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Merzbow “Project Frequency”
私の持っているMerzbowのコレクションの中から、今は無き独逸のレーベルA.I.P.R.によって1996年にリリースされた”Project Frequency”を紹介します。因みに、私が持っているのは、伊Menstralrecordingsからの再発盤で、リマスターされています。Merzbowに関しては、私が紹介するまでもなく、ノイズ・ミュージックの始祖の一つと言えますし、色んなところで紹介やレビューもありますので、バイオグラフィーは省略させて頂きます。録音はZSF Produkt Studio (要するに自宅)で、用いられているのは、Metals, Noises, EMS Synth, Audio Generatorなどです。この頃は完全に秋田昌美さんのソロ・プロジェクトになっています。それで、本作品の構成は、A面2曲、B面3曲となっていますが、A1 “Introduction”とB3 “Ending”ほ共に数十秒のテープ音のコラージュらしき曲になっています。それに対して、A2 “Epitaph For Noboru Ando (これはヤクザ映画の俳優 安藤昇のことかな?)”やB1 “Gewalt Sex (凄いタイトル!)〜B2 “No!”は上記のシンセやメタル・ジャンク、エフェクターを使った爆音ハーシュな曲になっており、その爽快感は心地良い位です。特に、B1からB2の境界が不明瞭で、続いているようにも聴けますが、個人的には、B1初っ端からの、あらゆるノイズから成る爆音に、もう痺れますねえ。この頃のMerzbowは、暴力的凶悪系ハーシュノイズだったので、その音の暴力を存分に味わうことができますし、また「Merzbowらしさ」(=歪んで一塊となったノイズ音のレイヤー構造)も充分に堪能できます。それに対して、A2ではEMS Synthと思われる電子音も聴取でき(曲全体としては爆音です)、その音楽的背景の懐の深さも知ることができます。なので、ディストートされまくったMerzbowの音楽を聴きたいのなら、良い作品になると思えますし、ある種、初心者向けとも言えるかもしれません。さあ、Do the Harshしましょう❗️ 因みに、ジャケには金属メッシュが張り付けてあります。 本作品はYouTubeになかったので、同時期のアルバム”Magnesia Nova”より“Rituale Lutis” https://youtu.be/cRwsk4RY3S4 #Merzbow #ProjectFrequency #Menstralrecordings #A.I.P.R. #Reissue #Remastering #MasamiAkita #HarshNoise #GodOfNoise #Metals #EMSSynthesizer #AudioGenerator #Noise
Noise Menstrualrecordings (A.I.P.R.) 2950円Dr K2
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Nord “ L∴S∴D∴”
もう一つの日本のノイズのオリジネーターNord (「ノール」と発音)は、1979年に片山智と及川洋によって結成されましたが、1980年にLP”Nord”をリリース後、1983年の分裂。両方がNordの名を冠したことで、便宜上「片山Nord」と「及川Nord」と呼ばれています。片山Nordは都内でライブを中心に活動して、今に至りますが、及川Nordは分裂後、宅録中心の活動になります。今回は、その及川Nordが出したアルバムの一つ” L∴S∴D∴”について紹介します。先述のように及川Nordは、ライブは演らず、宅録でのカセットやLPなどのリリースだけになっています。その中には4本組カセット”Psycotron - 1”やカセット作品”NG Tapes”の他、本作品を混ぜて、2枚のLPを出してはいますが、1980年中頃に、その活動が収束して、リリースも無くなっており、現在もその活動については不明のままです。今回、紹介するアルバムLP” L∴S∴D∴”も、及川Nordの作品の一つで、L∴S∴D∴RecordsのLPとしてはファーストに当たります。都合、4曲入っていますが、どうも”LSD”と言う曲はA面とB面に2つに分断されて、収録されているようです。音的には、アナログ・シンセによる電子音が中心になっていますが、A2は、軟体生物のようなシンセ・パルスに段々のファズ・ギターが絡みつくバイオ・ノイズとも言える曲で、単なるノイズの垂れ流しでは無いのだなと感心しました。また、B1では、60年代のサイケデリック・ロックの楽曲が不明瞭に流れてきて、段々の電子パルス・ノイズに置換されていくと言う構造も聴取でき、及川氏が1960年代のサイケの影響下で、このようなノイズ・ミュージックにたどり着いたのでは?と思わせられます(本人も認めていました)。更にはテープによる具体音も不明瞭ながら加味され、伊のM.B.などのような同時代性を感じます。更にB面最後の曲は、気味の悪い悪夢のようなアンビエントっぽい作品で、これにはパルス音は無いので、余計に異様な曲になっています。 分裂前とかなり異なる音像になっており、彼が創作活動を続けていたら、どうなっていたか?が興味深いところではあります.入手は困難ですが、サイケとノイズの関係について少しでも知りたいのであれば、是非聴いてみることをお勧めします。 “L∴S∴D∴”A面 https://youtu.be/biaEDIa7-Z4 #Nord #LSD #LSDRecords #及川洋 #HiroshiOikaws #宅録 #Noise #Electronic #Synthesizers #Pulse #Psychedelic
