Henri Chopin “Les Gouffres Des Bronches Sont Des Cavernes Infinies”

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偶にはこんなのも、、と言うことで、ご存知,Henri Chopin (アンリ・ショパン)の新譜です。Henri Chopinと言えば、音響詩と言うか声を使った作品で有名ですね(Pierre Henryとは違う❗️)。先ずは彼のバイオグラフィーを少し。彼は1922年6月18日にパリで生まれましたが、戦争中に兄弟とは死別しています。その後は良くわからないのですが、20世紀後半、Henriはフランスにおけるコンクレートやサウンド・ポエトリー(音響詩)の第一人者として名前を馳せます。特に、初期のテープ・レコーダーやスタジオの機材或いは変調させられた人の声を用いた身体が発する録音物を使っての作品に注力しており、そのことは、言語と言うのは、口伝から文学への移行とか或いは秩序と混沌のバランスの関係性を想起させるのが始まりと言っています。また 彼は世界中のアートとの連絡を取るために何らかの職についていましたが、彼は,自分の職業は詩人、グラフィック・アーティスト/デザイナー、タイポグラファー、独立系出版者、映像作家、報道者或いはプロモーターなどとしていました。それで、彼は1966年には、Gustav Metzger, Otto Muehl, Wolf Vostell, Peter Weibelらと共に、ロンドンで開催された”Destruction in Art Symposium (DIAS)”に参加しています。また彼は、1964年から1974年までので間に10インチレコード付きのアート・マガジン”Revue OU”や”Cinquième Saison”を発行しており、その寄稿者にはWilliam S. Burroughs, Brion Gysin, Gil J. Wolman, François Dufrêne, Bernard Heidsieck, John Furnival, Tom Phillipsやオーストリアの著者やRaoul Hausmannと言うダダイストも含まれています。また、彼は ”typewriter poems (dactylopoèmes)”とかから成る”Le Dernier Roman du Monde (1971)”, “Portrait des 9 (1975)”, “The Cosmographical Lobster (1976)”, “Poésie Sonore Internationale (1979)”, “ Les Riches Heures de l'Alphabet (1992)”及び”Graphpoemesmachine (2006)”の書籍も出版しています。1968-1986年の間は、Henriはエセックス州のIngatestoneに居を構えますが、妻Jeanの死後の1985年にフランスに戻ります。2001年には彼自身も健康状態が悪化し、再び、英国に戻りますが、2008年1月3日にNorfolkで亡くなりました。
それで、本作品ですが、片面1曲づつ収録されており、A面は1985年の作品が,B面には2004年の作品が収められていますが、全然違和感はありませんね。DLコードも付いており,こちらには1995年作の3曲も収録されています。これらの曲は,1993-1998年に渡って、Erratumスタジオ、即ち300m2のガレージにて、Michel Giroud, Joachim Montessuis, Yvan Etienne及びMasahiro Hondaらが発した音(特に口腔や呼吸器を使った音)を録音しており、今回はこの素材を使ってのミックスダウンをしています。この時に、Henriのジェスチャーに従い、ディレイでの変調やパン,テープ速度の変化或いはフィードバックの強弱等を行い、仕上げられたとの記載があります。なので、両面とも声や呼吸音がメインになっていますが、結果は興味深い出来になっています。そして、レコードに刻まれたものは、「言語以前に発した音」による詩でありますが、ポスト・プロダクションをやっているのが、最後の締めなんですね。これらの種明かしをしないでも、音楽としても純粋に面白いですよ❗️因みに、B面の曲は2013年にフランスの文化放送にて、Henri Chopin生誕100年記念として放送されています。

[live]
https://youtu.be/mg3NrR7_jYk

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