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Cândido Lima “Oceanos”
またまた、行きます!ポルトガルの知られざる現代音楽の復刻・再発シリーズ。今回は、ポルトガルPorto在住の作曲家Cândido Lima (「キャンディード・リマ」と発音する?)を紹介します、この作曲家は幸運にもバイオグラフィーに関する情報が一部ありました。Cândido Lima (1939年生-)は、作曲家、ピアニスト、教師、哲学者、エッセイストと色んな顔を持っていますが、ポルトガルの現代音楽界では最も有名らしいです。彼は、Bragaでピアノと作曲を勉強していますが、同時に、大聖堂でオルガニストとしても長年活躍しています。彼の例外的に素晴らしい環境はBragaカトリック大学で哲学や人類学を学んだだけではなく、同時に美学や音楽芸術の分野でも多数の博士号を取得していることも関係しています。彼のメンターにはIannis Xenakisもおり、Xenakisの指導の下、パリ大学にて博士号を取得し、ポルトガルのLisbonにあるカルースト・グルベンキアン財団に参加したポルトガル初期電子音楽におけるパイオニアの1人でもあります。2001年に亡くなるまで、Xenakisとやり取りをしていました。それで、1973年に、Limaは、Grupo Música Novaと言うグループを結成し、そこで、彼は指揮とピアノを担当しています。このグループは、美学的かつ信条的に優れたポルトガルの国内外の作曲家の作品を多数演奏してきています。また、Limaは、国内において、新しい音楽に対する様々なコース、セミナー、カンファレンス、フェスティバルの発展において、重要な立ち位置にあり、また音楽評論家やエッセイストとしても、全国紙や地方紙と同様に、様々な雑誌にも記事を書いたりしています。そして、その記事は、単に西洋の音楽芸術に関する研究に限らないで、書いてきたそうです。それで、Limaは「、、私の環境は常に決まったことの中心から外に向いて作業をしてきたと思う。それで、かなり初期より自由に出来るようになってきたんだ。」と語っています。Limaは、1970年代後半から”Oceanos”と ”A-MÈR-ES”の両方を作曲しており、オーケストラとコンピュータの電子音の為の作品を作った最初のポルトガル人作曲家の1人でもあります。彼は、コンピュータと電子楽器(シンセ)を音楽の世界に紹介したポルトガル作曲家の一人ではあるのですが、彼がそう言うテクノロジーに興味を持ったのは、彼がある種の「融合音楽」或いは様々なシステムと文化のある種のブレンドを行う為だったのです。なので、彼の音楽には、あらゆるジャンルや形態がある訳です: 合唱からオーケストラまで、室内楽や独奏から電子音響音楽までと言うようにです。2009年の彼の作品”Músicas de Villaiana - Coros Oceânicos”では、音響視覚的手法が取り入れられており、その結果、この曲は下劣なのか?博識高いのか?とか冒涜的なのか?聖なるものなのか?と言った境界がぼやけていきます。John Cageと比べると、Limaは、より思考するタイプで、作曲家かつ哲学者でもある点で抜きん出ていると思われます。と言うのも、Limaの音楽には、非常に実験的な性質と自然体とが常に同居しており、それは、彼が「移ろい易いが永遠な神からの授り物を全て音楽に翻訳していこう」と言う点を常に強調しているからだと言われています。 それで、本作品の内容なのですが、A面1曲、B面2曲となっており、A面がタイトル曲”Oceanos”、B1 “Autómatos da Areia”とB2 “Lendas de Neptuno”とからなっています。タイトル曲は、Xenakisの正統な継承者とも言える電子音楽で、彼の得意なリング・モデュレーターとスプリング・リバーブを掛けた電子音(オシレーター音)が「海の波文」のように放射されています。頭の中の「痒いところ」に手が届くような感じで、気持ち良いです。正しく、傑作ですね❗️B1 “Autómatos da Areia”は、夏によく合う高周波(「ヒュ〜ドロドロ」みたいな)とテープのヒス音のような「気配」の音が続く曲で、モロ電子音楽ではないのですが、これはこれで面白いです。B2 “Lendas de Neptuno”は、更に抽象的な金属摩擦音によるミュージック・コンクレートから成るテープ音楽的なアンビエントな曲で、恐らく、リング・モデュレーターとスプリング・リバーブが使われていると思います。中々、聴き応えのある曲です。総じて、「海」「夏」「電子音」と言う海洋系アンビエントに通じる電子音楽界のTube (ホントか⁉️)みたいなアルバムですが、どストライクな人には堪らない作品です。なので、必聴です! A “Oceanos” https://youtu.be/_FHWrDZ9GKU #CândidoLima #Oceanos #AutómatosDaAreia #LendasDeNeptuno #Grama #Portugalsom #Reissue #LimitedEditions #ポルトガル #Portugal #ModernClassic #現代音楽 #ElectroAcousticMusic #Composer #Philosophy #Pianist #GrupoMúsicaNova #RingModulator #SpringReverb
現代音楽 / Musique Concrete / Tape Music Grama (Portugalsom) 3000円位?Dr K2
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Filipe Pires “Canto Ecuménico”
