Eyeless In Gaza “Rust Red September”

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「ガザに盲でよ」と言う一風変わった名前のEyeless In Gazaを知っていますか? 今回は彼等の6枚目のアルバム”Rust Red September”を紹介します。先ず、彼等のバイオグラフィーを簡単に書いておきます。Eyeless In Gaza (以下、EIGと表記)は、Martin BatesとPeter Beckerのデュオで、1980年に英国WarwickshireのMuneatonで結成されています。アヴァン・フォークとも呼ばれる音楽から映画音楽まで幅広い音楽を作り出しています。1987年に一度、活動を止めでいますが、1993年に再結成されています。それで結成についてですが、Martyn Batesは英国Bedworthのメソジストの家庭で生まれ、フォーク・ミュージックを聴いていました。しかし、その内、ポストパンクの流行に直撃され、CoventryのバンドReluctant Stereotypesと言うバンドに所属して、実験的なエレ・ポップのカセット作品を出していました。一方、Peter Beckerはカバーバンドに所属しており、その後にWaspシンセを購入し、色々と試しています(1980年6月にはソロ名義でカセット作品も出しています)。その後、Batesは病院のポーターとして、またBeckerは臨床検査技師として働いており、2人は、Bron Areaと言うバンドのメンバーとなって知り合いますが、1980年2月にBatesとBeckerはEyeless In Gazaを結成し、絶え間ない実験性を目指して、Voと色々な楽器を演奏するデュオとなります。バンド名は、Aldous Huxleyの小説から取られました。それで、EIGは、初期のセッションからファーストEP ”Kodak Ghosts Run Amok”を自主制作して出しています。この時に、Batesは、当時のインディーズ・シーンの存在に気付き、一年経たない内に、彼等は2枚のアルバムをリリースし、また自身のレーベルAmbivalent Scaleを立ち上げ、彼等のソロ作品やNuneatonのバンドの作品をリリースしています。先のEPをリリースした後に、EIGはCherry Red Recordsと契約し、デビューアルバム”Photographs as Memories”を1981年2月にリリースします。彼等は「EIGは未来派ではない」と宣言し、その後の2年間は、ライブや録音を通じて、独自の路線を進みます。BatesのVoは、ハウったり、囁いたり、吃ったりと変幻自在で、一方、Beckerの演奏もパンクやアンビエント、フォーキー、ポップ、はたまたアヴァン・ギャルドだったりと多彩です。そうして、1981年9月にセカンド・アルバム”Caught In Fluc”をリリース、高評価を得ます。更に、1982年に、サードアルバム”Pale Hands I Loved So Well”をノルウェーのレーベルUnitonからリリースし、一部では評価されていますが、他の都市ではそれ程、話題にはなりませんでした。しかし、彼等は積極的に新曲を作り、ライブを沢山こなしていきます。それで、1982年に、アルバム”Drumming The Beating Heart”をCherry Red Recordsからリリース、様々な評価を受けます。その年に、EIGは、Lol Coxhillとのスプリット・アルバム”The Home Produce/Country Bizarre”をTagoMagoレーベルから出しています。その後、1983年7月に本作品であるアルバム”Rust Red September”をリリース、その前にもシングルカットされた”New Riden”もリリースしています。ここでは、よりポップ志向で、多くの人に受け入れ易いスタンスで作製されています。その後、Aztec Cameraのドラマーを入れて、Depeche Modeとツアーしたりと活動していますが、1987年に、2人はもうEIGもしてはやり尽くしたとして、スペインのReusで最後のライブを行い、EIGとしての活動を停止します。その後、1990年に再び2人はEIGとして始動し始めますが、これ以降のことはまた、時間のある時に紹介します。
それで本作品”Rust Red September”について紹介します。全体の印象では、どの曲もシンプルなのに凝っており、ヴォーカルもメロディアスに歌い上げるタイプの音楽です。強いて言うなら、ネオ・アコースティックになるのでしようが、単純に、他のネオアコ系のバンドとは比較できないです。と言うのも、彼等は2人共マルチ奏者で、かつ通常のバンド形態ではないからです。また、Beckerを中心としたキーボードとやギターのアレンジも冴えているのですが、その中で、自由に歌いまくるBatesも非常に効果的です。その歌/曲は充分メジャーでも通用するようにも思います。また、シングルカットされたA3 “New Rison”は流石にポップで、A6 “Only Whispers”ではしっとりとしたバラード調の曲も聴かせてくれます。なので、シンプルなのに凝ったバックで、エモーショナルに歌い上げるBatesのヴォーカルに一度は触れてみても良いのではないでしょうか?

A3 “New Risen”
https://youtu.be/Ri-arERZino

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PL0IAXmZO7nH5Xf1p6kjVX4MnX5uQGD1CR

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