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The Residents “Meet The Residents”
何ともまあ、こんな音楽が世に出回るとは?と思わせた米国の「謎」ことThe Residentsのファースト・アルバムを紹介しましょう。私の持っているのは、1977年にセカンド・プレスされたもので、最初のヴァージョンは1974年にリリースされています(ジャケが違う)。The Residentsのバイオグラフィーは以前にも書いていますので、そちらを参照してください。まあ元のジャケ写を見れば分かる通り、徹底的にThe Beatles(のジャケ写)を茶化したものになっています、それも中学生程度の教科書の落書きレベルです。そんな反骨なThe Residentsですが、このファースト・アルバムでも、彼等の変態性が遺憾無く発揮されています。独特のポルタメントをかけた音や調子外れなコーラスやチューニングが狂ったピアノやホーンなど、彼等の音楽の上で外すことが出来ない要素が既に開花しています。この頃はまだそんなにシンセなどの電子楽器は使われていませんが、それでも時にスペーシーな電子音も聴取することが可能です。曲と言う体裁を取りながらも、ギリギリのところで崩壊を防いでいる点が彼等の凄いところですね。どの曲もそれまでのロックやポップスのイディオムに入り切らず、独自の歪んだポップミュージックの「ミュータント」になっています。ここから全てが始まったと言う意味で、今でも/今だからこそ聴かれるべきアルバムだと思いますよ ❗️ クレジット曲順 A1 “Boots” (0:54) A2 “Numb Erone” (1:07) A3 “Guylum Bardot” (1:19) A4 “Breath And Length” (1:44) A5 “Consuelo's Departure” (0:59) A6 “Smelly Tongues” (1:44) A7 “Rest Aria” (5:09) A8 “Skratz” (1:43) A9 “Spotted Pinto Bean” (5:27) B1 “Infant Tango” (5:28) B2 “Seasoned Greetings” (5:13) B3 “N-ER-GEE (Crisis Blues)” (7:16) A7 “Rest Area” https://youtu.be/Iboz-PQQIVE [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL6ogdCG3tAWjqXMA0zluro1s-bb-Vn4XR #TheResidents #MeetTheResidents #RalphRecords #Avant-Pop #ExperimentalPop #TheBeatles #Parody #FirstAlbum #MutantPop #4PieceBand
New Wave / Avant-Pop Ralph Records 不明Dr K2
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Tuxedomoon “Desire”
当時・米国、今・欧州の実験的ポップ・バンドTuxedomoonを紹介します。Tuxedomoonは、パンク・ムーブメントと共に米国サン・フランシスコから現れたバンドで、当時、私はRock Magazine別冊で、その名を知り、早く聴いてみたいと切望していたバンドの一つです。それでは先ず、彼等のバイオグラフィーを見てみましょう。1977年に、アーティストのコミューンであったThe Angel of Lightに属していたSteven Brownが、SF市立大学電子音楽科で、Blaine L. Reiningerと出会ったことから、Tuxedomoonは生まれました。それで、Brownの協力者であり、後にマネージャーになるTommy Tadlockの家で、実際の音出しをし始めます。その時、Reiningerはe-VlnとGを弾いてましたが、Tadlickは「Teatment Mountain」と呼ばれるツール(エフェクト装置)を作ったりして貢献します。それで、パンクが出てきた1970年中盤に、2人は、「他のどんなグループにも似ていないことを唯一のルールとする」との約束で活動を始め、当初は、Vln, Sax, Polymoogシンセを使っており、Voもスクリーミング・スタイルでした。ドラムはいなかったのですが、そこに、Peter Principle (B)が加わり、Gregory CruikshankやVictoria LoweがVoとして参加したりしていました。更にコンサートの為にパフォーマンス・アーティストWinston Tongと映像作家Bruce Geduldigが加わります。その為、彼等のコンサートは"theatrical electronic cabaret"とも呼ばれてました。1979年に、彼等は電子音楽屈指の名曲と言われた”No Tears” EPをリリース、その年にThe ResidentsのレーベルRalph Recordsと契約、1980年に、デビュー・アルバム”Half-Mute”を出しています。なお、Lowe (Vo)はEPの前に脱退しており、また正式なメンバーではないですが、Michael Belfer (G)とPaul Zahl (Drs)が参加しています。