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Tasaday “Echi Senza Fine”
前から気になっていましたTasaday (「タサダイ」と読むらしい)をとうとう買ってしまいました。ただ、この作品はセルフ・コンピみたいで、今までのトラックにはリマスタリングしてあるとのこと。取り敢えず、Tasadayのバイオグラフィーを調べてみました。Tasadayは、1982年に伊Brianzaにて、2つのバンドDie Form (これは仏のPhilippe Fichotのユニットとは無関係です)とOrgasmo Negato (後のNulla Iperreale)とが合体して出来たバンドで、1984年にTasadayとバンド名を改名しました。1981年にDie FormがElectric Eye Recordsからカセット作品”La Dimensione Umana”をリリースしたことから始まります。その時のメンバーは、Abderezac Ahmed (Sax, Clarinet, Vo), Alessandro Ripamonti (?), Alessandro Ronchi (G), Carlo Ronchi (B), Roberto Girardi (Drs), Stefano Sangalli (Synth, Vo)でした。一方、同じ地域にOrgasmo Negatoと言うバンドもあり、Alessandro Ripamonti (Synth), Marco Camorali (B, Perc, Vo, others), Paolo Cantù (G, Drum Machine)がメンバーでした。これら2つのバンドはコラボをやるようになり、その時にはDie Form & Nulla Iperrealeと言う名称てした。そうして、伊ADNより”Tasaday”をリリース。1983年には、Nulla Iperreale名義でカセット作品“Da ricordare Il Nulla Che Attira A Se”を、またDie Form & Nulla Iperreale名義でカセット作品”La Parte Maledetta”及び“In Un Silenzio Oscuro”をADNよりリリースしています。その後、1984年にカセット作品”Aprirsi Nel Silenzio”をリリースしますが、ここで初めてTasaday名義となります。Tasadayとは、20世紀になってフィリピンのミンダナオ島で見つかった原始民族タサダイから取られました。この頃に、Einstürzende NeubautenやThrobbing Gristleから影響を受けて、アヴァンギャルドやフリー・ジャズの要素も取り入れて行きます。また、哲学者Heideggerや小説家/思想家Georges Bataille或いはNuovoシネマの監督Jean Baudrillardで理論武装しています。1984-1985年に、カセット作品”Tra Le Rovine Dei Sensi”と ”Implosione Tra Le Pieghe Dell'Anima”をリリースしており、更に同年には、カセット作品”Riflessi Sensibili”をリリースしています。1988年秋には、ADNの協力によって、”Decadenze-a-Dissonanze”と言うイベントを最後に行なっています。その後、Abderezac Ahmed, Roberto Girardi, Paolo CantùはTasadayを脱退し、新たにAfterhoursを結成していますが、Tasadayも残りのメンバーで現在も活動しています。
以上がTasadayの略歴になります。それで、本作品は、今まで多数リリースされていたTasaday名義の作品から、AsymmetricalことメンバーのGiovanni Ingleseによって曲をセレクトされたセルフ・コンピ・アルバムです。両面とも7曲が収録されています。アルバム名”Echi Senza Fine”は「果てしない木魂」を意味し、何だかロマンチックだなと思います。A1 “Il Principe Delle Modificazioni”, B2 “L'Isola Nuda”, B3 “Un Passo Precipitato”は、1985年のコンピ“V.A. “Anhelo” (Anhelo Tapes)から、A2 ”Il Respiro Si Blocca”, B1 “Spiragli In Spazi”は、1985年のコンピ“V.A. “Necronomicon 2” (Necronomicon)から、A3 “Il Castello (Dedicato A F. Kafka)”, A4 “La Notte è Piena Di Echi”, A5 “Madame Edwarda Parte 1”, A6 “Madame Edwarda Parte 2”, A7 “L'uomo è Morto”, B4 “Effigi Inquietanti”は、1984年のTasaday, Die Form & Nulla Iperreale名義の作品”Riflessi Sensibili (ADN)から、B5 “Al Dio Ignoto”は、Nulla Iperreale名義で、1984年のコンピ“V.A. “The Extinction”から、B6 “Potrebbe Dire Il Tipografo Hans”は、1988年のコンピ“V.A. “Nimramicha” (Aruru)から、B7 “Contenta Dei Deserti”も、1990年のコンピ“V.A. “Dreams Of A Child” (Minus Habens Records)からセレクトされています。
それで、内容ですが、チェーンのような金属音からシンセの電子音やパルス音或いははギターノイズまで色んな音を使ってるなと言う印象ですね。それとヘロヘロのヴォーカルと言うかヴォイスも印象的ですが、何処となくGenesis P-Orridgeっぽいとは思いますね。また演奏の方も諸ノイズ的ではなく、どちらかと言うと既存の楽器の変態的/変則的プレイが主体のように思われます。あと、明らかに、初期のEinstürzende Neubautenを意識しているような曲(メタパー叩いてる)もあり、彼等が大いに影響を受けたと言うのも納得です。ただ、少なくとも、Japanoiseの文脈での「ノイズ」ではないです。まあ元々がパンド形態でやっていたことも関係があるのでしょう。即興演奏的要素が強いですが、その分、録音にも凝っているところもあり、好感が持てます。まあ、1984年〜1985年位の曲が多いので、そう言う傾向にあるのでしょう。A7で女性ヴォイスが出てくるのですが、一体誰なんでしよう。あと、思ったのが、ドローン音を余り使わずに、パーカッシブな音を多用する点は、彼等の特徴ではあります。これもパンド経由なのからかなとも思います。しかしながら、個人的には「懐かしの1980年代ノイズ」って言う感じがプンプンすると感じます。こう言う音楽は、当時、流行っていたなあと。選曲も1980年代中期のものが多いのも、ちょっと嬉しいところです。なので、そこら辺に興味のある方は聴いてみてください❗️損はないですよ‼️
Tasaday live in Roma (2002年11月)
https://youtu.be/S8EmtIEIZ5k
↓
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mYof9rIk7g2w7fxJc_KDhjb439JoyUCrM
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