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Alien Sex Fiend “Ignore The Machine”
この12㌅EPも、勉強の為に購入したのだと思いますが、余り聴いていなかったので、復習がてら、聴き直してみました。とその前に、Alien Sex Fiend (以下、ASFと表記)のバイオグラフィーを簡単に書いておきます。ASFは、1982年に英国Londonで、Nik Fiend (Vo, Perc: 本名:Nicholas Wade), Yaxi Highrizer (G: 本名:David James), Mrs. Fiend (Synth: 本名: Christine Wade), Johnnie Ha Ha (Drs: 本名: Johnny Freshwater)によって結成されたポジ・パン(ポジティブ・パンク)バンドで、その年後半に、Fiendが働いていたクラブBadcaveでライブ・デビューしています。当時から、ダークでエレクトロ・インダストリアルなサウンド、更にはサンプラーやループ、ダブ・ミックス、躁状態のVoで、ゴス・シーンでは有名になっていました。ASFは、Killing JokeのYouthと、カセット作品”The Lewd, the Mad, the Ugly and Old Nick”を作り、英国の音楽雑誌に持ち込んでいます。その中の”R.I.P.”と言う曲は、クラブのコンピ・アルバム”The Batcave: Young Limbs and Numb Hymns 1983”に収録されています。それで、彼等は、Cherry Red Recordsの傘下のAnagram Recordsと契約し、1983年8月に、ファースト・シングル”Ignore The Machine”をリリース、すぐさま、このシングルは英国インディーズ・チャートの6位まで上がり、ファースト・アルバム”Who's Been Sleeping in My Brain”を1983年11月に、セカンド・アルバム”Acid Bath”を翌年にリリースしています。彼等は、1984年には、BBC Radio 1のJohn Peel Sessionの為に、5月と8月の2回分を録音しています。そうして、ASFは、1885年10月に、サード・アルバム”Maximum Security”をリリースし、またもや英国アルバム・チャートで100位まで上がっています。また、彼等は、1985年3月に、シングル”Ignore The Machine”を録音し直して、リリースし、99位まで上がっています。ASFは日本でも人気が出て、1985年には、ライブ・アルバム”Liquid Head in Tokyo”を出していますが、その年末に、Johnnie Ha Ha (Drs)が脱退し、トリオで活動し続けます。1986年10月には、アルバム”’It’ The Album”を出しますが、今度は、Yaxi Highrizer (G)が脱退し、1987年にはデュオでアルバム”Here Cum Germs”をリリースしています。その後、1988年初頭には、Dynamic Duo名義で、12㌅シングル”Batman Theme”を録音しますが、再びASFとして、1988年11月に、エレクトロニクスやサンプリングをふんだんに使ったアルバム”Another Planet”を出しています。1989年には、Turnpike CruisersにいたRat Fink (Drs/G: 本名Andrew Wilson)とSimon “Doc’ Milton (Kbd/G)が加入し、再び4人組みになり、2枚組ライブ・アルバム”Too Much Acid?”を、1990年10月には7枚目のスタジオ・アルバム”Curse”をリリースします。しかしながら、FinkとMiltonは、1992年に脱退し、残った2人でアルバム”Open Head Surgery”を出しています。その後、Fiendの2人は、ゲーム音楽やMTV用のビデオを制作していますが、1996年から、自身のレーベル13th Moonより、コンスタントにアルバムをリリースし、2018年11月には、Cherry Red Recordsより、ASFとしてアルバム”Possessed”を出し、現在に至ります。 以上が、ASFの流れですが、今回、ご紹介するのは、彼等のヒット・シングル”Ignore The Machine”の録り直したヴァージョンです。では、各曲を紹介していきましょう。 ★A “Ignore The Machine”は、リズムマシンと生ドラムも使ってのノリの良い曲で、それ程、ダークとかゴスな雰囲気はないですね。ギターやシンセは割とメロディアスに弾かれていますが、バリバリ前面には出てないです。 ★B1 “The Gurl At The End Of My Gun”は、アップテンポな曲で、ギターのカッティングとパンキッシュなVoがカッコ良いです。ただ、パンクとは違うのは、3コードじゃなくて、曲の構成がそれなりに複雑と言う点ですね。 ★B2 “I'm Not Mad”は、ディスコティックでダンサブルなリズムに、シンセのリフとギターで持っていくような曲で、Voも相変わらずカッコ良いです。 このEPの3曲だけで、ASFを語ることは些か早計ですが、少なくとも、ゴスロックの陰鬱さやダークさは余り無く、どちらかと言うと、ポジティブ・パンクと言った方がしっくりくる作品ですね。なので、ゴス・ロックを期待しないようにして下さい❗️なので、逆に私は次回は如何にもゴスな彼等のアルバムも聴いてみたいと思うようになりました! A “Ignore The Machine” https://youtu.be/fv2PjbEmJV4?si=Y6DAAmU89HHBdxle B1 “The Gurl At The End Of My Gun” https://youtu.be/oSOsRthiVUQ?si=jLecC4xo6fFL-yOu B2 “I'm Not Mad” https://youtu.be/M20iQmVe9KM?si=UJJWGQqX2wvrKnJS #AlienSexFiend #IgnoreTheMachine #TheGurlAtTheEndOfMyGun #I'mNotMad #AnagramRecords #PositivePunk #GothRock #UK #12inchEP #Reissue #NikFiend #YaxiHighrizer #Mrs.Fiend #JohnnieHaHa
Goth Rock Anagram Records 不明Dr K2
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Pussy Galore “Live In The Red”
やっと引っ張り出しました!Pussy Galoreのライブ・アルバム”Live In The Red”です。暫く聴いていなかったのですが、ちょっとロックなアルバムが聴きたくて、探しました。先ず、Pussy Galoreのバイオグラフィーについて書いておきます。Pussy Galoreは、米国Washington D.C.で、1985年に結成されたガレージ/パンク/ジャンク・ロック・バンドで、1990年に解散しています。彼等は “Rolling Stones meet Einstürzende Neubauten”と呼ばれる特異な立ち位置にいました。もう少し詳しく書きます。元々は、Ivy League college Brownの学生だったJohn Spencer (G, Vo)とJulia Cafritz (G, Vo)が、1984年にJohn Hammill (Drs)を誘って結成したのが、最初で、シングル” Feel Good About Your Body”を出しています。その後に、Neil Hagerty (G)が加入し、EP”Groovy Hate Fuck”を自身のレーベルShove Recordsから出しています。SpencerとCafritzが大学を卒業後、彼等はNYCに活動の場を移し、そこで、16歳のCristina Martinezをギタリストとして加入させますが、彼女は単に7㌅シングルの写真のモデルとしてだけで、演奏はしていません。そうして、Hammillはクビになり、元Sonic YouthのドラマーだったBob Bert (Drs)が加入します。その時に、Sonic Youthの誘いで、Rolling Stonesの”Exile On Main Street”を丸々カバーした限定カセット・アルバムを出しています。 Pussy Galoreは、1987年1月には、EP”Pussy Gold 5000”を自身のレーベルから出しますが、この時には、既にメタル・パーカッションを使っており、メンツはJohn Spencer (Vo, G, Metal-Perc), Neil Hagerty (G, Vo, Organ), Julie Cafritz (G, Vo), Cristina Martinez (G, Organ), Bob Bert (Drs, Metal-Perc)です。その直後に、Martínezは脱退しています。1987年9月に、彼等はデビュー・アルバム”Right Now!”をCaroline Recordsから出しますが、直後に、Hagertyが脱退し、代わってKurt Wolf (G)が加入します。