Noise L∴S∴D∴ Records 不明Dr K2
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V.A. “Syrens: Female Noise Compilation”
またまた、掘ってしまいました。MSBRの田野幸治さんが生前、女性ばかりのノイズ・ミュージシャンのコンピを作ろうと思うと言っていたら、あっという間にリリースされたました。田野さんのこのコンセプトほ、多分、英国Susan Lawlyがやっていたコンピ・シリーズ”Extreme Music From なんちゃら”に触発されたのではないかとふと思い出しています。参加者は11組。それぞれについて紹介したいきます。 A1 Timisoara (日)は、旧姓守田恵子さんのソロノイズユニットで、轟々たる分厚いハーシュノイズで幕を開けます。A2 Angelica Rosenthal (伊)は辿々しいリズムマシンのリズムに、鬱々とした電子音が流れる曲。はシンセウェーブに近いテクノイズですが、後半はドラムン・ノイズ的な音になってしまう。A3 Maisie (伊)はミシンのような音を中心としたミュージック・コンクレート的作品で、後半にはサンプリングされたコーラスやピアノの音が組み合わさっている。逆回転あり。 A4 Zipperspy (米)はは、アフリカの民族音楽のようなバックが、規則的なリズムに移り変わるミニマル調の曲。インダストリアル・ネイチャー・ミュージック! A5 Allun (伊)は、ガチャガチャしてると、あっと言う間に終わってしまう23秒の曲。潔さが良い。A6 Reiko A. (日)は、ゆったりした電子音が、深いリバーブの中で疼いているような曲で、その出たり入ったりの仕方にセンスを感じる。 B面にいきます。B1 S. Isabella (日)は自身の無機質な声とかをサンプリングしてコラージュした幽玄な曲で、最初と終わりに合図が配置されているB2 Mammal Holiday (米)はテープの回転数を落としたり、ドカドカした民族音楽的なリズムマシンを中心にした曲。B3 Laura Maes (ベルギー)原かなり静謐で、デリケートな音楽が淡々と続く幽玄な曲を提示。消えそうで消えない音。メタルジャンクも使っていそう。B4 Nuclear Pig Shit (米)は如何にもアメリカンな、大味でガチャガチャしたハーシュノイズです。B5 Cyclisms (加)はハーシュでもなく、微音系でもなあ極めて中庸なアブストラクトな曲で締めています。 本作品はYouTubeにはなかったので、参加者それぞれの作品(他者とのコラボを含む)を貼っておきます。 Timisoara + Facialmess https://youtu.be/8QSsm-JYG5M Maisie “Song About The Several Ways To Use A Woman” https://youtu.be/22t18YQMBZI Reiko A. Live at Yaneura II https://youtu.be/NslRMrk_fl4 S.Isabella “Emergency Landing-Murmurous Planet” https://youtu.be/6qLZ4IQ84os Con-Dom/Militia/Laura Maes “Familiendrama/Pain” https://youtu.be/6dOV_1gnANM Macronympha+Nuclear Pig Shit “A Fist of Lust” https://youtu.be/t2ScthxGR34 #Syres #FemaleNoiseCompikation #Flenix #BlimmingVessels #VariousArtists #HarshNoise #Electro-AcousticNoise #AbstractNoise #Timisoara #AngelicaRosenthal #Maisie #Zipperspy #Allun #ReikoA. #S.Isaella #MammalHoliday #LauraMaes #NuclearPigShit ##Cyclisms
Noise Flenix & Brimming Vessels 不明Dr K2
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V.A. “Tribute To MSBR”
2005年7月31日に彼は亡くなった。その年の4月に彼の運営するノイズ/実験音楽専門店「テンザツ・コム」に妻と一緒に会いに行ったのですが、後で、妻が「なんかひどく疲れてるみたい」と言ってきた。もうその時には大腸癌は進行していたのだなと後からそう思いました。その人物は、元々、四国の松山でエンジニア/会社員として勤めていた田野幸治さんでした。1997年に東京に居を移し、1990年初頭より続けてきた、自身のノイズユニットMSBR (Molten Salt Breeder Reactor)で活動するだけではなく、海外からのノイズ系ミュージシャンやグループの招聘や国内でのサポートやツアーを始め、ノイズ専門誌「電子雑音」を発刊し、国内のノイズシーンの拡大だけでなく、自身もMSBRとして海外ツアーもやっており、その為に、脱サラして先述の専門店まで開店した人物です。個人的にも歳が近かったこともあって、生前は仲良くしてもらいましたし、蒲田のスタジオ80(オッタンタ)でよく企画をして一緒にやったりもしていました。ただ私は2002年に仕事の関係で、市川から大阪→静岡と移っていた為、告別式に出席できなかったのは大変悔やまれるところです。また、彼は漫画(特に金融ものや893もの)も好きで、自身でも描いていました。それとプロレスも好きでしたね。