それで、彼等はデビューアルバムのリリースの後に欧州ツアーを敢行し、その後、NYCに引っ越します。1981年にセカンド・アルバムでもある本作品”Desire”をリリースした後に、オランダやベルギーで好評だったこともあり、Rotterdamのアーティスト・コミューンで数カ月過ごし、その後、ベルギーのBrusselsに拠点を移します。そこでは、最初、Plan Kと言うライブ・スペースに身を寄せます。彼等は、Maurice Bejartのバレー曲を書き、それを1982年に、サード・アルバム”Devine”としてリリースしますが、その前後からReiningerはソロ活動を始め、1983年に脱退します。それで、Frankie Lievaartが代わりに加入、またLuc van Lieshout (Trumpet)が加入します(その後、直ぐに、Ivan Georgievに代わります)。そんな中で、彼等は4枚目のアルバム”Holy War”を1985年にリリース、最も売れた作品になります。しかしながら、Tongが脱退し、残ったSF組のBrownとPrincipleも続けて脱退。結局はマルチ奏者のGeorgievがバンドを立て直して、1986年にアルバム”Ship of Fools”をリリースし、無事ツアーもすることが出来ましたが、その後、1990年代には約8年間、一緒に演奏することはなかったので、半ば解散状態となり、2000年に再結成され、以前の曲を演奏します。そして、2004年に新作アルバム”Cabin in the Sky”をリリース。その後も順調に活動を続け、2015年には、10枚組LPボックスの”The Box”もリリースされています。しかしながら、Bruce Geduldig (映像)が2016年3月に63歳で他界し、Peter Principle (B)も翌年7月に63歳で他界しています。以上がTuxedomoonのあらましになります。 それで、セカンド・アルバムでもある本作品を紹介します。先ず、この時の録音に関与したメンバーは、Steve Brown (Horns, Vo, Kbd), Blaine L. Reininger (Strings, G, Kbd, Vo), Peter Principle (B, Perc, G), Winston Tong (Vo, Back-Vo)4人で、ゲストにAli Robinson (Cello)とVicky Aspinall (Vln)も参加しており、クレジットにはBruce Geduldig (Lights, Film, Mise En Scène)の名前も見られます。ドラムレスの編成なので、リズムボックスを使っています。多分、このアルバムを何の情報も無しに聴けば、米国のバンドとは誰も思わないと言う位、「欧州的な」フレージングや楽器編成を体験することが出来ます。そうですねぇ、ロックと言うよりも、一種の室内楽のような印象も有ります。ベースがボトムを支え、それに効果的なMoogシンセのフレーズや、伸び伸びとして、ラウンジ風のSaxが絡んでくる曲が多く、どちらかと言うとギターは控えめです。インスト曲もありますが、Voもがなり立てる訳ではなく、やや演劇調でしようか? それにしても、当時、このようなバンドが米国SFから出てきたことに驚きますね。なので、ちょいと変わったシャレ乙な音楽を聴きたければ、このアルバムも一度は聴いてみて下さい。ハマるかも❗️ クレジット曲順 A1 “East” A2 “Jinx” A3 “• • •” A4 “Music #1” A5 “Victims Of The Dance” A6 “Incubus (Blue Suit)” B1 “Desire” B2 “Again” B3 “In The Name Of Talent (Italian Western Two)” B4 “Holiday For Plywood (Holiday For Strings)” “No Tears” https://youtu.be/1GwdHe5nQSQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLBD27CAC86FA83826 #Tuxedomoon #Desire #RalphRecords #ExperimentalRock #ChamberMusic #Electronic #Acoustic #Visual #NewWave #AmericanBand #SteveBrown #BlaineL.Reininger #PeterPrinciple #WinstonTong #Synthesizers #Sax #RhythmBox #AliRobinson #VickyAspinall #BruceGeduldig
Experimental Pop Ralph Records 不明Dr K2
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Snakefingure “Greener Postures”
