PENTAX Auto-Takumar F1.8/55mm Ⅴ期型

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PENTAX Auto-Takumar F1.8/55mm 後期型

”Takuma”に始まって、”Auto-Takumar”、”Super-Takumar”、最後が”Super-Multi-Coated TAKUMAR”と続くM42マウントシリーズの中にあって、古い部類に入る標準レンズが、この、「Auto-Takumar F1.8/55mm」です。

この”Auto-Takumar F1.8/55mm”は、実にバリエーションの多いレンズで、Ⅰ期型(1961年~)に始まり、Ⅱ期型A、Ⅱ期型B、Ⅲ期型、Ⅳ期型、Ⅴ期型、Ⅵ期型と、僅かな期間に構造などの改変を繰り返しています。
これは、ペンタックスのカメラ開発の影響を受けてのことが大きいのだと考えられます。

このⅤ期型とこの後のⅥ期型の「Auto-Takumar F1.8/55mm」が、「Siper-Takumar F1.8/55mm 初期型」と同一レンズであった様で、 一時期、Auto-TakumarとSiper-TakumarのF1.8/55mmレンズが並行して販売されていたようです。

“オートタクマーF1.8/55mm”は、銘玉と言われている「Super Takumer F1.8/55mm 前期型」の前身モデルという事になっていますが、1961年から発売開始の“PENTAX オートタクマーF1.8/55mm”は前述のように多くのモデルが存在しています。
この、オートタクマーF1.8/55mmのⅠ期型~Ⅳ期型とⅤ期型~Ⅵ期型は、同じ名前を付けていますが、実際には全く違うレンズだと言えます。
話はこんがらがって、ちょっとややこしい話になるのですが、実のところ、「Auto-Takumar F1.8/55mm Ⅴ期型~Ⅵ期型」と、「Super Takumer F1.8/55mm 前期型」は、銘板のみを変えた中身は全く同じレンズなのであります。???。
何故この様な状況になったのか?当時の旭光学さんに聞いてみたい所ですね。

オールドレンズ入門用と言えば必ずと言ってよい程名前が上がる 「Super Takumar F1.8/55mm前期型」。
このレンズがお勧めされる理由はというと、癖が少なく写りもスタンダードなオールドレンズとしての性能と汎用的なM42マウント、そして、市場に多くの商品が出回っている事で比較的安価(前期型は少し高価)で入手しやすいことでしょう。使い易く描写は魅力的でとってもお得となれば人気も頷けます。
さらに「Super Takumar F1.8/55mm前期型」が銘玉と言われる大きな理由は「Super Takumar F1.8/55mm 後期型」以降はアトムレンズ(トリウム入レンズ)を使用しており、経年劣化で黄色に変色(特に暗所で長期保依存すると)するためです。そのため、変色が起こらない 「Super Takumer 1.8/55mm前期型」が高い人気レンズと言われているのですが、先ほども触れましたが、「Auto-Takumar F1.8/55mm Ⅴ期型・Ⅵ期型」と、「Super Takumer F1.8/55mm 前期型」は全く同じレンズです。
人気の“Super-Takumar前期型”と同じレンズでありながら、市場での玉数は“Super-Takumar前期型”以上に少なく希少性が高い、とても価値が高く魅力あるレンズなのです。
「Auto-Takumar F1.8/55mm Ⅴ期型・Ⅵ期型」は、あまり知られていない隠れた名玉と言って過言はありません。

【製品概要】
Color :  Black 
MOUNT : M42 
焦点距離 : 55mm
開放F値 : F1.8 
最大F値 : F16
Filter : 49mm 
Diameter : 56.8mm 
Length  : 36.3mm 
Weight : 216g (実測値)
最短撮影距離 : 45cm
絞り羽 : 6枚 
レンズ構成 : 5群6枚  変形ダブルガウス型

参考動画: https://www.youtube.com/watch?v=jdn26SKx04U
https://www.youtube.com/watch?v=QUsHTHYy9Wo
https://www.youtube.com/watch?v=UPUUATqtWww

参考資料
「PENTAX交換レンズ」 についての能書きあれこれ
「 1:1.8/55 の変遷」 編
http://home.a00.itscom.net/shisan12/bunkai08.htm

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