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Bono / Burattini “Suono In Un Tempo Trasfigurato“
これだから、通販まとめ買いは、謎物件が含まれますね。全然、購入した覚えがありません!どうも、Bono / Burattiniが、コンビ名らしいです。それでちょっと調べてみました。コンピと書きましたのは、Ofeliadorme の創設者にして、Donnacirco collective のメンバーでもあるFrancesca Bono (Vo, Synth, Knd: 因みに女性です)と伊アヴァン・ロック・グループMassimo VolumeのメンバーのVittoria Burattini (Drs, Perc)の伊人グループのことです。真新しいデュオらしく、2023年のDiscongs上、まだ、唯一作みたいです。それで、先ず、Ofeliadormeと言うバンドは、2008年に伊Bologna(ボローニャ)で、ランボーの詩にインスパイアされて、Francesca Bono (Vo, G, Synth), Michele Postpischl (Drs), Tato Izzia (Synth-B, Synth, Electronics)によって結成されたオルタナ・バンドのことで、2009年にはシングルを出して、2011年にはデビューアルバム”All Harm Ends Here”を出しています。2016年までは何らかのリリースをしていますが、それ以降には途絶えているので、恐らく解散したのではないかと思われます。一方、Massimo Volumeは、1990年代に活発に活動していたBolognaのバンドで、伊で初めてスポークン・ワードを使ったインディー・ロックを演奏しており、1970年代後半〜1980年代前半の音楽、特に、Joy Divisionや伊のパンクバンドCCCP - Fedeli Alla Lineaに影響を受けたそうです。歌詞についても、伊の詩人Emidio Clementiに多大な影響を受けていたそうで、1992年にカセット作品を出してから、2011年に、Bachi Da Pietraとのスプリット・アルバムを出すまで活動していたらしいです。その後、セルフ・コンピ・アルバム” Lungo I Bordi / Da Qui”が出ていますが、新録アルバムは出ていないので、恐らく解散したのでしよう。以上が2人のバックボーンですが、今回、ご紹介するBono / Burattiniを組んだ経過については不明です。ただ、Bono / Burattiniは、前衛映像作家Maya Derenによる3本の作品①”At Land”, ②“Ritual in Transfigured Time”, ③“Choreography for Cameraの習作”にインスパイアされて、本作品の核心部分を作り上げたと言うことです(私はこれらの映像作品は観ていないので内容は不明)。と言う経緯で2人は音楽作品を作り上げたのだと思いますが、その実際の手順としては、これらの作品の参考地点を汲み取ることで、Burattiniが、独自のDrsのパタンを作り出しますが、それは、Bonoの風変わりなメロディやコズミックなサウンドスケープまたは鼻歌やコーラスワーク等のVoスタイルに、Burattiniが合わせる形で曲を作っているとのことです。その際には、有機的な楽器(Drs)と人工的な楽器(シンセやシーケンサー)をミックスして使い、彼等は、知らない世界のグルーヴや奇妙なノリ或いはSF的なエレクトロニクスを生み出し、その為か、Can, Gruppo Di Improvvisazione Nuova Consonanza, Suzanne Ciani辺りに近い音楽を作り出しています。 以上がBono / Burattiniのバックボーンとこのプロジェクトでの音楽コンセプトなのですが、2023年に出た本作品はそれらの結果と考えられます。では、本作品についてですが、両面とも5曲ずつ収録されていますので、各曲についてご紹介していきたいと思います。 ★A1 “Trick Or Chess” (5:19)では、先ず微音のビーコンから始まり、やがてスローなDrsがビートを、そしてシンセのリフが入って、そこに捩れたGソロらしき音が凄いエコーと共に挿入されてきます。ドラマチック! ★A2 “Le Ossa” (2:08)は、逆回転のイントロからポストパンクのようなDrsとBのリフ、そして鼻歌のようなBonoのVoとコーラスから成る曲で、雰囲気が良い。 ★A3 “Sogno Nel Vigneto” (3:18)は、シーケンスと四つ打ちっぽいDrsから成る曲で、中々イカした演奏を聴かせてくれます。Drs自体は禁欲的で、寧ろシーケンスが割とパタンを変えます。 ★A4 “Dinner Illusion” (3:18)も、シーケンスとDrsから成り、Bonoの透明感のある鼻歌(?)が伸び伸びと聴かれる曲で、独特の落ち着きを提示しています。 ★A5 “Stella” (3:41)は、籠った音色のDrsに、シンセとピアノが絡んでくる曲で、ピアノはリリカルなメロを弾いており、落ち着いてはいるものの、何か危機感を煽る雰囲気を感じます。 ★B1 “The Ballroom” (3:33)は、シーケンスで始まり、自在なDrsとBonoの多層化していく呟き等が被っていく曲で、2人のコンビネーションはバッチリです。 ★B2 “La Trama Del Desiderio” (4:33)も、単純なシーケンスからDrsと言うより「太鼓」が合わせる曲ですが、後半はシンセのパルス音とDrsで盛り上げます。 ★B3 “Dancing Demons” (3:28)は、怪しいフレーズのシンセがゆったりと鳴らされ、やがてシンセのメロディやコーラスも挿入されるスロー・バラードな曲です。 ★B4 “Your House Is A Ghost” (4:39)も、高らかなシンセ音で始まり、突然、エコーの掛かったハイハットと低音シンセが絡み、やがて四つ打ちっぽいDrsと大胆なシンセ音へと変わる劇的な曲です。 ★B5 “Waves” (2:41)は、ホワホワしたシンセとタムを多用したDrsの合奏曲で、小振りながら、最後に相応しい良曲となっています。 この2人と言う制限された編成の中で、如何に彼等が無駄を省いて、剥き身の音を出しているかが、良く分かる作品だと思います。確かにシーケンサーも使っていますが、所謂、シンセウェーブとかとは異なるミニマルではない自由な演奏で、恐らく曲もその形態の為に作られたものと思います。個人的には、シンセウェーブとは真逆のプログレ(特にKrautrock)とかSkeleton Crewのような音楽だと感じました。それと、Bonoは鼻歌やコーラスは演るものの全曲ほぼインスト曲と言うのも珍しいですね。その意味では、非常に稀有な存在だと思いますので、単なるポップとかシンセウェーブとかと思っていると、とんでもないしっぺ返しを喰らいますよ❗️ [live track: A1 “Trick Or Chess”] https://youtu.be/hmHj0Z4OkOQ?si=ug5MxB3VAWwD2ks1 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k2WDWLNlvZhtD9Q0xgqhLmi5HFJXIVIes&si=dXA_rWFUZeBbvAIF [BandcampのURLも貼っておきます] https://mapledeathrecords.bandcamp.com/album/suono-in-un-tempo-trasfigurato #Bono/Burattini #SuonoInUnTempoTrasfigurato #MapleDeathRecords #FirstAlbum #LimitedEditions #500部 #ItalianUnderground #FrancescaBono #VittoriaBurattini #NewDuo #ExperimentalRock #Krautrock #Ofeliadorme #IndieRockBand #DonnacircoCollective #MassimoVolume #AlternativeRockBand #Avant-FilmMaker #MayaDeren #AtLand #RitualInTransfiguredTime #ChoreographyForCamera習作 #FromVisialToMusic
Experimental Rock / Krautrock Maple Death Records 2420円Dr K2
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Gaznevada “Sick Soundtrack”
これも、何で買ったのか?謎の1枚です。伊のGaznevada (ガズネウァグ?)のセカンド・アルバム”Sick Soundtrack”を今回は紹介しましょう。余りに無知だったので、ちょっと調べてみました。元々は、イタロ・ディスコの古典とも呼ぶべき曲”Special Agent Man”や”I.C. Love Affair”で人気が出たバンドとして有名になったのですが、その元は、パンク/ニューウェーブ/ノーウェーブな領域から始まったミニマル/シンセウェーブ・バンドなんです。バンドは、1977年、伊ボローニャで結成されており、その時のメンバーは、Billy Blade (本名: Alessandro Raffini; Sax, Kbd, Vo), Andy Droid或いはAndrew Nevada (本名: Giorgio Lavagna; Vo, Electronics), E. Robert Squibb (本名: Ciro Pagano; G), Bat Matic (本名: Marco Dondini; Drs), Johnny Tramonta (本名: Gianpietro Huber), Nico Gamma (本名: Gianluca Galliani)でした。グループ名は、Raymond Chandlerの本”Nevada Gas”を文字って付けられました。1978年には、「Gaznevada、Ramonesを歌う」と言うコンサートをやっており、最初期は、Andy WarholのThe Factoryのような場所Traumfabrikを中心に活動していました。