsIVws?si=xnkPHRp0nzJ9J34T B2 [E-Z Listening] "I'm Gonna Pay U Back" https://youtu.be/LbYCTHkHv9U?si=ojm3FjQZSvU7vOrd B3 [E-Z Listening Instru-mental] "I'm Gonna Pay U Back” https://youtu.be/uJmO2g_0t2c?si=HyeqawmHtYdDOba7 #GeraldV.Casale #Devo #TheInvisibleMan #MVDAudio #MiniLP #SoloAlbum #RecordStoreDay #Electronic #Rock #Synthesizers #SingleVersion #DeconstructionVersion #InstrumentalVersion #LoungeVersion #E-ZListeningVersion #I’mGonnaPayUBack #JoshFreese #JeepJone #SteveBartek #JadeHendrix #PeggyGedeon #SharonHendrix
Rock / Electronic MVD Audio 748円Dr K2
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Pussy Galore “Live In The Red”
やっと引っ張り出しました!Pussy Galoreのライブ・アルバム”Live In The Red”です。暫く聴いていなかったのですが、ちょっとロックなアルバムが聴きたくて、探しました。先ず、Pussy Galoreのバイオグラフィーについて書いておきます。Pussy Galoreは、米国Washington D.C.で、1985年に結成されたガレージ/パンク/ジャンク・ロック・バンドで、1990年に解散しています。彼等は “Rolling Stones meet Einstürzende Neubauten”と呼ばれる特異な立ち位置にいました。もう少し詳しく書きます。元々は、Ivy League college Brownの学生だったJohn Spencer (G, Vo)とJulia Cafritz (G, Vo)が、1984年にJohn Hammill (Drs)を誘って結成したのが、最初で、シングル” Feel Good About Your Body”を出しています。その後に、Neil Hagerty (G)が加入し、EP”Groovy Hate Fuck”を自身のレーベルShove Recordsから出しています。SpencerとCafritzが大学を卒業後、彼等はNYCに活動の場を移し、そこで、16歳のCristina Martinezをギタリストとして加入させますが、彼女は単に7㌅シングルの写真のモデルとしてだけで、演奏はしていません。そうして、Hammillはクビになり、元Sonic YouthのドラマーだったBob Bert (Drs)が加入します。その時に、Sonic Youthの誘いで、Rolling Stonesの”Exile On Main Street”を丸々カバーした限定カセット・アルバムを出しています。 Pussy Galoreは、1987年1月には、EP”Pussy Gold 5000”を自身のレーベルから出しますが、この時には、既にメタル・パーカッションを使っており、メンツはJohn Spencer (Vo, G, Metal-Perc), Neil Hagerty (G, Vo, Organ), Julie Cafritz (G, Vo), Cristina Martinez (G, Organ), Bob Bert (Drs, Metal-Perc)です。その直後に、Martínezは脱退しています。1987年9月に、彼等はデビュー・アルバム”Right Now!”をCaroline Recordsから出しますが、直後に、Hagertyが脱退し、代わってKurt Wolf (G)が加入します。しかしながら、Hagertyは、EP “Sugarshit Sharp”の時に戻ってきて、逆にWolfはLoudspeakerに加入する為に脱退しています。このEPは、1980年代中期の曲”Yu-Gung”から続く、Einstürzende Neubautenのインダストリアル/ダンス・バンド的側面をガレージ・ロックの文脈で解釈した名盤と評されています。彼等は、Neubautenの音をサンプリングしたり、引用したりしており、その為、F.M. Einheitが”Yu-Gung”のカバーをいたく気に入っています。そして、このEPでは、彼等は新しいロゴYu-Gung Man(Neubautenのロゴに、Rolling Stonesの舌のトレードマークを加えたPussy Galoreのロゴ)をジャケに使っています。そうして、1989年に、彼等はセカンド・アルバム”Dial 'M' for Motherfucker”をリリースします。初めはアルバム・タイトルは”Make Them All Eat Shit Slowly”にしようとしたのですが、レーベル側から拒否されてしまいます。この作品はより明確な実験性みたいなものがありました。このアルバムを作製したことで、Cafritzは、よりバンドにのめり込むことになったようです。