V.A. “Subterranean Modern”

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Gary Panterのカラフルなジャケ写で登場したのは米国西海岸の謎4組によるコンピレーション “Subterranean Modern”です。収録バンドは、Chrome, MX-80 Sound, The ResidentsとTuxedomoonです。そして、一つの縛りとして「思い出のサンフランシスコ(I Left My Heart in San Francisco)」のカバーを入れることです。ChromeとThe Residentsは以前に紹介しましたので、MX-80 SoundとTuxedomoonについて少し紹介しておきます。先ず、MX-80 Soundは、1974年にインディアナ州Bloomingtonで Bruce Anderson (G)とDale Sophiea (B)で結成され、翌年Jeff Armour (Dr)とKevin Teare (Dr)が加入して,その後、1976年にRich Stim (Vo, G, Sax)とDave Mahoney (Dr)が加入して、Teareが脱退しました。このようなメンツで地元で演奏しようとしていましたが、彼等の音楽はart rockとかpost punkとかacid punkとか言われてカテゴライズされなかった為、演奏する場が無くなり,またJeff Armourも脱退し、バンドは1978年にSFに移住し、そこでThe ResidentsのレーベルRalph Recordsと契約しました。それで何枚かのレコードをリリースし、その後、メンバーの補充や再加入を経て、現在でも活動中です。一方、Tuxedomoonですが、1977年にSFで、サンフランシスコ市立大学の電子音楽科の学生であったBlaine L. Reininger (Kbd, violin)とSteven Brown (Kbd, other instruments)で結成され、ヘルプのVoとしてGregory CruikshankとVictoria Loweが、パフォーマンス・アーティストとしてWinston Tongが加入。名曲”No Tears”の録音時に、 Michael Belfer (G)とPaul Zahl (Dr)がヘルプで加入しましたが、TongとBelferは一時脱退し、代わりにPeter Principle (B: 本名 Peter Dachert)が正式に加入しています。彼等の音楽は、ジャズやフュージョンからニューウェーブ・ポップ、はたまたシンセによる実験的音楽までに及び、1979年にRalf Recordsと契約しました。彼等のレコードはオランダやベルギーで受けたこともあって、バンドはベルギーのブリュッセルに移住し、現在も活動を続けています。
そこで、本作品についてですが、前述のように「思い出のサンフランシスコ」のカバーを必ず含むと言う縛りがあったのですが、4者4様のアレンジです。僅か27秒の儚くも美しいカバー(?)のChrome、一番まともなカバーを披露するMX-80 Sound、完全に自分達のオリジナルっぽくカバーしたThe Residentsそして電話の会話に合わせて薄ーく流れるTuxedomoon、誰も一筋縄ではなきカバーです。残りの曲はそれぞれの音楽性が遺憾なく発揮されています。Chromeは丁度”Red Exposure”辺りのアシッド・サイケな曲を、MX-80 Soundはダブルドラムによる分厚い音の壁を、The Residentsはいつもの変態アレンジの曲を、Tuxedomoonは室内楽の様な一風変わった曲を提供してます。もし、聴く機会があれば,聴き比べてみて下さい。

https://youtu.be/IbbZxBs0e4E

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