これは「謎物件」です。多分、現代音楽で、作曲家がFilipe Pires (「フィリペ・ピレシュ」と発音するらしい)と言うのまでは分かります。また、既にシールは切られているので、聴いたことはあるのでしようが、内容を全く覚えていません。それで、ちょっと調べてみました。本名Luís Filipe Pires、ポルトガルLisbon生まれの作曲家(生1934年-没2015年)で、主に1970-1980年代に活動していたらしいです。ポルトガルの現代音楽家なんて、よっぽどマニアじゃないと知らないですよね。それで調べてみたのですが、彼自身の経歴とかについての情報は殆どなく、寧ろ作品とかレーベルについての情報はありましたので、そちらから紹介していきたいと思います。先ず、この作品がポルトガル国内でリリースされたのが、1980年で、今回、LP再発をしたGramaと言うレーベルは、知られざるポルトガルの作曲家の作品をどんどん復刻・発掘していこうとしているレーベルだとのこと(しかしながら、2018年でリリースはストップしています)。そして、このLPにはA面1曲、B面2曲が収められており、A面“Canto Ecuménico”は、1979年にPortoの彼の自宅の「プライベート」スタジオで録音されたもので、当時は、Imavoxからリリースされた“Discoteca Básica Nacional”シリーズの13番目として、また、Jorge Peixinhoの叙事詩”Elegia a Amílcar Cabral”の6番目として、1980年にリリースされた曲だそうで、彼の代表作らしいです。一方、B1 “Litania”とB2 “Homo Sapiens”は共に1972年作で、仏のG.R.M. (フランス音楽研究グループ: Le Groupe de Recherches Musicales) のスタジオで録音されたもので、Piresが単に卓越したコンセプトを持っているだけではなく、かなり繊細なスタジオ技術も待ち合わせていることを表していると評価されています。それでは、内容の方にも言及していきたいと思います。A面“Canto Ecuménico”は、正直言って、圧巻です‼️世界各国の民族音楽や現地録音などをキダキダにして貼り付けた一種のカットアップ的なミュージック・コンクレート作品で、凄い熱量に圧倒されます。所謂、テープ音楽の繊細さとかよりも、寧ろ乱暴かつ乱雑に切り貼りしたいるところが凄いです。特に、アフリカ系のダンサブルな民族音楽にチベットの声明や日本の能の唄いのような音をぶち込むセンスは今までにないですねぇ。これだけの為に、この盤を買っても損はないと思われる位、凄まじい出来ですね。一方、B1 “Litania”は、多分プリペアード・ピアノの音かもしれない金属摩擦音や打撃音とかの「響き」に焦点を当てた曲で、途中、電子音も出てくるのですが、これは正直、意味不明です。なので、どちらかと言うとJohn Cage / David Tudor系の曲です。しかも、音がデカいかも? B2 “Homo Sapiens”は、更に不明な音(多分、ヒトの呼吸音?や吠える声?或いは何かの打撃音?)を逆回転したり、グチョグチョに混ぜ合わせたりして、ミックスしている曲ですが、ピアノやピアニカの音も混ぜてきて、後半には更に短波ラジオの音や音響詩もヤケクソのようにミックスしてきます。このミックス感覚は狂ってますね。ただし、B面の2曲はやはり、大人し目で、密度はそんなに高くはないですが、曲自体はテープ音楽を上手く使っています。まあ、白眉はA面のタイトル曲ですね。これは是非爆音で聴いた方が良いです。200部限定なので、もう市場にはないかもしれませんが、見つけたら、即ゲットです‼️ https://youtu.be/F-ocUsqe7Z8 #FilipePires #CantoEcuménico #Litania #HomoSapiens #Grama #Imavox #Reissue #LimitedEditions #ModernClassic #現代音楽 #ポルトガル #Portugal #Composer #MusiqueConcrete #CutUpMix #G.R.M. #PreparedPiano #金属摩擦音 #ShortWave #唸り声 #TapeMusic
現代音楽 / Musique Concrete / Tape Music Grama (Imavox) 3000円位?Dr K2
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V.A. “40 days/40 Night (40日/40夜)”
中々の年代ものを発掘しました。当時はメール・アート&ミュージックが盛んで、その一つの拠点がStratosphere Musicであり、このレーベルを運営したいたのが、Masaki(Masanori Masakiとも表記される)こと江口昌記さんです。その江口さんが、最初にvinyl としてリリースしたのが、この国際コンピレーション・アルバム”40 days / 40 nights”です。参加者も今となっては、豪華です。また、ピクチャーLPとしてリリースされているので、その点もポイントかなり高いです。このアートワークはAd Superxの村山守、秋田昌美、サカモト・ツトムによるものです。それでは、A面から曲と参加者を紹介していきます。 A1 Pseudo Code (ベルギー)は、BrüsselのInsane Musicの看板バンドでXavier Stenmans (Xavier S.)とAlain Neffe及びGuy Marc Hinantから成ります。リズムマシンに電子音とSaxを使ったサイキックな曲をやっています。A2 M.B. (伊)は、もう説明不要ですね。ここでは”Placenta (胎盤)”と言う茫漠とした電子音の逆回転を使った曲ですが、この尺だとちょっと魅力が感じにくいかな? A3 Masaki (日)はこのレーベルの主催者江口さんの音楽名義で、リズムマシンと生パーカッション、ギター、テープトヴォイスやシンセなどを使った1980年代初頭の地下ポップミュージックを収めています。Gのフランジャー描けてのフリーキーな演奏が特徴的。A4 Bene Gesserit (ベルギー)もInsane Music所属です。メンバーはB. GholaことAlain NeffeとBenedict GことNadine Balの夫婦デュオで、BenedictのVoに、それを音源としたエフェクト音が渦巻くと言うやや実験的な曲です。A5 Borbetomagus (米)も説明不要でしょう。sax2人とGというデス・ジャズ・トリオですが、丁度、良いところでフェイドアウトしてしまいます。惜しい❗️ では、B面にいきます。B1 Un Département (仏)は、Bruno TollardとMarcel Kanche及びPhilippe Gasnierのトリオで、ワルツのリズムに乗って、オペラチックなVoにユーモラスなsaxとシーケンスから成るフレンチな音楽を演っています。B2 Human Flesh (ベルギー)もInsane Music所属と言うか、主謀者Alain Neffeのソロユニットです。気持ちの良いミニマルなシーケンスとゴージャスなシンセと呟くようなVoが印象的な曲です。