しかしながら、Hagertyは、EP “Sugarshit Sharp”の時に戻ってきて、逆にWolfはLoudspeakerに加入する為に脱退しています。このEPは、1980年代中期の曲”Yu-Gung”から続く、Einstürzende Neubautenのインダストリアル/ダンス・バンド的側面をガレージ・ロックの文脈で解釈した名盤と評されています。彼等は、Neubautenの音をサンプリングしたり、引用したりしており、その為、F.M. Einheitが”Yu-Gung”のカバーをいたく気に入っています。そして、このEPでは、彼等は新しいロゴYu-Gung Man(Neubautenのロゴに、Rolling Stonesの舌のトレードマークを加えたPussy Galoreのロゴ)をジャケに使っています。そうして、1989年に、彼等はセカンド・アルバム”Dial 'M' for Motherfucker”をリリースします。初めはアルバム・タイトルは”Make Them All Eat Shit Slowly”にしようとしたのですが、レーベル側から拒否されてしまいます。この作品はより明確な実験性みたいなものがありました。このアルバムを作製したことで、Cafritzは、よりバンドにのめり込むことになったようです。1989年には、彼等は、Black Flagの曲”Damaged I”のカバーを含むスプリット・シングルを出しており、また、これとは別に、Black Snakesとのスプリット・シングルを日本のSupernatural Recordsから出しています。その後、Cafritzは脱退しており、Spencer, Hagerty, Bertのトリオになって、最後のスタジオ・アルバム”Historia de la Musica Rock”を1990年に出して、バンドは解散しています。 それで、本作品ですが、これは、1989年8月5日に行ったCBGBでのライブ音源で、この時のメンバーは、Jon Spencer (G, Vo), Neil Hagerty (G, Vo), Kurt Wolf (G), Bob Bert (Drs)です。A1以外は全曲、Spencerが曲を書いており、A1はThe Twighlitersの曲のカバーです。それから、BurtのDrsセットのスネアはメタパーで、シンバル類は殆ど使っていません。また、編成を見て分かる通り、トリプル・ギターで、ベースレスです(Copass Grinderzみたいですね)。今回は各曲の紹介はしませんが、とにかく、ぶっ壊れていて、カッコ良いロックを聴きたければ、是非とも自分の手に取って、聴いてみて下さい‼️音質は決して良くはありませんが、かなり熱量の高い音楽なので、ご注意を❗️またこの手のロックは一時期、Junk (Rock)とも呼ばれてみたいですが、どうも日本だけみたいです。語感はピッタリなんですけどね。 A1 “Nothing Can Bring Me Down” (1:39) A2 “Adolescent Wet Dream” (1:23) A3 ”Sweet Little Hi-Fi” (2:36) A4 “Understand Me” (2:25) A5 “Pig Sweat” (1:58) A6 “1 Hour Later” (2:37) A7 “Dead Meat” (2:05) A8 “SM57” (2:39) A9 ”DWDA “(0:31) A10 “Wretch” (1:53) A11 “Kicked Out” (1:17) B1 “Evil Eye” (3:21) B2 “New Breed” (1:49) B3 “Undertaker” (2:22) B4 “Dick Johnson” (2:09) B5 “Hang On” (6:46) B6 “Kill Yourself” (3:06) B7 “Alright” (2:31) A5 “Pig Sweat” [live in London] https://youtu.be/0CBUmkopM8c?si=jOQ45O_ce2g_AIbn [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mqxWTfMQe8MMqU75DY76ce0tVzAkSzXwQ&si=Ihkcbz-ghgLrFMIW #PussyGalore #LiveInTheRed #InTheRedRecordings #LiveAlbum #CBGB #Yu-GungMan #JonSpencer #NeilHagerty #KurtWolf #BobBert #RollingStones #EinstürzendeNeubauten #MetalPercussions #GarageRock #Lo-Fi
Gaage / Punk In The Red Recordings 不明Dr K2
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Cabaret Voltaire “Hai !”
発掘しました!CabsことCabaret Voltaireの初来日の模様を収めたライブ盤”Hai !(唯)”です。実は、私は、当時、Cabsか来日するのを楽しみにしていたのですが、Chris Watsonか脱退して、代わりにドラマーが加入したと聞いて、なんだか拍子抜けして、観に行きませんでしたし、その時のライブ盤である本作品もリアルタイムでは買ってないです。それで、随分後になってから、まあライブ盤も聴いてみようかなと思い直して、購入したと言う経緯があります。Cabsのバイオグラフィーは余りちゃんと書いていませんでしたので、少し詳細に書いておきます。Cabsは、1973年に、英国Sheffieldにて、Stephen Mallinder, Richard H. Kirk, Chris Watsonによって結成された実験的音楽バンドてす。バンド名は、チューリッヒにあった初期ダダイストの集まっていたサロンから取られています。それで、元々は、1970年代初期に、Watsonが、楽器以外の物で音楽が作れないか?と言うBrian Enoに触発されて、電子機器を用いて音の実験をやっていました。その頃、彼は電信電話技師として働いており、テープ・ループを使ったり、カスタム・メイドのオシレーターを購入したりしていました。その時に、Enoの信奉者であったKirkと知り合いになります。その内、Watsonはテクノロジーと音楽を結びつけるのに、サウンド・コラージュやその他の音素材を使ったテープ・ループを作り出すようになります。一方、Kirkはクラリネットやギターと言う古典的楽器を始めます。1973年末に、彼等はKirkの友人のMallinderをヴォーカルとベースで誘い、一緒にセッションと言う実験を行っています。これらの音源は、Industrial Recordsのカセット”1974-1976”(1980年作)や後になってMuteの3枚組CD”Methodology '74/'78: The Attic Tapes”(2002年作)として世に出ています。その内、Cabsは、ライブもやり始め、Joy Divisionと料金を折半したりしていますが、兎に角、普通の演奏は全然やっていませんし、寧ろ挑発的でした。彼等はSheffieldの色んな場所で、そこの環境音を録音し、それらを電子変調させて、それを公衆トイレや街の雑踏に向けて、車の上に詰んだスピーカーから流したりしており、ステージでもパンクスよりパンク的な態度でしたので、1975年5月のライブでは、観客とバンドの間で乱闘が起きて、Mallinderは背骨に大怪我をして入院する羽目にもなっています。しかし、その後、SheffieldのファンジンGunrubberで評価されるまでになります。その後、1977年に、Watsonは、バンド自身の録音スタジオWestern WorksをPortobello通りのビルの2階に設置します。ここは単にスタジオと言うだけでなく、Shieffieldのシーンの重要なスポットとしても使われています(Clock DVA, The Human League, New Orderもここを使っています)。1978年になると、CabsはRough Tradeと契約を結びます。Factory RecordsやIndustrial Recordsからのオファーもありましたが、アフターケアを考慮して、Rough Tradeと契約します。それで、Cabsは、実験的なEP“Extended Play”や名曲シングル”"Nag Nag Nag"を作製、1980年には名作”Three Mantras”とアルバム”The Voice of America”を、1981年にもアルバム”Red Mecca”をリリースしています。これらのレコードは音楽誌でも高評価を受けています。しかしながら、1981年に、Watsonは、Tyne Tees TVでサウンド・エンジニアとして働く為に、バンドを脱退します。その後、彼はAndrew M. McKenzieとHafler Trioを結成し、その後はソロで活動しています。Cabsの方は、1981年6月25日に、以前に録音した曲が、BBCのJohn Peel Sessionで放送されています。そして、この頃、Cabsは、メジャーレーベルのサポート無しで、欧州、日本、米国へのツアーを行なっており、日本でのライブを収録したライブアルバムで、本作品でもある”Hai!”