それで、1979年に伊の自主制作レーベルItalian Recordsの傘下Harpo's Musicから、セルフタイトルのカセット作品を出しています(後にLPで再発されています)。その後、メンバーの交代があり、Chainsaw Sally或いは或いはMarco Nevada (本名: Marco Bongiovanni ; B)が加入し、Johnny TramontaとNico Gammaが脱退しています。そうして、1980年に、本作品でもあるセカンド・アルバム”Sick Soundtrack”をItalian Recordsからリリースしていますが、前作がパンクっぽい荒削りな音作りだったのに対して、グッとニューウェーブ風の音作りになっています。この時のマルチトラックのマスターテープは紛失していた為、今回の再発にあたっては、バンドのメンバー自身による追加演奏を追加したと言う前代未聞のリメイク企画になっています。また、フリーキーなSaxやTalking Heads的なファンクネスも合わせ持っており、その3年後の、イタロ・ディスコ・ヒットとは同一バンドと思えない位、パンキッシュです。その後、1981年にミニアルバム”Dressed to Kill”を出しています。1982年には、Andy Nevadaを中心にサイドユニットThe Stupid Setが作られ、よりエレクトロな音楽を始めています。そうして、1983年に、アルバム” Psicopatico Party”をリリースし、そこからのシングルカット”I.C. Love Affair”が、イタロ・ディスコとして大ヒットします。その後、1985年に大手レーベルEMIからアルバム”Back To The Jungle”を、1988年には、CBSからアルバム”Strange Life”をリリースしていますが、これが最後のアルバムになり、バンドは解散しています。特に、イタロ・ディスコとの関係が出来た1983年以降は、随分とスタイリッシュな音楽になっています。 とまあ、伊語読めないので、これ以上はよく分かりませんが、大体のあらすじはこんな感じです。それでは、本作品”Sick Soundtrack”について紹介していきます。この時のメンバーはBilly Blade (本名: Alessandro Raffini; Sax, Kbd, Vo), Andrew Nevada (本名: Giorgio Lavagna; Vo, Electronics), E. Robert Squibb (本名: Ciro Pagano; G), Bat Matic (本名: Marco Dondini; Drs), Chainsaw Sally (本名: Marco Bongiovanni ; B)の5人組で、A面4曲/B面5曲が収録されています。裏ジャケとかにはデカデカと日本語でバンド名が書いてあり、インナーにも、日本語での歌詞カードも付いていますが、何だかそれだけでも「ゲテモノ」っぽい感じがプンプンしますね。それでは、各曲について紹介していきます。 ★A1 “Going Underground” (2:11)は、いきなりリズムマシンと生Drsの同期リズムで始まり、直覚的ビートとSaxとVoでかなりニューウェーブ的にカッコ良い曲です。Gのリフもグー! ★A2 “Japanese Girls” (4:34)は、ややゆったりとしたポストパンク的な曲で、Gの音色とSaxがそれっぽいし、リズムマシンも使っています。またディレイを掛けたVoが怪しげでもあります。 ★A3 “Shock Antistatico” (3:20)は、かなりカッコ良いGのリフが持って行くような曲で、The Contortionsっぽい。 ★A4 “Pordenone UFO Attack” (4:35)は、またまたニューウェーブ曲ですが、Gは更にThe Contortionsっぽグループなっています。また怪しげなKbdも良い隠し味です。最後のSEが如何にもです! ★B1 “Tij-U-Wan” (3:42)も、リズムマシンと怪しいメロディのKbdで始まり、その途中から急に激しい生DrsとGのリフでアップテンポの曲が始まります。 ★B2 “Oil Tubes” (4:30)も、聴き方によっては、コンピ”Clear Cut”に入っていそうな曲で、珍しく爽やかさを感じます。が、やはり体臭が匂ってきそう。最後は骨折しそうな曲調に! ★B3 “Nightmare Telegraph” (3:19)は、またまた重めのリズムマシンとペケペケのGで始まり、微かに聴こえるフリーキーなSaxがムチウチ起こしたJames Chanceのよう? ★B4 “Walkytalkin'” (3:03)は、如何にも陽キャなニューウェーブな曲ですが、オルガンがキャッチーな隠し味になっていますね。最後はテープの再生速度が遅くなります。 ★B5 “Now I Want To Kill You (Joe Takes The Machine Gun)” (4:24)は、どうもライブトラックらしいが、ドカドカしたDrsとSaxとBによるゴッツリした録音で、Voは何となくプレスリーっぽい? 歌詞がほぼほぼ全て英語なのはちょっとだけ残念だけれども、曲そのものは、ニューウェーブ的と言うか、バッチリと時代を反映しているようで、更にそこに汗臭い体臭を加えたような垢抜けない感じが如何にもイタリア産の音楽と言う感じです❗️まあ、あんまり真夏には聴きたくないかもしれませんが、こんな伊っぽいニューウェーブも偶にはいいんじゃないかな? B1 “Tij-U-Wan” https://youtu.be/XTl8T_Ij7ak?si=dczWHA-BEXlpuHJz [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lV-Rfa88I_tP6ZlsJaZBx2gm6jntMz9-w&si=wqVIfxPTxMYuXXok #Gaznevada #SickSoundtrack #ItalianRecords #Disordine #Reissue #Repress #NewWave #NoWave #Punkish #Italian #1980年 #BillyBlade #AndrewNevada #ChainsawSally #E.RobertSquibb #BatMatic #Italo-Disco
New Wave / Synth Pop Disordine (Italian Records) 2300円Dr K2
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Atrax Morgue “Necro Box”
とうとう買ってしまった!Atrax Morgueのボックス・セット❗️しかも、限定再発物件。まあ、Atrax Morgueの場合、Marco Corbelliが自死した後に、やたらとボックス・セットが出ているので、それらをコンプリートするつもりは無いですが、まあ纏めて聴きたいとも思ったので。Atrax Morgueのバイオグラフィーに関しては、以前にも紹介していますので、そちらをご参照下さい。少しだけ確認事項を書いておきますと、Atrax Morgueは、伊のMarco Corbelli (本名Marco Rotula)のソロ・ノイズ・プロジェクトで、活動期間は、1993年〜2007年で、2007年5月6日に首を吊って自死しており、それを持ってAtrax Morgueは終了しています。彼は、自身のレーベルSlaughter Productionsからも自分の作品を多数出していました。彼はアナログ・シンセと自らの声、そして簡素なエフェクトで、病的かつ極私的なパワー・エレクトロニクスの系譜を作っていました。それで、彼の死後、同じ伊レーベル浦島などが、沢山の再発やボックス・セットをリリースし、再評価されています。それで、今回、入手したのは、浦島からの木箱入り”Necro Box”で、これは再発物でもあります。内容は、Slaughter Productionsから出ていたカセット/CDR作品3つをLPとしてリイシューしたもので、LP1が、1993年リリースの”Necro-sintesi”、LP2が、1994年リリースの”Necrophiliac Experience”、LP3が、1995年リリースの”Basic Autopsy Procedure”となっており、いずれもSlaughter Productionsからカセット/CDR作品としてリリースされていた音源です。 LP1は、Atrax Morgueとしての、またSlaughter Productionsとしての一番最初の作品で、当時はc-60で、Lunus (Devis Granzieraのソロユニット)とのスプリット作品としてリリースされています。ここで聴かれるAtrax Morgueの音楽は、深いリバーブの中にのたうち回る不明瞭で不穏な電子音の咆哮であり、亡者の助けを求める呻き声のようにも思えます。多分、同じ伊のM.B.とかの先達の音(=ノイズ)を追認していったのだと思われます。B2 “Necro-sintesi”は鉄製の何かにコンタクト・マイクを仕掛けて録音しているようですが、やはり深いリバーブの中で悶える亡者達のような不気味な音楽です。かなりダウナーな音楽ですので、気が滅入りますので、ご注意を❗️ LP2も、Lunusとのスプリット・カセット(SPT16)からの抜粋で、元々は自身のレーベルSlaughter Productionsからc-60としてリリースされています。C1 “Macabro Orgasmo”では、アナログ・シンセの不気味な音響が全編に渡って延々と繰り広げられており、余り集中して聴いていると吐きそうになる位、病的な音作りをしています。また、LP1のような深いリバーブは、ここでは排除されています。また、非常に聴き辛いのですが、レイプシーンの歪んだテープ音が混ざってきます。C2 “Necrophiliac Experience 1”は、曖昧模糊とした音響を打ち砕くように力強い電子ノイズが入ってきますし、C3 “Necrophiliac Experience 2 (Part A)”でも不明瞭ながらもやや強度のある音響が聴取されます。D1 “Necrophiliac Experience 2 (Part B)”では、エコーを効かせた男性の語りから成るテープ音のみです。