1989年には、彼等は、Black Flagの曲”Damaged I”のカバーを含むスプリット・シングルを出しており、また、これとは別に、Black Snakesとのスプリット・シングルを日本のSupernatural Recordsから出しています。その後、Cafritzは脱退しており、Spencer, Hagerty, Bertのトリオになって、最後のスタジオ・アルバム”Historia de la Musica Rock”を1990年に出して、バンドは解散しています。 それで、本作品ですが、これは、1989年8月5日に行ったCBGBでのライブ音源で、この時のメンバーは、Jon Spencer (G, Vo), Neil Hagerty (G, Vo), Kurt Wolf (G), Bob Bert (Drs)です。A1以外は全曲、Spencerが曲を書いており、A1はThe Twighlitersの曲のカバーです。それから、BurtのDrsセットのスネアはメタパーで、シンバル類は殆ど使っていません。また、編成を見て分かる通り、トリプル・ギターで、ベースレスです(Copass Grinderzみたいですね)。今回は各曲の紹介はしませんが、とにかく、ぶっ壊れていて、カッコ良いロックを聴きたければ、是非とも自分の手に取って、聴いてみて下さい‼️音質は決して良くはありませんが、かなり熱量の高い音楽なので、ご注意を❗️またこの手のロックは一時期、Junk (Rock)とも呼ばれてみたいですが、どうも日本だけみたいです。語感はピッタリなんですけどね。 A1 “Nothing Can Bring Me Down” (1:39) A2 “Adolescent Wet Dream” (1:23) A3 ”Sweet Little Hi-Fi” (2:36) A4 “Understand Me” (2:25) A5 “Pig Sweat” (1:58) A6 “1 Hour Later” (2:37) A7 “Dead Meat” (2:05) A8 “SM57” (2:39) A9 ”DWDA “(0:31) A10 “Wretch” (1:53) A11 “Kicked Out” (1:17) B1 “Evil Eye” (3:21) B2 “New Breed” (1:49) B3 “Undertaker” (2:22) B4 “Dick Johnson” (2:09) B5 “Hang On” (6:46) B6 “Kill Yourself” (3:06) B7 “Alright” (2:31) A5 “Pig Sweat” [live in London] https://youtu.be/0CBUmkopM8c?si=jOQ45O_ce2g_AIbn [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mqxWTfMQe8MMqU75DY76ce0tVzAkSzXwQ&si=Ihkcbz-ghgLrFMIW #PussyGalore #LiveInTheRed #InTheRedRecordings #LiveAlbum #CBGB #Yu-GungMan #JonSpencer #NeilHagerty #KurtWolf #BobBert #RollingStones #EinstürzendeNeubauten #MetalPercussions #GarageRock #Lo-Fi
Gaage / Punk In The Red Recordings 不明Dr K2
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The Star Club “God Save The Punk Rock”
日本のパンク・バンドってあんまり聴かないんですけど、ちょっとは勉強の為、聴いてみようと思って買ったのが、このThe Star Clubのアルバム”God Save The Punk Rock”です。The Star Clubが名古屋のバンドだとは知っていたのですが、このアルバムがUK/USパンクバンドのカバー集であるのは全く知らなかったです。それで、The Star Clubについてなのですが、簡単に彼等のバイオグラフィーを書いておきます。The Star Clubは、1977年に名古屋で結成され、1984年にメジャーデビューして、VoのHikageを中心に40年以上活動している日本のパンクバンドです。メジャーデビューした1984年以降、オリジナル・アルバムは35枚も出しており、ベスト・アルバムだけでも14枚、トリビュート・アルバムが3枚とボックスセットが2品、その他にもビデオやDVD等々途方もない作品数を出しています。Hikage (Vo)は結成時からずっと代わっていませんが、当然、メンバーチェンジも激しく、結成時は、元暴走族リーダーのカオル (G), 後に原爆オナニーズに加入するEddie (B), Kouji (Drs)と言うメンバーでした。本作品の頃は、元レジスタンスで4代目のLou (G), 元Head Acheで3代目のAkira/Akiller (B), 元Crowleyで6代目のHiro (Drs)となっています。現在は、再加入した11代目のToruxxx (G), 6代目のHiroshi (B), Masa (Drs)となっているようです。 それで、本作品ですが、彼等のルーツを巡る為なのか?結構、1970年代のパンク/プロト・パンクの名曲がカバーされています(同時にリリースされた同名CDの方が2曲多く収録されています)。 