を1982年にリリースしています。この後、Cabsはよりコマーシャルな方向に行き、米国ダンス音楽のプロデューサーJohn Robieに、彼等の曲”Yasher”のリミックスを依頼したり、1983年にはFactory Recordsより12㌅EPをリリースしたりしており、その後は、Cabs (これ以降はMallinderとKirkのデュオとなります)はVirgin Recordsと契約しており、それで得た資金で、Western Worksを改良して、1983年8月にアルバム”The Crackdown”をリリースしています。その後は、エレクトロ・ファンクとも言われるダンス・ミュージックのやハウスの方向性で活動していきますが、2人は別々の場所(始めはLondonとSheffield)に居を構え、それぞれがソロ活動を始め、その内、KirkだけがCabsの名前を使うようになっていきます。そのKirkも、2枚のアルバム”Dekadrone”と “BN9Drone”を出した後に、2021年9月に65歳の若さで他界しており、これを持ってCabsは消滅したことになります。 以上がCabaret Voltaireの大体の流れになります。 それで、本作品”Hai!”ですが、来日直前に、音楽的な頭脳でもあったChris Watsonが抜け、その代わりにドラムのAlan Fischが加入したことで、多分それまでのCabsとは違うんだろうなと言うのが、買う前の感想でした。一応、メンバーは、Stephan Mallinder (B, Vo), Richard H. Kirk (G, Clarinet, Synth, Tapes), Alan Fisch (Drs, Perc)で、先述のようにLyn Clarkがスライド・プロジェクターでサポートしています。録音は、1982年3月23日に東京のツバキハウスでのセカンド・ステージのもので、両面とも3曲ずつ収録されています。A1 “Walls Of Kyoto”はいきなり、リズムマシンのビートとシンセから始まり、ノリが良くてびっくりして覚えがあります。投げやりなVoも含めて、インダストリアルと言うよりも、ある種の「ロック・バンド」っぽさを感じますが、時折、挿入されるテープ音が異化作用を醸し出します。A2 “3 Days Monk”は生ドラムとファンキーなベースに、フリーキーなクラリネットとギター・ノイズから成るエレクトロ・ファンクへの萌芽を感じられる曲です。A3 “Yashar (Version)”はドコドコとしたタムを多用するドラムとシンセのリフから成る曲で、ベースとVoは記号のような点描になっています。 B面に行きます。B1 “Over & Over”もエレクトロ・ファンクを予感させる音楽ですね。B2 “Diskono”は、シーケンサーも使っているのかな?抑制されたVoと独特の奏法でエフェクトを掛けたギターとが、Cabsのポップネスを現出させていると思います。B3 “Taxi Music (Version)”はボンゴの音とディレイ処理されたクラリネットやギター、それにパーカッシヴな電子音から、ドラムやファンク調のベースも入ってきて、ラテン系要素も垣間見られます。これは踊れる曲ですね。 総じて、Cabsがインダストリアルからエレクトロ・ファンクに移行しようとしたいる過渡期的作品で、今聴くと、最初、思っていた以上にポップですね。また、”Nag Nag Nag”など、それ以前の作品で聴かれるようなエフェクトを掛けたVoではなく、素の肉声も意外でしたねー。それまでのCabsを知らない方が楽しめるかも⁉️ https://youtu.be/zlETL9wNBAY #CabaretVoltaire #Hai! #唯 #RoughTrade #JapanRecords #LiveAlbum #LiveInJapan #国内盤 #industrial #DanceMusic #TsubakiHouse #Drums #Bass #Guitar #Synthesizers #Voice #Electro-Funk #PopMusic #SlideProjector #StephanMallinder #RichardH.Kirk #Alan’Raw’Fisch #LynClark
Industrial / Dance Music Japan Records (Rough Trade) 不明Dr K2
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The Residents “Meet The Residents”
何ともまあ、こんな音楽が世に出回るとは?と思わせた米国の「謎」ことThe Residentsのファースト・アルバムを紹介しましょう。私の持っているのは、1977年にセカンド・プレスされたもので、最初のヴァージョンは1974年にリリースされています(ジャケが違う)。The Residentsのバイオグラフィーは以前にも書いていますので、そちらを参照してください。まあ元のジャケ写を見れば分かる通り、徹底的にThe Beatles(のジャケ写)を茶化したものになっています、それも中学生程度の教科書の落書きレベルです。そんな反骨なThe Residentsですが、このファースト・アルバムでも、彼等の変態性が遺憾無く発揮されています。独特のポルタメントをかけた音や調子外れなコーラスやチューニングが狂ったピアノやホーンなど、彼等の音楽の上で外すことが出来ない要素が既に開花しています。この頃はまだそんなにシンセなどの電子楽器は使われていませんが、それでも時にスペーシーな電子音も聴取することが可能です。曲と言う体裁を取りながらも、ギリギリのところで崩壊を防いでいる点が彼等の凄いところですね。どの曲もそれまでのロックやポップスのイディオムに入り切らず、独自の歪んだポップミュージックの「ミュータント」になっています。ここから全てが始まったと言う意味で、今でも/今だからこそ聴かれるべきアルバムだと思いますよ ❗️ クレジット曲順 A1 “Boots” (0:54) A2 “Numb Erone” (1:07) A3 “Guylum Bardot” (1:19) A4 “Breath And Length” (1:44) A5 “Consuelo's Departure” (0:59) A6 “Smelly Tongues” (1:44) A7 “Rest Aria” (5:09) A8 “Skratz” (1:43) A9 “Spotted Pinto Bean” (5:27) B1 “Infant Tango” (5:28) B2 “Seasoned Greetings” (5:13) B3 “N-ER-GEE (Crisis Blues)” (7:16) A7 “Rest Area” https://youtu.be/Iboz-PQQIVE [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL6ogdCG3tAWjqXMA0zluro1s-bb-Vn4XR #TheResidents #MeetTheResidents #RalphRecords #Avant-Pop #ExperimentalPop #TheBeatles #Parody #FirstAlbum #MutantPop #4PieceBand
New Wave / Avant-Pop Ralph Records 不明Dr K2
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The Police “Outlandos D’Amour”
また、今更ですか⁈とは言わないで下さい。パンク/ニューウェーブ期に出てきたバンドであった為、最初は、そのような系統の音楽を演るバンドだと思われていたThe Policeのファースト・アルバム”Outlados D’Amour”です。当時、これからシングルカットされた”Roxanne”が、ラジオから流れてきた時、私は結構気に入ってました。でも何故かアルバムば買っておらず、後になって、中古レコード屋で安かったので購入したと言う経緯があります。今や、Vo/BのStingはソロ・シンガーとして不動の位置を築いていますね。なので、私よりも詳しいリスナーの方はいらっしゃるとは思いますが、先ずは簡単に彼等のバイオグラフィーを少し。The Policeは、1977年に英国Londonで結成されたロックバンドで、Sting (Vo, B), Andy Summers (G), Stewart Copeland (Drs)が不動のメンバーで、1970年代後半〜1980年代前半に活動していました。そのキッカケは、1976年9月に英国プログレバンドCurved Airのツアー中に、その米国人ドラマーStewart Copelandが、Last Exitと言うジャズ・ロック・フュージョン・バンドでベースを弾いていたStingことGordon Sumnerと連絡先を交換したことから、始まりました。それで、1977年1月に、StingはLondonに移り、Copelandとジャムセッションをしています。その内、Curved Airは解散し、Copelandは当時のパンクムーブメントに乗っていこうと考え、伊人ギタリストHenry Padovaniを誘って、1977年3月にライブデビューを飾っています。