本名Philip Charles Lithmanと言っても、直ぐにはピーンと来ないですよね?と言う訳で、今回は、LithmanことSnakefingerのセカンド・アルバム”Greener Postures”を紹介します。元々、英国の南ロンドン出身の彼は英国ブルース・シーンで活動していましたが、1971年に米国SFに移住し、そこで、Avant-PopグループThe Residentsと交流し、彼がヴァイオリンを弾く時の指使いが「蛇のような指の動き」と言うことからSnakefingerとニックネームを名付けられます。1972年に彼は英国に戻り、Martin Stoneと共にパブロックバンドChilli Willi and the Red Hot Peppersを結成し、デュオとしてアルバム”Kings of Robot Rhythm.”をリリース、更に1974年には、フルのアルバム”Bongos Over Balham”をリリースしていますが、商業的には売れませんでした、それで、彼は、1975年に再び、米国LAに行き、レコード・レーベルを探していました。数年後、彼はSFに戻り、The Residentsと連絡を取り合い、Snakefingerの名前で、彼等のレーベルRalph Recordsからファーストアルバム”Chewing Hides the Sound”を1979年にリリースします。このアルバムではKraftwerkの名曲”The Model”のカバーも収録しています。このアルバムでも彼の特異なスライドギターも使われています。続いて、1980年には、本作品でもあるセカンドアルバム”Greener Postures”をリリースします。同年、豪州ツアーを行なっていますが、その最中に心不全を起こし、6ヶ月間、入院してしまいます。それで、1982年に、彼はThe Vestal Virginsと言うバックバンドを結成していますが、そのメンバーにはCaptain Beefheartの副手Eric Drew Feldmanも含まれています。それで、彼はThe Vestal Virgindと共にアルバム”Manual of Errors”を1982年にリリースし、更に1984年にはブルースのカバー曲集”Snakefinger's History of the Blues: Live in Europe”をリリースしています。その後、1986年には4枚目にして最後のアルバム”Night of Desirable Objects”をリリースしますが、その後、1987年7月1日に、欧州ツアーでオーストリアのLinzで、ゲストルームで心不全の為、亡くなっているのが発見されています。 これが、ザックリとしたSnakefingerの活動となりますが、彼のセカンドアルバムでもある本作品”Greener Postures”の内容について紹介します。Snakefingerは、The Residentsとはお互いに協力し合っていますので、彼のスライドギターなんかは両者で似通った感じをお互いのアルバムで聴取できますね。彼のバックをThe Residentsが協力してしているせいか、やはりヘンテコな演奏になっていますし、曲もSnakeginger自身だけてばなく、The Residentsも関わっているようなので、アレンジも含めて両者は似通っています。まあそれだ(け、お互いに信頼しているってことなんでしょうね。差し詰め、「高熱にうなされた時の悪夢な童謡」と言ったところでしようか? 基本的に陽性な曲なんですが、なんか音が少しぐにゃりとねじ曲がっている、そんな感じと言えば分かってもらえますかね。一種の時空の歪みがThe ResidentsとかSnakefingerの曲にはありますよね?そんなことを考えさせられるヘンテコなアルバムです。これは練習して出来るようになれる訳ではなく、多分先天的に持って生まれた才能(=異能)なのだと思うんですが、どう思います? 今回、調べてみて、Snakefingerが出したプルースのカバー集を聴いてみたくなりました。皆さんも、The Residentsが少なからず好きであれば、Snakefingerも聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/CxqiMm7JBlo #Snakefinger #GreenerPostures #RalphRecords #Avant-Pop #TheResidents #SlideGuitar #SecondAlbum #Blues #ExperimentalPop
Experimental Music / Poo Ralph Records 不明Dr K2
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Fred Frith “Speechless”
Fred Frithのソロアルバム第五弾が、The ResidentsのレーベルRalph Recordsよりリリースされた、この”Speechless”です。Fred Flithについては、以前にバイオグラフィーを書いてありますので、そちらを参考にしてください。超簡単に言えば、彼は、作曲家、ギタリスト、即興演奏家と言うところでしょうか、その他にもヴァイらオリンやベースなども演奏します。 それで、このアルバムですが、A面では、仏のRIO系バンドEtron Fou LeloublanのGuigou Chenevier (Drs, Tenor Sax, Vo), Bernard Mathieu (Tenor & Soprano Sax, Vo), Ferdinand Richard (B, Guimbarde, Vo), Jo Thirion (Organ, Harmonium)と言った仏のRIO系アヴァン・バンドEtron Fou Leloublanの面々に加え、Tina Curran (録音, 編集), Roger Kent Parsons (Bagpipes), Bob Ostertag (field tape recordings)もバックを固めており、その録音は、1980年7~8月に仏のStudio FreesonとスイスのSunrise Studioで行われています。