A1 “Pretty Vacant”(Sex Pistols)は、原曲よりややテンポが遅いが、選曲したセンスが良い。名曲ですね! A2 “Borstal Breakout” (Sham 69)も、Voのドスの効き具合と合唱が良い! A3 “Something Better Change” (The Stranglers)は、元々はKbdが入っている曲なので、代わりにギターがオーバーダブされてアレンジされています。 A4 “Love Comes In Spurts” (Richard Hell & The Voidoids)も、HikageのVoはハキハキとしており、原曲のナヨナヨしたところがありません。 A5 “New Rose” (The Damned)は、パンキッシュなVoでDave Vanianの艶っぽさとは違った雰囲気が出ているようですが、原曲の疾走感はバッチリです。 A6 “Rich Kids” (Rich Kids)は、元曲を良く知らないのですが、ポップ・パンクよりもやや粗暴な印象です。 A7 “I Don't Mind” (Buzzcocks)は、Pete Shelleyの声質は独特にも関わらず、かなり原曲に近いアレンジが施されています。VoはギターのLouが担当しています。 B1 “Tommy Gun” (The Clash)。The Clashのセカンドは過小評価されてますから、この曲を選んでくれただけで、個人的には嬉しい! B2 “One Hundred Punks” (Generation X)も、原曲の良く知らないのだが、紛うことなきパンク・ソングになってますね。HikageのVoに説得力を感じます。 B3 “Blitzkrieg Bop” (Ramones)は、小気味良いビートが弾けており、原曲の良さを引き出してます。 B4 “Lock It Up” (The Eater)も、原曲を良く知らないのですが、性急さが如何にもパンクな曲だと思います。 B5 “Wasted Life” (Stiff Little Fingers)も、Hikageの熱血Voが原曲よりも熱いですね。 B6 “Emotional Blackmail” (UK Subs)は、落ち着きの無い演奏がUK Subsらしくて、カッコ良いです。後半のハードコアへ向かう雰囲気も有りですね。 B7 “Born To Lose” (Johnny Thunders & The Heartbreakers)も、原曲自体が良いのか、結構忠実に演奏しており、雰囲気を壊していません。 The Star Clubのフィルターを通して、1970年代のパンク・ロックをたっぷり味わうことができました。原曲の良さ或いはアレンジの良さが際立つ好印象のカバー・アルバムだと思います❗️今度は、The Star Clubのオリジナル曲を聴いてみたいです!何か、甘酸っぱく、青臭い気持ちになりました(しかし、日本のパンクスのヤンキー臭は今一つ感情移入できません)。因みに、ライナーノーツでは、森脇美貴夫の熱い文章が読める。 [“1977”] https://youtu.be/_Ye4hIQI1D8?si=jqNQV9b7IfMqWjDQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k_bsvKfc6OOZdgKoeNTsf4lyXBZ5cINmI&si=M_JTasLYBFLwWaKN #TheStarClub #GodSaveThePunkRock #Invitation #CoverAlbum #PunkRock #Japanese #SexPistols #Sham69 #TheStranglers #RichardHell&TheVoidoids #TheDamned #RichKids #Buzzcocks #TheClash #GenerationX #Ramones #TheEater #StiffLittleFingers #UKSubs #JohnnyThunders&TheHeartbreakers #Hikage #Lou #Akira #Hiro
Punk Invitation 不明Dr K2
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Bangles “Different Light (シルバー・スクリーンの妖精)”
何で?Bangles? とまあまあ、落ち着いて。これでも多少の思い入れがあって買ったんですよ。でももう、35年位聴いてないですけどね。久々に聴き直してみました。それで、先ず、Banglesのバイオグラフィーについて簡単に書いておきます。Banglesは、1981年に米国CAのL.A.で結成されたガールズ・バンドで、1980年代にヒット曲を飛ばし、有名になりました。もう少し詳しく書きますね。結成時のメンバーは、Susanna Hoffs (G, Vo), Vicki Peterson (G, Vo), Debbi Peterson (Drs, Vo), Michael Steele (B, Vo)です。元々、HoffsとVicki & Debbi姉妹は、1980年12月にL.A.でバンドを始めようとして、HoffsがThe Recycle紙にメンバー募集をかけ、Annette ZilinskasとPeterson姉妹のハウスメイトでThose GirlsをやっていたLynn Elkindが反応し、色々話しを聞いたりして、最終的に、Annette Zilinskas (B)が加入することになり、そのラインナップで、1981年にThe Coloursとしと言うバンドになります。