月報 日本ビクター(ワールド・グループ)1964〜1966年

0

1964年11月号では、ベルリンで急死したエリック・ドルフィー(享年36才)の「ヨーロッパのエリック・ドルフィー」が著名評論家のコメント入りで紹介されています。

1965年6月号に大きく取り上げられているザ・シャンティーズ、「パイプライン」のヒットで知られていますが、残念ながら「パイプライン」の二番煎じのような曲が多かったような……

新世界レコードがビクター・ワールドに加わり、ルドルフ・バルシャイ/モスクワ室内管弦楽団なども紹介されるようになりました。トレーニングが厳しかったようで、精緻なアンサンブルが聞き物でした。ただ、モーツァルトあたりになると、慣れ親しんだオーストリア系・ベルリン系の演奏とは感性が違っていて、独特なフレージングなどで「えっ、そう来るわけ!?」という場面もありました。

4曲入りのコンパクト盤は各社が力を入れていました。掲載した画像は1965年12月号の広告ですが、ビリー・ヴォーンにしろニニ・ロッソにしろ、当時ラジオでさかんにかかっていたものです。

1966年3月号に載っているシャングリラスですが、ガールズ・ポップの中でも「陰」の部分も持った特徴的なグループでした。この「家へは帰れない」も家出する少女を歌ったものですが、他の曲とは大部違うなと感じていました。B面「ブルドッグ」ですが、ベンチャーズのあの曲とは別で、こちらは陽気なR&B調の曲でした。

ナンシー・シナトラの「にくい貴方」は1966年5月号に載っていますが、この曲のヒットによって「いちごの片想い」等のぶりっこ路線(?)から上手く脱却出来たように思います。

大ヒットしたシェールの「バン・バン」が1966年6月1日臨発として登場していますが、インペリアル・レコードが直後に東芝に移行となり、その第1回新譜(1966年8月15日発売)としてこの「」バン・バン」も含まれていました。

従来ビクター・ワールドの発売日は毎月5日が基本でしたが(5月新譜の場合は4月5日発売)、1966年6月号の月報は「5月1日発売」と明記されており、以降毎月1日発売のパターンに変更されたようです。

#アナログレコード
#レコード資料

Default
  • Picture

    Nobuaki Sugiura

    2022/05/16 - 編集済み

    シャングリラス「家には帰れない」語りの部分は胸がキュンとします。シェールの「バン・バン」メランコリックな懐かしい曲です。

    返信する
    • File

      chirolin_band

      2022/05/16

      個人的な思い込みかもしれませんが、ガールズ・ポップは「明るく陽気な」というイメージが強かったです。初めてラジオでこのシャングリラスを聞いた時は、歌詞の意味はよく判らなかったものの、「これはちょっと違うな」と感じました。「Mama!」も印象的でした。
      もっとも、シュープリームスの「ラブ・チャイルド」なんていうのもありましたから、一定程度は「社会派」的な曲はあったのかもしれませんね。

      返信する