一方、B面はNYCのMassacreのメンバーであるBill Laswell (B)とFred Maher (Drs)と、それ以外にヘルプで、Steve Buchanan (Snake Sax), George Cartwright (Alto Sax), Mars Williams (Baritone Sax)、Ferdinand Richard (Guimbarde), Tina Curran (録音, B)で一部の曲に参加しており、その録音は, 同じく1980年7-8月にスイスのSunrise Studiosで行われています。また一部ではNYCのCBGBでのMasacreのライブ音源も使われています。それに対して、Frithは G, Vln, Organ, Mellotron, (一部ではB, Drs, Voも)を演奏しています。聴く前は難解な音楽を想像していましたが、聴いてみると、割と素直に聴くことができたと言う印象でした。A面はややユーモアとかエスプリの効いた曲が多いですが、これはEtron Fou Leloublanの演奏によるからなのかな?とも思います。それに対して、B面はMassacreのメンバーの寄るからか、ややシリアスまたはロックっぽいアプローチが試みられており、時にテープの逆回転なども交えて、実験的録音も実践されています。しかしながら、これだけのアヴァンな連中を相手にして、かつ、Frithらしさを保った楽曲を作り上げたのは、流石ですね。Frithらしのは、譜面だけではなく、ギターの音色やフレージングもあるでしよう。結構、フリーミュージック臭さがないので、Fred Flith初心時でも大丈夫ですよ。なので、食わず嫌いではなく、取り敢えず聴いてみましょう、皆さん! https://youtu.be/8ZXiz4f_HBk #FredFrith #Speechless #RalphRecords #Avant-Pop #ExperimentalPop #EtronFouLeloublan #Massacre #SoloAlbum #Guitarist #Composer #Violin #Organ #Bass #Improvisation
Improvisation / Avant-garde Ralph Records 不明。Dr K2
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The Residents “Eskimo”
やあ!やあ!やあ!皆んな大好き、The Residentsですよぉ!彼等の初期のバイオグラフィーは前回書きましたので、ここでは省略させて頂きますが、本作品に関するちょっとしたエピソードを少しだけ。「本来の生活様式を失ったエスキモー達」のことをテーマにした ”Eskimo”を1979年にリリース。独特のスケールとパーカッション、それに何語かも分からない歌から構成されたヴォーカルやハーモニーで、物語の台詞のない実況中継(これこそがエスキモー達の生活なのだろう)のような作品となっています。そして、このアルバムはグラミー賞にもノミネートされかけています。また、この後に、曲をディスコ調にアレンジしたEP”Diskomo”も出しています。2003年には、本作品のサラウンドサウンド付きオーディオDVDもリリースしています。興味深いのは、曲の始めと終わりに「ヒューー」って言う北極やグリーンランドで吹雪いている雰囲気を出すシンセの効果音が入っているところです(この音はシンセでは最も簡単な音作りですね)。そんなに電子音だけじゃなく、ねじ切れたパーカッションと歌のアルバムと考えると、割とすっきり聴くことができると思います。The Residents版エスキモーの架空の民族音楽と言った方が良いかもです。中にはケチャを思わせるような曲もあります。この後に名盤”Commercial Album”を出していますので、一緒に聴いて貰うと彼等の凄さとアイデアの豊富さに驚くでしょう。一度は体験してみて下さい。 https://youtu.be/4W80Rj0JA2M #TheResidents #Eskimo #RalphRecords #ExperinentalPop #ImaginaryEskimoSongs #Avant-Pop #擬似民族音楽
Avant-pop / Expermental Ralph Records 不明Dr K2
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The Residents “Not Available”