その後直ぐに、バンド名をThe Bangsと替え、L.A.のペイズリー・アンダーグラウンド界で活動し、1981年に、自身のレーベルDownKiddie Recordsからシングル”Getting Out Of Hand" c/w "Call On Me"を出しています。その後、Faulty Productsと契約し、Susanna Hoffs (G, Vo), Vicki Peterson (G, Vo), Debbi Peterson (Drs, Vo), Annette Zilinskas (B, Vo)で、1982年にEP"The Real World"をリリース、これがハリウッドのクラブで掛かり、大いに受けますが、同名のバンドがいたことから、バンド名をBanglesにします。それで、最初のEPをBangles名義にして、1983年にリリースし直し、更にリミックス12㌅EPも出しています。このレーベルは、I.R.S. Recordsが配給するようになりますが、Zilinskasは自身のバンドBlood On The Saddleに集中する為、バンドを脱退します。その代わりに、The Runawaysなどに在籍していたMichael Steele (B)が加入します。そうして、1984年に、Banglesのデビュー・アルバム”All Over The Place”がColumbia Recordsよりリリースされ、そのパワー・ポップな音楽が受けます。シングルカットされた"Hero Takes A Fall"や"Going Down To Liverpool"はThe Beatlesっぽくもあって売れます。その時、MVを作製している過程で、HoffsとLeonard Nimoy (スタートレックのスポック役の俳優)は意気投合しています。そして、Banglesはシンディー・ローパのFun Tourのオープニング・アクトも務めています。これを気に入ったプリンスが、元々自身のグループApollonia 6の為に書いた曲"Manic Monday"をBanglesに提供しており、この曲は米・英・独で第2位のヒットを記録しています。そうして、1986年に、彼女らは、本作品でもあるセカンド・アルバム”Different Light”リリースします。より洗練されたアルバムで、Liam Sternbergによって書かれた曲"Walk Like an Egyptian"はナンバー1のヒットとなり、ビルボード200でも2位となり、一気にメインストリームに躍り出ることになります。その後も、1987年には、Simon & Garfunkelの"A Hazy Shade Of Winter"のカバーを出したり、1988年にも、アルバム”Everything”を出したりして活躍しています。しかしながら、誰がメイン・ヴォーカルを取るか?誰が曲を書くか?で揉めてしまい、Banglesは、1989年に解散してしまいます。その後、1998年に、Banglesは、再結成し、映画”Austin Powers: The Spy Who Shagged Me”のサントラを手掛けていますが、これは、監督がHoffsの旦那だったと言うこともあるようです。2003年にはアルバム”Doll Revolution”を出し、現在も活動中のようです。 と言うのが、Banglesの流れになります。それでは、セカンド・アルバムである本作品を紹介していきます。内容は両面6曲ずつで、メンバーは先述の通りです。 A1 “Manic Monday”は、キッチュなHoffsのVoとキャッチーなメロディで、コーラス・ワークも完璧な曲です。 A2 “In A Different Light (シルバー・スクリーンの妖精)”は、やや激しい曲で、これぞパワーポップと言う感じで、メインVoはVickiが担当しています。 A3 “Walking Down Your Street”は、美しいコーラスで始まり、舌足らずなHoffsのVoが可愛らしいです。途中ブレイクのギターがカッコ良い! A4 “Walk Like An Egyptian (エジプシャン)”もヒット曲で、軽妙なリズムとメロディが心地良いです。Voは、Vicki, Steele, Hoffsがとってます。 A5 “Standing In The Hallway (ホールウェイに立ちすくみ)”は、飛び跳ねるようなリズムがファンキーな曲で、オルガンが効いてます。VoはDebbiですが、コーラスワークが素晴らしいです。 A6 “Return Post”の出だしは、スパイ映画っぽいですが、その後のVickiのVoは可愛らしくて、如何にもアメリカンな曲調です。 B1 “If She Knew What She Wants”は、軽妙なVoが掛け合いが心地良い軽い曲で、メインVoはHoffsです。この曲はシンディー・ローバとの共作も行っているJules Shearによるものです。 B2 “Let It Go”は、アコギも弾きまくりで、素晴らしいコーラスワークを楽しめるテンポがやや早い曲です。 B3 “September Gurls (9月の少女)”は、Alex Chiltonのカバー曲ですが、すっかりBangles風にアレンジされています。VoはSteele。 B4 “Angels Don't Fall In Love (恋に堕ちた天使)”も、ハイテンポの曲で、VickiがVoですが、何処となくカントリー調ですね。