そして連続して、D2 “Necrophiliac Experience 3”では、延々と続くテープ音のショート・ループに、全ての業を破壊するようなアナログ・シンセの特攻が入ってきます。D3 “Necrophiliac Experience 4”は力強いが邪悪なシンセ音とテープの語り音とが拮抗して垂れ流されています。私個人としては、自分が1980年代に作ったカセット作品3部作”ZombieAnatomy”を思い出しました。それ位、悪趣味な音楽です❗️ LP3は、”Basic Autopsy Procedure/Homicide Texture”の名の下にセルフ・コンピとして自身のレーベルから出したCDR(SPCD33)からの抜粋となっています。まあタイトルが「基本的解剖手技」ですからねぇ。E1 “Sektion 1“はLFOを効かせたアナログ・シンセの単音から成り、延々と続く様が強迫的です。続くE2 “Sektion 2”も音程の一定しないシンセ音の不安定と言うか不安を掻き立てる音響の波状攻撃でウンザリします。F1 “Sektion 3”では、エフェクトを掛けたテープの語りとパルス的なシンセが淡々と流れていきます。そして、いきなり、F2 “Sektion 4”では強度を増したペニスの如く、アナログ・シンセが暴れまくっています。また、間の取り方が絶妙ですね。ところが、F3 “Sektion 5”では一転、LFOの効いたシンセが不安気に鳴らされて、やはりAtrax Morgueはこう言うダウナーな音作りが合うなあと納得して、このボックスは締められています。 総じて、このボックスを何回も続けて聴き直すのには、メンタルが強くないとダメだなあと思いました。それ位、病んでいる音楽を作り続けていたAtrax MorgueことMarco Corbelliの心の中は、一体どうなっていたのか?は想像するだけで、今となっては真意は不明です。ですが、このボックスには彼の初期の貴重な音源が詰まっていますので、心が強い時には是非とも体験して頂きたいですね‼️ まあ、とは言っても万人にはお勧めしませんが。 曲調です。 LP1 “Necro-sintesi” A1 “Segni Tanatologici Certi (Pt.I-II)” B1 “Process Ov Death” B2 “Necro-sintesi” LP2 “Necrophiliac Experience” C1 “Macabro Orgasmo” C2 “Necrophiliac Experience 1” C3 “Necrophiliac Experience 2 (Part A)” D1 “Necrophiliac Experience 2 (Part B)” D2 “Necrophiliac Experience 3” D3 “Necrophiliac Experience 4” LP3 “Basic Autopsy Procedure” E1 “Sektion 1“ E2 “Sektion 2” F1 “Sektion 3” F2 “Sektion 4” F3 “Sektion 5 LP1 “Necro-sintesi” https://youtu.be/0yKuyj3e3qE?si=_Uy_cIgIn73IV22V LP2 “Necrophiliac Experience” https://youtu.be/eB2kqb4Q69E?si=5G6XBQEE6rU1NvSO LP3 “Basic Autopsy Procedure” https://youtu.be/ONjHAsNGOPk?si=v0qu0ScHFnwLJIRd #AtraxMorgue #NecroBox #Urashima #WoodenBox #Reissue #DarkAmbient #Electronic #Noise #PowerElectronics #AnalogSynthesizers #Voice #Necro-sintesi #NecrophiliacExperience #BasicAutopsyProcedure #Negativity #Dark #Corpus #Death #1993年-1995年 #Cassettes #SlaughterProductions #Suicide #MarcoCorbelli
Power Electronics / Dark Ambient / Noise Urashima 3300円Dr K2
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V.A. “Rough Trade Shops: Post Punk 01” ist
Rough Tradeと聞いて、ナツいと思う方は多分45歳代より上かと思います(苦笑)。そんな熱い1980年前後に思いを馳せたような、懐かしい音源をジャンル別に紹介していくのが、Mute Recordsの”Rough Trade Shops”シリーズです。その中で、この”Post Punk 01”は、元々、2枚組CDとしてリリースされていますが、本アルバムはその2枚組CDのサンプラー的立ち位置にある訳です。なので、収録されているのは厳選された4組で、Gang Of Four, The Futureheads, World Domination Enterprises (以下WDEと表記), Bush Tetrasです。Gang Of FourやBush Tetrasは既に紹介していますので、The FutureheadsとWDEについて少し紹介しておきます。 それで、The Futureheadsですが、2000年に英国Sunderlandで結成されたポスト・パンク・バンドで、メンバーは、Ross Millard (Vo, G), David "Jaff" Craig (Vo, B), Barry Hyde (Vo, G), Dave Hyde (Drs)で後者の2人は兄弟です。彼等は、2002年にEP”Nul Book Standard”を、2003年にEP”1-2-3-Nul!”をその後にファースト・シングル"First Day"をリリースしています。そして、2004年9月にセルフ・タイトルのファースト・アルバムを679 Recordingsからリリースしていますが、その内、5曲をGang Of FourのAndy Gillがプロデュースしています。彼等は順調に活動していましたが、2013年に活動中止。その後、2019年に再結成して、現在も活動しています。 次に、WDEですが、1980年代後期に、ロンドンのLadbrokeで結成されたノイズ・ロック・トリオで、メンバーはDigger Metters (Drs), Keith Dobson (G), Steve Jameson (B ?)ですが、Donsonは、元々、Kif Kif Le Batteurと言う偽名を名乗って、スペース・サイケ・バンドHere & Nowでドラマーとして活動をしていましたし、Jamesonも、1976年には、Charmdale Recordsで音楽ビジネスに関わっており、後にRough Tradeの店員になり、更にはAlternative TVやThe Fallのライブ要員にもなっていましたが、2019初頭に他界しています。 それでは各曲の紹介をしていきたいと思います。 A1 Gang Of Four “I Found That Essence Rare”は、彼等のファースト・アルバム”Entertainment!”のB1にも収録されている名曲で、Andy Gillのギターのカッティングがシャープかつソリッドで、ダンサブルな曲です。因みにメンバーは、Jon King (Vo), Andy Gill (G), Dave Allen (B), Hugo Burnham (Drs)で、ファンクとパンクとダブが融合した音楽をやっていました。 A2 The Futureheads “Robot”は、彼等のセルフ・タイトルのファースト・アルバム及び彼等のファーストEPにも収録されている曲で、ドラムに焦点を当てているところは今風ですが、コーラスワークがイカした曲です。Kraftwerkの”Robots”とは全然違いますね。 B1 Bush Tetras “Too Many Creeps”は、彼等のファースト・シングルの曲で、元The Contortionsのスライド・ギターだったPat Placeを中心に出来たバンドで、この中では唯一の米国のバンドです。ファンキーて歪なダンス・ミュージックで、この曲も代表曲です。メンバーは、Cynthia Sley (Vo), Pat Place (G), Laura Kennedy (B), Dee Pop (Drs)です。 B2 World Domination Enterprises “Asbestos Lead Asbestos”は、地を這うようなベースと重いドラムに、かなりフリーキーなギターが暴れると言うドゥームな曲で、この中ではやや異質です。ヴォーカルも韻を踏んでいるようで、グーです。 まあ、CD2枚分の中から、たった4曲を選ぶと言うのは無理クリだとは思いますが、中々の選曲だったのではないでしょうか?まあ、CDを聴いた方が良いと言えば良いのですが、、、。入門編としては、この作品も良いと思われますので、未体験の方は是非、体験してみて下さい❗️ A1 Gang Of Four “I Found That Essence Rare” https://youtu.be/vTcVkpa2Z0c A2 The Futureheads “Robot” https://youtu.be/OV70MTvvXc4 B1 Bush Tetras “Too Many Creeps” https://youtu.be/PERvoP9YuM4?si=AuD0Ef6V-UoVxz9u B2 World Domination Enterprises “Asbestos Lead Asbestos” https://youtu.be/OlhiSIArIkU?si=1zt4m_UQZoyZIvQJ #VariousArtists #RoughTradeShops:PostPunk01 #MuteRecords #PostPunk #GangOfFour #TheFutureheads #BushTetras #WorldDominationEnterprises
Post Punk Mute Records 2000円Dr K2
