ヒカシュー(Hikashu) “うわさの人類 (The Human Being)”

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前回、紹介したヒカシューのサード・アルバムが、この”うわさの人類”です。ここで、ヒカシューは「テクノ御三家」から逸脱し、即興演奏などを取り入れ、ドラマーとして泉水敏郎を正式なメンバーに加えて、大きく音楽性が変わります。また、この作品は、当時、流行っていたサブカルの内、フリークスをテーマにした、一種のコンセプト・アルバムになっています。それは元々、巻上公一が、Tod Browning監督作品”Freaks”に感銘を受けて作られたことも大きいと思います。その流れでか、ジャケも太田螢一の書き下ろしを使っており、タイトル通りの一大コンセプト・アルバムになっています。なお、この作品の録音風景が、NHK教育TV番組「若い広場」でドキュメンタリーとして放送されています(勿論、私も観ています)。メンツは巻上公一 (Vo, B), 海琳正道(G, side Vo: 現:三田超人), 井上誠 (Synth), 山下康 (Kbd), 戸辺哲 (Alto Sax, G), 泉水敏郎 (Dr, Perc)と言う、当時は鉄壁な編成となっています。内容もすこぶる良く、歌詞は仄かにフリークスのことを歌っているのだろうなと思わせぶりなギリギリのところで抑えている感じで、音の方も、泉水さんが正式ドラマーになったことで、より深く、より激しいサウンドになっており、同時にかなりインプロビゼーション的演奏も加えられており、唯一無比のサウンドになっています。もうA1 “ト・アイスクロン”で「産まれてきてしまった運命」を悲しげに呪い、A2 “うわさの人類”では人であることを逆に誇らしく考えると言う心境をバップ調の曲に繋いでいます。また、A5 “新しい部族”で巻上さんの朗々と歌う、その声が世界に木霊し、A6 “予期せぬ結合”で激しいリズムと効果的なピアノ演奏が聴く者を圧倒します。B1 “アウトキャスト”では「自分はいつも外される」と言う感覚を巻上さんが叫び、B4 “小人のハンス”では見せ物としてしか世に出せない切なさを歌っています。この曲は本当に大好きな曲で巻上さんの独白調の歌とサビのシンセのメロディがもう最高です❗️私は当時、この一曲の為にこのアルバムを買っても良い位、ヘビロテしていましたね。最後はB6 ”匂い”で大人しく締めます。ドキュメンタリーの方では、海琳さんが、猿の真似をしながらピアノ・ソロを出鱈目に弾いているのが印象的でした。観るのも怖い、観ないのも怖い、聴くのも怖い、聴かないのも怖いと言ったアルバムだと思います。そんなヘビーでデリケートな内容ですが、未聴の方は是非とも‼️特に”小人のハンス”だけでも聴いてちょ‼️

https://youtu.be/_MMdQL8O3Dshttps://youtu.be/_MMdQL8O3Ds

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