The Haters “Kupfer Till Mingwave”

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出ましたよー!良い子は皆んな大好き、The Hatersの近作アルバムです。見開きジャケに2枚のLPが収められていますが、1枚は普通に聴けるLPなんですが、もう1枚は盤面にアートワークが塗りつけられており、再生不可能な12㌅LP(この様な聴くことの出来ないヴァイナルを「アンタイ・レコード(Anti-Record)」と呼び、ノイズ・ミュージックの世界では90年代に沢山作られています。元々はAndrew Smithの発案らしいです)になっています。勿論アンタイ・レコードはハンドメイドなので限定品になります。The Haters のバイオグラフィーは前回、書きましたが、ちょっとだけ、補足を。The Hatersほ米国ハリウッドに住んでいるG.X.Jupitter-Larsenが首謀者で、時と場合によりその場その場でメンバーが加わってライブ・パフォーマンスを行うユニットで、メンバーは基本的に黒覆面を被っていますぐ(G.X.は片目だけの黒覆面)。私は1990年代頃のThe Hatersのパフォーマンスが大好きで、SRLのメンバーも参加して、ギャラリーやライブハウス内に、古本、土砂、巨大なロールされたペーパー、中古バイク、タイヤ、自転車、鉄製の屑、ソファーなどを持ち込み、皆んなで、それからを破いたり、叩いたり、壊したりして、ただただゴミを作り出すと言うことを毎回やっていたのですよ。その「無意味さ」とか「エントロピーの加速行為」はもう堪らなく好きでしたねえ。彼こそが、ノイズ界の真のニヒリストだと思います。そして、The Hatersは、通常の「楽器」成るものを使わないんです。電卓をヤスリの上で擦り続ける音やマイクロフォンをグラインダーで擦る音、パンチング文具でひたすら紙に穴を空ける音などをコンタクトマイクで拾い上げ、増幅して、音を出し、それを「ノイズ・ミュージック」と称する訳です。それは徹底してますね。正に虚無的行為です。そんなThe Hatersの近作が本作品になります。レーベルは特殊ハンドメイド包装で限定品を出すことで有名な独逸Psychic K.G.です。4曲、収められてますが、どれも「あっ、これはThe Hatersだなぁ!」と一聴して分かるノイズから成ります。反復する破壊音な様なノイズが続くんですが、その反復が意図的にズレたりして、また反復同士が干渉し合ったりする、独特の音世界を築き上げています。これは好きな人には堪らないんですが、そうでないリスナーさんには苦痛でしようね。好き嫌いの分かれるノイズ・ミュージックですが、一度は聴いてみた方が良いと思いますよ。さあ、召し上がれ!

YouTubeには本作品は無かったので、他の作品を。
“Truncated Formica”
https://youtu.be/4fL9GTPbCEI

“Voice of Victory”
https://youtu.be/KFur723mnKs

#TheHaters #KupferTillMingwave #PsychicK.G. #Anti-Record #NoiseMusic #Amplification #Repetition #Nihilism

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