最後の木琴が良い! B5 “Following”はアコギをメインにしたカントリー調の弾き語りで、VoはSteele。でも、染みるなぁ。 B6 “Not Like You”では、一転、跳ねるように明るい曲調となり、VoはDebbiが担当していますが、コーラスが素晴らしい! と言う訳で、聴き直しましたが、何だか、青臭い感じがして、ちょっと気恥ずかしいですね。しかしながら、如何にも「アメリカン」な曲やアレンジは流石にセンスを感じますね❗️こう言う「表」のアメリカンから「裏」に行くと、めちゃくちゃ、個人的には好きなポイントなんですが、偶には、「表」のアメリカン・ポップも良いですね! A4 “Walk Like An Egyptian”[live version] https://youtu.be/JA0VfqtIK_A?si=vFH5Ws7nZl73fWju [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lmP1iUgE5IC8hyq-M3vNP4TlEwJ9JakWU&si=WFyHbP1wOGDotSXA #Bangles #DifferentLights #シルバー・スクリーンの妖精 #CBS/Sony #US #AllFemaleBand #PowerPop #Rock #SecondAlbum #Hit #Prince #ManicMonday #WalkLikeAnEgyptian #SusannaHoffs #VickiPeterson #DebbiPeterson #MichaelSteele #AnnetteZilinskas
Rock / Power Pop CBS/Sony 2800円Dr K2
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Lou Reed “Berlin”
またまた、紹介します。「私の趣味外」だけれども持ってるレコード、それはLou Reedのソロ3作目”Berlin”です。多分、当時は、勉強のつもりで購入したのだと思いますが、それ以来、殆ど聴いていませんでしたね。Lou Reedと言うと、The Velvet Undergroundの創設者/メンバーであった訳で、ここで、私がごちゃごちゃ言うよりも詳しい方は沢山いらっしゃるとは思いますが、まあ、私個人の整理も兼ねて、紹介していきたいと思います。Lou Reedと言えば、米国の音楽家/作曲家/詩人/写真家である訳ですが、NYC生まれで、その音楽のキャリアは、1958年に、高校生バンドThe Jades (ドゥーアップ・グループ)のメンバーとして録音したことから始まっています。その後、彼は、1960年代初頭に、Syracuse大学に進学した時に、神経衰弱から鬱や不安神経症などを発症し、その為に、電気ショック療法(ECT)を受けています。後に、この時の経験を”Kill Your Sons”と言う曲にしています。また、この時期に、Reedは、一時的な記憶喪失と同時に、自分がホモセクシャルではないかと思い込むようになります。そのなこともありましたが、彼は大学で、詩について学んでいましたが、様々なバンドを結成していました。しかし、そこで彼は、自分の指導教官でもある詩人/作家Delmore Schwartz教授に大きな衝撃を受けており、後にThe Velvet Undergroundの曲”European Sun”を捧げています。それで、卒後に、Pickwick Recordsの専属のソング・ライターとなりますが、やがて、1964年に、John Caleと出会い、The Velvet Undergroundを結成しています。ここら辺の経緯は以前にThe Velvet Undergroundの作品を紹介した時に書いていますので、はしょります。結局、Reedは、1970年にThe Velvet Undergroundを辞めています。その後、家計を助けることもあって、1971年にRCA Recordsと契約し、初のソロアルバム”Lou Reed”を英国Londonで、Yesのメンバー達やセッション・ミュージシャン達と作製、しかしながら、このアルバムは、評論家受けは良かったのですが、余り売れませんでした。その後、Reedは、1972年11月に、よりコマーシャルな作品として、David BowieとMick Ronsonの共同プロデュースで、アルバム”Transformer”をリリース、特に英国のリスナーを意識して作られたそうです。シングルカットされた"Walk on the Wild Side"は、実は1960年代後半にAndy WarholのThe Factoryでの様子を歌ったものだそうです。その後、ReedはBowieとつるむようになりますが、Reedが暴力を振るうようになって、Bowieは離れていきます。1972-1973年は、NYのバー・バンドThe Totsを引き連れて、”Transformer”のツアーを行なっていましたが、更に鍵盤奏者のMoogy Klingmanを加えた5人体制で、次の録音に取り掛かります。それが、本作品でもある”Berlin”で、1973年から作製されますが、丁度、ReedがBettye Kronstadと結婚した時期でもあり、コンセプト・アルバムとなっています。つまり、DVやアル中、売春、死と言ったネガティブで退廃的なテーマを持った曲を収録しています。