そんな田野さんのやっていたMSBRへの追悼盤を作ると伊のUrashima(浦島)から連絡をもらい、確か、既にリリースされているMSBRの音源を使って、それぞれが新しく曲を作ると言う企画だったと思います。それで、参加者とその曲を紹介していきます。A1 Macronympha (米)はテープのループ音と共に分厚い歪んだ電子ノイズを放射。A2 The Haters (米)はチリチリしたノイズの上にテープ音源と思われる伸縮自在なノイズが被る、いつもとは違う純度の高い曲。A3 SRS (伊)は、純粋な電子音が明瞭な構造を持って提示したおり、歪みは殆ど無い電子音楽です。B1 Government Alpha (日)は、非常にダイナミック・レンジの広いシンセ音を上手く組合わせた上質のノイズ作品で、まるで電子音が生きているかのよう。B2 K2 (日)は、変調したMSBR音源やシンセやフィードバック音を無秩序にカット・アップ・ミックスしたストップ&ゴーな曲。B3 Richard Ramirez (米)も重々しく分厚い音像で、HNW的なアプローチ。上記のアーティスト/グルーブ以外にも田野さんにお世話になったり、関係が深い人達も沢山いた訳ですが、まあ浦島のレーベル・カラー上、この様な絞ったメンツにはなってしまったんだろうと思います。もし、上記のアーティストやグルーブに興味があったり、MSBRってどんなユニットだったのだろうと思ったりした方は、是非とも入手して下さい! 本作品は音源がなかったので、MSBRと参加者の中でコラボ作品があるものを2作品チョイスしました。 MSBR & Richard Ramirez “Sonic Aggression” https://youtu.be/RzI2EyRX8o0 MSBR/Spykes/Government Alpha “Tano Forever” https://youtu.be/EXnDE-J9MUU #VariousArtists #TributeToMSBR #Urashima #Compilation #HarshNoise #KojiTano #MSBR #Macronympha #TheHaters #SsheRetinaStimulants #GovernmentAlpha #K2 #RichardRamirez #追悼盤
Noise Urashima 不明。Dr K2
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Mauthausen Orchestra “Bloodyminded”
出ました!極悪パワ・エレの真の継承者、伊の Pierpaolo Zoppoのソロノイズ・ユニットMauthausen Orchestra (以下MOと表記)のカセット音源のLPとしての再発盤です。バイオグラフィーは既に書いてあると思いますので、そちらを参考にして下さい。また、この人も死に見せられたのか、2012年6月16日に他界しています。A面は、ガサガサとささくれだった電子音に野卑なくVo及びテープ音が乗ると言う構造ですが、MOは、Atrax Morgueとは異なり、バックの電子音は、まるでラジオの音のように雑でペラペラです。まあそこが特徴と言えば特徴なんですが、今一つ「音の強度」が無いようにも思えます。しかし、逆にそれが「病的」とも言える訳ですよね。また曲名もなく、素っ気ないデータがまたまた謎を呼ぶのかもしれませんね。B面は遅い速度の電子音から成り、かなりダウナーな電子音の垂れ流しになっています。それが悪いか?と言えば、この腐食した電子音こそがMOの特徴であると言えるのかも知れませんね。なお、B面3曲目の最後の曲は、衰弱し切ったパワ・エレ(パワーレス・エレクトロニクス?)となっています。まるでラジカセでマスター作っているかなようです。そんなMOの代表作に興味を持たれた方は聴いてみて下さい。これもダークな音楽なので、精神的に安定している時に聴くことをお勧めします。 https://youtu.be/dLt0ptltJm4 #MauthausenOrchestra #BloodyMinded #Urashima #AquiliferSodality #PierpaoloZoppo #PowerElectronics #Synthesizers #PowerlessElectronics #Reissue #Remastering
Noise Urashima (Aquilifer Sodality) 不明。Dr K2
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Atrax Morgue “Esthetik Of A Corpse”
伊の極悪ダウナー系ノイズを発信し続けたMarco CorbelliのソロノイズユニットがAtrax Morgueです。彼自身もレーベルSlaughter Productionsも運営しており、極悪ノイズ作品をリリースしていました。ただ、彼は、死に取り憑かれたのか、2007年5月6日に首を吊って自死しています。余りにも死とかネガティブな事象を身に纏ったのも、彼の人生に影響を及ぼしたのかもしれませんね。Slaughter Productionsは1990年代のパワ・エレ(パワー・エレクトロニクス)のカセット・カルチャーを支えた貴重なレーベルであったと思います。ここら辺はスプラッター・ムービーの多い伊の国民性とも関係があるのかもしれませんね。そんな彼の1994年作のカセットアルバム”Esthetik of A Corpse”を、同じ伊の再発レーベルUrashima (浦島)がLPとして再発したのが、本作品になります。タイトルは「死体の美学」と言う意味だろうか。何とも言ってくれるではないか❗️カセット音源にしてはクリアーな音で、恐らくリマスリングしたものであろうが、前回紹介して作品よりも聴き易い。内容は、基本的に太めの単音シンセの持続音或いは、それにスクリームや呟きのようなVoと言う構成。