これで私はHFのファンになりました。B3 La Foundation (仏)は全くの正体不明。ねっとりとしたベースシンセに神経症的なシンセが絡むと言う曲です。楽曲のようで楽曲ではない感じが何とも。B4 D.D.A.A. (仏)はJean-Luc AndréとJean-Philippe Fée及びSylvie Martineauから成るトリオで、自らもIllusion Produvtionsも運営しています。この中では、割と生楽器を使っており、Perc, G, 笛それにピアノなども使っています。SylvieのVoもいい感じですね。擬似民族音楽? B5 Merzbow (日)は言わずとしてた秋田昌美さんを中心としたノイズ・ユニットです。ここでは様々な録音テーブルをコラージュしたかのようですが、オルガン・ドローン音が支えています(それ程轟音ではないです)。 このシリーズは第2作「鉱物図鑑」で終わってしまい、何とも惜しかったです。そんなメール・アート&ミュージックの世界を知りたければ、このアルバムは良い参考書になるのではないでしょうか? レアなトラックも入っていますので、聴きたい方は親を質に入れてでも入手してください❗️ Masaki “Bird-Eyes View” https://youtu.be/T5atbt39-BQ Human Flesh “Nymphomaniac Child” https://youtu.be/uKopogN4Igs M.B. “Placenta” https://youtu.be/oiIt3r5yLWQ #VariousArtists #40days/40Night #StratosphereMusic #MasanoriEguchi #InternationalCompilation #PictureDisc #PseudoCode #M.B. #Masaki #BeneGesserit #Borbetomagus #UnlDépartement #HumanFlesh #LaFoundation #D.D.A.A. #Merzbow
Experimental music, Industrial, Noise Stratosphere Music 3000円位?Dr K2
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Produktion / Club Moral “Pro-Breedonk”
インダストリアル・ミュージックをBGMにしたサロン的理髪店をやっていたのは、もう知っているよね?そう英国のProduktionだね。それと、ベルギーのインダストリアル(パワーエレクトロニクス、略してパワ・エレ)と言えば、そう!Club Moralだね。その2者が1984年に出したノイズ・カセットを、伊のMenstrual Recordingsが限定再発してのが、この作品になります。その前に、両者のバイオグラフィーを簡単に。Produktionは英国で結成されたノイズ・ユニットで、VoのChristine Glover、インダストリアル・ミュージシャン兼映像作家兼理髪師のPaul Hurst、Ross Canonから成り、早い時期からインダストリアル・ミュージックに関係して、サロン的な場を理髪店として、活動してきました(1983年頃には来日もしています)。一方、Club MoralはDDVとしても知られているDanny DevosとAMVKとしても知られているAnne-Mie van Kerckhovenよって1981年にベルギーで結成されたノイズ・ユニットで、しばしば物議を醸し出すパフォーマンスや視覚的表現(ナチ礼賛とか死体やポルノなど)をしています。現在は、先述の2人に加えてMauro Pawlowski, Aldo Struyf, Eva Van Deurenもメンバーのようです、 とまあ、ズブズブのインダストリアル・ミュージック第2世代の両者なのですが、本作品が、両者のコラボなのか?スプリットなのか?は不明です。曲名もクレジットも無いのでよくは分かりませんが、聴いてる分には、たぶん、スプリットっぽいですと思われます。しかしながら、クレジットには、このトラックは全て1984年6月に、Breendonkで不法に録音されているとあるので、一種のコラボで一発録りなのかもしれませんね。内容的には不明瞭なナチの演説テープや不明瞭なエフェクト・ヴォーカルと通奏低音としての電子音からなり、如何にもな「インダストリアル・ミュージック」になっています。今、気づいたのですが、このアルバムは第二次世界大戦の時のベルギーのBreedonk強制収容所で、ProduktionのPaul HurstとClub MoralのDDVによる数多くのパフォーマンスのドキュメントの一部であるそうです。ProduktionのPaul HurstとChristine Gloverは1984年7月にAntwerpのClub Moralの事務所に住んでおり、第二次世界大戦の時の欧州に点在している遺物を巡っていました。Breedonk強制収容所は当時、全く知られていませんでした。この施設は、敵の攻撃からAntwerp を守る為に1909年に建設され、1940年9月20日に正式に強制収容所として認識されています。それは、最初の流刑人か、Strumbahnfuhrer Philip Schmittの権威の元にあった時から「そう言う」施設になったとのことです。まあ、ここら辺に目を付けるのはClub Moralの本拠地がAntwerpにあったことからも、テーマにし易かったのであろう。両者とも単に音楽を流すだけで無く、パフォーマンスや映像なども含んたライブをやるので、その意味で、良いモチーフ、良い「場」になったのでしよう。そんな二組のナチ的悪趣味ノイズを一度は爆音で体験してみて下さい。 https://youtu.be/7mDHHW8_kYI #Produktion #ClubMoral #Pro-Breedonk #Noise #Industrial #BreedonkConcentrationCamp #WorldWarII #Reissue #MenstrualRecordings #PaulHurst #DDV #AMBK
Noise / Industrial Menstrual Recordings 3000円位?Dr K2
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Buggles “The Age of Plastic”
