Chris and Cosey “Trance”

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続けて、また、Chris and Coseyのセカンドアルバム、その名もずばり”Trance”です。このデュオのバイオグラフィーは前回書きましたので、省略しますが、簡単に補足を。T.G.の解体から生まれたChris and Coseyですが、本作の時点で、彼等自身のレーベルCreative Technology Institute (CTI)が既に使われています。また、彼等がリスペクトする或いは彼等をリスペクトするアヴァンギャルドなアーティストやグループとコラボをやっていますが、その中にはMonte Cazazza, Coil, Current 93, John Duncan, Erasure, Eurythmics, Boyd RiceやRobert Wyattがおり、1988年のリリースされたCTI名義のアルバム”Core: A Conspiracy International Project”にそのコレクションがおさめられています(私は未聴)。また、彼等のトラックはCarl CraigやCosmic Connection, Fred Giannelli, Daniel Miller, μ-Ziq, Vapourspace及びAndrew Weatherall等のDJによってリミックスされており、前衛的ダンスミュージックにも彼等は影響を与えています。一方で、彼等は4部作のCDシリーズである”The Library Of Sound (L.O.S.)”や ”Electronic Ambient Remixes (E.A.R.)”と言うインスト曲から成るアルバムもリリースしており、ギャラリーでのインスタレーションや電子音楽のフェスでBGMとして使われているとのこと。そして、彼等はCarter Tuttiとして、今も現役なのです。
それで、本作品ですが、基本的には、ファースト・アルバムと同様なので、Chris CarterのシンセとリズムマシンとCosey Fanni Tuttiのギター、コルネット、シンセで作られています。しかしながら、よりダイナミックな音(録音機材のアップグレードによるのでしょうか?)になっており、電子音の強度も増しています。時に不安を催すシンセのフレーズや凶暴なギターの導入或いはダンス・ミュージックを意識したキックや土着的リズムマシンのフレーズを効かせた曲もあり、彼等の引き出しの多さやアレンジ力に舌を巻きます。はっきり言って,後の実験的テクノやゴルジェなどのフロアーを沸かせるダンス・ミュージックの要素あるいはアイデアのほぼ全てがこのアルバムに詰まっていると考えられます。なので、トラックメイカーの方には本作品も必聴ですね。

https://youtu.be/4P9aXZ9FBOg

#ChrisAndCosey #Trance #PostIndustrial #Synthesizer #RoughTrade

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