削ぎ落として、尚且つ説得力のある音楽です。これが、第二世代のパワ・エレ(ダーク・エレクトロニクス)と言えるのではないでしょうか❗️いきなり、ダウナーなシンセ音から始まって、気分の高揚は一切無いです。このシンセのトーンの選び方は彼独特のもので、ある種の「天才」かもしれませんね。そう言えば、彼が活動を始めた時に、手紙(或いはメール)をもらったんですが、「私はアナログ・シンセの音しか信用しない」とのコメントが付いていたことを思い出しました。本作品はセルフ・コンピではなく、元々1本のアルバムをそのままヴァイナルにしていますので、全体の統一感もあって、素晴らしい出来栄えです、もし貴方が、このようなダーク・エレクトロニクスに興味が有れば、本作品から入るのも良いかも(ただし、精神的に不安定な時は避けた方が良いでしょう)。 https://youtu.be/T3q9PeTsiK0 #AtraxMorgue #EstetikOfACorpse #Urashima #SlaughterProductions #MarcoCorbelli #Reissue #Remastering #DarkElectronics #Synthesizers #Voice #PowerElectronics
Noise Urashima (Slaughter Productions) 不明。Dr K2
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The New Blockaders & The New Movement “Man's Usefulness Ends Not In Death”
これは掘り出し物。英国の1980年初頭より活動しているTNBことThe New Blockadersと、そのTNBの意思に2015年頃から賛同しているスウェーデンのTNMことThe New Movementほコラボ・アルバムです。今回は、TNBの方は、Richard & Philip D. Rupenus兄弟のデュオで、TNMはKenny JohanssonとTony Erikssonとのデュオでの参加となります。なお、英国のPhil Julianがマスタリングをやっています。TNBについては、以前にバイオグラフィーは書いていますので、そちらを参考ににして下さい。TNMについてバイオグラフィーを少し書いておきます。KennyとTonyがコア・メンバーであるTNMは、Marcel Duchamp, Luigi Russolo 或いはTNBと言った反芸術家によってインスパイアされ、ノスタルジックな感覚を持ちながらも、反芸術の新しい在り方の中から現れている。そのノスタルジーはすぐさま、「無」の哲学へと導かれて、そこで、彼等はTNMの名の下に何かを録音する前に、既に「X宣言」を表明しています。その「X宣言」によると、TNMは「無」の哲学に従い、その武器/手段に寄らず、全てを拒絶し、破壊する立場にあるとのこと。また、その「X宣言」から抜粋すると、「…既に世界は破壊されるべき存在である。…これが、生を拒絶し、死を復活させる理由なのである。」とのことですが、これはTNBのマニフェストと同様な思想の焼き直しのようにも思えますね。そう言う意味では、TNMほTNBの正統な後継者と言うところでしようか? それで、本作品ですが、両面1曲づつの長尺で、曲のタイトルもありません。そして、内容的にもほぼほぼ同様な音感触から成ります。ガラガラと打つかり合い、擦られ、叩き潰されるメタル・ジャンクの音が前面に立っており、何だかTNB単独の曲の様にも聞こえます。寧ろTNMは、その音素材に手をつけず、そのまま最終的に最終コラボ作業を終えたのは?とも考えられる程です。そんな作品なので、TNBファンもTNMファンもすんなり聴けると思います。正しく「無」の哲学ですね。どちらのファンや気になっている方も聴いてみて下さい。ただし、100部限定なので、入力は困難かも知れません。 本作品はなかったのでTNB&TNMのライブ動画を! https://youtu.be/6kzWl7kTkc8 #TheNewBlockaders #TheNewMovement #Man'sUsefulnessEnd NotInDeath #T.I.C.X. #Noise #Collaboration #Anti-Artists #MetalJunks #HarshNoise #PhilosophyOfNothingness #ManifestoX #RichardRupenus #PhilipDRupenus #KennyJohansson #TonyEriksson #PhilJulian
Noise T.I.C.X. 不明。Dr K2
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Merzbow “Milanese Bestiary” / The Haters “Drunk On Decay”
この作品は、伊の伝説的ノイズ・ミュージシャンM.B.ことMaurizio Bianchiに対するトリビュート盤として、作製されています。片面は日本のノイズ・オリジネーターMerzbow(秋田昌美氏)、もう片面は米国のノイズ・ゴッドThe Haters (G.X. Jupitter-Larsen)によるスプリット・アルバムの形を取っています。それぞれのバイオグラフィーは以前に書きましたので、そちらを参照して下さい。それで内容ですが、Merzbowサイドは3曲から成り、1983年に 秋田昌美氏がミラノで実際にM.B.と会った思い出に基づき、Moogなどのアナログ・シンセとリズムマシン及びエフェクト(主にディレイ)を用いて、まるでM.B.のカバーをやっているが如し❗️恐らく、同時期に伊と日本でメール・アートで繋がっていた経験をリスペクトしていたからだと思われます。