1977年5月に、彼等はIllegal Recordsより、デビューシングル”Fall Out”をリリース。その頃、1977年5月にGongのMike HowlettがStingを新バンドStrontium 90に誘いますが、その時に、HowlettはドラムはChris Cutlerを想定していました。しかしながら、StingはCopelandの方を選んで、更に、自分達よりも10歳も年上のAndy Summers (彼はEric Burdon & The AnimalsやKevin Ayers等とも共演しており、何より音楽産業界にも詳しかった)を4人目のメンバーとしてリクルートしています。Summersは音楽的にStingとも気が合いましたが、段々とPadovaniの稚拙さがフラストレーションになってました。そんなこともあって、4人でのライブは2回だけでした。そして、SummersはPadovaniに最後通知を叩きつけ、Padovaniは解雇されます。こうして鉄壁のロック・トリオとしてのThe Policeとなり、1977年8月に、このトリオとして初のライブをRebecca’s clubで行いますが、彼等は早々とreggaeやjazzはたまたprogressive rockやpub rockの要素も取り入れていきます。また、ブリーチしたブロンド・ヘアーも3人の特徴にしました。それで、Copelandの兄Milesの援助で、£1500を得て、彼等はデビューアルバムである本作”Outlados D’Amour”の作製に取り掛かりますが、中々難航したようです。そんな中で、Milesが”Roxanne”を初めて聴いた時に、これはイケる!と判断して、即座に、A&M Recordsに掛け合い、こうして、彼等のメジャーでのファースト・シングル”Roxanne”が1978年春にリリースされます。ただ、BBCでは放送されていませんが、これは特にバンされた訳ではないようです。そして、1978年10月には、The Policeはファースト・アルバムのプロモーションも兼ねて、BBC 2のThe Old Grey Whistle Testと言うTV番組に出演します。しかしながら、セカンドシングル”Can’t Stand Losing You”に関しては、BBCは放送禁止にしています。また、”Roxanne”は最初、英国ではそれ程受けていませんでしたが、カナダや米国でじわじわと人気が出てきたこともあり、BBC1のTop of the Popで、”Roxanne”を演奏したこともあって、英国でも逆輸入的にチャートインしています。とまあ、ここら辺が初期The Policeの足跡となります。その後については、またの機会にします。 それで内容なんですが、いやー正直言って、プリミティブな演奏ですね。時代が時代だった訳ですが、別に下手って言う訳ではなく、寧ろ上手く簡素な演奏にしていると言った具合でしょうか。A面は割と良く知られた曲が中心になっており、MTV世代にもアピールできそうです。に対してB面はやや彼等のルーツミュージック(B3 “Born In The 50’s”はモロだし、B4 “Be My Girl —Sally”とかのジャジーな間奏)と言うか渋い曲が多く、初めて聴くものも多いです。そう言う意味では、レコードの特性(A面とB面がある)を上手く利用しているようにも思えます。A3 “Roxanne”は当時、ラジオで聴いて気に入った曲だったので、これが聴けるだけでも嬉しいですね。あとB1 “Can't Stand Losing You”とかA2 “So Lonely”なんかも良い曲です。まあ、彼等は、段々とメジャーで登り詰めていく訳ですが、最初はこんな簡素な音だったと認識できて良かったです。私のMuuseoを読んでいるリスナーさんは興味がないかも知れませんが、こう言うアルバムも偶には良いんじやないかな? “Roxanne” https://youtu.be/3T1c7GkzRQQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lC4vwAZM8FzHZ4rTxdaVnryJtOMAv-xY4 #ThePolice #OutlandosD’Amour #A&MRecords #NewWave #Reggae #Rock #FirstAlbum #Trio #Sting #StewartCopeland #AndySummers #Major
NEW WAVE A&M Records 不明Dr K2
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Urban Sax (Gilbert Artman) “Urban Sax”
やっと辿り着きました。Gilbert Artman率いる仏の狂気のサックス集団Urban Saxです。これはUrban Saxとしてのファーストアルバムに当たります。それで、先ず、彼等のバイオグラフィーについて書いておきます。元々は、仏の電子ジャズ・ロック・バンドLard Freeのドラマーにしてマルチ奏者及び作曲家のGilbert Artmanが、1973年に結成したマルチメディア・アンサンブルのことで、その名の通り、多数のサックス奏者からなります。最初に彼等が演奏した、南仏Mentonでのフェスではサックス奏者は8人でしたが、回を重ねる毎に人数は増えていき、21世紀初頭には52人(ソプラノからバスまで)にまでになっています。また、Artmanはこのグループを演るにあたって、その地元のサックス奏者を募り、更には、打楽器や弦楽器、ピアノ或いはコーラスなども取り入れ、ダンサーも延200人もの参加者になっていきます。しかも、ダダイズムのハプニングに影響を受けて、パフォーマンスでの参加者は、宇宙服のような金属質なコスチュームにガスマスクを被ると言う徹底振りで、欧州やアジア或いはカナダでの万博86でもライブ・パフォーマンスを行なっています。そのArtmanのUrban Saxに対するコンセプトは、先ず、どこへでも持って行ける楽器としてサックスを選んでおり、それによって「その場で」演奏可能になり、かつそのサックスを大人数で吹き鳴らし、ダンスをすることは、場所に囚われない(例えば公の場とかでも演奏可)変幻自在の創造性を担保できると言うものです。音そのものに関しても、サックスで「持続」する音を作り出し、ポリリズミックかつループ状の演奏をすることで、聴く者に「別の音楽」を聴かせる意図があります。また、後にサックス以外の楽器奏者も加わりますが、先述のようなコスチュームで匿名性を図ることも、自らを「泡沫」のような、その場でしか存在しない体験を与える意図があります。それと関連して、例えば、カナダ万博86では、ヴァンクーヴァーのインディアンやジャワ島のガムランとも競演するなど、音楽の壁を取っ払うことも可能としています。と言うのが、彼等(もしくはArtman)のコンセプトであります。なお、関わった演奏者はここには記載出来ない位多いのですが、通常は40人程で活動しているとのことです。 それで、本作品ですが、両面1曲ずつで、長尺の曲が収められています。しかも殆ど全てが伸長したサックスの音で、かつミニマルな構成となっています。ソロパートも殆どありませんが、B面でSoprao-Saxがちょっとだけソロパートがある様にも聞こえるだけです。今回、参加したサックス奏者は、ソプラノ1名、 アルト7名そしてテナー8名から成ります。 サックス奏者は、ドローン様な演奏から始まり、それぞれが同じようなフレーズを延々と繰り返し、どんどん重積していきます。「じゃあ、退屈か?」と思うかもしれませんが、寧ろ心地良い響きに聞こえますね。そこら辺に、何かマジカルな要素を感じます(Dommune宇川氏風に言えば、「音のレイヤーを重ねる」と言う感じでしようか) 。B面は、A面よりも更に複雑かつヘビーで、バックで打楽器ように聞こえる音も恐らくサックスなのだと想像します。勿論、ミニマルかつ重積していく構成では変わりませんが。とにかく、催眠性と没入感が凄いので、一度、聴いてみて下さい❗️また、ライブパフォーマンスも面白いので、ついでに貼っておきます。 A “Urban Sax (Part 2)” (18:30) B “Urban Sax (Part 1)” (18:45) [full album] https://youtu.be/9DqKQWpX_8E 1981年のライブ映像です。 https://youtu.be/WxH3F6WGLjk #UrbanSax #GilbertArtman #UrbanSax1 #Cobra #Celluloid #French #Experimental #Jazz #Minimal #Stratification #FirstAlbum #LivePerformance #Happening #Composition
Experimental Jazz Celluloid (Cobra) 1300円位Dr K2
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Tangerine Dream “Phaedra”