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John Duncan + Stefano Pilia “Try Again”
このブツも当時、John Duncanの名前を見かけて購入したアイテムだと思いますが、すっかりどんな音楽だったのか?を忘れてしまったので、今回、再度、聴き直しました。John Duncanについては、既に何回かご紹介したいますので、彼の最近の活動と、今回の相方である伊ミュージシャンStefano Piliaについて、ご紹介したいと思います。Duncanは元々は米国カンサス州Wichita生まれの米国人ですが、1970年代から、LAでLAFMSと関わったり、西海岸で、パフォーマンスやコンセプチュアル・アート・シーンで活動を開始しています。しばしば、彼のパフォーマンスは、権力や権威或いは支配に対するものが多く、例えば、有名なのは「死姦パフォーマンス」で物議を醸し出しています。その後、日本に活動の拠点を移し、海賊ラジオやAQMレーベルを運営、その頃は、短波ラジオの音とビデオとを組み合わせたパフォーマンスをやっています。次に、彼は蘭Amsterdamへ、更に伊Udine、現在は伊Bolognaに居を構えて活動しています。近年では、歌詞を作り、歌を歌うと言った、これまでのコンセプチュアルな活動/作品の真反対の作風になっています。一方、今回のコラボ相手Stefano Piliaですが、彼は、1978年生まれの生粋の伊人で、1995年からBolognaに住んでおり、最初は、パンクやロック・シーンで、ギターやウッドベースを担当していました。即興と電子音響作曲との融合したような音楽をやっていた3/4HadBeenEliminatedを結成し、ソロでも活動していましたが、2008年からはMassimo Volumeと、2010年からはZaireと、その他にもDavid GrubbsとAndrea Belfiから成るBGPトリオやMike WattとA. Belfiとから成るil Sogno del Marinaioともコラボで実験ロック的な活動をやってきており、2012年からは、Rokia Traorèでもギターを弾いています。近年では、ギターやループ、フィールド録音或いは他のアコースティックな音源を使った緻密なドローン作品を作るようになっており、サントラの作製や、演劇や映画、朗読、ダンス或いはヴィデオ・アートのアーティスト達ともコラボをやっており、CDなども沢山出しています。また、David TibetやZ’ev, Rhys Chatamなどなど多くのミュージシャンともコラボをしています。直近ではサウンド・インスタレーションを演っているようですが、Wire誌などでは好評を得ています。 今回は、そんな2人のコラボ・アルバム”Try Again”をご紹介したいと思います。先ず、クレジットを見ると、John Duncan (Lyric, Vo, Mix)とStefano Pilia (Synth, Processed Recording, Mix)となっていることから、やはり、「歌物」と言うことが容易に想像できますね。それでは、各曲を紹介していきます。 A1 “Try Again”から始まる本作品は、多分、バックの茫漠たる霞みのような音像はPiliaによるモノと思いますが、そこに乗っかるハスキーな声で呟くように歌うのはDuncanでしょう。またヴォーカルを重ねて録音したり、念仏のように”Try Again”をひたすら繰り返すのも、何らかの効果を狙っているのでしょう。しかしながら、バックの音には、明確なメロディな無いのですが、何とも言えない哀愁(?)を感じますね。そして、唐突に簡素な打撃音のみで終わります。 A2 “The Reprisal”では、不明瞭なPC音やキックやパルス音と逆回転ヴォイス、更にはオルガンなどが絡み合って、活き活きした曲となっています。また、Duncanのヴォーカルも重ねて多重録音されており、これが摩訶不思議な効果を醸し出しています。 B1 “The Sellout”は、テープの低速回転と逆回転とから始まり、どんどん空間が捻れていきます。そして、ハスキーなヴォーカルが今度はメロディアスに歌い上げています。 B2 “Obsolete + Comeback”は、シンセ音の多重録音で始まり、その途中途中にエフェクト処理されたヴォーカルが挿入されてきますが、段々とスペーシーになったと思ったら、またもや朗読のようなヴォーカルとバックの煙のような音塊がくんず外れず絡み合っていきます。 B3 “Fare Forward”も、A1のようにまたまた茫漠たるバックの音とそれに寄り添うようなコーラス、そうして、語りのように一つ一つの単語をハッキリと発音するヴォーカルが入ってきます。もうここまで来ると泣けてきますね。本当に悲しい曲です。最後はコーラスでしんみりと終わります。 ここに来て、何故、John Duncanが歌物を始めたのかは、寡聞にして知りませんが、何か考えがあるのでしょう。元々、コンセプトをしっかりと立てて、パフォーマンスをするタイプのアーティストなので。しかも、歌詞はゆっくりで、発音もハッキリしています。これにも何か意図があるように思います。そんな謎解きを含めた面白い作品だと思いますので、近年のJohn Duncanのことを知りたいのであれば、是非聴いて、謎を解いて下さい‼️ *アルバム各曲のYouTubeのURLを貼っておきます。 A1 “Try Again” https://youtu.be/q7KIgkPGy9A?si=kaV0q_UkJG3DvwTW A2 “The Reprisal” https://youtu.be/0v2fCSb8Vlg?si=FSXgD6ujgt4d23CU B1 “The Sellout” https://youtu.be/l3IV-mcIIL8?si=PBvFBHBcMM8Z27MJ B2 “Obsolete+Comeback” https://youtu.be/5miJNdl4g5w?si=5yOBXQ_CWTPBkO3p B3 “Fare Forward” https://youtu.be/MSAS48YufOE?si=-SeZyCzt29TM-piE [BandcampのURLを貼っておきます] https://mapledeathrecords.bandcamp.com/album/try-again #JohnDuncan #StefanoPilia #TryAgain #MapleDeathRecords #US&Italy #Bologna #CollaborationAlbum #Noise #歌物 #Experimental #ConceptualArtist #Vocal #Lyrics #RockScene #SoundInstallation #Synthesizers #SoundProcessing #DarkAtmosphere
Experimental / Vocal / Noise Maple Death Records 不明。Dr K2
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Tasaday “Echi Senza Fine”
前から気になっていましたTasaday (「タサダイ」と読むらしい)をとうとう買ってしまいました。ただ、この作品はセルフ・コンピみたいで、今までのトラックにはリマスタリングしてあるとのこと。取り敢えず、Tasadayのバイオグラフィーを調べてみました。Tasadayは、1982年に伊Brianzaにて、2つのバンドDie Form (これは仏のPhilippe Fichotのユニットとは無関係です)とOrgasmo Negato (後のNulla Iperreale)とが合体して出来たバンドで、1984年にTasadayとバンド名を改名しました。1981年にDie FormがElectric Eye Recordsからカセット作品”La Dimensione Umana”をリリースしたことから始まります。その時のメンバーは、Abderezac Ahmed (Sax, Clarinet, Vo), Alessandro Ripamonti (?), Alessandro Ronchi (G), Carlo Ronchi (B), Roberto Girardi (Drs), Stefano Sangalli (Synth, Vo)でした。一方、同じ地域にOrgasmo Negatoと言うバンドもあり、Alessandro Ripamonti (Synth), Marco Camorali (B, Perc, Vo, others), Paolo Cantù (G, Drum Machine)がメンバーでした。これら2つのバンドはコラボをやるようになり、その時にはDie Form & Nulla Iperrealeと言う名称てした。そうして、伊ADNより”Tasaday”をリリース。1983年には、Nulla Iperreale名義でカセット作品“Da ricordare Il Nulla Che Attira A Se”を、またDie Form & Nulla Iperreale名義でカセット作品”La Parte Maledetta”及び“In Un Silenzio Oscuro”をADNよりリリースしています。その後、1984年にカセット作品”Aprirsi Nel Silenzio”をリリースしますが、ここで初めてTasaday名義となります。Tasadayとは、20世紀になってフィリピンのミンダナオ島で見つかった原始民族タサダイから取られました。この頃に、Einstürzende NeubautenやThrobbing Gristleから影響を受けて、アヴァンギャルドやフリー・ジャズの要素も取り入れて行きます。また、哲学者Heideggerや小説家/思想家Georges Bataille或いはNuovoシネマの監督Jean Baudrillardで理論武装しています。1984-1985年に、カセット作品”Tra Le Rovine Dei Sensi”と ”Implosione Tra Le Pieghe Dell'Anima”をリリースしており、更に同年には、カセット作品”Riflessi Sensibili”をリリースしています。1988年秋には、ADNの協力によって、”Decadenze-a-Dissonanze”と言うイベントを最後に行なっています。