その為、評論家や同業からは酷い評価でしたが、2003年には聴くべきアルバム500にも選ばれていまし、英国アルバムチャートでは7位になっています。それでも、余り売れなかったこともあり、Reedは、Blood, Sweat & TearsのSteve Katzと組んで、The Velvet Undergroundの完全なるライブ・バンドを目指し、その結果、1974年2月にアルバム”Rock’n’Roll Animal”をリリースします。このアルバムには、The Velvet Underground時代の曲が多く含まれていますが、これで漸く、Reedが求めていたライブ・ロック・サウンドが完成したと言われており、事実、このアルバムは、ビルボード200で、28週間連続で最高45位までいき、Reed最大のヒット作となっています。その後、1974年8月に、アルバム”Sally Can't Dance”をリリース。1970年代のReedは、アルコールとメタムフェタミンの中毒で、時にはステージに立たない/許可が降りない状態でした。そんな中で、1975年にリリースされたのが、ロック史上最大の問題作”Metal Machine Music”です。ギターのフィードバック音が延々と続く2枚組アルバムで、Reed自身はLa Monte Youngのドローン・ミュージックに触発されたと言っていますが、当時のファンや評論家からは最悪と評され、数週間で何千枚の返品があったそうです。そして、同年リリースされたアルバム”Coney Island Baby”は、当時のReedのトランスジェンダーのパートナーRachel Humphreysに捧げた作品になっています。その後、1978年には、当時、勃興してきたパンクロック・シーンにインスパイアされて作製されたアルバム”Street Hassle”をリリースし、NYパンクの殿堂CBGBでもライブをやっています。1979年には、ジャス・トランペット奏者Don Cherryをゲストにアルバム”The Bells”をリリースし、欧州/米国ツアーを行なっています。取り敢えず、Lou Reedのバイオグラフィーは長いので、今回は1980年手前までとしておきます。 それで、本作”Berlin”について紹介していきたいと思います。先述なように、ネガティブな要素の多いアルバムなので、リリース当時は全く良い評価はされていませんでした。それはプロデューサーのBob EzrinがReedに推し進めたようで、JimとCarolineが、ドラッグに溺れ、売春をし、鬱になり、DVが酷くなり、そして自死すると言う「堕落した」ロック・オペラになっています。このアルバムには、Lou Reed (Vo, A-G, Choir), Bob Ezrin (Piano, Mellotron), Steve Hunter (G), Dick Wagner (G, Choir), Jack Bruce (B [A2, B2以外]), Aynsley Dunbar (Drs [A2, B2以外]), Steve Winwood (Hammond organ, Harmonium), Michael Brecker (Tenor Sax), Randy Brecker (Trumpet), Tony Levin (B [B2]), B. J. Wilson (Drs [A2, B2]), Allan Macmillan (Piano [A1]), Gene Martynec (A-G, Synth [B3], B [A2]), Jon Pierson (Bass Trombone), Blue Weaver (Piano [A3]), Steve Hyden (Choir), Elizabeth March (Choir)が参加しています。では、各曲を紹介していきます。 A1 “Berlin”は、いきなりカオスなテープ音とリリカルなピアノで始まり、呟くような音量でReedのヴォーカルが入っています。 A2 “Lady Day”は、オルガンとピアノの効いたシアトリカルなロックで、緩急の付け方が絶妙です。サビの部分は印象的です。 A3 “Men Of Good Fortune”は、Reedのヴォーカルから始まる曲で、ここではギターやベースの存在感も負けてはいません。割とドラマチックな曲ですが、歌詞の内容自体はネガティブっぽいです。 A4 “Caroline Says I”は、DVに関する曲らしいのですが、割と明るめの曲調で、アコギが中心になって、途中ではメロトロンも高らかに奏でられています。また、歌詞も余りDV的な内容ではない様に思います。 A5 “How Do You Think It Feels”は、A4と連続して始まり、Reedの独特のヴォーカルが活きている曲となっていますが、どうも歌詞の内容はドラッグを暗に指し示しているようです。そのせいか、曲の後半はプラスとギターが響き渡ります。 A6 “Oh, Jim”では、フェイド・インしてくるドラムに、Reedのヴォーカルもブラスとが絡み合うゴージャスな曲なんですが、後半にアコギ一本をバックにロックンロール調にReedが歌う部分があり、ちょっとフラッシュバックしました。歌詞は暗にJimの自堕落な生活とCarolineへの強制を歌っているように感じました。 B1 “Caroline Says II”は、A4のリフレーズから成るアコギとピアノのバックで独白の様に歌われますが、歌詞は、愛するが故の暴力とかDVとかを示唆していると思います。しっとりした曲調がより一層そのことにスポットします。 