また、出ましたよー!シルクハットとタキシードに目玉の被り物、The Residentsの登場です。今回は、そのコンセプトがユニークな”Not Available”です。1974年に作製されたこのアルバムは本来公表しないと言う前提で作られました。これは独逸人サキソフォン奏者Nigel Sinatra(またの名をMysterious N. Senada)の「無名の理論」に影響を受けて録音されたのですが、先に書いたようにお蔵入りにして、誰もがその誰もがその存在を忘れてしまった時点で発表しようとしていました。しかしなから、彼らがアルバムのことを忘れかけていた1978年に、レコード会社は契約の義務からこのアルバムを一般に発表してしまったと言うことであります。なので、1974年作、1978年リリースと言う訳です。そんな経緯のある本作品ですが、内容はいつもの「レジデンツ節」が炸裂してます。一応、5曲入りとなってますが、小曲がメドレーのように繋がっているので、お得な気分ですし、ダレることなく聴けますね。何と言っても、ピッチがズレたヴォーカルとシンセ音それにホンキートンク調のピアノの使い方が独特で、一発で「レジデンツ」とわかってしまいます。まあこんなことを言ってもピンとこないかもしれませんので、買って聴いてみることをお勧めしますね。どうぞ聴いてみてください! https://youtu.be/295w0Q1IX-8 #TheResidents #NotAvailable #RalphRecords #MysteriouN.Senada #無名の理論 #RecordingIn1974 #ReleaseIn1978
Experimental Pop Ralph Records 1780円Dr K2
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The Residents “Commercial Album”
出ましたよぉ〜、初期Residentsの傑作アルバム”Commercial Album”です❗️私は、実はここら辺のResidentsの作品が好きなんですよ。兎に角、Residentsは正体不明だけでなく、その時代時代で、新しい楽器(&テクノロジー)が出ると、まずそれを使って、自分達の曲作りに取り入れ、作品を出すと姿勢を貫いているところも魅力的です。さしずめ、この頃は比較的安価に入手できるアナログ・シンセでしようか。最初期のテープ・コラージュからシンセを使った楽曲に移行したのが、丁度、1980年初期ですね。この作品は全然「コマーシャル」な音楽ではないですが、全曲ほぼきっちり1分で、それがA面20曲、B面20曲、収録されてます。しかも、どの曲もクオリティは落ちていないと言う本気のコンセプト・アルバムです。まあ、聴き流すことも可ですが、ちゃんとじっくり聴くことも可能です。ヘルプにはいつものメンバー(Fred FrithやSnakefinger)に加えて、Chris Cutler, Don Jackovich, Sandy Sandwich (実はXTCのAndy Partridge), Mud’s Sis (実はLene Lovich)も参加していますし、隠れてBrian EnoやTalking HeadsのDavid Byrneも参加しているようです。この頃は、ロックがポスト・パンクになり、オルタネイティブな方向に向かい、長尺の曲が多くなっていったことに対するアンチだったのかも知れませんし、このように短い曲を40曲も詰め込むこと自体がアンチ「コマーシャル」だったのかも知れませんね。ここら辺の謎解きもまた楽しいですね。実際、米国SFの最も有名なラジオ局KFRCでは、当時、3日間CMとして流された模様。また、謎解きの一つの解釈として、ビルボード誌のTop 40(まあ、日本で言うオリコン?)を当てこすって作られたとか。だから、40曲入りで、どれも(捻くれた)ポップソングになっているとのことです。この微妙な不協和音のギターやコーラス或いはポルタメントの効いたシンセはこの時期のResidentsの特徴ですね。そんなコマーシャルな不協和音ポップス、試してみませんか?ResidentsのResidentsによるResidentsの為のTop 40です❗️ Full albumもあったんですが、DVD版を敢えて。 https://youtu.be/hjsiTkkVWgA #TheResidents #CommercialAlbum #RalphRecords #40songs #OneMinuteSongs #ExperimentalPop #SanFrancisco
Experimental Pop Ralph Records 不明Dr K2
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The Residents “Fingerprince”
米国西海岸の「謎」、目玉野郎4人組、それは、出ました!The Residentsです。バイオグラフィーは前回書いたと思いますので、そちらを参考にしてください。今回は、彼等のサードアルバム”Fingerprince”です。相変わらず、The Residrntsの正体は不明ですが、音は初期レジデンツの音と一発で分かります。今回の参加者はResidents (Vo, G, Horns, Synth, Kbd, Perc), Snakefinger (Vo, G), D. Jackovich (Perc), A. Dekbar (Violin), T. Logan (Perc), Zeibak (Vo)です。私はこのアルバムがThe Residentsの初体験でしたので、高校生の時、何度も何度も聴いていました。特にA面の”You Yesyesyes”と”Boo Who ?”は大好きでしたね。駿台予備校の夏期講習で泊まり込みになった際、大阪の一年上の先輩が、カセットにダビングして送ってくれたんです。今回、聴き直してみて、やっぱりこの変なチューニングのギターのフレーズが、脳に染み込んでいました。