曲名にも”Regel”や”Industrial Murder 1983”と言うM.B.のアルバム名を使っていることからも想像できます。アナログ・シンセによる分厚く、うにょうにょした電子音が有機的に動き回ります。一方、The Hatersサイドは、丁度G.X.がその頃やっていた”Drunk On Decay”と言うパフォーマンスの”Toast To MB”ヴァージョンが収録されています。恐らくは金属製のじょうろをグラインダーで摩擦した音をコンタクトマイクで拾って増幅した轟々たるノイズに、うっすらとM.B.の音を忍ばせているかのような仕上がりになっており、それで片面1曲に仕上げています。それでも、全然飽きさせないところが、流石と思いますね。両者ともアプローチは違うものの、単にM.B.トリビュートに終らず、一つのノイズ・ミュージック・アルバムとして成り立っているところは両者の「M.B.愛」によるものでしようか? 限定で黄色盤ですが、見つけたら、是非ゲットして下さい。それだけの価値がありますよ❗️ Merzbow “Anal Vatican” https://youtu.be/HHcA2zM0aSs The Haters “Drunk On Decay” (original version) https://youtu.be/49rHOz5I8D4 #Merzbow #MilaneseBestiary #TheHaters #DrunkOnDecay #OldEuropeCafe #M.B.Tribute #SplitAlbum #Noise #Technoise #Synthesizers #FrictionSound
Noise Old Europe Cafe 不明。Dr K2
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Merzbow “Ecobondage”
個人的に、このアルバムタイトルのネーミングは、本当にカッコいい❗️そんな卓越した言語センスを有する日本のノイズミュージックのオリジネーターでもあり、今なお現役でバリバリ活動している秋田昌美氏ことMerzbowの1997年作のリイシュー盤です。この作品は初期のMerzbowの4枚目のLPアルバムになると思います。1986年12月〜1987年7月にZSF Produkt Studio (所謂、宅録)で秋田さんのソロとして録音とミックスダウンが行われていますが、盟友水谷聖さんからKbdとPCの音素材を、英国ProduktionのPaul Hurstから風船の音を録音したテープも音素材として使って作製されています。内容はハーシュ・ノイズになっていないMerzbowのアッセンブラージュ的音(=ノイズ)の配置から成るダダ的ノイズ音響作品です。”Ecobondage”, “Prison Of Takaou”と”Blow Up”で1枚分、そして”Ha Ha Ho Bari (Mari)”と”Balloon”, “Contraction”及び”Ending”でもう1枚と言う何とも豪華で内容豊富なものになっています。オリジナルはLP1枚だったので、蔵出し或いは編集無しの曲をそのまま入れたのではないかと推測します(ただ、盤のラベルに何も曲名などが書いてなく、またレコード盤にも記入が無いので、どちらが1枚目がどうか?どちらがA面かどうか?も不明ですが)。まあ、そんなことはどうでも良くなる位、内容は抜群に私の好みのノイズ・・ミュージックとなっています。私はMerzbowの本質は、ラウドなハーシュ・ノイズではなく、暴力的とも言える音のコラージュ或いはアッセンブラージュだと思っているので、ここら辺の時期のMerzbowはのノイズ作品は素晴らしいと確信しています。正しく音の「クズ」を寄せ集めたことに、秋田氏の深遠な価値観が見え隠れすると思います。なので、1990年代以降の轟音ハーシュ・ノイズしか知らないリスナーの方は、是非ともこのアルバムを聴いて欲しいと思います。どうでしょうか?チャレンジして下さい。 “Ecobondage” https://youtu.be/jjOCek06M-0 #Merzbow #Ecobondage #ZSFProdukt #MenstrualRecordings #Reissue #DoubleAlbum #Noise #Assemblage #Collage #MasamiAkita #KitoshiMizutani #PaulHurst #Junks #Metal #TapeManipulation
Noise Menstrual Recordings 不明。Dr K2
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Incapacitants “Extreme Gospel Nights”
日本が世界に誇るハーシュノイズの最右翼Incapacitantsの東京仙川にあったライブハウスGospelでのライブ音源の再発盤です。元々は日本のレーベルVanilla Recordsからカセット音源とし、1993年にリリースされていた作品を、伊の再発レーベルUrashima (浦島)が、2019年にレコードとして再発したブツです。もうバイオグラフィーは以前にも書いたので、省略しても良いですよね? まあ、最低限の知識として、Incapacitantsは、T. 美川氏とF. コサカイ氏によるデュオで、一貫して、2人はelectronicsとvoiceのみでラウドなノイズを放射し続けています。本作品でも ライブ録音と言うことがあって、轟々たるノイズを全方位に放射しています。にも関わらず、ノイズの粒子が一つ一つが、目の前を過ぎ去っていくかのような豊潤な音楽になっています。彼等のノイズ・ミュージックを聴く時、どうしてもニヤニヤしてしまうのですが、このライブアルバムを聴いてもニヤニヤしてしまいました。多分、ライブの様子が想起されたのかもしれませんね。