Can “Ege Bamyasi”

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いよいよ始まるCan祭りですかね? 以前にも書きましたが、私はそれ程、Canが好きであった訳ではありません。どうも、あのヒッピー臭さとかがどうも苦手だったので、今まで避けてきましたが、2000年頃にまとめて購入したことがあります。今回は、4枚目のアルバム”Ege Bamiyasi”をご紹介します。私が購入したのは、リマスタリングされた再発盤で、グリーン盤となっています。Canのバイオグラフィーは以前にも書いていますので、そちらをご参照下さい。メンバーは、Holger Czukay (B, Recording), Michael Karoli (G, A-G, 12弦G, Shenai), Irmin Schmidt (Organ, E-Piano, Vln, Steel-G), Jaki Liebezeit (Drs, Perc, Flexaton), Kenji "Damo" Suzuki (Vo)です。彼等がこのアルバムの前に出したシングル”Spoon”が、独TVスリラー番組”Das Messer”のテーマ曲として使われた為、このシングルは30万枚も売れ、その為、彼等のスタジオInner Spaceは古城から広い劇場跡に移り、そこで、本アルバムは作製されていますし、また居住空間も備わっていました。それで、Czukayは当時、ベトナムの音楽に興味を持っていましたが、他のメンバーは、バリやモロッコの音楽のレコードを買っていました。その結果かどうかかは分かりませんが、中近東風の旋律が時に聞こえるようです。それから、ジャケにオクラの缶詰(can)を使っていますが、これは、曲名にも”I’m So Green”とか名曲”Vitamin C”とかをつけていたことから、ある種のコンセプト(ベジタリアン?)があったのでは?と邪推してしまいます。
では、各曲を紹介していきます。A1 “Pinch”は、大胆なハンマービートに乗って、ダモ鈴木の、時にむにゃむにゃ、時にシャウトするVoが聞こえてきますが、後半に、Liebezeitのパーカッションが唸り、SchmidtのオルガンやKaroliのギターが刃物の様に割り込んできます。A2 “Sing Swan Song”は、スローな曲で、民族楽器が使われているようです。PILのJohn Lydonは、この曲から”Swan Lake”を思いついたのでしょうか? 泣ける曲です。A4 “One More Night”は、7/8拍子と言う変拍子の曲で、LiebezeitのドラムとCzukayのベースが光っています。ダモ鈴木のVoはマイクの傍で喋っている/叫んでいるようです。それで、B面にいきます。B1 “Vitamin C”も名曲で、これ以降も頻繁に演奏されています。やはりハンマービートにCzukayのベースとSchmidtのキーボードが大胆にフィーチャーされており、ダモ鈴木は思いっきり日本語で「ビタミン・シー」と叫んでいます(苦笑)、B2 “Soup”は、ブーストされたベース音やフリーなドラム演奏、ノイジーでフリーキーなギターやキーボード、それにヒステリックなVoが混沌の中で渦巻いており、ビートレスな曲です。B3 “I’m So Green”は、一転、反復するビートに乗った軽目の曲で、Karoliのギターが冴えており、段々とSchmidtのキーボードを中心に盛り上がっていきますが、中途半端にフェイドアウトしてしまうのが惜しいです。B4 “Spoon”は、リズムマシンまで用いたハンマービートですが、全体的に軽い感じで、ダモ鈴木のVoも囁くように乗っており、アクが強くない分、シングルになり易かったのでしょうか? また、この曲もあっと言う間にフェイドアウトしていきます。
とまあ、如何にも彼等がクラウトロックの中心にいたのか?が分かる内容になっています。実験音楽とロックが、一枚のアルバムに共存している奇跡を目の当たりにしましょう❗️

“Spoon” (Live)
https://youtu.be/d1Wp5PWZ20w

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kBd8XuSOXKw1Mb8QUwaDLa2-e-H8QEYx8

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