皆さんはもうずっと前から知っているBugglesのファーストアルバム”The Age of Plsstic(邦題「ラジオスターの悲劇」です)”です。結成は1977年、ロンドンで。それでBugglesのメンツはと言うと、Trevor Horn (Vo, B, G)とGeoff Downes (Kbd, Synth, e-Piano Piano, Dr, Perc, Back-Vo)で、英国のニューウェーブ・デュオです。Bugglesと言うバンド名はGeoffがBeatlesを真似て、最初、BugsだったのをBugglesにしたみたいです(一応、否定はしているみたいです)。Trevorの音楽的なキャリアはジングルズと言うパンクロック・グループのプロデュースから始まります。一方、GeoffはバンドShe’s FrenchでのKbdで始まります。二人は1976年に、Tina Charlesのバックバンドのオーディションで初めて出会います。また、TrevorはBruce Woolleyとも出会い、共にKraftwerkとDaniel Millerに興味があってJ.G.Ballardの”Crash”か好きだったので、意気投合します。1977年に3人は宅録でデモテープを作製し始めます.その時に”Video Killed Radio Star”, “Clean, Clean”や”On TV”と言った曲が生まれます。更にGeoffはこれらの曲を16トラック・レコーダーで録音し直しています。このデモテープがIsland RecordsのプロデューサーChris Blackwellの気に止まり、TrevorとGeoffはSarm Eastと契約しますが、何か一悶着あったみたいです。しかしながらレコード会社の後押しもあって、1979年にアルバム(本作品)を無事リリースします。当初は”Video Killed The Radio Star”にはTina CharlesをVoとして起用する予定でしたが、この曲は元々、Bruce Woolleyが作曲こともあり、Bruceは、このシングルの発売前に、自分のバンドCamera Clubを結成し、他の2人とは疎遠になっていきます。それで、TrevorとGeoffの二人は1979年にシングル”Video Killed the Radio Star”を出しで、これがは世界的ヒットになったことは皆さんの知るところです。これを生み出すにあたって、スタジオワークで色々試してみたのですが、当初のデモテープの”マジック”は再現出来ず、Debi DossとLinda JardimのVoを入れることで落ち着いたようです。その後、この曲が大ヒットしたことは皆さんの知るところです.それで、2人はセカンド・アルバムを制作の為、スタジオに入りますが、その隣のスタジオではYesが入っていたこともあって、2人は、プログレ・バンドYesにVoのJon AndersonとKbdのRick Wakemanの代わりに、そっくりそのまま二人は加入することになります。これに対して、英国のファンはブーイングを、米国のファンは喝采を示しました。結局、この編成ではYesに”Drama”と言うアルバムを残しています。そのプロモーションしている時に、即ち1981年にバンドは解散してしまいます。その陰で彼等はセカンド・アルバム”Adventures in Modern Recording”を作製して、1981年11月にリリースしていますが、この時、既にGeoffは英国のプログレ・バンドAsiaに加入しており、殆どTrevorのソロと言った内容になっています。一旦、Bugglesは1982年に解散となります。その後も散発的にリユニオンもやるのですが、ちゃんとした再結成は行われていません。まあ、このくらいにしておきます。 それで、本作品ですが、”Video Killed The Radio Star”と”Clean, Clean”は正直、よく出来た、キャッチーな曲で、これらの曲が売れたのも納得です。ただ、他の曲は妙にフュージョン臭いと言うかプログレ臭いと言うか、何かポップソングとは違うんですよ。それはこの時期にMTVが始まり、プログレ・バンドもMTVを利用することが多くあり、その為か、そこら辺のジャンルの垣根が低くなったことによるのかも知れませんね。そんな訳で、このアルバムは先述の2曲だけでも聴く価値があると思いますよ。またBruce Woolley & The Camera Clubと聴き比べても面白いですね! https://youtu.be/KSDnzdL9uco #Buggles #AgeOfPlastic #IslandRecords #TrevorHorn #GeoffDownes #VideoKilledTheRadioStar #CleanClean #TechnoPop #Synthesizer #HitChart #Yes
Techno pop Island Records 3000円位?Dr K2
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Joji Yuasa (湯浅譲二) “Aoi-No-Ue (葵の上)”
現代音楽〜実験音楽の伝道師 井部治氏が運営するEdition Omega Pointより復刻されたのが、今回、ご紹介する日本の現代音楽の至宝 湯浅譲二氏の「葵の上」です。湯浅譲二氏の略歴は皆さんも良く知っているとは思いますが,簡単に紹介します。湯浅氏は慶應義塾大学医学部を中退後、作曲の道に進み、実験工房で武満徹らと電子音楽や自分の実験音楽の作製に励んでいました。その後、カリフォルニア大学サン・ディエゴ校で教鞭を取っています。また、その頃から、UPICやMusic-Nと言った電子音楽機器/ソフトを用いた作品で「電子音楽の開祖」とも言われています。その後、上記大学の教授、日大藝術学部客員教授、桐朋学園大学特任教授を経て、カリフォルニア大学サン・ディエゴ校名誉教授、国際現代音楽協会 (ISCM) 名誉会員。慶應義塾大学アート・センター顧問所員になっています。華々しい経歴でかつ作曲した作品もべらぼうに多いのですが、その中で、復刻されたのが、A面「葵の上」(1961年作: 黛敏郎氏の同名作品とは異なる)とB面”My Blue Sky (No.1)”(1975年作)です。「葵の上」は草月アートセンターで作製されたもので、一言で言うと能の謡いを電子変調させた曲となります。ただ、まだテープ音楽や電子音楽のハード的な面での未知な部分も大きかったので、色々と細かい作業が施された曲と言えましょう。