それで、B面全部を占める”Six Things To A Cycle”なんですが、この曲では、ガチャガチャと様々な既存の曲や録音済みの曲(A面のヴァージョン違いとかを含む)の切り刻んでコラージュしたかのような無法振りを発揮しています(これは初期の彼等の常套手段ですね)。セルフ・サンプリングで面白かったです。こう言う仕掛けは、The Residentsの独壇場ですね。個人的にはこの辺りの音楽が好みです。しかしながら、この時期に、シンセを既に導入しているところが凄いです。メンバーの誰か、お金持ちなんかなぁ?と言う訳で、変な音楽を聴きたかったら、このアルバムはお勧めですよぉ〜❗️ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nsNA5JWC4NDXurGEYGPMAj47f4IWLGIDg #TheResidents #Fingerprince #RalphRecords #SnakeFinger #ExperimentalPop #Avant-Pop #WestCoast
Experimental Pop Ralph Records 不明Dr K2
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Nash The Slash “The Million Year Picnic"
この人、知ってる人いますか?カナダが生んだ最高のアーティストNash The Slash❗️本名はJames Jeffrey Plewman、マルチ奏者で主にE-ViolinやMandolinをステージでは演奏してますが、Harmonica, Kbd, 鉄琴、その他の楽器も演奏します。彼の音楽はプログレからエレ・ポップ〜ニューエイジまでを含む非常にユニークな音楽です。少しバイオグラフィーを書きますが、かなり多彩なので、端折って書くことにします。彼はソロアーティストとして1975年に活動を開始しますが、翌年、プログレ・バンドのFMを結成します。一枚のアルバムをリリースした後、1977年に脱退し、1978年からソロ活動に注力します。彼は無声映画に音楽をつけたり、シュールレアリズムの画家ともコラボで曲を作ったりもしています。また、彼はアルバムにはギターを入れないことでも有名です。また、彼は1979年より、顔に手術用包帯をグルグルに巻き、サングラスにシルクハット及びタキシード姿でライブ演奏を行い、このステージ衣装が”Nash The Slash”のデフォになっています。因みに、彼のこの芸名については諸説ありますが、英国の音楽雑誌にこのことを尋ねられた時には「本名は ”Nashville Thebodiah Slasher”だから、その略称だ。」と答えたとか。それで、彼は自身のレーベルCut Throat Recordsから、1979年にソロとしてはファーストにあたるアルバム”Dreams and Nightmares”をリリースします。また、同時に、彼のサポートをしてくれるトロントのラジオ局CFNY-FMのテーマソングでヴァイオリンを演奏、DJ達も彼の音楽をかけまくりました。彼は1980年にJan and Deanの"Dead Man's Curve"のカバーシングルを出し,また、カナダのTVや映画のサントラの仕事をしつつ、英国Gary Numanや米国The Tubesのツアーにも同行しています。1981年にリリースした”Decomposing”は44, 33, 78回転のどのスピードでも再生できると言うNON顔負けのレコードでした。また、Iggy Popからもラブコールを受けてIggyのツアーにオープニングアクトとして帯同しています。1982年に5枚目のアルバム”And You Thought You Were Normal”をリリースし、更に、バンドFMのメンバーのヘルプを借りて1984年に ”American Band-ages“もリリースしていきます。それで、彼はアメリカ進出も果たし、セルフ・リミックス・アルバムである本作品”The Million Year Picnic”をThe ResidentsのレーベルRalph Recordsからリリースしていきます。1992-1993年に彼はPlexusと言う電子音楽家とコラボして,強烈なライブの視覚効果を生むPsychedelitronを開発し、1993-1995年のライブで使われています。2012年11月6日に彼のWeb上でリタイアすることを告知し、「インターネットでの音楽の搾取は大切な収入をぶっ壊した」と表明しています。その後、2014年に彼は心不全で亡くなります。以上が彼のバイオになりますが、中々、多彩な活動をずっとしてきたアーティストだったんですね。 それで、本作品ですが、前述のようにセルフ・リミックス・アルバムで、かつ自分の作品からの持ち出しを集めたアルバムなので、統一感は今一つなのですが、ストリングス・シンセとリズムボックスに、エフェクトをかけたE-Violinで、かなりドラマティックな演奏をしており、キャッチーなメロディの曲が多いです。ギターのように聴こえるのはマンドリンかシンセでしょうね。またらライブではどのように演奏していたのか?(多分テープを用いたんでしょう)が気になるところです。”Dead Msn’s Curve”は名曲ですね。ただ、Voとしての彼の歌唱はややパンチにかけるかな?最初に書いた様に、プログレ畑からニューウェーブやニューエイジ的なアプローチを行なっているので、単にポップなだけではないようにも思えます。