もうただただ、音を浴びたいと言う欲求を満たしてくれる、それがIncapacitantsなんだと思います。この手音楽は、やっぱりライブハウスで観たいし、レコードなら、爆音で聴きたいものです。と言ってると、この文章を書いてる前日は大阪Bearsでの2年振り(?)のライブをやったとSNSで流れてきています。2ステージで盛り上がったとのことで何より(と言うか既にベテランなので当たり前と言えば当たり前)❗️てな訳で、本作品は、1990年代のIncapacitantsを楽しめる作品ですので、是非とも入手して爆音で聴いてみて下さい。金箔の薄紙の包装もイカしてます❗️ https://youtu.be/D1b4w8WtBJU #Incapacitants #ExtremeGospelNights #Urashima #VanillaRecords #再発 #Electronics #Voice #T.Mikawa #F.Kosakai #LiveAlbum #Noise #HarshNoise #LoudNoise
Noise Urashima (Vanilla Records) 不明。Dr K2
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Vomir “Musique De L'Indifférence”
VomirことRomain Perrot。来日してリスナーをハーシュ・ノイズ・ウォールのどん底に落とし込んだ仏のノイズ・ミュージシャン。何でまた、こう言うのを持っているのか?が何故ですが、取り敢えず、紹介しておきます。Vomirとは仏語で「ゲロ」のこと。彼は、1996年よりパリをベースに活動したおり、300品以上の作品をリリースしています。その多くは、彼自身のレーベルDecimation Socialeからリリースされており、彼の功績は、最もアンチな態度でハーシュ・ノイズ・ウォールと言う極端な表現方法を提示したことです。何のアイデアもなく、何の変化もなく、何の発展もなく、何の楽しみもなく、何の目的もない、どデカい壁のような単調なハーシュノイズをレコードやCDの体裁で現前化してみせたのです。それで彼のバイオグラフィーを少し書きます。Romainは小さい頃はPink Floydのファンであったのですが、その中で、Lou Reedの”Metal Machine Music”も彼はお気に入りになります。そして、1990年代になると、実験音楽、特にMerzbowや灰野敬二氏からフリーな即興音楽やハーシュノイズに興味が移っていき、The Ritaがお気に入りになります。やがて、彼はハーシュ・ノイズ・ウォールを「発明」し、Harsh Noise Wall Festivalを企画し、Les Instants Chavirés, Montreuil, Seine-Saint-Denisなどでフェスを開催しています。Romainは徹底した”Anti”を唱えるニヒリストであり、音楽的訓練や技量、楽器を鳴らす際のノウハウは全く必要としないことを公に言っています。それで、彼にとってはギターアンプとシンセが有れば良く、その意味で彼はanti-artistとしての立ち位置にあり、彼が作る作品は”anti-music”でもあります。また、彼のライブは”anti-concert”として、1時間から最大8時間にも及びます。そして観客にはビニール袋が渡され、それを被らされて、ノイズ以外の全ての感覚をシャットアウトさせられます。また、彼はNoise musicにも造詣が深く、独自を理論を持っており、大学等でもパフォーマンスをやっていたりするようです。 そんなVomirの本作品ですが、片面33回転、もう片面45回転らしいのですが、そもそも回転数が違ってもわからないですね。全編、何の変化もないジリジリとした歪んだ電子音が、ずっと続きます。んー正直、感想については困ってしまいますねぇ。そして、この音楽は正しく「ノイズ」だと直感的に理解できるのですが、それ以上でもそれ以下でもない、茫漠とした音塊をただただ受け取るしかないです。あるリスナーにとっては至福ではありますが、別のリスナーにとってはただの雑音に過ぎないと言う作品です。Vomirの作品はみな同じ感じなので、これ一枚で充分ですね。合言葉は、No Act / No Play / No Point / No Result / No Strategy / No Compromise / No Social Lubricant.です❗️興味のある方は是非聴いてみて下さい。見事な金太郎飴ですから。 “33 part one” https://youtu.be/V--uJunJJBM #Vomir #MusiqueDeL'Indifférence #PeripheralRecords #RomainPerrot #HarshNoiseWall #Noie #Anti-Music #Anti-Concert
Noise Peripheral Records 不明。Dr K2
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The New Movement & KH 12 Quartet “Nichts Für Nitsch”