勿論、ホワイトノイズも細かーく使われています。また録音されたテープにも細かーい処理が施されています。そう言えば、この前、モデュラー・シンセのイベントがあった時に、能の謳いをサンプリングしていたアーティストを拝見しましたが、やはり、どこか「日本的な」リチュアルな演奏になっていました。一方、B 面”My Blue Sky (No.1)”はNHK電子音楽スタジオで作製されており、サイン波や矩形波は使われていますが、お得意のホワイトノイズは使われていません。クリックする短い電子音と間(無音部分)の空き方と空間の使い方が素晴らしく、単純な曲なのに、聴くものに適度な緊張を強いる作品となっています。まあ、このような現代音楽或いは実験音楽は、そのコンセプトを知る楽しさと聞こえてくる音楽自体の楽しさとがあって、この種の音楽はその両方を楽締めるかどうかなんだと思います。なので、気楽に聴いていくと言うのも「有り」なんだとも言えるでしょう。皆さんも是非,この手の音楽を楽しんで下さい。因みに、このLPは150枚限定です。 [YouTubeにはないので、NHK音楽スタジオの紹介を] https://youtu.be/VfFZBNh9tdM #JojiYuasa #Aoi-No-Ue #MyBlueSky(No1) #EditionOmegaPoint #湯浅譲二 #葵の上 #マイブルースカイ第1番 #TapeMusic #ElectronicMusic
現代音楽 Edition Omega Point 3000円位?Dr K2
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Bene Gesserit “Half-Unreleased Madness”
やっとこさ来ました、ベルギーの地下ポップの至宝Bene Gesserit (「ベネ・ジェセリ」と呼ぶ)の登場です。メンバーは、ベルギー地下音楽界のドンAlain Neffeとその妻Nadine Balからなるエレクトロ・ポップ・ユニットです。彼等はB. GholaとBenedict G.と言う偽名も使っていますね。それで、彼等は1980年にこのユニットを結成。Alain自身がPseudocodeやHuman Flesh, I ScreamやCortexなどの多数のユニットをやっており、更に自身のレーベルInsane Musicも運営していますが、それらの内の一つで、かつ長い間、継続しているのが、このBene Gesseritなんです。基本的には実験色の余り無いエレクトロ・ポップと言え、他のユニットと違って、生楽器や逆回転は殆ど使われ無い,割と「正統な」ポップミュージックをやっています。1980年前後と言うとT.G.などのインダストリアル・ミュージックが,世間を席巻していましたが、Alainは、そう言った流れを必ずしも良くは思っておらず、ノイズミュージックやインダストリアル・ミュージックとは一線を画して活動をしており、あくまでも「新しい」ポップ・ミュージックを狙っていたのだと思います。それで、このBene Gesseritの本作品ですが、A面は未発表曲7曲を、B面にはコンピなどに発表した曲5曲を集めて編集しています。基本的には、シンセとリズムマシンを用いた宅録的ポップ・ミュージックで、Nadineはベルギー語或いはフランス語で歌っています。如何にもヨーロッパ的と言うよりもInsane Music的と言いますか、独特のミニマル・ウェーブな音楽を奏でています。A-2はダブ処理していて興味深いですね。本作品は未発表曲とコンピでの既発表曲のコンパイルしたものですが、それ程違和感なく、一つの作品になっています。そこら辺は流石Alainの一押しユニットだと思いますね。皆さんもベルギーの地下ポップを体験してみて下さい。 https://youtu.be/UTSIBvK51Cc #BeneGesserit #Half-UnreleasedMadness #OrderStroomRecords #UnreleasedTrack #CompilationTrack #B.Ghola #BenedictG. #AlainNeffe #Electro-Pop #Bergium
Avant-pop OnderStroom Records 3000円位?Dr K2
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Henri Chopin “Les Gouffres Des Bronches Sont Des Cavernes Infinies”
偶にはこんなのも、、と言うことで、ご存知,Henri Chopin (アンリ・ショパン)の新譜です。Henri Chopinと言えば、音響詩と言うか声を使った作品で有名ですね(Pierre Henryとは違う❗️)。先ずは彼のバイオグラフィーを少し。彼は1922年6月18日にパリで生まれましたが、戦争中に兄弟とは死別しています。その後は良くわからないのですが、20世紀後半、Henriはフランスにおけるコンクレートやサウンド・ポエトリー(音響詩)の第一人者として名前を馳せます。特に、初期のテープ・レコーダーやスタジオの機材或いは変調させられた人の声を用いた身体が発する録音物を使っての作品に注力しており、そのことは、言語と言うのは、口伝から文学への移行とか或いは秩序と混沌のバランスの関係性を想起させるのが始まりと言っています。また 彼は世界中のアートとの連絡を取るために何らかの職についていましたが、彼は,自分の職業は詩人、グラフィック・アーティスト/デザイナー、タイポグラファー、独立系出版者、映像作家、報道者或いはプロモーターなどとしていました。それで、彼は1966年には、Gustav Metzger, Otto Muehl, Wolf Vostell, Peter Weibelらと共に、ロンドンで開催された”Destruction in Art Symposium (DIAS)”に参加しています。また彼は、1964年から1974年までので間に10インチレコード付きのアート・マガジン”Revue OU”や”Cinquième Saison”を発行しており、その寄稿者にはWilliam S. Burroughs, Brion Gysin, Gil J. Wolman, François Dufrêne, Bernard Heidsieck, John Furnival, Tom Phillipsやオーストリアの著者やRaoul Hausmannと言うダダイストも含まれています。