アメリカでのリリースがThe Residentsのレーベルなのも納得です。機会があれば聴いてみて下さい。 クレジット A1 “The Million-Year Picnic” A2 “Swing Shift (Soixante-Neuf)” A3 “Blind Windows / Countervail” A4 “Lost Lenore” B1 “Dead Man's Curve” B2 “The Chase” B3 “Pilgrim's Lament” B4 “Life In Loch Ness” https://youtu.be/kJ8NmZ0fmAo?si=v2j3lmxJCTrI4P4J #NashTheSlash #TheMillionYearPicnic #Canada #RalphRecords #FM #MultiInstrumentalist #Violin #ElectricMandolin #Keyboards #Synthesizers #Glockenspiel #ProgressiveRock #NewWave #NewAge #SelfCompilation #Album
NEW WAVE Ralph Records 1000円?Dr K2
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V.A. “Ralph Records: Frank Johnson’s Favorites”
嘘か本当か分からないですが、これは、The ResidentsのレーベルRalph Recordsが所有しているコンピューター、通称Frank Johnsonが選んだヒット曲集と言う体裁を取ったコンピです。初代Frank Johnsonが1970年に「死んだ」そうで、The Residentsのところに新しいFrank Johnsonがやってきました。皆は少し恐れていたようでしたが、彼がアルバムに収録されていないが、ヒットする曲を選んだのだそうです。どこまでか本当かは分かりませんが、また彼らの一流のジョークかもしれませんね。収録アーティスト/グループはTaxedomoon, Fred Frith, Renaldo and the Loaf, MX-80 Sound, The Residents, Snakefinger, Yello, Art Bearsと一癖も二癖もあるメンツです。憂いのある曲をカッコいいビートに載せて演奏するTaxedomoon、ちゃんとイカしたビートにソリッドなギターとヴァイオリンを聴かせてくれるFred Frith、ユーモアに富んだ擬似エスニックなRenaldo and the Loaf、分厚い音の壁でロックするMX-80 Sound、脱臼したポップソングとビートルズのカバー曲のThe Residents、The Residents以上にThe ResidentsなSnakefinger、他のバンドとは違ってシリアスなArt Bears、屈折したエレ・ポップなYello。全て、アルバム未収録曲かシングルのB面に収録されている曲なので、中々、通好みの選曲になっています。もし、The Residentsやその周辺のアーティスト/グループに興味があれば、このコンピはいいかもしれませんね。どうですか?一聴してみてください。 [今回のコンビではないですが、まあこんなアーティストがリリースされていると言うことで] https://youtube.com/playlist?list=PL0SjHv_UkUOOMSiW1ILCCSUNnJdQ6U8sv #RalphRecords #FrankJohnson #TheResidents #Snakefinger #Taxedomoon #FredFrith #RenadoAndTheLoaf #MX-80Sound #Yello #ArtBears
Experimental Pop Ralph Records 不明Dr K2
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V.A. “Subterranean Modern”
Gary Panterのカラフルなジャケ写で登場したのは米国西海岸の謎4組によるコンピレーション “Subterranean Modern”です。収録バンドは、Chrome, MX-80 Sound, The ResidentsとTuxedomoonです。そして、一つの縛りとして「思い出のサンフランシスコ(I Left My Heart in San Francisco)」のカバーを入れることです。ChromeとThe Residentsは以前に紹介しましたので、MX-80 SoundとTuxedomoonについて少し紹介しておきます。先ず、MX-80 Soundは、1974年にインディアナ州Bloomingtonで Bruce Anderson (G)とDale Sophiea (B)で結成され、翌年Jeff Armour (Dr)とKevin Teare (Dr)が加入して,その後、1976年にRich Stim (Vo, G, Sax)とDave Mahoney (Dr)が加入して、Teareが脱退しました。このようなメンツで地元で演奏しようとしていましたが、彼等の音楽はart rockとかpost punkとかacid punkとか言われてカテゴライズされなかった為、演奏する場が無くなり,またJeff Armourも脱退し、バンドは1978年にSFに移住し、そこでThe ResidentsのレーベルRalph Recordsと契約しました。