Mauthausen Orchestra “From Homicide To Slaughter”

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Mauthausen Orchestra (以下MOと記す)は、1982年にイタリア人Pierpaolo Zoppoが始めたデス・インダストリアル・ノイズ・プロジェクトで、1986年にMOとしての活動を停止しています。この作品は1982/1983年にリリースされたカセット作品から集められた曲をコンパイルしたもので、再発に重きを置いている伊Urashimaが2015年に199部でリリースしたものです。MOは、当初からあらゆるネガティブな事柄(極限でのセックス、異常性癖、ナチズム、拷問や病気)に興味を持って、活動しており、ノイズや歪んだ電子音及び非人間的な(金切り声)ヴォイスなどの暴力的なコラージュがMOの真骨頂です。こう言う指向ってイタリアン・ホラーとかと関係あるのかな?初期の音源は、彼自身のレーベルAquilifer Sodalityからリリースされていました。また、1997年に復活しましたが、MOと名乗るより、単にMauthausenとしかクレジットしなかったりしていました。しかしながら、1988年に録音された音源が、10年後にXn Recordingsからリリースされていますので、完全休止期ではなかったようです。2008年からはアンビエント調に音楽性も変化していきます。死因は不明ながら、彼は2012年6月16日に亡くなっています。また、同国のM.B.(こちらも復活後のニューエイジなスタイルとの時期)とも親交があり、コラボ作”Material Modulations”や”Spiritual Noises”と言ったものも出しています。私は、1980年代に国際コンピレーション・カセットで、初めてMOの音楽を聴いたのですが、それこそ暴力的なシンセノイズのド直球なトラックに打ちのめされましたね。
それで、本作品なんですが、曲名も何もクレジットがなく、ちょっと困ってしまいました。まあ、再発専門(?)の伊の浦島からの素っ気無い編集盤と言うことでご勘弁を。殆どの曲が、恐らくはカセットMTRで宅録され、ラジカセでマスターを作ったかのような、或いはラジカセ一発録りで作ったかのようなチープな音質なので、万人にはお薦めしませんが、マニアの人は是非とも!何だか短波ラジオらしきノイズを含めて、シンセと思われる不明瞭な電子ノイズやテープ音(多分ナチ関係?)が収められています。ただ、先述のようにペラペラの音質なので、正直言って迫力はイマイチです。一番最初に聴いたのが、先述の国際コンピだったので、どうにもこうにも、食い足りないですね。ただ数曲はちゃんとした録音とマスタリングをしてあるので、これはこれで、初期M.B.っぽくてカッコいいです。そんなレコード、聴いてみますか?(悪夢を見そうです!)

https://youtu.be/U40uKs2YyYo

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