また、彼は ”typewriter poems (dactylopoèmes)”とかから成る”Le Dernier Roman du Monde (1971)”, “Portrait des 9 (1975)”, “The Cosmographical Lobster (1976)”, “Poésie Sonore Internationale (1979)”, “ Les Riches Heures de l'Alphabet (1992)”及び”Graphpoemesmachine (2006)”の書籍も出版しています。1968-1986年の間は、Henriはエセックス州のIngatestoneに居を構えますが、妻Jeanの死後の1985年にフランスに戻ります。2001年には彼自身も健康状態が悪化し、再び、英国に戻りますが、2008年1月3日にNorfolkで亡くなりました。 それで、本作品ですが、片面1曲づつ収録されており、A面は1985年の作品が,B面には2004年の作品が収められていますが、全然違和感はありませんね。DLコードも付いており,こちらには1995年作の3曲も収録されています。これらの曲は,1993-1998年に渡って、Erratumスタジオ、即ち300m2のガレージにて、Michel Giroud, Joachim Montessuis, Yvan Etienne及びMasahiro Hondaらが発した音(特に口腔や呼吸器を使った音)を録音しており、今回はこの素材を使ってのミックスダウンをしています。この時に、Henriのジェスチャーに従い、ディレイでの変調やパン,テープ速度の変化或いはフィードバックの強弱等を行い、仕上げられたとの記載があります。なので、両面とも声や呼吸音がメインになっていますが、結果は興味深い出来になっています。そして、レコードに刻まれたものは、「言語以前に発した音」による詩でありますが、ポスト・プロダクションをやっているのが、最後の締めなんですね。これらの種明かしをしないでも、音楽としても純粋に面白いですよ❗️因みに、B面の曲は2013年にフランスの文化放送にて、Henri Chopin生誕100年記念として放送されています。 [live] https://youtu.be/mg3NrR7_jYk #HenriChopin #LesGouffresDesBronchesSontDesCavernesInfinies #SoundPoetry #Concrete #Erratum #Voice
現代音楽 実験音楽 Erratum 3000円位?Dr K2
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Sympathy Nervous “Automaticism”
私がSympathy Nervousを知ったのは、Out Put Recordsの7㌅の”Out Put vol.2”と言う3Way Split EPでした(他はYxymalooとDrone No.1でした)。それから、気にはなって時々作品を買っていたのですが、よもや、東日本大震災で彼の経歴等を知ることになろうとは❗️Sympathy Nervousこと新沼好文さんは、大震災の時の津波で、自宅はおろか機材全てと録音物の多くや工房を無くしてしまいました。その時の彼の落胆さは痛い程分かりますし、悔い切れない想いもあったかと思います。ただ,本作品のマスターテープは既にレーベル側に送ってあったので、今回、リリースが出来たとのことです。その後、彼は東京に引っ越しますが、2014年に死去。震災前までは、彼はプログラマーの仕事をしながら、90年代にはテクノ・シーンへ参入したり、2000年に入ってからは岩手県宮古市で国産テルミンの工房を設立したりしていました。ここら辺は前回も書いたと思いますが、ほんと惜しい才能を無くしたと思います。その追悼盤として、本作はSynth WaveレーベルであるアメリカのMinimal Waveからリリースされました。本作でも、独自に開発したU.C.G.のコンピュータ・システムを駆使し、精密なビート・プログラミングと音響デザインによるシンセ・ウェーブ或いはプロト・テクノを聴くことが出来ます。電子音の感触はクールなのですが、曲自体の構造は有機的であり、丁度、AI制御の人型アンドロイドの奏でる音楽のようです。皆さんも、追悼と意味でも興味本意でも良いので、是非聴いてみて下さい。 “Accident” https://youtu.be/lvHH3agrFcc “His Forte” https://youtu.be/kn4s65dOT0A “Quick shot Rebeat” https://youtu.be/L5y93ExYY2o #SympathyNervous #Automaticisim #U.C.G.system #ProtoTechno #NiinumaYoshifumi #MinimalWave
Techno, Synth Wave, Minimal Minimal Wave 3000円位?Dr K2
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BGM “Back Ground Music”
今回はYMOの”BGM”繋がりで、東京の白石隆之さんが1980年頃やっていた実験ロックバンド(?)BGMの登場です。BGMは当時、高校生であった白石隆之さん(G, Vo, Synth)が、同級生の川島ひろのぶさん(B, G)や、その友人のKenichi Ebisawaさん(Dr)とSyuichi Hashimotoさん(Synth)に声をかけて、自身の音楽を具現化する為に、作ったバンド(でっち上げバンド)で、その音源は、大阪のレーベルであり、阿木譲氏がプロデュースしていたVanity Recordsからアルバムとして1980年にリリースされました。それが本作品”Back Ground Music”で、YMOよりも早い時期です。「バンドもどき」と言ったのは、BGMは白石さんが自分の音楽をやる為に身近な人物をレコーディング目的で集めただけであり、継続的な集団ではなかったからです。なので、白石さんのBGM名義は本作品だけです。先程,東京の高校生と言いましたが、白石さんがVanity Recに送ったカセットテープを阿木氏が気に入って、大阪まで録音に来いとのことで、4人は新幹線で大阪まで行き、厳しい阿木氏のプロデュースとタイトなスケジュールの中で、一日で録音を何とか済ませたそうです。