Henry Kaiser and Fred Frith “Who Needs Enemies?”

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これも、久々に聴いてみた。多分、大学生の頃に購入したんだと思いますが、何でこれを購入したかのかは不明(多分、Fred Frithの来日公演や名前を聞き齧ったHenry Kaiserの共作だったからでしよう。遅過ぎる厨二病ですね)。Fredの方は以前にバイオグラフィーを紹介してありますので、先ずはHenry Kaiserのバイオグラフィーを少し。Henry Kaiserは、実業家Henry J.Kaiserの孫であり、父親はHenry J. Kaiser Jrです(要するにぼんぼんなんですよ)。そんなHenry Kaiserは、1977年に、サックス奏者のLarry OchsとGreg Goodmanと共に、Metalanguageを設立します。そこで、1979年には、20年以上コラボしてきたFred Frithとのコラボ・アルバム”With Friends Like These”をリリースし、その続編なのでしょうか、1983年には、またFredとのコラボ・アルバムである本作品”Who Needs Enemies?”を同レーベルからリリースしました。更に1999年には、これらのアルバムに、1984年録音の音源と1999年録音の音源を加えたアルバム”Friends & Enemies”をリリースしています。それで、Henryは1991年に、ギタリストのDavid Lindleyと一緒にマダガスカルを訪れ、ルーツ・ミュージックを発見します。その事を、彼は「我々を劇的かつ永久的に変えてしまう音楽だ!」と言い、沢山のマダガスカルの音楽を録音し、3枚組レコード”A World Out of Time”としてShanachie Recordsからリリースしています。一方で、1994年にも、Davidと一緒にノルウェーを訪れ、その地の音楽を録音して、”Sweet Sunny North”として2枚(1994年と1996年)のアルバムを出しています。Henryは今までに300作以上のアルバムに参加していますが、それ以外にも、数十何のテレビ番組や映画にも出演しています。Stephen Fosterへのトリビュート映画”Beautiful Dreamer”での作品はグラミー賞にもノミネートされたことがあります(ここら辺は大友良英さんとダブりますね)。あと興味深いのは、2001年に、Henryは全米科学財団の「南極芸術家および作家プログラム」で、助成金を受けて2ヶ月半、南極で過ごしています。その後、彼はリサーチ・ダイバーとして働く為に9回も南極に行っており、水中カメラによる作品は2本のヘルツォーク映画でも取り上げられて、プロデューサーに加わり、彼とDavidがスコア化しています。ちょっとバイオグラフィーが長くなりましたが、凄く活動が多彩かつアグレッシブですね。それから彼は「音の多様性」を重要視しているので、ギターは勿論、結構、エフェクターやアンプなどもコレクションしています。特にエフェクター/ペダルは重要みたいです。因みに彼のギターは、アレンビック・ピックアップを備えたクライン・エレクトリックみたいです。そして、レキシコンの機器で、自然治癒リズムを意識して、変調率の設定を心拍数や呼吸数に合わせているらしいです。
ちょっと長くなりましたね。ここら辺で、本作品を紹介したいと思います。このアルバムは先述のように、FredとHenryの長年のコラボの結果としてリリースされており、第二弾に当たります。私は当初、紋切り型の無茶苦茶な激しいギター2本による即興演奏を想像して購入したと思うのですが、内容は全然違って、ちゃんと作曲され、アレンジされた曲が11曲、収められてます(インストですが)。初っ端のブルース調の曲は唸りましたねぇ。その後もギターを中心に、時折、ヴァイオリンやマリンバ、シタールなんかも含めて---ドラムは誰が叩いているのかな?Fredかな?----不思議なポップソングが続きます。こう言うのって、よく即興演奏系の人達がやるんですが、やっぱり楽理を知った上に、それを弾きこなすテクが無いとできないんだろうなと想像してしまいます。しかし、本作品も難解な即興演奏ではなく、肩の力を抜いて聴くことのできる音楽になっていて、今聴くと新鮮に聴くことが出来ますね。この前のアルバムも聴いてみたいです!なので、皆さん、安心してください。「ポップ・ソング」(ここ、ポイントね!)なので、誰でも聴けますから。

“Trace”
https://youtu.be/YEx4ZSJCVec

“Roy Rogers”
https://youtu.be/lSYg1gizSrE

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