その後、Abderezac Ahmed, Roberto Girardi, Paolo CantùはTasadayを脱退し、新たにAfterhoursを結成していますが、Tasadayも残りのメンバーで現在も活動しています。 以上がTasadayの略歴になります。それで、本作品は、今まで多数リリースされていたTasaday名義の作品から、AsymmetricalことメンバーのGiovanni Ingleseによって曲をセレクトされたセルフ・コンピ・アルバムです。両面とも7曲が収録されています。アルバム名”Echi Senza Fine”は「果てしない木魂」を意味し、何だかロマンチックだなと思います。A1 “Il Principe Delle Modificazioni”, B2 “L'Isola Nuda”, B3 “Un Passo Precipitato”は、1985年のコンピ“V.A. “Anhelo” (Anhelo Tapes)から、A2 ”Il Respiro Si Blocca”, B1 “Spiragli In Spazi”は、1985年のコンピ“V.A. “Necronomicon 2” (Necronomicon)から、A3 “Il Castello (Dedicato A F. Kafka)”, A4 “La Notte è Piena Di Echi”, A5 “Madame Edwarda Parte 1”, A6 “Madame Edwarda Parte 2”, A7 “L'uomo è Morto”, B4 “Effigi Inquietanti”は、1984年のTasaday, Die Form & Nulla Iperreale名義の作品”Riflessi Sensibili (ADN)から、B5 “Al Dio Ignoto”は、Nulla Iperreale名義で、1984年のコンピ“V.A. “The Extinction”から、B6 “Potrebbe Dire Il Tipografo Hans”は、1988年のコンピ“V.A. “Nimramicha” (Aruru)から、B7 “Contenta Dei Deserti”も、1990年のコンピ“V.A. “Dreams Of A Child” (Minus Habens Records)からセレクトされています。 それで、内容ですが、チェーンのような金属音からシンセの電子音やパルス音或いははギターノイズまで色んな音を使ってるなと言う印象ですね。それとヘロヘロのヴォーカルと言うかヴォイスも印象的ですが、何処となくGenesis P-Orridgeっぽいとは思いますね。また演奏の方も諸ノイズ的ではなく、どちらかと言うと既存の楽器の変態的/変則的プレイが主体のように思われます。あと、明らかに、初期のEinstürzende Neubautenを意識しているような曲(メタパー叩いてる)もあり、彼等が大いに影響を受けたと言うのも納得です。ただ、少なくとも、Japanoiseの文脈での「ノイズ」ではないです。まあ元々がパンド形態でやっていたことも関係があるのでしょう。即興演奏的要素が強いですが、その分、録音にも凝っているところもあり、好感が持てます。まあ、1984年〜1985年位の曲が多いので、そう言う傾向にあるのでしょう。A7で女性ヴォイスが出てくるのですが、一体誰なんでしよう。あと、思ったのが、ドローン音を余り使わずに、パーカッシブな音を多用する点は、彼等の特徴ではあります。これもパンド経由なのからかなとも思います。しかしながら、個人的には「懐かしの1980年代ノイズ」って言う感じがプンプンすると感じます。こう言う音楽は、当時、流行っていたなあと。選曲も1980年代中期のものが多いのも、ちょっと嬉しいところです。なので、そこら辺に興味のある方は聴いてみてください❗️損はないですよ‼️ Tasaday live in Roma (2002年11月) https://youtu.be/S8EmtIEIZ5k ↓ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mYof9rIk7g2w7fxJc_KDhjb439JoyUCrM #Tasaday #DieForm&NullaIperreale #NullaIperreale #EchiSenzaFine #RawCulture #SelfCompilationAlbum #ADN #AnheloTapes #Necronomicon #Aruru #MinusHabensRecords #Asymmetrical #Industrial #Noise #Experimental #PostRock #AbderezacAhmed #AlessandroRipamonti #AlessandroRonchi #CarloRonchi #RobertoGirardi #StefanoSangalli #AlessandroRipamonti #MarcoCamorali #PaoloCantù #OrgasmNegato
Industrial / Experimental Noise Raw Culture 2700円Dr K2
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V.A. “391 | Selezione 2”
伊のSpittle RecordsのシリーズVoyage Through The Deep 80s Underground In Italyの第二弾です!特に、地域別と言う訳ではないのですが、CDでリリースされている”391”シリーズは地域別になっていますので、気になる方はそちらも要チェックですね。 それでは各曲を紹介していきます。 A1 Marginal Note “Rain Tells Stories“ : Gabrielle Bruzzolo (Perc, G Harmonics)とChristian Patat (G, Kbd, Vo)のデュオで、Trevisoで活動。1989年作、チャカポコしたデルソルなリズムの合わせて、カリプソな男性ヴォーカルが乗ると言う曲です。ラウンジ・ミュージックとネオ・アコのミッシング・リンク。 A2 Cauchemar “Fuga“ : Enrico Arias (G), Maurizzio Liguori (Kbd, Programming), Marco Tullio (B), Alberto Pietropoli (Sax)から成る4人組で、Bolognaで活動。1986年作で、ドラムはLinnDrumだろうか?最初はシンセのメロディが良いなと思っていたら、結構、ギターとか弾きまくってます。またサックスもムーディで、良い感じのインスト曲です。良質なラウンジ・ミュージックかな?Tuxedomoonにやや近いか! A3 Alphaville “Tonino Spara (La Polizia Risponde“ : メンバーはFranco Bolelli (Ghost Writing, Scratch Box), Luca Majer (Tapes, Drum-Box, B, G), Paola Vanzetti (B), Tonino Curagi (Alto Sax)の4人組で、Milanoで活動。1983年の曲で、ラウンジ・ミュージックのような落ち着いたインストの音楽に仕上がっています。こんな音楽も伊の地下音楽だったんですね。 A4 Angelo Vaggi “The Two Sides Of The Moon“ : Angelo Vaggi (Synth, Samples, B, G)で、JFK (Vo)が参加。Vaggiは、1970年代に活動していたFourth Sensationと言うバンドのメンバーでもあります。Milanoで活動。1988年作、細かいシーケンスから始まって、突如、結構カッコ良くて、ダンサブルなドラムやギターなどのバックに、演説(? これがJFK[ケネディ大統領]ってこと?)のサンプリングから成る曲に変わります。 A5 Mr. Andrew “New York“ : 本名Andrea Piccitto (Vo, Synth, Programming)で、Bolognaで活動。1983年の曲で、ミニマルなシーケンスとドラムマシン、可愛らしいシンセのリフに、やや粗暴な男性ヴォーカルで、宅録感が溢れていますが、メロディは秀逸で、全体の印象はシャレ乙ですね。 B1 Modelli Prodotti “Jessica“ : Aldo Bruschi (G, Synth, Vo, Beat-Box), Riccardo Castald (Drs), Marco Lavagetto (Synth, Tapes, Vo)のトリオで、Genovaで活動。1982年作の未発表曲。ディレイの掛かったシンセの上昇するパルス音を中心に進行するやや実験的な音楽で、個人的には松武秀樹氏の”Loop”を想起しました。 B2 East Wall “Guardami Ancora“ : 元Kirlian CameraのKbdだったFabrizio Chiari (Kbd)とWilma Notariとが1982年に結成したダーク・ウェーブ・デュオ。後にKirlian KameraのAngelo Bergaminiのアレンジとシンセのヘルプでリクルートしてきています。1985年にシングル“Eyes Of Glass”でデビューし、独で成功を収めています。1991年には、メンバーは、Fabrizio Chiari (Kbd), Tiziana Wells (Vo, Synth), Gianni Defelici (Kbd)でバンドとなり、Parmaで活動。その年に、アルバム”Silence”をセルフ・リリース。タイトル曲は元々Kirlian Cameraの曲で、定番のRoland, Yamaha, Oberheimのシンセで作製されています。1977年の曲。これまた結構、ダンサブルな電子音とシーケンスによる展開が面白いです。マリンバのリズムや伸びやかな女性ヴォーカルもグッドです。 B3 Lynx Avenue “Inside Memories“ : Massimo Gusella (Drs), Paolo Milani (Sax), Michele Perli (Vo), Michele Piovesan (G), Giovanni Reginato (B), から成る5人に、今回はSteve Dal Col (G)がゲスト出演しています。