またですかぁー。んで、今回もTangerine Dreamの登場です。今回は5作目のアルバム”Phaedra”を紹介します。一時期、私は独逸ロック(クラウトロック)もつまみ食いしていましたが、シーケンサーを使ったグループが割と好みでした。でも、当時はあんまり聴き込んだことが無かったので、今回は聴き込んでみようと思います。バンドの詳細なバイオグラフィーは以前に書いてものを参照して下さい。メンツは、Edger Froese (Mellotron, B, G, Organ, Synth [VCS3 Synth] ), Peter Baumann (Organ, Synth [VCS3 Synth], Flute, E-Piano [e-piano] ), Chris Franke (Synth [Moog, VCS3, SA], Kbd)と言う電子音楽界の鉄壁の3人です。プロデュースはFroeseがやっています。この担当楽器を見れば分かりますが、あのじゃじゃ馬シンセVCS3を3人とも使っています。バンドは、独逸Ohrを離れて、英国のVirgin Recordsと契約しており、1973年〜1978年までは、このトリオでガッツリやっています。内容はA面1曲でタイトル曲になっており、B面は3曲から構成されています。A面”Phaedra”では電子音の揺らめく中で、シーケンサー駆動の電子音の反復(本作で初めてシーケンサーが使われている)が心地良いんですが、全体としては、電子音によるオーケストレーションがやはり主体を占めているように思います。最後の「余韻」が良いですね。B1 “Mysterious Semblance At The Strand Of Nightmares”は、Froeseの作曲で、電子音の霞が幾重にも重なって、非常にゆったりと流れていく重厚アンビエント曲ですね。クチュクチュしたシンセ音やホワイトノイズの使い方が新鮮です。B2 “Movements Of A Visionary”では、やはり、電子音の海の彼方から立ち上がってくるシーケンサーの反復が心地よいです。まるで、口の中で球がコロコロ転がるようなシンセの音から成ります。B3 “Sequent C'”はBaumannによる小曲で、ふわふわした電子音がそこはかとなく流れて締めていきます。因みに、A面とB2は3人の共作となっています。と考えると、Tangerine Dreamとしては、シーケンサーをもっと加えて行こうと言う現れなのかも知れませんね。そう言う「反復音」が夢のような電子音と重なっており、そこがツボのように思います。これが「ロック」か?と言う疑問もありますが、そこは当時の状況によるのかも知れませんね。そこら辺に興味のある方は一度、聴いてみることをお勧めします。 https://youtu.be/HIQ0dd7B_FU #TangerineDream #Phaedra #VirginInternational #VirginRecords #Krautrock #Electronic #Synthesizers #VCS3 #EdgerFroese #PeterBaumann #ChrisFranke #Orchestration #Sequencer
Krautrock, Electronic Virgin International 不明Dr K2
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This Heat “s/t”
なんで、このアルバムが後なのか? This Heatのファースト・アルバムです。これは当時、友人から聴かせてもらって、テープにダビングしてもらったので、そればかり聴いていて、中々、現物を入手するのが遅れました。彼等のバイオグラフィーは以前に書いていますので、ここでは省略させて頂きます。メンバーは不動のトリオで、Charles Bullen (G, Clarinet, Viola, Vo, Tapes)とCharles Hayward (Perc, Kbd, Vo, Tapes)及びGareth Williams (Kbd, B, G, Vo, Tapes)ですね。彼等は自身のスタジオCold Storageでの曲をライブでも再現する為に、テープを用いていましたが、これもThis Heatの特徴ですね。録音時期は1976年2月〜1978年9月に2チャンネルか24チャンネルで録音されたもので、モノラル・カセットだったりステレオ・カセットだったりしています。そして、プロデュースは彼等自身とDavid CunninghamそしてAnthony Mooreと言う鉄壁の布陣で挑んでいます。内容は完璧を通り越して、もう泣けますね。A2 “Horizontal Hold”の鋼の如きリズムにもう痺れます。A3 “Not Waving”でのヴォーカリゼーションそして、A4 “Water”でのメタパーからのA5 “Twilight Furniture”の土俗的リズムと彼等らしいメロディの融合は最高です❗️そして、B1 “24 Track Loop”のフランジャーを掛けたシンバルのカッコ良さよ! そして不明瞭な音から成る数曲の後に、B4 “Rainforest”の喧騒が始まり、そこから立ち上がってくるB5 “The Fall of Saigon (サイゴン陥落)”は痺れまくりで、まるで呪術のようなドラミングが冴えています。そしてギターソロの音は捩じ切れて、B6 “Testcards (yellow)”のノイズ音へと繋がりアルバムは終焉を迎えます。最早、ケチの付けようのないアルバムです。これはやはり聴いておくべき作品の一つですね。マスト❗️ B5 “The Fall of Saigon” https://youtu.be/Lrfz9pULvm8 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mMWBy-nj9oDWzaCUOl_4b7RJaBVUN2lk8 #ThisHeat #PianoRecords #TheseRecords #FirstAlbum #Experimental #Rock #Avant-Garde #ColdStorage #LiveRecording #CharlesBullen #CharlesHayward #GarethWilliams #Producers #AnthonyMoore #DavidCunningham
Experimental rock These Records (Piano Records) 不明Dr K2
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Gen Ken “Beyond My Ken”
Gen KenことKen Montgomeryを紹介しましよう。元々、1980年初頭に、米国NYCのEast VillageにGeneratorという小さなレコード・ショップを運営しながら、電子音楽を始めています。その後、1989年にNYCで初めてのサウンド・アート・ギャラリーとして、Generatorを再度やり始め、1992年まで続いています。その間にも彼は、多くのアーティスト達とコラボをやっており、その後も、多数、リリースされています。因みに、彼はGen Ken以外にもGen Ken Montgomery やEgnekn Montgomeryと言った名義で作品をリリースしています(Gen Kenの”Gen”は最初のレコード・ショップのGeneratorの頭3文字から取られています)。そんな彼は、特に、Conrad Schnitzler等とのコラボ・ワークも数作出しており、電子音楽界(そんなものがあるかどうかはさておき)の一部では有名なアーティストです。また、1987年に、彼は、David PrescottとConrad Schnitzlerと共にGenerations Unlimitedと言う電子音楽レーベルも立ち上げています。それで、内容なんですが、A面は片面一杯使った1曲のみ、それに対してB面は短い曲が、9曲も入っていると言うアンバランスさ。どちらも明瞭なリズムは殆ど無く、アブストラクトな電子音が空中を舞っているような音楽で、中々、掴み辛い音楽なのですが、その反面、色んな解釈ができるようにも思えます。特にA面は彼のアブストラクトさが現れた良い曲だと思います。またB面もそんな長尺な曲の一部のサンプルように聴くことが出来るのでは?とも思え、そう言う聴き方もできるのだなあとも思えます。因みに、本作は独逸ベルリンのCon Studioで録音され、スペインとEsplendor Geometricoのレーベルからリリースされており、彼の立ち位置を理解する上で興味深いものと考えられます。電子音楽とインダストリアルの狭間を覗いてみたい方には良いアルバムだと思いますので、是非聴いてみて下さい。 “New Age Machines” https://youtu.be/q8vQ4-ETQKc #GenKen #BeyondMyKen #DiscosEsplendorGeometrico #AmericanArtist #GenKenMontgomery #Experimental #ElectronicMusic #Abstract #NoiseMusic
Electronic Experimental Music Discos Esplendor Geometrico 不明Dr K2
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The Art Of Noise “Who’s Afraid Of….(The Art Of Noise)”
