Urban Sax (Gilbert Artman) “Urban Sax”

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やっと辿り着きました。Gilbert Artman率いる仏の狂気のサックス集団Urban Saxです。これはUrban Saxとしてのファーストアルバムに当たります。それで、先ず、彼等のバイオグラフィーについて書いておきます。元々は、仏の電子ジャズ・ロック・バンドLard Freeのドラマーにしてマルチ奏者及び作曲家のGilbert Artmanが、1973年に結成したマルチメディア・アンサンブルのことで、その名の通り、多数のサックス奏者からなります。最初に彼等が演奏した、南仏Mentonでのフェスではサックス奏者は8人でしたが、回を重ねる毎に人数は増えていき、21世紀初頭には52人(ソプラノからバスまで)にまでになっています。また、Artmanはこのグループを演るにあたって、その地元のサックス奏者を募り、更には、打楽器や弦楽器、ピアノ或いはコーラスなども取り入れ、ダンサーも延200人もの参加者になっていきます。しかも、ダダイズムのハプニングに影響を受けて、パフォーマンスでの参加者は、宇宙服のような金属質なコスチュームにガスマスクを被ると言う徹底振りで、欧州やアジア或いはカナダでの万博86でもライブ・パフォーマンスを行なっています。そのArtmanのUrban Saxに対するコンセプトは、先ず、どこへでも持って行ける楽器としてサックスを選んでおり、それによって「その場で」演奏可能になり、かつそのサックスを大人数で吹き鳴らし、ダンスをすることは、場所に囚われない(例えば公の場とかでも演奏可)変幻自在の創造性を担保できると言うものです。音そのものに関しても、サックスで「持続」する音を作り出し、ポリリズミックかつループ状の演奏をすることで、聴く者に「別の音楽」を聴かせる意図があります。また、後にサックス以外の楽器奏者も加わりますが、先述のようなコスチュームで匿名性を図ることも、自らを「泡沫」のような、その場でしか存在しない体験を与える意図があります。それと関連して、例えば、カナダ万博86では、ヴァンクーヴァーのインディアンやジャワ島のガムランとも競演するなど、音楽の壁を取っ払うことも可能としています。と言うのが、彼等(もしくはArtman)のコンセプトであります。なお、関わった演奏者はここには記載出来ない位多いのですが、通常は40人程で活動しているとのことです。
それで、本作品ですが、両面1曲ずつで、長尺の曲が収められています。しかも殆ど全てが伸長したサックスの音で、かつミニマルな構成となっています。ソロパートも殆どありませんが、B面でSoprao-Saxがちょっとだけソロパートがある様にも聞こえるだけです。今回、参加したサックス奏者は、ソプラノ1名、 アルト7名そしてテナー8名から成ります。 サックス奏者は、ドローン様な演奏から始まり、それぞれが同じようなフレーズを延々と繰り返し、どんどん重積していきます。「じゃあ、退屈か?」と思うかもしれませんが、寧ろ心地良い響きに聞こえますね。そこら辺に、何かマジカルな要素を感じます(Dommune宇川氏風に言えば、「音のレイヤーを重ねる」と言う感じでしようか) 。B面は、A面よりも更に複雑かつヘビーで、バックで打楽器ように聞こえる音も恐らくサックスなのだと想像します。勿論、ミニマルかつ重積していく構成では変わりませんが。とにかく、催眠性と没入感が凄いので、一度、聴いてみて下さい❗️また、ライブパフォーマンスも面白いので、ついでに貼っておきます。

A “Urban Sax (Part 2)” (18:30)
B “Urban Sax (Part 1)” (18:45)

[full album]
https://youtu.be/9DqKQWpX_8E

1981年のライブ映像です。
https://youtu.be/WxH3F6WGLjk

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