Bassano Del Grappaで活動。1984年の曲。これまた、オシャレで良質なラウンジ・ミュージックで、ムーディなサックスまで入っています。また、途中で転調するアレンジも見事です。 B4 Opium Club “I.C.E.“ : Omar Codognotto (Synth, Drum Machine)とGiampaolo Diacci (B, G)のデュオで、VeneziaのMestre地区で活動。1989年作、ピアノみたいな音でシーケンスを組んで、結構、カッコ良い、勢いのあるインスト曲に仕上げています。ギターのカッティングもフリーキーでカッコ良いです。 B5 La Cosa “9/8“ : Thomas Baierline (Sax), Tony Bek (B), Guiseppe Belluardo (Drs, Perc), Michele Calzavara (Kbd, Synth), Lorenzo Monguzzi (G, Vo), Piero Mucilli (Piano)の6人組で、Milanoで活動。1989年の曲で、細かいドラムとスラップ奏法も使うベースの上に、ゆったりとした爬虫類系の男性ヴォーカルやサックスが乗るスタイルで、落ち着かないラウンジ・ミュージック?とも言えるかな。 第二弾も中々、楽しめました。こちらの方が、ラウンジ・ミュージックっぽい大人し目の曲が多かったですが、この時代だからこそ、そう言う音楽も地下で活動していたのだと思います。また、日本のD.D. Recordsなんかとの共通性もあって、興味深かったです。やはり、どの国も1980年代の地下音楽は面白い❗️さあ、皆さんも聴いてみて下さい! B3 Lynx Avenue “Inside Memories“ https://youtu.be/SDMAQPCbvAA B5 La Casa “9/8” https://youtu.be/ez6pn3DbGA4 Bandcampのリンクも貼っておきます。 https://spittlerecords.bandcamp.com/album/v-a-391-selezione-2 #VariousArtists #391|Selezione2 #VoyageThroughTheDeep80sUndergroundInItaly #SpittleRecords #1980年代 #Compilation #PierpaoloDeIulis #GianlorenzoGiovannozzi #391Project #MarginalNote #Cauchemar #Alphaville #AngeloVaggi #Mr.Andrew #ModelliProdotti #EastWall #LynxAvenue #OpiumClub #LaCosa
Synth Wave / New Wave / Rouge Music Spittle Records 3000円Dr K2
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V.A. “391 | Selezione 1”
伊Spittle Recordsが放つ、1980年代伊地下音楽への航海Voyage Through The Deep 80s Underground In Italyシリーズの第一弾が、”391 | Selezione 1”です。そもそも、この391プロジェクトは、1983年に始まっています。伊の奥地の何もない街Ascoli Picenoから来た2人のティーンエイジャーPierpaolo De IulisとGianlorenzo Giovannozziが、伊の地下音楽をスナップショット的に集めたコンピ・カセットをやろうとした計画のことなんだそうです。そのタイトルは、Francis Picabiaが編集していた雑誌”New York Dada”と同様にして、伊の端っこの方の地方都市別に存在する○○ウェーブとかポスト・パンクのバンドの音楽を集める意図で、当時のイタリア・フリンジ・ミュージック・シーンを地域別にまとめてみて、その地図を作ろうとした目的も含まれていました。多分、彼等は、1977年のパンクの勃興以降に芽吹いた新しい音楽/ロックのアイデンティティを最も明確に表せられるじゃないかと考えた訳です。いざやってみると、膨大な数の音源が集まったのは良かったのですが、計画自体は1985年に頓挫してしまいます。その直前に、丁度、Marche地方とUmbria地方の分から成る最初の2巻分はリリースされていました。そうしている内に、Spittle Recordsの新しいシリーズと一緒に、彼等2人がやったプロジェクトを上手く結び付けられないかとの提案があり、それで、2人は、30年以上経って、まだ未発表の伊のディープな地下音楽を掘り返すべく、391プロジェクトを再開したと言うことで、今回、LP2枚分の音源をリリースすることができたと言う訳です。 ちょっと、前置きが長くなりましたが、それぞれの内容について紹介していきたいと思います。今回は、”Selezione 1”収録分です。 A1 The Gam Ones “Take Me Soon“ : VeniceのLivorno地区で1983年に結成されたバンドで、メンバーは、Fabrizio Marinari 'J. Inox' (Vo), Stefano 'Steve' Lunardi (G), Rolando 'Roli' Calabrò (B), Sergio Adami (Drs), Mirco Pacini (Perc)。Livornoで活動。1984年の曲で、ダンサブルなポストパンク調の伸びのあります。 A2 VCO “Radiomad“ : VeniceのMestre地区のNew Waveで、Gianni Visnadi (Electronics, G, Objects)とMassimo Zennard (Kbd, Synth, Vo), Pippo Monad (B)のトリオ。VeneziaのMestre地区で活動。1981年の曲で、リズムボックスにスラップ奏法のベースの組合せから成り、こちらもダンサブルです。ラジオ音やシンセ音を使っているところが一味違うようです。 A3 Next “Living In Tobruk“ : Andrea Bartoli (Drum Machine, Programming)とGiulio Curiel (Synth, Programming, Vo)のデュオでTriesteで活動。1984年の曲で、1984年の未発表曲で、ピコってるドリーミーなテクノポップです。最初期のDepeche Modeっぽい。 A4 Reverie “The Only Tam-Tam In Town“ : Marcello Luce (Synth, Programming, Vo), Ivan Calligari (Synth), Vladimiro Duna (Vo)のトリオで、Bresciaで活動。1986年の曲ですが、こちらは硬派なビートが効いたEBM的なシンセウェーブです。ヴォーカルスタイルを含めて、少しHuman Leagueっぽいかな? A5 Shaming Borsalino “Dea No” : Vincenzo Vasi (Vo, B, B-Synth, Drum Programming, Lyrics), Piero Mambelli (Programming, Lead G, Kbd), Roberto Bucci (Rhythm G), Valerio Vasi (Perc)の4人組で、Riminiで活動。1986年の未発表曲で、ミディアムテンポで、じっくり聴かせる良質なポップミュージックです。 B1 XIF “Your Game“ : Ugo Solenghi (Vo, Lyrics), Ivan Cattaned (Electronics), Valter Cattaned (Electronics)のトリオで、Parmaで活動。1989年の曲。リズムもシンセで作り込んでいると思われる、ちょっと変わったシンセウェーブで、「数学的」な曲。ヴォーカルも語り口調です。 B2 Centro Uh! “Japanese Match (抜粋)” : Angelo Pretolani (Vo, Drum Machine, Lyrics), Roberto Rossini (Kbd, Vo), Marco Canepa (Kbd, Tapes, Sound Engineering)のトリオで、Genovaで活動。1981年作。逆回転ヴォイスから始まり、ホワイトノイズとアジテーション調のヴォーカルの絡みへ、更にパーカッションとシンセの絡みへとなる、やや実験的な曲です。出来れば全部聴きたかった。 B3 Catene Della Cresima “Zilpha Marsch” : Massimo Braghieri (Kbd, Programming)とAlberto Callegari (B, G, Programming)のデュオで、Piacenzaで活動。1987年の曲です。Braghieriは、現在、彼はLondonを拠点にDJやプロデューサーとして活躍しています。ここでの曲は、ポップと言うよりもインダストリアルのように重めのリズムと変調ヴォーカルが特徴的です。 B4 Celery Price “Tra Il Mare E la Notte“ :メンバーは、Francesco Pirro (Kbd, Programming), Graziano Marchetti (B), Marco Sabatini (Vo), Mauro Pettirossi (Kbd)の4人組でOsimoで活動。1988年の曲で、ゆったりと流れるようなアンビエント色が強いシンセ音ですが、後半はビートもあって、スポークン・ワード的ヴォーカルとマッチしています。この時期になると、リズムはヒップポップ調ですね。 と言う訳で、Selezione 1の方を聞いてきましたが、驚いたのは、どれも音が良いと言うこと。まあマスタリングにもよるのでしようが、こんな良い音で、当時の音楽を聴くことができるのには感謝です。多分、音源を集めていた2人の趣味もあるとは思いますが、バンドらしい感じの曲が少なく、宅録派(実際にはライブもやっていたんでしようが)の曲が多かったのは、個人的には楽しめました。こう言う企画が世界で行われて、再評価されることを強く望みます‼️ A1 The Gam Ones の他の曲”Wild Game https://youtu.be/Jd3sLr5eAzg Bandcampのリンクも貼っておきます https://spittlerecords.bandcamp.com/album/391-selezione-1 #VariousArtists #391|Selezione1 #VoyageThroughTheDeep80sUndergroundInItaly #SpittleRecords #1980年代 #Compilation #PierpaoloDeIulis #GianlorenzoGiovannozzi #391Project #TheGamOnes #VCO #Next #Reverie #ShamingBorsalino #XIF #CentroUh! #CateneDellaCresima #CeleryPrice