白石さんもVanity Rec/Rock Magazineのスタッフも、このアルバムをサティーの「家具の音楽」のロック的解釈との認識であったようですが、私は単純に反復するベースやドラムに弱々しいシンセやギターが絡むと言う一種のミニマルな音楽と考えており、ただただ,簡素だけど,カッコいいと思っていました。多分,この作品の何曲かは、当時、阿木氏がDJをやっていたラジオ番組で聴いたのが最初だったと思います。個人的には、本作品を聴いてから、ドラムを入れたバンドに憧れたものです。それで、このBGMでの影響で、私は電呪縛をやり始めましたが、直ぐに頓挫してしまいした(笑)。成り立ちやバンド名或いは担当楽器や曲名からして、クールだなぁとその時から思っていました。白石さんは現在,DJなど音楽制作にも関わっており、新作も出ているようです。当時は、謎だらけだったBGMの音楽を聴きますか?まさか❗️(YMOネタ) [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLuGAvXrEzoIkCozLPwUkinNsTVlvz-eeE “in Put” https://youtu.be/6GzB94haKCI #BGM #BackGroundMusic #VanityRecords #ShiraishiTakayuki #家具の音楽
Experimental rock Vanity Records 3000円位?Dr K2
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Conrad Schnitzler & Wolfgang Seidel “Music Is Not Language. Neither Is It Painting. Just Music”
2021年末に入手したConrad SchnitzlerとWolfgang Seidalの作品です。しかしながら、これは殆どConrad Schnitzlerのソロと考えてもらっても良いかと思います。因みに、2011年夏に、WolfgangがConradの家に訪ねた時がConradが亡くなる数日前で、その時に、最後のソロの録音物として829番目が出来たばかりであったとのことです。なので、この829番目がこの作品になるみたいです。 それで、本作品の内容ですが、A面は割とアコースティックな音色の現代音楽風の長尺の曲で、SchnitzlerのCDR作品”00/013 (CONtext)”からの抜粋になっています。それで、付属のCONtextにから読み解くと、マイナー言語である独逸語と汎用される言語である英語のText Readingが、交互に配置されている曲になっています。最初、「えっ、Conradってこんなに現代音楽風だっけ」と一瞬思いましたが、それはそのtextの内容を読んでみると、納得させられました。そのタイトルも「音楽は言語じゃない」からも想像させられます。一方、B面は、より電子音楽的になった長尺の曲で、それは1972年にロンドンのGallery Houseで行われたイベント"The Berlin Scene"展の時に,わざわざ、現地でEMS Synthi Aを入手しており、それを充分に過不足無く使った曲になっています。ただし、A面でのtextで述べているように「B面とは何か?」と言う問いに対する、彼の答えになっているようです。と言う訳で、彼のコンセプトとその実践が組み込まれたトータルな作品になっていて、その才能にただただ組み伏せられるばかりです。このCONtextを書いたのが、今回の相方であるWolfgang Seidelと言う訳でした。そんな彼等のコラボはどうでしょうか?まだ入手可能みたいなので、聴いてみて下さい。 A “Music Is Not Language. Neither Is It Painting. Just Music.” (20:00) B “CONversation” (19:40) [trailer] https://youtu.be/FyYMMTNa1rI?si=xadTVLAnls1Kev6o #ConradSchnitzler #WolfgangSeidel #MusicIsNotLanguageNeitherIsItPaintingJustMusic #CONtext #Archives #Krautrock #Electronic #TextReading #EditionTelemark #LimitedEditions #300部 #TheBerlinSceneExhibition #London
Krautrock / Electronic / Live Edition Telemark 3000円位?Dr K2
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V.A. “No New York”
私はこのアルバムを最初に聴いたのは、阿木譲氏がパーソナリティを努めてしたラジオなんです。兎に角、衝撃を受けました。未だに、聴く度に、発見のあるアルバムです。収録されているのは、The Contortions, Teenage Jesus & the Jerks, Mars, DNAの4組なんですが,どれも素晴らしい音楽を奏でています。あと、この頃に出たオムニバムアルバムはこの作品の裏ジャケを真似たのが多かったですね。特に、The ContortionsのJames Chanceが目に青タン作って載っていたり、明らかに東洋人の森郁恵さんがIkue Ileと載っていたり、他のメンバーもヤバそうな人ばかりでした。このアルバムはBrian Enoのプロデュースですが、必要以上に硬質な音で録音されています。それで、A面1曲目のThe Contortionsの”Dish It Out”の爆走する曲だけで、充分ノックアウトされてしまいますね。未だに私にとってのフリージャズのサックスのデフォはJames Chanceとなっています。まあ、この4組の中では一番「格好良さ」が分かりやすいとも言えます。続いて、ダルな演奏を繰り広げるTeenage Jesus & The Jerksは不協和音だらけで、ショッキングでした。しかし、バンド名はめちゃカッコいいですね。B面はMarsなんですが、これはEnoのプロデュース力が遺憾無く発揮されており、また演奏も、元から合わせる必要を度外視したアンサンブルで、初めて聴いた時、「なんだ!この音楽は!これでも音楽か?」と度肝を抜かれてしまいました。