B2 “The Kids”も、アコギをバックに独白調にReedが切々と歌っていますが、どうも歌詞の内容は大人になり切れない2人(或いはCaroline)がやがて、立ちんぼになってしまう様子のようで、スライドギターの音色と最後の赤ん坊の泣き声や叫び声がやるせないです。 B3 “The Bed”も、アコギをバックに独白調なんですが、Reedの声は消え入りそうで、Carolineの自殺を思わせる曲になっています。もう取り返しが付かない感じです。 B4 “Sad Song”は、B3から連続していますが、何故か、ブラスやギターも入ってきて、上を向いて生きよう的な雰囲気にもなりますが、逆を言えば、フランダースの子犬のように天に召された後のJimの心境かも知れませんね。 この作品に関しては、歌詞が非常に重要だと思いますので、是非国内盤で聴く方が良いです。と言うのも、このアルバムが、ロック・オペラとして作製されていますので、アルバム自体に物語り性があり、JimとCarolineが、退廃と混乱の街Berlinで会い、ドラッグに溺れたり、暴力を振るったり、そのせいでCarolineが売春したり、でもやっぱり辛くて彼女は自殺してしまい、それをJimは呆然と見て、俺は何てことやってたんだ!と言うところまで、理解しないと中々、この作品の本質には辿り着けないかと感じました(解釈は他にもあるとは思いますが)。そう言う意味では非常に良く出来たアルバムだと思います❗️青二歳の当時の自分に言ってやりたくなりました!まあ、なので、ノリの良い曲は殆ど無いんですが。 A1 “Berlin” A2 “Lady Day” A3 “Men Of Good Fortune” A4 “Caroline Says I” A5 “How Do You Think It Feels” A6 “Oh, Jim” B1 “Caroline Says II” B2 “The Kids” B3 “The Bed” B4 “Sad Song” B1 “Caroline Says II” https://youtu.be/Y793DlD0Sxg?si=Ih-dcdiMdfNeWXY3 [full album] https://youtu.be/GyhJh1SMpVg?si=F9qvrDqZDXiRf92f #LouReed #Berlin #RCA #3RdSoloAlbum #RockOpera #ConceptualAlbum #Psychedelic #Jim&Caroline #BobEzrin #SteveHunter #DickWagner #JackBruce #AynsleyDunbar #SteveWinwood #MichaelBrecker #RandyBrecker #TonyLevin #B.J.Wilson #AllanMacmillan #GeneMartynec #JonPierson #BlueWeaver #SteveHyden #ElizabethMarch
Rock / Psychedelic RCA 1800円?Dr K2
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James Blood Ulmer “Black Rock”
ちょっと意外なモノも投下。何で買ったか?よく覚えていないJames Blood Ulmerの日本盤で、彼の4枚目のアルバム”Black Rock”を紹介してみます。「みます。」と言うのも、私自身はブラックなものはてんで駄目なんで、これを聴き直して、さて、どうしたもんか?と思う可能性もありますので、そのような表現になってしまいました。なので、これも買ってから、40年位聴いていないんですよ。それなので、先ずは簡単に彼のバイオグラフィーを紹介したいと思います。James Blood Ulmer、本名Damu Mustafa Abdul Musawwir。米国サウス・カロライナ出身のブルース、ジャズ、フリー・ファンクのギタリストでありヴォーカリストです。彼のキャリアは、1959年〜1964年にビッツパークでのソウル・ジャズ・アンサンブルで始まり、1964年〜1967年はOhio州Columbusに移り、1964年にオルガン奏者Hank Martとの録音を行い、その後、1971年にNYCでArt Blakey’s Jazz Messengersに加入しています。1970年代には、UlmerはOrnette Colemanと一緒に演奏するようになり、Colemanにとって、初めてのエレキ奏者となり、フュージョン志向だったColemanの信頼を勝ち取っています。Ulmerは、また、Arthur Blytheの2枚のアルバム、1979年作”Lenox Avenue Breakdown”と1980年作”Illusions”に参加、同時にColumbiaレコードと契約を結びます。その勢いで、彼は、3枚のアルバム”Free Lancing”, “Black Rock”, “Odyssey”をOdyssey The BandのドラマーWarren Benbowとヴァイオリン奏者Charles Burnhamと共に作り上げます。このトリオは評論家に"avant-gutbucket"と呼ばれ、「Skip JamesとAlbert AylerがMississippi Deltaでジャム・セッションをしているようだ」と評されています。