Synth Wave / New Wave / Post Punk Spittle Records 3000円Dr K2
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M.B. “Verrückt”
これは、都市伝説かもしれませんが、1987年に、日本のCriminal Partyと言うノイズ・ユニットが、伊のインダストリアルの重鎮Maurizio BianchiことM.B.とスプリット・カセットを出したと言う話しがあります。この話しの真偽については色々と囁かれていますが、私はこの事に関してはどうでも良かったんですが、ここに来て、M.B.側が、このスプリットに提供したとされる曲を抜粋して、リリースしてきたことに驚きました。と言う訳で、今回は、その噂の作品”Verrückt”を購入してしまいました。M,B.については、既に、そのバイオグラフィーは紹介してありますので、詳細は以前の記述を参考にして下さい。 それで、今回は、先述のように、幻の音源とされたCriminal Partyとのスプリット・カセットからの抜粋になります。A面B面とも”Verrückt A”とされていることから、元曲は1曲であった可能性が高いと思われます。なお、ここでのM.B.の演奏は、MadeletronicsとCrazynoisesと表記されていますが、正直、余りM.B.っぽさを感じないです。また、1987年と言うのは、M.B.自身が音楽をやめていて、「エホ○の証人」に加入していた時期ですので、本当に彼の作品かどうかも疑わしいです。それでも、聴いてみると、やはりM.B.っぽい音の腐り方(これは良い意味で)はしていますが、ちょっと単調な感じもあるようにも思えます。それでも、B面の方が「よりM.B.っぽい」かな? ん〜、この音源については思わず唸ってしまいました。M.B.第1期最後の作品”Armaghedon”の路線に近いような気はしますが、何とも言えません。しかしながら、この音源を、Bianchi自身がOKを出して、再発したと言うことは、この音源は紛うことなきM.B.の音源であると本人が認めたことを意味しますので、そう言うことなんでしよう。まあ真実は分かりませんが、信じて聴きましょう❗️因みに、これは88部限定ですので、聴いてみたい方はお早目に! 今回はYubuteにもBandcampにも無かったので、音源は貼ることができませんでした。 #M.B. #Verrückt #St.An.Da. #MaurizioBianchi #CriminalParty #1987年 #SplitCassette #Reissue #LimitedEdition #Noise #ElectronicNoise #Madelectronics #Crazynoises #都市伝説
Electronic noise St.An.Da. 3597円Dr K2
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Mauthausen Orchestra “Bloodyminded”
出ました!極悪パワ・エレの真の継承者、伊の Pierpaolo Zoppoのソロノイズ・ユニットMauthausen Orchestra (以下MOと表記)のカセット音源のLPとしての再発盤です。バイオグラフィーは既に書いてあると思いますので、そちらを参考にして下さい。また、この人も死に見せられたのか、2012年6月16日に他界しています。A面は、ガサガサとささくれだった電子音に野卑なくVo及びテープ音が乗ると言う構造ですが、MOは、Atrax Morgueとは異なり、バックの電子音は、まるでラジオの音のように雑でペラペラです。まあそこが特徴と言えば特徴なんですが、今一つ「音の強度」が無いようにも思えます。しかし、逆にそれが「病的」とも言える訳ですよね。また曲名もなく、素っ気ないデータがまたまた謎を呼ぶのかもしれませんね。B面は遅い速度の電子音から成り、かなりダウナーな電子音の垂れ流しになっています。それが悪いか?と言えば、この腐食した電子音こそがMOの特徴であると言えるのかも知れませんね。なお、B面3曲目の最後の曲は、衰弱し切ったパワ・エレ(パワーレス・エレクトロニクス?)となっています。まるでラジカセでマスター作っているかなようです。そんなMOの代表作に興味を持たれた方は聴いてみて下さい。これもダークな音楽なので、精神的に安定している時に聴くことをお勧めします。 https://youtu.be/dLt0ptltJm4 #MauthausenOrchestra #BloodyMinded #Urashima #AquiliferSodality #PierpaoloZoppo #PowerElectronics #Synthesizers #PowerlessElectronics #Reissue #Remastering
Noise Urashima (Aquilifer Sodality) 不明。Dr K2
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Atrax Morgue “Esthetik Of A Corpse”
伊の極悪ダウナー系ノイズを発信し続けたMarco CorbelliのソロノイズユニットがAtrax Morgueです。彼自身もレーベルSlaughter Productionsも運営しており、極悪ノイズ作品をリリースしていました。ただ、彼は、死に取り憑かれたのか、2007年5月6日に首を吊って自死しています。余りにも死とかネガティブな事象を身に纏ったのも、彼の人生に影響を及ぼしたのかもしれませんね。Slaughter Productionsは1990年代のパワ・エレ(パワー・エレクトロニクス)のカセット・カルチャーを支えた貴重なレーベルであったと思います。ここら辺はスプラッター・ムービーの多い伊の国民性とも関係があるのかもしれませんね。そんな彼の1994年作のカセットアルバム”Esthetik of A Corpse”を、同じ伊の再発レーベルUrashima (浦島)がLPとして再発したのが、本作品になります。タイトルは「死体の美学」と言う意味だろうか。何とも言ってくれるではないか❗️カセット音源にしてはクリアーな音で、恐らくリマスリングしたものであろうが、前回紹介して作品よりも聴き易い。内容は、基本的に太めの単音シンセの持続音或いは、それにスクリームや呟きのようなVoと言う構成。削ぎ落として、尚且つ説得力のある音楽です。これが、第二世代のパワ・エレ(ダーク・エレクトロニクス)と言えるのではないでしょうか❗️いきなり、ダウナーなシンセ音から始まって、気分の高揚は一切無いです。このシンセのトーンの選び方は彼独特のもので、ある種の「天才」かもしれませんね。そう言えば、彼が活動を始めた時に、手紙(或いはメール)をもらったんですが、「私はアナログ・シンセの音しか信用しない」とのコメントが付いていたことを思い出しました。本作品はセルフ・コンピではなく、元々1本のアルバムをそのままヴァイナルにしていますので、全体の統一感もあって、素晴らしい出来栄えです、もし貴方が、このようなダーク・エレクトロニクスに興味が有れば、本作品から入るのも良いかも(ただし、精神的に不安定な時は避けた方が良いでしょう)。 https://youtu.be/T3q9PeTsiK0 #AtraxMorgue #EstetikOfACorpse #Urashima #SlaughterProductions #MarcoCorbelli #Reissue #Remastering #DarkElectronics #Synthesizers #Voice #PowerElectronics
Noise Urashima (Slaughter Productions) 不明。Dr K2
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Y Creat “The Blue Tape” I
これは視聴して気に入ったので、購入したアルバムです。このバンドや作品の詳細は全然知らなかったので、少し調べてみました。このY CreateはオランダのHessel Veldmanのカルト的ソロ・プロジェクトなんですが、1980年代から活動している人で、このY createでは、彼以外は、毎回、違うメンバーで構成されているようです(或いは、Herman te Looとのデュオとも言われてます)。HesselとNick Nicoleが1982年に開始したレーベル/スタジオ(と言っても、Hesselのアパートのリビングのことらしい)/アーカイブの総称のExartに関わっていたミュージシャン達から選んでいたそうです。そうして、彼等は即興的或いは楽譜による作曲に基づいて、毎週木曜日にHesselのアパートのホーム・スタジオで演奏を行い、それらを全部録音していたとのことで、その一部がこのレーベルからリリースされてきています。Hesselは結構「反復パータン」が好みで、それをギター、ベース或いはシンセで演奏しており、特に、KORG MS-20とRoland Junoでそのようなパターンを演奏していました。ここでは、その反復パターンに彼のSoprano Sax、時にVoiceなども含めて録音されています。そしてリズムマシンとして、Roland TR-606が使われています。その演奏などは全部録音されており、Hesselは1週間かけて、吟味し、Y Createの相棒でもあったHerman te Looと、次の「木曜セッション」の前に、ミックスについてディスカッションしています。