Gaznevada “Sick Soundtrack”

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これも、何で買ったのか?謎の1枚です。伊のGaznevada (ガズネウァグ?)のセカンド・アルバム”Sick Soundtrack”を今回は紹介しましょう。余りに無知だったので、ちょっと調べてみました。元々は、イタロ・ディスコの古典とも呼ぶべき曲”Special Agent Man”や”I.C. Love Affair”で人気が出たバンドとして有名になったのですが、その元は、パンク/ニューウェーブ/ノーウェーブな領域から始まったミニマル/シンセウェーブ・バンドなんです。バンドは、1977年、伊ボローニャで結成されており、その時のメンバーは、Billy Blade (本名: Alessandro Raffini; Sax, Kbd, Vo), Andy Droid或いはAndrew Nevada (本名: Giorgio Lavagna; Vo, Electronics), E. Robert Squibb (本名: Ciro Pagano; G), Bat Matic (本名: Marco Dondini; Drs), Johnny Tramonta (本名: Gianpietro Huber), Nico Gamma (本名: Gianluca Galliani)でした。グループ名は、Raymond Chandlerの本”Nevada Gas”を文字って付けられました。1978年には、「Gaznevada、Ramonesを歌う」と言うコンサートをやっており、最初期は、Andy WarholのThe Factoryのような場所Traumfabrikを中心に活動していました。それで、1979年に伊の自主制作レーベルItalian Recordsの傘下Harpo's Musicから、セルフタイトルのカセット作品を出しています(後にLPで再発されています)。その後、メンバーの交代があり、Chainsaw Sally或いは或いはMarco Nevada (本名: Marco Bongiovanni ; B)が加入し、Johnny TramontaとNico Gammaが脱退しています。そうして、1980年に、本作品でもあるセカンド・アルバム”Sick Soundtrack”をItalian Recordsからリリースしていますが、前作がパンクっぽい荒削りな音作りだったのに対して、グッとニューウェーブ風の音作りになっています。この時のマルチトラックのマスターテープは紛失していた為、今回の再発にあたっては、バンドのメンバー自身による追加演奏を追加したと言う前代未聞のリメイク企画になっています。また、フリーキーなSaxやTalking Heads的なファンクネスも合わせ持っており、その3年後の、イタロ・ディスコ・ヒットとは同一バンドと思えない位、パンキッシュです。その後、1981年にミニアルバム”Dressed to Kill”を出しています。1982年には、Andy Nevadaを中心にサイドユニットThe Stupid Setが作られ、よりエレクトロな音楽を始めています。そうして、1983年に、アルバム” Psicopatico Party”をリリースし、そこからのシングルカット”I.C. Love Affair”が、イタロ・ディスコとして大ヒットします。その後、1985年に大手レーベルEMIからアルバム”Back To The Jungle”を、1988年には、CBSからアルバム”Strange Life”をリリースしていますが、これが最後のアルバムになり、バンドは解散しています。特に、イタロ・ディスコとの関係が出来た1983年以降は、随分とスタイリッシュな音楽になっています。 

 とまあ、伊語読めないので、これ以上はよく分かりませんが、大体のあらすじはこんな感じです。それでは、本作品”Sick Soundtrack”について紹介していきます。この時のメンバーはBilly Blade (本名: Alessandro Raffini; Sax, Kbd, Vo), Andrew Nevada (本名: Giorgio Lavagna; Vo, Electronics), E. Robert Squibb (本名: Ciro Pagano; G), Bat Matic (本名: Marco Dondini; Drs), Chainsaw Sally (本名: Marco Bongiovanni ; B)の5人組で、A面4曲/B面5曲が収録されています。裏ジャケとかにはデカデカと日本語でバンド名が書いてあり、インナーにも、日本語での歌詞カードも付いていますが、何だかそれだけでも「ゲテモノ」っぽい感じがプンプンしますね。それでは、各曲について紹介していきます。
★A1 “Going Underground” (2:11)は、いきなりリズムマシンと生Drsの同期リズムで始まり、直覚的ビートとSaxとVoでかなりニューウェーブ的にカッコ良い曲です。Gのリフもグー!
★A2 “Japanese Girls” (4:34)は、ややゆったりとしたポストパンク的な曲で、Gの音色とSaxがそれっぽいし、リズムマシンも使っています。またディレイを掛けたVoが怪しげでもあります。
★A3 “Shock Antistatico” (3:20)は、かなりカッコ良いGのリフが持って行くような曲で、The Contortionsっぽい。
★A4 “Pordenone UFO Attack” (4:35)は、またまたニューウェーブ曲ですが、Gは更にThe Contortionsっぽグループなっています。また怪しげなKbdも良い隠し味です。最後のSEが如何にもです!
★B1 “Tij-U-Wan” (3:42)も、リズムマシンと怪しいメロディのKbdで始まり、その途中から急に激しい生DrsとGのリフでアップテンポの曲が始まります。
★B2 “Oil Tubes” (4:30)も、聴き方によっては、コンピ”Clear Cut”に入っていそうな曲で、珍しく爽やかさを感じます。が、やはり体臭が匂ってきそう。最後は骨折しそうな曲調に!
★B3 “Nightmare Telegraph” (3:19)は、またまた重めのリズムマシンとペケペケのGで始まり、微かに聴こえるフリーキーなSaxがムチウチ起こしたJames Chanceのよう?
★B4 “Walkytalkin'” (3:03)は、如何にも陽キャなニューウェーブな曲ですが、オルガンがキャッチーな隠し味になっていますね。最後はテープの再生速度が遅くなります。
★B5 “Now I Want To Kill You (Joe Takes The Machine Gun)” (4:24)は、どうもライブトラックらしいが、ドカドカしたDrsとSaxとBによるゴッツリした録音で、Voは何となくプレスリーっぽい?

 歌詞がほぼほぼ全て英語なのはちょっとだけ残念だけれども、曲そのものは、ニューウェーブ的と言うか、バッチリと時代を反映しているようで、更にそこに汗臭い体臭を加えたような垢抜けない感じが如何にもイタリア産の音楽と言う感じです❗️まあ、あんまり真夏には聴きたくないかもしれませんが、こんな伊っぽいニューウェーブも偶にはいいんじゃないかな? 

B1 “Tij-U-Wan”
https://youtu.be/XTl8T_Ij7ak?si=dczWHA-BEXlpuHJz

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lV-Rfa88I_tP6ZlsJaZBx2gm6jntMz9-w&si=wqVIfxPTxMYuXXok

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