また、1980年代になると、彼は、David Murrayと共にUlmer formed Music Revelation Ensembleを結成し、このアンサンブルは、後にはArthur Blythe, Sam Rivers, Pharoah Sanders, John Zornを加えて、1990年代まで続きます。また1980年代には、Ulmerは、Sax奏者George AdamsとPhalanxカルテットも結成し、よりブルース志向のアルバム”Memphis Blood”, “No Escape from the Blues”, “Bad Blood in the City”, “Birthright”をリリースしています。Ulmerは、2005年に、ある雑誌のインタビューで、「ギター・テクニックはJimi Hendrixの死後、発展していない」と発言し、更に、「もしかしたら、ピアノのようにギターも終わりかもしれない」とも発言しています。その後、2009年に、Ulmerは、レーベルAmerican Revolutionを設立。そして、2011年春には、James Carterのオルガン・トリオにゲスト出演し、Blue Note New Yorkで6晩連続で演奏しています。大体の彼の流れはこんな感じですが、私には今一ピーンとはきませんでした。 それで、本作品を聴いてみて、紹介していきたいと思います。内容はA面4曲/B面5曲で、Damu Mustafa Abdul Musawwir & James Blood Ulmer (G, Vo)の他、Amin Ali (B), Ronald Drayton (Rhythm G [A1-A4, B2, B3]), Grant Calvin Weston (Drs), Cornell Rochester (2nd Drs [A1, A3, B1-B3]), Sam Sanders (Sax [A3, B3]), Irene Datcher (Vo [A4, B2])と言う布陣で録音をしています。 A1 “Open House”は、ゴリゴリしたベースと複雑かつノリの良いビートを叩き出すドラムが自由自在に演奏され、その間を、Ulmerのフリーキーなギターが駆け巡る熱いインスト曲です。 A2 “Black Rock”では、複雑かつバネのある演奏に黒人独特のソウルフルなヴォーカルも聴くことが出来ます。結構、ギターが即興的に弾きまくられてますね。 A3 “Moon Beam”も、スラップ奏法も交えたファンキーなベースとドラムの強力なリズム隊と要所要所を押さえたギターに加え、フルートやサックスも入ってくるインスト曲です。 A4 “Family Affair”では、しっとりと始まり、女性ヴォーカルとUlmerのデュエット/掛け合いで、結構、落ち着き気味ですがソウルフルに仕上がっています。しかしながら、盛り上がる所は盛り上がる緩急のついた曲です。 B1 “More Blood”は、トリオによる完全即興演奏で始まりますが、その内、グルーヴが生まれていくのてすが、あくまでもフリーな演奏に始終する、カッコ良いインスト曲です。こう言うのは好きですよ、私も! B2 “Love Have Two Faces”は、今までと一転して、落ち着いたブルース調の曲で、Ulmerのヴォーカルも沁みますね。しかしながら、サビではニューウェーブみたいな曲調に変わり、彼のキャパの広さを感じます。 B3 “Overnight”では、再び、トリオにサックスを交えた強力なバネのあるフリーキーなファンク・サウンドをぶちかましてくれます。途中のドラムソロもカッコ良し!なお、これもインスト曲です。 B4 “Fun House”は、怪し気で完全フリーな即興演奏から始まりますが、アイコンタクトなのか、ブレイクが決まるので、垂れ流しにならないです。また、この曲はヴォーカルも入っているのですが、ソフトな印象で、それ程「黒く」はないです。因みにヴォーカルはベースのAliみたいです。因みにThe Stoogesの曲とは同名異曲です。 B5 “We Bop”は、やはり、基本に戻って、ファンクな曲なんですが、単に踊らせるだけではなく、複雑なリズム構造や流れを持っており、正しくフリー・ファンクとも言うべきインスト曲になっています。 それで、40年振りに聴いてみたのですが、単にファンクとかソウルと言う訳ではなく、かなりフリー・インプロヴイゼーションの要素が強く、それがあって、このアルバムを買ったのだなと一人納得しました。ただ、如何にもソウルフルなヴォーカル曲はやはり苦手ですね。インスト曲は単純に強力な演奏に感服しました❗️また、これからは「黒い」音楽も聴いていこうとおもいました。 A1 “Open House” A2 “Black Rock” A3 “Moon Beam” A4 “Family Affair” B1 “More Blood” B2 “Love Have Two Faces” B3 “Overnight” B4 “Fun House” B5 “We Bop” https://youtu.be/OKUrb0Rw-4Q?si=qbNfss8HgGga3Ssx #JamesBloodUlmer #BlackRock #CBS/Sony #4ThAlbum #FreeFunk #Soul #Blues #Improvisation #DamuMustafaAbdulMusawwir #GrantCalvinWeston #CornellRochester #AminAli #RonaldDrayton #SamSanders
Free Funk / Soul CBS/Sony 2500円?Dr K2