その中で充分に練られた結果が、コンパイルされて、Exartから3本のカセット作品としてリリースされています。因みに、Y CreateのYは二人の故郷でもあるYmuidenの頭文字だそうです。今回の作品は、この内の”Blue”の初のVinylでの再発ですが、それ以外には”Green”と”Grey”があり、更に催眠的だそうです。このカセット3部作はHesselとHermanが1984年に始めたバンド、Gorgonzola Legsの下地になっているとのこと(私は未聴)。大体の活動で、分かっていることは以上になります。 それで、本作品ですが、単調でダルなリズムマシンとシンセやベースなどの反復音は確かに「催眠的」ではありますが、そこにSaxが即興的に絡んでくるのは独特な音世界を作り出しています。デュオでの演奏は、時にTuxedomoonやWireのようにも聴こえたかもしれませんが、Hesselはそのようなバンドを模倣している訳ではなく、独自の演奏にしているだけであるとしています。何となく、1980年代にあった、靄の掛かったような音質が、ちょっとしたユーモアと共に、ヴィンテージな電子楽器にて表現されているようです。まあ、曲名は付いていませんが、一曲一曲が短いので、然程、退屈しません。そんなDIYな匂いがプンプンする音楽を欲している方は是非、聴いてみて下さい。それにしても、オランダはDe Fabriekなど、独自の進化を遂げたバンドや活動が多いですね。私も活動時期が被っていますが、このY CreateやExartは全然知りませんでした。 https://youtu.be/bDhZy_NPiQQ https://youtu.be/4BTK79EAxhw #YCreate #TheBlueTape #LesGiants #ExperimentalPop #Industrial #HesselVeldman #HermanTeLoo #Exart #DutchScene #Hypnotic #DIY
Experimental Pop Les Giants ?Dr K2
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V.A. “Strength”
これは、レアな国際コンピですよー。首謀者は伊のAzteco Records。集まったのは、仏DDAA, 伊TAC, 蘭De Fabriek, 西独P16.D4, 仏Vivenza, ベルギーHuman Fleshの6組です。先ずは、A1はD.D.A.A. (Deficit Des Anees Anteriures)で、何だろう。Avant-Popと言えば 良いのかな。レトロなリズムボックスの音に合わせて、男女のVoが絡み合い、次第にギターノイズに埋もれてしまい、残った音はトルコのマーチのような曲を奏でている.A2, 3はT.A.C. (Tomografia Assiale Compiterizzata)で、コロコロとしたバックの音に、死にかけたようなVoが小声で呟く曲と日本の祭囃子のようなパーカッションと声明のような唄から成る曲を収録。A4はDe Fabriekの”Chase 2000”。何だか、T.G.を思わせるようなのたくった電子音にエコーをかけたコルネット様の電子をから成る曲で、途中から入ってくるギターのリフもノイジーでやがて渦巻きのように一緒に舞い上がるトルネード・ノイズな曲です。B1はP16.D4で、エコーを利かした空間での金属音と動物のようなうめき声に合唱団のが加わり、一種異様な雰囲気を持った曲です。B2はVicenzaでいつものように金属音/機械音をループにホワイトノイズが絡む、如何にも彼等らしい曲です。B3,4,5はHuman Fleshで、B5 “Revolts”は彼等らしい、Roland TR-606と思われるリズムボックスに合わせたシンセのリフ(? メロ)が重層されるヒプノティックな曲、B4 “Idiom”ではエコーを効かせたヴォイスからなる曲で、如何にも欧州っぽい。と言う内容ですが、当時はまだ、曲をデータで送れる訳も無く、メールもまだ一般的ではなく、郵便で連絡を取るしかなかったんです。なので、このようなコンピは参加者は一曲入魂で送ったものです。1980年代後半の地下音楽をに触れたければ、このコンピなんかは良い作品と思いますので、是非❗️ https://youtu.be/ujPvJN3YfSE #Strength #Compilation #AztecoRecords #D.D.A.A. #T.A.C. #DeFabriek #P16.D4 #Vivenza #HumanFlesh #International #European #industrial #Noise #Minmal
Experimental / Pop / Industrial Azteco Records 不明。Dr K2
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A.T.R.O.X. “The Night’s Remains”
A.T.R.O.X., このバンドは全然知りませんでした。なので、今回、初めて聴きますし、少し調べたみました。この作品でのメンバーは、Max Marchini (B, Kbd, Toy, Perc), Pier Luigi Andreoni (Vo, Kbd, Drum Machine, Perc, Vocoder), Marino Benvisi (G, Perc), Alberto Andreoni (Vo, Kbd, G, Perc), Francesco Paladino (Vo, Perc)とクレジットされています。バイオグラフィーを書こうと思ったんですが、1982年の伊のアングラ・シーンなんて、早々分かるはずもなく、調べた範囲で書いておきますね。このA.T.R.O.X.は、伊の前衛音楽グループThe Doubling Ridersやニューウェーブ・バンドLa PattonaのメンバーてあったFrancesco Paladino & Pier Luigi Andreoniが活動初期に率いていた同国の80年代初頭のポスト・パンク/ニューウェイヴ・シーンの伝説的なバンドであるようで、本作品も元々は、Trinciato Forte Recordsからの盤を2015年にSpittle Recordsがリイシューしたものです。Roger Enoとの共作も知られるマルチ奏者/作曲家のPier Luigi Andreoni、現在も活動を続けるその盟友なFrancesco Paladinoがメンバーであったこともあり、読み直しの進んだ伊の地下音楽シーンの中で、ミニマル/エクスペリメンタル/シンセ・ポップの代表のような存在でした。本作品、彼等のファースト・アルバムであり、典型的ニューウェーブから逸脱し、早くからシンセを導入、伊のバンドらしい越境的なアヴァン・ポップと独自のイマジナリーな音が融合した記念碑的アルバムと言われてます。そんなこととはつゆ知らず、購入した訳です。内容を私は個人的な感想から言うと、そんなにシンセ・ウェーブな感じはなく、寧ろ、ミニマル・ウェーブな感じが強いですし、当時一番安かったDR-55と思われるチープなリズムボックスを使っており、宅録感満載の音作りを始終しているようです。少しだけ、仏のDDAAなんかを思い起こさせました。しかしながら、この時期に既にニューエイジと言うかアンビエントな音作りをしていたのはちょっと驚きました。こう言うポップミュージックって矢張り普遍なものなのですね。もし、機会が有れば、手に取って聴いてみて下さい❗️(因みに、Atroxと言うノルウェーのプラック・メタル・バンドもあるので混同しないように!) “Carnival Foods” https://youtu.be/SA2Zouna9BA “The Night’s Remains” https://youtu.be/EWpjWvkazNQ #A.T.R.O.X. #TheNight’sRemains #SpittleRecords #NewAge #宅録 #Italy #Underground #MinimalWave #FrancescoPaladino #PierLuigiAndreoni
Experimental Pop Spittle Records (Trinciato Forte Records) 2240円Dr K2
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Holiday Inn “Torbido”
Holiday Innと聞いて、思い出すのは、Stereo TotalのアルバムかそれともThe Human Leagueの12㌅EPかどちらかでしたが、これからはこのバンド(?)も思い出すようにしましょう!と言う訳で、イタリアのミニマル・実験ポップ・デュオHoliday Innの登場です。メンバーーはマルチ奏者のBob Junior(本名Emanuel Bonetti)とヴォーカルのGabor(本名Gabriele Lepera)から成る二人組ですが、殆ど情報がありません。なので、バイオグラフィーも書けないです(すまん!)。Bobは元々は仏パリ出身なのですが、2000年より伊ローマに移っており、2012年にMy Own Private Recordsと言う個人的なDIYカセット・レーベルもやっています。 内容は、完全にLo-Fiなミニマル・シンセ・ウェーブです。リズムボックスにミニマルでひび割れたオルガン或いはシンセの電子音、それに矢張りひび割れたヴォーカルが乗ることで、曲が展開していくと言うと聞こえがいいですが、要は、宅録感満載なところがこのデュオの持ち味なのでしょう。それで、展開らしい展開もなく、同じシンセのベースラインが繰り返されるだけなのですが、ただ、ちょっとだけSuicideを思い起こすところがあり、その点でも得点が高いですね。もし貴方が、ここら辺の情報にピクって反応しましたら、是非一度は聴いてみて下さい。そんなデュオみたいですよ。 https://youtu.be/qMNee1XVP1E #HolidayInn #Torbido #Avant! #MapleDeathRecords #Minimal #SynthWave #Lo-Fi #BobJunior #Gabor #Italy #HomeRecording #宅録
Minimal Synth Wave Maple Death Records (Avant!) 1700円Dr K2