常にTNBことThe New Blockadersに尊敬の念を払うスウェーデンのTNMことThe New Movement (TNM)とKH 12 Quartetのスプリットなのかな?エグくて酷いアートワークで登場したのが、この作品”Nichts Für Nitsch”で、裏ジャケには「Herman Nitschに捧ぐ:」とありますが、それでこの作品のアートワークが理解できるでしょう。まあ、ウイーン・アクショニズムで、レコードを作ったなら、こうなるでしょうね。メンバーを紹介しておきます。TNMの方は、スウェーデン人Kenny JohanssonとTony Erikssonから成り、KH12 Qualtetはドイツ人Matthias HornとPhilip Zimmermannから成ります。それでそれぞれのバンドの特徴を紹介したおきます。スウェーデンのTNMは最初、マルセル・デュシャンやルイジ・ルッソロそしてTNBのアンチ・アートに影響を受けたそうですが、直ぐに「無の哲学」にたどり着き、「X」と言う宣言を行ってから、TNMとしての音楽活動を始めています。内容はまあ「関係する全てを拒絶し、ぶっ壊せ!選択すると言う武器には意味はない」と言うものらしいです。そして、誰もがTNMのメンバーになり得るとも。いやはや、TNBの上を行こうと言う訳ですかね? 一方の独逸のKH 12の片割れMattias HornはPsych KGと言うハンドメイド包装で有名なるレーベルをやっており、670以上のアイテムをリリースしてきています。そんなバックボーンを持った2組ががっぷり四つに組んだ作品が本作品になります。A面には2曲(Pt.1 & Pt.2)が、B面は1曲 (Neulich)が収められています。A面はガダガダ、ゴドゴドした崖崩れのような音と共に時折、何かを引っ掻く音やラジオらしき音も混じっており、それは流石にTNBのエピコーネンやろ?と疑いたくなります。曲としてはよく出来ていると思いますので、ここら辺は大目に見ておきましょう。一方、B面も物音系なんですかがより音響系っぽい曲で、恐らくは何かの微音をコンタクトマイクで録音した物だと思います。それに金属質な持続音が絡みついてくると言う曲になっており、こちらの方がより静謐な印象を与えます。ジャケ写含めて、アートワークはヘルマン・ニーチェのパフォーマンスを励起するような血みどろシーンのようなものですが、これはこれでアリかなぁとちょっと納得しました。まあこのようなコンセプトを知らないで、音だけも充分に楽しめますので、ご安心を。それでも聴いてみたい方はどうぞ! https://youtu.be/jUPvI0zoMNo #TheNewMovement #LH-12Quartet #PsychKG #NichtsFürNitsch #PictureRecord #Anti-Music #Noise #ContactMic #Nihilism
Noise PsychKG 不明Dr K2
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Merzbow “Samidara”
ノイズ・ミュージックのオリジネーターであるMerzbow (秋田昌美氏)の黄盤です。最早、語るどころの騒ぎでは無いと言うか余りにも語るべきことが多過ぎて、語り尽くせないです。もう皆さんも知っている通り、最初にはメール・アート/ミュージックの世界で、ミュージック・コンクレートやコラージュ的手法でノイズ・ミュージックを実践していましたが、段々とライブ用に多量のエフェクターを用いたアナログ・ノイズへ、更には、LapTopを用いたデシタル・ノイズへ、そしてデシ・アナ混合のノイズへと常に時代を先取りしていた秋田昌美氏のストレート・エッジ・ヴィーガン・ノイズ・プロジェクトが、このMerzbowです。それで本作品は米国ミシガンのPlacenta RecordingsからリリースされたLPで、イエロー盤(片面のみのカセット版もあるみたいです)。録音は2009年に自宅で行われており、3曲が収められています。何もかも飲み込んで、歪み切った轟音の中にふあーっと立ち上がってくるパーカッションやドラム或いはギターのリフの反復音が、如何にもMerzbowらしいところですね。その轟音も単に音がデカい訳ではなく、複雑なレイヤーの重ね合わせからなり、金属ジャンクやフィードバック音などの色々な音を使っている点も高得点です。これをエアーで大音量で聴いたら、凄いだろうなあと正直、そう思いますね。しかしながら、今までに550作以上、ノイズのアイテムを作り続けている、その熱意に尊敬の念を懐かざるを得ないですね。まあそれは兎も角、常に進化続けるMerzbowのノイズ・ミュージックを是非とも堪能して下さい(私、始めは45回転で聴いてたのですが、それでも違和感はなく、何か直ぐに終わるなあと勘違いしてました、すいません)。それと秋田さんってタイトル付けるの上手いですよね。何かのモチーフがあるのかもしれませんが、中々出来ないですよ、あのセンスの良さは。 “Gran 1” https://youtu.be/kud4Z-2yeNw #Merzbow #Samidara #PlacentalRecordings #HarshNoise #Noise #NoiseMusic #MasamiAkita
Noise Placenta Recordings 不明Dr K2
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Nord “s/t”
君はNord (「ノール」と発音)を知ってるか?そう、日本で最初にノイズのフルアルバムを出した音楽の極北がNordなんです。メンバーは片山智と及川洋のデュオで、結成は1979年。やがて、1980年になると、東京などでライブ活動を始め、時にはMerzbowとのコラボ・ライブなどもやっていたそうです(ZSF Produktよりカセット作品が何本か出ています)。二人は音楽の極北を目指すという意味でNord(仏語で「北」の意味)と名付けたらしいです。1981年に記念すべきデビューアルバム”Nord”をPinakotheca Recordsより出しています。後になって、片山さんにお話しを聞いた時には、いきなりスタジオに入って、ギターとラジオやシンセ(低価格のもの、YAMAHA?)で、ほぼほぼ一発録りで録音されたとのこと。このアルバムは早速購入して、A1 “Labyrinthe”の初っ端の法螺貝のような咆哮にビックリした覚えがあります。