- Kinky Musik Museum
- 6F Underground Music: France
- Batchas “Live In Nevers”
Batchas “Live In Nevers”
このユニット名、知ってる方、いますかぁ? まあ、私も、仏のNoise Museumがリリースしてるからと思って、良く分からないまま購入したので、Batchasについて調べてみました。Batchasと言うユニット名はどうも1980年代中期より活動している仏人アーティストRobert Masséのソロのことみたいです。彼は1985年に自身のレーベルScrotum Productionを運営しています。それで、彼は、13歳の誕生日に母親からプレゼントされたKraftwerkのシングルで電子音楽に目覚め、英国で17歳の時にパンクの洗礼を受け、1981年に仏に帰国した時にEinstrutzende Neubautenなどのインダストリアル・ミュージックにも大きく影響されて、「立派な宅録少年(青年?)」になった訳です。1983年にBatchas (仏語で「ごちゃごちゃ」の意味)を名乗り、活動を本格化します。それで、Batchasとして彼は、イジったレコード盤とタンテやテープによるループ、短波ラジオ、シンセ、EH Memory Man等で電子音響ノイズからインダストリアルまでの作品の自身のレーベルからカセット作品で出していきます。1988年頃は、彼はRoland TR-606やTR-808とKorg MSシリーズとエフェクターをFreq63と言う名前で使っていました。その後、1991年にスイスのチューリッヒに引っ越し、1993年に、Batchasとしての初CD“Tahafut-Ul-Tahafut”をリリースします。その後、ライブにも興味が湧き、1995年に仏のNeversで行われたMusiques Ultimes Festivalに出演します。その時にチューリッヒの友人達と一緒にライブを行っており、そのライブ音源が本作品と言う訳です。それから、彼は寡作ながら、他のレーベルからも作品を出すようになっています。1996年には、奏者と観客の関係性を考えるようになり、その1つのツールとしてインターネットを利用して活動しています。ただ、1998年に一旦音楽活動を停止し、更に2008年には両耳に障害が出てしまいます。そう言うこともあって、現在は、Buchla, Serge, BugBrand等のモデュラーシンセで宅録をしているようです。
それで、本作品なんですが、先述のように、仏Neversでのフェスのライブ音源なんですが、メンバーは、Batchas (Sampling, Speakers, Scream, Ex)で、Ro-G (Synth, Turntable, Oscilloscope Visual), Roland (Gongs, Perc), Berdo (Vln, Bells, Ex), Etienne (Cello, Ex)となっています。それで内容としては、結構、初期に近い構成だとは思いますが、A面は、スモッグのようなドローンから始まって、段々とシンセの音が明瞭になってくる展開で、何かが蠢く気配があります。T.G.の”The Senind Annual Report”みたいと言えば、言い過ぎかな? それで、B面は、それの続きだと思いますが、やはり不明瞭な電子音にチェロ等の音やループ音が絡んできます。その内、チベタン・ホーンのような音が聴こえてきたと思ったら、ヒップポップ調のドラム音が入り込んできて、急にリズミックな展開になります。ここら辺は意外で、面白かったですね。その内に、リズムは無くなり、混沌とした音塊となって、それぞれの音が闇鍋のようになって、漸くフィニッシュします。最後に観客の声援が聞こえ、大受けしています。とまあ、ライブ版Batchasの演奏がそのままパックされた盤で、当時の記録としては興味深く聴くことができました。この頃って、考えたら、Japanoiseが認知されてきた時期だと思うんですが、それとは違う「欧州のノイズ・シーン」を考えてみてはどうですか?
“Live in Nevers (Part 1”
https://youtu.be/g80ZpqW8OjU
“Live in Nevers (Part 3)
https://youtu.be/KNGuQldOb5A
#Batchas #LiveInNevers #NoiseMuseum #LimitedEdition #ClearVinyl #RobertMassé #MusiquesUltimesFestival #FrenchMusician #ElectroAcoustic #Industrial #LiveAlbum #Zurich #ScrotumProduction #Sampler #Speaker #Scream #Synthesizers #TurnTable #Cello #Violin #Gongs