それで何枚かのレコードをリリースし、その後、メンバーの補充や再加入を経て、現在でも活動中です。一方、Tuxedomoonですが、1977年にSFで、サンフランシスコ市立大学の電子音楽科の学生であったBlaine L. Reininger (Kbd, violin)とSteven Brown (Kbd, other instruments)で結成され、ヘルプのVoとしてGregory CruikshankとVictoria Loweが、パフォーマンス・アーティストとしてWinston Tongが加入。名曲”No Tears”の録音時に、 Michael Belfer (G)とPaul Zahl (Dr)がヘルプで加入しましたが、TongとBelferは一時脱退し、代わりにPeter Principle (B: 本名 Peter Dachert)が正式に加入しています。彼等の音楽は、ジャズやフュージョンからニューウェーブ・ポップ、はたまたシンセによる実験的音楽までに及び、1979年にRalf Recordsと契約しました。彼等のレコードはオランダやベルギーで受けたこともあって、バンドはベルギーのブリュッセルに移住し、現在も活動を続けています。 そこで、本作品についてですが、前述のように「思い出のサンフランシスコ」のカバーを必ず含むと言う縛りがあったのですが、4者4様のアレンジです。僅か27秒の儚くも美しいカバー(?)のChrome、一番まともなカバーを披露するMX-80 Sound、完全に自分達のオリジナルっぽくカバーしたThe Residentsそして電話の会話に合わせて薄ーく流れるTuxedomoon、誰も一筋縄ではなきカバーです。残りの曲はそれぞれの音楽性が遺憾なく発揮されています。Chromeは丁度”Red Exposure”辺りのアシッド・サイケな曲を、MX-80 Soundはダブルドラムによる分厚い音の壁を、The Residentsはいつもの変態アレンジの曲を、Tuxedomoonは室内楽の様な一風変わった曲を提供してます。もし、聴く機会があれば,聴き比べてみて下さい。 https://youtu.be/IbbZxBs0e4E #SubterraneanModern #Chrome #MX-80Sound #TheResidents #Tuxedomoon #RalfRecords #ILeftMyHeartInSanFrancisco
Experimental music Ralph Records 不明Dr K2
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The Residents “Duck Stab! / Buster & Gun”
さあさあ、お待たせしました。漸く、目玉親父の完全匿名バンドThe Residentsの作品をご紹介します。まず、レジデンツとは?と言う所を少しだけおさらいしておきます。レジデンツは、噂では1960年代に既に宅録グループとして、米国SFで活動を開始していたとのことですが、この時点では明確なバンド名はなかったみたいです。彼らは1971年にCaptain Beefheartを出していたWarner Broth. Recordsにデモテープを送りますが、やはり「ウチのレコード会社には合わん」と一蹴されてしまいます。Warnerの担当者がその返事を返そうとすると、送り主の名前が書いていなかったので、「住人(Residents)へ」と書いて送り返されました。それで暖簾に腕押し的に、彼らは自らをThe Residentsと名乗り始めます。その後、彼らは1971年にライブ活動や映画作成などの活動を始めますが、この頃に、英国人ギターリストのSnakefingerや謎の人物N. Senadaとコラボしていたとのことです。その後、現在に至るまで、4人組とはわかっているのですが、その正体は誰も知らないと言う徹底振りを続けています。もうレジデンツの逸話を書き出すとキリが無いので、本作品に付いてご紹介しますね。本来、このアルバムは彼らのレーベルRalph RecordsからEPで出す予定だったA面の曲(Duck Stab!サイド)に、B面の曲(Buster & Gunサイド)をくっつけて、LPの体裁でリリースされました。内容は?と言うと、一応メロディーやリズムもあるのですが、アレンジがメチャメチャ変態チックで、脱臼するような音楽を聴かせてくれます。微妙にズレた音程とか”Happy birthday”の歌が無関係に挿入されたりとか、兎に角、「普通」じゃない音楽です。A面1曲目の “Constantinople”とかは強烈ですね。どうして70年代にコンスタンチノープルについて歌う必要があるのでしよう?まあ、彼等なりのコンセプトがあるようです。それから私の持ってる盤には、彼らが来日した時に京都でもらったらしいレジデンツのサインとシールが同封されてました。本物かな? https://youtube.com/playlist?list=PLCF36B189CE11D9FA “Krafts Cheese” https://youtu.be/sGlhCCtwmUY #TheResidents #DuckStab! #Buster&Glen #RalphRecords #正体不明 #Avant-Pop #1978年
Avant-pop Ralph Records 不明Dr K2