内容は後述しますが、このレコードのアートワークを及川さんが1人で勝手にやった為、ラベルには首吊りのフォト・コピーが、そしてジャケ写も何かの死体らしきもの(聞いたことはあるのですが、今はうろ覚えです)が使われており、当時の世界的なノイズ・シーンとは呼応していましたが、片山さんは気に入っていなかったとのこと。その為か、1983年にNordは分裂し、ライブ活動を中心とした片山Nordと、録音メインな及川Nordになり、どちらもNordを名乗っていました。ライブを一切しなかった及川Nordは分裂後、自身のレーベルL・S・D Recordsを立ち上げ、2枚のLPと4本組みのカセット作品をリリースした後に、活動が途絶えてしまいます。一方、片山Nordは、現在Japanoise Netを運営している伊藤真と共に、デュオでライブ活動を続けていきます。1990年代には都内を中心に、雑誌「電子雑音」の勧めもあって、割とライブを頻繁にしていたのではないでしょうか?その時のライブ録音を纏めて編集した曲を3曲選んで、片山Nordとしては初のCD”Electronic Meditation”を私のレーベルKinky Musik Instituteから出しています(これは自慢したい❗️)。しかしながら、2003年に伊藤さんが脱退し、この後に、Astroの長谷川洋と内田静男が加入し、ライブを再開しますが、2006年に長谷川さんは離脱。基本的には片山さんのソロユニットになっているようです。ライブも年に数回とかですが、最近は、モデュラーシンセを使っているようです(私は未見)。ライブではお香を焚いて、視覚と嗅覚と聴覚を刺激するのは、片山さんが裸のラリーズのファンだからでしようか(因みに片山さんの奥様もラリーズのファンらしいです)。 それで、本作品は、分裂前のNordの唯一のアルバムです。先に書きましたが、兎に角、T.G.とかWhitehouseとかSPKとかと違う、何か不穏な恐ろしさを持った音であると言うのが、当時の私の正直な感想でした。特にB面片面を全部占める”Utopie”は、何か分からない恐怖感さえ覚えました。多分、私にとっては、日本のノイズ・アーティストの中で一番ショッキングな体験でしたねぇ。今、聴くと、それ程、凄いことをやっている訳では無いのですが、当時、下宿で1人ヘッドフォンで聴いていると、恐ろしさを感じていました。なので、私にとっては、ノイズミュージックのバイブル的なアルバムです。その音楽を分析するのではなく、初期衝動に植え付けられた「音」の記憶さえ有れば良いと思っています。ほんとうに究極ですね。皆さんも是非、ノイズの生まれた瞬間を体験してみてください。因みに片山さんは全然怖い人ではありませんので、ご安心を。 https://youtu.be/yEdGeO6wBi8 #Nord #PinakothecaRecords #FirstAlbum #Noise #Originator #SatoshiKatayama #HiroshiOikawa #StudioRecording #裸のラリーズ #Guitar #Synthesizer #Radio
Noise Pinakotheca Records 2500円?Dr K2
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The Haters “Future Cheers”
皆んな、大好き、The Hatersの再発盤だよー❗️1979年から活動を続けているThe Hatersの、多分、公式にはファースト・アルパム(シングルやその他のアイテムを除くとです)になるのが、この”Future Cheers”です。オリジナルはカセット作品で、NYのSound of Pigレーベルから1986年にリリースされています。The Hatersとは、バンドではなく、G.X. Jupitter-Larsenが居れば、The Hatersになると言うプロジェクト名で、特にライブでは。なお、SRLも構成員もメンバーだったこともあります。私も加わったこともあります。The Hatersのバイオグラフィーは以前にも書きましたので、ここでは省略させて頂きます。それで本作品ですが、先述のように、カセットを混ぜるとオフィシャルにはファーストにあたる訳ですが、全編、ガラスの割れる音や金属製のチャリチャリした音が轟々たるノイズと共に流れていくのですが、この反復にも似た「半反復」がThe Hatersの本領発揮だと、個人的には思っています。どう言う風に録音しているのか?ちょっと不思議な感じなんですが、多分ループなどは使っていないでしょう。それと、The Hatersは楽器は使用しない、つまり楽器を一切使わないで、コンタクト・マイクで音を拾い上げ、数個のエフェクター或いはUntitled Title Beltに仕込んだエフェクターで増幅して、巨大なノイズを放出する。そんな音作りも、The Hatersの特徴ですね。この作品では1986年にDenverで録音されたものをG.X.が2016年にL.A.でリミックスしたものです。因みに元音は何かと言うと、サンダーでマイクそのものを擦って壊したり、電卓をヤスリで擦ったり或いはパンチングで紙に穴を開けたりと言うようなちょっと普通の人が思いつかないような行為によってでる後からなります。その意味では、割とオールド・ウェーブな音の作り方をしていると思いますが、彼が出す音そのものの強度は最高です❗️皆さんもこの「半反復」の虜になって見てください!さされば、貴方もThe Hatersです。 https://youtu.be/Gfz7e5lAQPw #TheHaters #FutureCheers #Urashima #SoundOfPig #G.X.Jupitter-Larsen #Cassette #Noise #Non-Instruments #DestroyedMusic
Noise Urashima (Sound of Pig) 不明Dr K2