皆さんはもうこのバンドのことは知っていらっしゃいますよね。そうです、The Art Of Noiseです。初めて、サンプリングだけでアルバムを作製し、ヒット曲まて出したアヴァン・ポップなグループです。このバンドは、1983年初頭に結成されていますが、メンバーは、エンジニアでプロデューサーでもあるGary LanganとプログラマーのJ.J. Jeczalik中心に、KbdのAnne Dudley, プロデューサーのTrevor Horn, 音楽ジャーナリストのPaul Morleyも参加しています。Tom Jonesをフィーチャーした”Kiss”と言う曲は、その意味解釈も伴って、国際的なトップ20のヒット曲となり、1986年には、インスト曲”Peter Gunn”でグラミー賞も受賞しています。このチーム(バンド?)は、1982年には英国のニューウエーブバンドABCのデビューアルバムに関わっていたり、Malcolm McLarenの1982年のアルバム”Duck Rock”にも関与、Frankie Goes to Hollywoodとも一緒に仕事をして、アルバム”Welcome to the Pleasuredome”を作製したりしています。また1983年にはプログレ・パンドYesの復活アルバム“90125”のプロデュースやエンジニアリングなどでヘルプしています。その時にリリースされたシングル"Owner of a Lonely Heart”が後のThe Art Of Noiseのアイデアに繋がっていきます。そんな中、Paul Morleyが、このチーム名を、フューチャリストLuigi Russoloの書いたエッセイ”The Art Of Noises”から付けたのですが、J.J. Jeczalikが最後に”s”を削ろうと提案して、バンド名が決まりました。Trevorは最初、この新しいバンドにおいては、既にThe Bugglesをやっていたので、アドヴァイザー兼アイデアを出すだけの立場で参加しています。1983年9月に、The Art of NoiseはデビューEP “Into the Art of Noise”をTrevorが設立したばかりのレーベルZTTよりリリース。これにはYesのアルバム”90125”の音源が主なサンプリングネタになっていますか、この中の”Beat Box”と言う曲は、フリースタイルのヒップホップ界隈(映画「ブレイク・ダンス」にも使われています)でヒットします。そして、彼等のファーストアルバム(本作品)である”Who's Afraid of the Art of Noise? “か1984年にリリースされます。この時期は、全員マスクを被っており、匿名性を出していました。またプロモーションにも消極的でした。これは、今までのロックやポップスのミュージシャンとは違うというスタンスの表明であったとのことです。このアルバムの中に入っている”Moments in Love”は10分近いインスト曲でしたが、リミックスされてシングルとしてもリリースされています。このシングルは1983年にも米国でリリースされていますが、そこそこのヒットはしたようです。またマドンナの結婚式でも使われていました。また、彼等は1984年10月に、TrevorがGeoff DownesとやっていたThr Bugglesの”Video Killed the Radio Star”を含む20世紀の音楽をソースとして使ったアルバム”Raiding the 20th Century”の構想をSmash Hits Magazineに語っています。また、同年10月に、”Close (To The Edit)”がシングルカットされ、1984年の英国シングルチャートで8位になっていますが、1985年に、Gary LanganとJ.J. Jeczalik及びAnne Dudleyは、Trevor HornとPaul Morley達と手元を分かちますす。勿論、ZTTとも。Gary, J.J., Anneは英国のChina Recordsと契約し、自分達がThe Art of Noiseだと明かし、セカンドアルバム”In Visible Science”をリリースします。その後のことはまた機会があれば書きますので、今回は、ここまでとしておきます。 それで、本作品ですが、名器Fairlight CMIを駆使したアルバムになっています。サンプリングとPCでの作業だけほぼほぼ完結しているって感じでも良いと思います。このような音楽はジャストのタイミングでリズムが刻まれるので、リスナーによっては好き嫌いが分かれるところでしようね。またサンプリングされた人の声以外にはヴォーカルの無い、インスト曲で締められていますので、アルバムとして聴くと、やや辛い場合もあります。ただ独特の冷ややかな音色が持ち味の機材なので、全体的にも冷感を感じるところもミソですね。日本ではYMOが問題作”Technodelic”で使ってましたね。一時期、サンプリングは著作権的に合法なのか?非合法なのか?の議論もありましたが、今や、サンプリングは当たり前の技術になっていますね。そうなったのも、彼等の功績かもしれません。彼等の特異なところは、サンプリングだけで新たな音楽を作ることにあった点で、それを実験音楽ではなく、ポピュラーミュージックの世界で実践したことでしょう。そんな黎明期の素晴らしいアルバムを聴いて見て下さい! “A Time For Fear (Who’s Afraid)” https://youtu.be/SpsWLtn1OrQ “Moments In Love” https://youtu.be/cen22TBHo9M #TheArtOfNoise #Who’sAfraidOf…?TheArtOfNoise #ZTT #IslandRecords #Sampling #FairlightCMI #GaryLangan #J.J.Jeczalik #AnneDudley #TrevorHorn #PaulMorley #Technology #Yes
Avant-pop / Synth Eave Island Records 不明。Dr K2
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ZELDA “C-Rock Work”
私、何でか自分でも分からないのですが、ZELDAは聴いてないんですよね。そりゃ、バンドが出てきた時に、Voが10代だとか、Bが元Boys Boysでインディー系ミニコミChange 2000に関わっていたとかは当時は知ってはいたんですが、聴いてないんですよなぇ。なので、完全後追いで買ったのが、この”C-Rock Work”なんです(これ、始め「シー・ロック・ワーク」と呼んでましたが、「ク・ロック・ワーク」のアナグラムですね)。ZELDAは1979年に結成、は1980年に”ASH-LAH”でインディーレーベルJunk Connectionより発表し、デビューして、やがて大手レコード会社(日本フォノグラム)と契約し、1996年”虹色のあわ”が最後のアルバムなって、無期限活動停止になっています。バンド名の由来は米国小説家Francis Scott Key Fitzgeraldの妻Zelda Fitzgeraldの名前に由来し、最も長く続いた女性ロックバンドとしてギネス認定されています(トリビアですね)。メンバーは時期によって多少違うのですが、高橋佐代子 (Vo, Clarinet), 小嶋さちほ (B)がずっと在籍していたメンバーで、彼女らに加えて、このアルバムでは石原富紀江 (G)と小澤亜子 (Drs, Kbd)と言う布陣です。石原さんは元々ハードロックから来ており、また小澤さんはプログレ出身だったそうです。久しぶりに聴いたんですが、疾走感があって、カッコいいですね。また時に出てくる中近東風のメロディ(これはフキエさんのかな?)も良い感じですね。それにしても、アコさんのドラム、タイトで凄いわぁー! チホさんのBもドライブしているし。それにも増して、サヨコさんの歌詞とVoのコンビネーションが凄い!日本語をナチュラルに歌うのって難しいんだよね。それをサラッとやってみせるサヨコさんの才能ですね。皆さんも、こんな凄い日本のロックを体験してみてくださいね。 A1 “夜の時計は12時” (4:08) A2 “Electric Sweetie” (4:08) A3 “風の景 - Mind Sketch -“ (3:44) A4 “時計仕掛けのせつな” (4:20) A5 “ファンタジウム” (3:53) B1 “Endless Line” (3:54) B2 “Emotional Beach, Communication Party” (3:55) B3 “Question-1” (3:35) B4 “Moo/六月はいつも魔の月” (3:35) B5 “浴ビル情” (4:29) A2 “Electric Sweetie” (live track) https://youtu.be/EQmpKhFvQa4?si=IEMqGMdAPn7PLzSx [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLJKA2C_1LpNujRnyyueZAQ-MD17D3uwGN&si=Dx9MHJCJWcYpvplc #C-RockWork #Zelda #CBS #4ThAlbum #GirlsBand #PostPunk #Japanese #SayokoTakahashi #SachihoKojima #FukieIshihara #AkoOzawa #高橋佐代子 #小嶋さちほ #石原富紀江 #小澤亜子
