野の草花の彩色博物画@明治後期の小型植物図鑑

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暑い。朝から夕まで、陽が出ているあいだ中こう暑いと、なにかやろうという気持ちになかなかならない……綺麗な植物画でも眺めて、せめて心持ちだけでも清々しくしておきたい。ということで今回は、明治の末に村越三千男ひきいる東京博物學研究會が出した、薄い5冊組の植物図鑑を引っ張り出して、そのうちの1冊から草花の彩色図版を、特に今が花どきというわけでもなくいくつか拾ってみた。

1枚目が「桔梗科」(キキョウ科)、2枚目が「山蘿蔔科」(マツムシソウ科)+「敗醬科」(オミナエシ科)+「連幅草科」(レンプクソウ科)、3・4枚目が忍冬科(スイカズラ科)、5・6枚目が茜草科(アカネ科)、7・8枚目が玄參科(ゴマノハグサ科)。なお、レンプクソウ科は今ではガマズミ科に統合されているらしい。
https://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~main/index.php/%E3%82%AC%E3%83%9E%E3%82%BA%E3%83%9F

オフセット多色刷りの細密な博物画で見せる日本の植物図鑑としてはかなり早い時期のものだが、色味や構図など精確性を期すると同時に絵としての美意識もあわせ持たせた美しい図版とおもう。

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