Post Punk CBS/Sony 不明。Dr K2
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Robert Rental & The Normal “Live At West Runton Pavilion. 6-3-79”
このレコードを見つけた時は心の中でガッツポーズしましたね。この組合せはバッチリ1980年前後の音ですよ。皆さん、もう知っていると思いますが、The Normalと言うのはMuteのオーナーDaniel Millerのソロユニット名で、基本的には録音ユニットでした。ギターの3コードも弾けなかったDanielはJ.G.Ballardの小説”Crash”に影響を受けて、The Normalを始めており、KORG mini700s シンセとTeacの4トラックレコーダーで最初のシングル"T.V.O.D."/"Warm Leatherette"を自身のレーベルMuteからリリース、その後進のグループやアーティストに大きな影響を与えました。DanielがThe Normalとして出したレコードは先述のシングルと本作品のみです。一方で、Robert Rentalは、Thomas Leerとのコラボによる名作”The Bridge”をIndustrial Recordsから出しており、実験的エレ・ポップの先駆けとなっています。そんな2人が唯一残したのが、このワンサイドLPです。まあライブ録音なので、音質は良くは無いですが、エレ・ポップ(敢えてテクノポップとは言わない。寧ろインダストリアル・ポップかな?)の原石が垣間見られます。片面のみの録音ですし、曲名のクレジットも無いのですが、曲間が途切れないので、このリリース形態は丁度良かったと思います。内容はもう文句無しのシンセ好き向けのミニマルでプリミティブなポップソングを聴くことが出来ます。ヴォーカルはどちらがとっているのでしようか?なんてことは気にならない位の熱量ですね。もし、エレ・ポップに興味が有れば、この作品は一度は聴いておいた方がいいでしょう。装丁はショボいですが、内容は濃いです! https://youtu.be/GE-CrUIk6Xc #RebertRental #TheNormal #iveAtWestRuntonPavilion6-3-79 #RoughTrade #DanielMiller #Mute #ElectronicPop #TechnoPop #Synthesizer #Live #IndustrialPop
Electronic Pop Rough Trade 不明Dr K2
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Dark Day “Exterminating Angel”
出たー❗️Dark Day❗️伝説のNo WaveバンドDNAの初期メンバーであったRobin L. Crutchfieldが、1978年に結成したトリオがDark Dayです。オハイオ州からNYCに引っ越したRobinはSoHoやTribecaのアートシーンで活動していました。そんな彼は、Arto LinsayとIkue Moriと共にDNAを結成し、その時の演奏はBrian Enoプロデュースのコンピ”No NewYork”で聴くことが出来ます。その後、DNAを脱退し、1978年末に結成したのが、このDark Dayで、当初のメンバーに名を連ねていたのは、Robin Crutchfield (Vo, E-Piano), Nina Canal (G, Dr), David Rosenbloom (B), Phil Kline (G, Kbd), Barry Friar (Dr), Nancy Arlen (Dr)ですが、本当の最初はRobin (Vo, Kbd)と元UtのNina Canal (G.Dr)及び元MarsのNancy Arlen (Dr)として始まったらしいです。それからメンバーチェンジを繰り返し、最終的には、Robinよソロユニットとなり、DIY精神から、彼は自身のレーベルNigh Eveを立ち上げ、自分の作品をリリースしていきます。また、Dark Dayの初期は中世ヨーロッパやバロック音楽に少し寄っていったのですが、1990年末には再び、電子音楽に近い立ち位置にシフトしてきましたが、それは驚く程、自然な発展になっているみたいです。Robinがいわゆるコールド・ウェーブから去って行った2000年には、Errol Morris製作の、Bravoテレビの番組シリーズ”First Person”でも使われてます。と言う様に、メジャー/マイナーの枠を越えて、独自の音楽を作り続けています。 それで、本作品はDark Dayとしてのファーストアルバムですが、メンバーはRobin (Vo, E-pano, Toy Piano, Synth, Piano, Chromatic Bells, Car Cry), Phil Kline (G, Synth, B, Piano), Barry Friar (Dr)のトリオです。この作品では、名前の通り、ダークなシンセ・ポップのようなことをやっていますが、興味深いところは、シンセって普通、色んなことを作って演奏することがおおいですが、ここでのRobinの演奏はほぼほぼ同じ音色で、ほぼほぼ同じLFOのパルスめいたシンセの音を使っているところです。こう言うシンセの使い方をしたバンドを私は知りません。ここら辺にRobinが元々ファイン/パフォーミング・アーティストであって生粋のミュージシャンではないことが関係していると思います。なので、どの曲も同じように聴こえてしまうと言う現象を生んでいますが、これはご愛嬌ですかね?また、インスト曲もあるのですが、歌詞は比較的単純な言葉の羅列からなり、一つの楽器の様相を呈しています。そんなDark Day、聴いてみますか?きっと面白い発見がありますよ。 https://youtu.be/lfYw9vELWEw #DayDay #ExteeminatingAngel #Infidelity #RobinL.Crutchfield #PhilKline BarryFriar #DarkWave #NoNewYork #
No wave / Synth wave Infidelity 不明Dr K2
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Artificial Memory Trace “Vol. 13: Erozion”
またもや、難物を発掘。皆さんはArtificial Memory Trace (ATMと記載。ここでお金をおろしたり、acid mother templeと間違わないように!)を紹介しましょう。とは言ったものの、これが情報が余りありません。AMTはベルギーのSlavek Kwiのソロプロジェクトです。どうも、最近はアイルランドに居を構えているようです。Slavekが何某かの文化的な活動をする時には、AMTと言う隠れ蓑にを用いる訳ですが、彼がやっていることには、須く彼の強く固い意志が宿っている訳で、彼の作り出す有機的な音の領域とか彼が見つけたグラフィックとか記述にもそうあるべきだと考えて良いでしよう。彼の音世界と言うのは、正確に構築され、完璧にバランスの取れた、「ミュージック・コンクレート」における素材の組み立てのことです。彼の師事するFrederick Rzewski(Musica Elettronica Vivaの創設メンバーの1人)はSlavekが大きな影響を持つようになる5年程前に他界していますが、John Cageもまた同様に他界しています。AMTは1990年代を中心に活動を展開してきてはいますが、その後、この手の「音響系ノイズ」のアーティストがどうなったかは未だに不明でもあり、だからこそ、ちゃんと評価しなければならないのではないでしょうか。1990年代末でしようか、MSBRの故田野幸治さんが欧州ツアーで、彼の家(まだベルギーに居た)に遊びに行ったところ、「アコースティック・シンセサイザー」なる自作楽器を見せてもらい、それが凄く面白かったと言ってましたね。大き目の木箱に大きなスプリングの付いた楽器で、そのスプリングを叩いたらするとシンセみたいな音がするらしいです。そんな柔軟な発想こそが彼の音楽に対する想いではないでしようか? それで、本作品ですが、Vol.13なので、何かのシリーズだとは思いますが、ちょっと良くわからなかったです。この前後にだけナンバリングしてありますが、何のシリーズかは不明。それで、不思議な鳴りの単調な音が比較的やや大き目に録音されており、曲間になるに従って、ロックト・グループになっていたり、なっていなかったりで、ついついそのまま聴いてしまい、エンドレスになったり、なかったりで落ち着かないです。ん〜こう言う音楽は言葉にしづらいですね。そう言うと身も蓋も無いのですが、一部では、他のグループ(Zoviet Franceなど)の音源をサンプリングしてループにしたりしているようですが、無許可なのか許諾済みののかも分からないです。使用楽器は、鳴りのないRölmöのシンバル、石で出来た音響彫刻及び裏で出回っているソフトウェアの発振音らしいです。聴いただけでは全然分かんないです。なので、レコードとしてはギミックに満ちており、危険物件ですね。どうですか?この危険物件を聴いてみますか(溝フェチさん向けです)? YouTubeには無かったので、AMTの他の作品をはつておきます。 https://youtu.be/Cf-2CFV2sMM #ArtificialMemoryTrace #Vol13.Erozion #ERS #Electro-AcousticMusic #SlavekKwi #Belgium #Ireland #LockedGroove #SoundSculpture
Electro-acoustic Noise ERS 不明。Dr K2
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Slapp Happy “Casablanca Moon”
この前はHenry Cowをご紹介しましたが、今回はSlapp Happyを紹介します。Slapp Happyは独逸Hamburgで結成された独・英・米混合バンドです。元々は、BremenのWümmeに来ていた英国人作曲家Anthony Mooreが、独逸のFaustのスタジオで、アヴァンギャルド/実験的なアルバムを録音にしていましたが、Polydor Recordsに「駄目❗️もっと売れるようなものを作ってくれ!」と言われてしまい、Anthonyは、彼の米国の友人Peter Blegvadが丁度Hamburgに来ていたので、彼に「何かもっとポップな曲を書いて欲しい」と嘆願します。それで出来た曲が20分超えの”Just A Conversation”ですが、2人はヴォーカルが出来なかったので、当時のAnthonyの恋人(後に妻となる)Dagmar Krauseに歌ってもらうことにします。ここに来てSlapp Happyが誕生します。トリオになったSlapp HappyはPolydorに”Just A Conversation”をレコード化を持ちかけますが、予想に反して、PolydorはこのシングルをリリースすることOKします、まだ1972年だったのに! この年の5月にWümmeに戻って、デビューアルバム”Sort Of”をFaustのメンバーの助けも借りて録音し、そのアルバムは同年後期にリリースされたが、売れなかった!と言うのも、Slapp Happyはライブを演ることを拒んでいたからです。このデビューアルバムをリリースして直ぐに、Faustのサポートでセカンド・アルバムの録音に入ります。ここに、彼等の最も良く知られた曲”Casablanca Moon”が出来る訳ですが、”Sort Of “に比べて、よりソフィスティケートされ、アートぽっい作品になりました。ハーモニーにも重点が置かれ、歌詞もシリアスで詩的になっています。しかしながら、Polydor Recordsは、Slapp Happyのこの路線を良しとせず、自己中的な内容だとして、アルバム・リリースを拒否します。そう言うこともあって、メンバーは1973年初頭に英国へ行きます。そして、例のお蔵入りしそうなアルバムのカセット・テープをVirgin Recordsに渡します。Virginは彼等の音楽を気に入り、契約を結びます。ただ、Dagmarの独逸語アクセントの英語のヴォーカルが心配で、Robert WyattやNMEの記者Ian MacDonaldにも聴かせてみましたが、全然大丈夫とのことで、1973年末にSlapp Happyを正式に承認しました。直ぐにSlapp Happyほ1974年初頭にOxfordshireのVirgin RecordsのManor Studioに入り、セカンドアルバムの再録音に取り掛かります。セッション・ミュージシャンやアレンジャーも導入し、1974年5月にVirgin Recordsから、本作品であるセカンド・アルバムをリリースします。音楽誌からも概ね高評価を得ています。一方、1980年になって、漸く、Recommend Recordsは、Faustと一緒に録音したオリジナルが、原題”Casablanca Moon”を逆読みしたタイトル”Acnalbasac Noom”でリリースできるようになりました。また、1974年6月にSlapp Happyを、レーベルメイトでもあるHenry CowやRobert Wyattと共に、LondonのHyde Parkでジョイント・コンサートに出るように企画されていましたが、直ぐに却下されています。その後、アルバムも3枚程出していましたが、1975年に解散しています。その後も時々、再結成の話がありましたが、皆、短期間で終わっています。 それで、本作品”Slapp Happy (通称”Casablanca Moon)”ですが、私は大学生の頃、友達にダビングしてもらったのを何度も何度も聴いており、久しぶりにレコードで聴いて号泣しています(半嘘)。兎に角、A1 “Casablanca Moon”のタンゴ調の曲は素晴らしい出来で、いつになっても色褪せないように思います。どの曲もキャッチーなメロディとアコースティックな楽器で奏でられており、何と言うか、世間一般の「ポップ・ミュージック」とは違う、もう一つの別の「ポップ・ミュージック」にあるような音楽です。一応、Avant-Popとジャンル分けしましたが、聴いていても、決して難解でなく、優しく包み込んでくれる、そんなポップ・ミュージックです。あと、A5 “Dawn”もノリが良くて大好きな曲ですね。コケティッシュなDagmarのヴォーカルは彼等の音楽に欠かせない「楽器」ですね。私には独逸語のアクセントは良くわからないですが、彼女の声質は曲に良くマッチしていると思います。またB3 “The Drum”での、タブラの音に乗せて歌うDagmarの天使のような声とPeterの低音のダミ声のハーモニーは興味深いです。B4 “Haiku”はなんでしょうね、Peterのダミ声が前面に出ているだけではなく、パーカッションもコミカルで面白い曲です。まあ、このアルバムには個人的に色んな思い入れがあるので、あまり客観的なことは書けませんが、皆さんも、未聴ならば、是非とも聴いてみてください。パラレル・ワールドのポップ・ミュージックが堪能できますよ。因みに、メンバーはAnthony Moore (Kbd), Dagmar Krause (Lead-Vo), Peter Blegvad (Vo)とクレジットされていますが、多分他の楽器や他のミュージシャンもゲスト参加したいると思われます。また、Slapp HappyとSteve Morseでプロデュースしています。 A1 “Casablanca Moon” (2:45) A2 “Me And Parvati” (3:22) A3 “Half Way There” (3:14) A4 “Michaelangelo” (2:33) A5 “Dawn” (3:17) A6 “Mr. Rainbow” (3:49) B1 “The Secret” (3:28) B2 “A Little Something” (4:30) B3 “The Drum” (3:34) B4 “Haiku” (3:01) B5 “Slow Moon's Rose” (2:53) A1 “Casablanca Moon” (2:45) https://youtu.be/NC4r3rYHkaI?si=qQGbO-takE6c01DD A2 “Me And Parvati” (3:22) https://youtu.be/sZV205gAyNM?si=h7G_l5-yMXpJ4gme A3 “Half Way There” (3:14) https://youtu.be/xVuhqKvTYRY?si=23SFvVY0n1ot8mCs A4 “Michaelangelo” (2:33) https://youtu.be/1OY6sjzXx3E?si=LL8t1ksfkYvxRyJi A5 “Dawn” (3:17) https://youtu.be/SDGslJPSsgE?si=WowkJN09Gonz5i-G A6 “Mr. Rainbow” (3:49) https://youtu.be/jfOP7MvzAZs?si=Pkco2Mgdt6Db1T8x B1 “The Secret” (3:28) https://youtu.be/37FA3eyOWac?si=TzGt0lPEkkMyxM8p B2 “A Little Something” (4:30) https://youtu.be/ThBwPpzMju0?si=MH9hzKrDyd5krSZp B3 “The Drum” (3:34) https://youtu.be/BaDBTL9kKjs?si=DTgB74SpzAyOE3Bw B4 “Haiku” (3:01) https://youtu.be/CwRxtjdH3Lc?si=fe4hmVhcRN_rb1TQ B5 “Slow Moon's Rose” (2:53) https://youtu.be/rRUGxlGOdps?si=XNjsTpkfLBny0Rj_ #SlappHappy #CasablancaMoon #VirginRecords #AnthonyMoore #PeterBlegvad #DagmarKlause #Avant-Pop #PopMusic #ProgressiveRock #
Avant-pop Virgin Records 不明Dr K2