後々、このMarsが一番のフェイバリットになり、今でも追い続けています。最後はDNAなんですが、Robin Crutchfieldのキーボードがカッコよく、今から思うにArto Linsayのギターはまだ爆発していない様に思います。この時のDNAの印象としては「記号的」音楽とも言えましょう。 こんなかっこいい音楽が詰め込まれたアルバムが、既に1978年に出ていたのはやはり衝撃でしたし、Enoの目利きの良さも後になって納得できました(ただ、Enoは積極的に音をいじっていないと言う噂もあります)。このアルバムがリリースされた当初は大手音楽雑誌ではこてんぱんに評されましたが、リスナーは高値でも良いから聴きたいと言う人も多かったらしいです。まあ,このアルバムに関しては、何度もリイシューされており、また色んな方が紹介していますので、細かいデータは書きませんが、兎に角、未聴の方には是非とも聴いて頂きたいアルバムです。 A1 The Contortions “Dish It Out” (3:15) A2 The Contortions “Flip Your Face” (3:09) A3 The Contortions “Jaded” (3:50) A4 The Contortions “I Can't Stand Myself 5:00 A5 Teenage Jesus & The Jerks “Burning Rubber” (1:42) A6 Teenage Jesus & The Jerks “Closet” (3:45) A7 Teenage Jesus &The Jerks “Red Alert” (0:32) A8 Teenage Jesus &The Jerks “I Woke Up Dreaming” (3:06) B1 Mars “Helen Fordsdale” (2:27) B2 Mars “Hairwaves” (3:38) B3 Mars “Tunnel” (2:37) B4 Mars “Puerto Rican Ghost” (1:00) B5 D.N.A. “Egomaniac's Kiss” (2:08) B6 D.N.A. “Lionel” (2:04) B7 D.N.A. “Not Moving” (2:35) B8 D.N.A. “Size” (2:10) https://youtu.be/nul3A0pS_oc?si=SsmkkAAb6MRIg2Mh [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLoIzyRxu9KXzrwqd63nuqaV_VLWJIQHSS&si=SCtIKD8IYSyYKVAK #VariousArtists #NoNewYork #Antilles #TheContortions #JamesChance #JodyHarris #PatPlace#AdeleBertei #GeorgeScottIII #DonChristensen #TeenageJesus&TheJerks #LydiaLunch #GordonStevenson #BradlyField #Mars #SumnerCrane #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #DNA #ArtoLindsay #RobinCrutchfield #IkueMori #NoWave #NYUnderground #NoiseRock
No wave Antilles 3000円位?Dr K2
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Mothra “Doom Engine (運命のエンジン)”
今や日本のインダストリアルシーンを牽引するLinekraftの大久保氏やScleromaの高橋氏らが在籍していたインダストリアル・バンドMothra(モスラ)の再発LP(元々は自主制作でCDで2005年に出ていた)です。今回は英国インダストリアル・レーベルの老舗Cold Springより2020年にリイシュー。いきなりのメタル・パーカッションの雨霰と変調したデスヴォイス、ミドルテンポのドラムとタイトならベース、それに絡む電子音。凄まじくヘビーなデス・インダストリアル・ミュージックが日本から出現したのは驚異だと思います。メンバーは、Masahiko Okubo (Vo, B), Jun-ichi Takahashi (Metal Junks), Masahito Nozu (Drs, Metal Junks), Fumihiro Kojima (Electronics)の4人組。私はMothraのライブは旧20000Vで観ましたが、ライブでは音のバランスがイマイチでした。しかし、本作ではそんな杞憂を吹き飛ばすようなマスタリングがなされており、凄まじい音圧となって、聴く者を襲いかかってきます。特にメタル・パーカッションの音は凄く良い感じに録音されており、驚愕モノです‼️(私も以前はメタルジャンクを演奏していましたが、その音を効果的に録音するのは意外と難しいので,この録音やマスタリングが如何に秀逸かは良くわかります)。この機会に日本のデス・インダストリアルの萌芽を体験してはどうでしょうか? 曲順 A1 “Great God Wind” A2 “Shit Microphone Scream” A3 “Man-Mai Bastard” B1 “Death Black Square” B2 “1/496.5 Mensch” B3 “Space Doom Engine” B2 “1/496.5 Mensch” https://youtu.be/z6QMZXDqVEQ?si=4dP5D-pn2FZhc1zq [full album: 曲順は異なる] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mIhz-35XTRIlivKk3tMaXmCoCyd4PicEM&si=03_BmgH8XANuIaGk #Mothra #DoomEngine #運命のエンジン #ColdSpring #Industrial #DeathIndustrial #Noise #Linekraft #Scleroma #Japanese #MetalPercussions #Electronics #Drums #Bass #DeathVoice #MasahikoOkubo #Jun-ichiTakahashi #MasahitoNozu #FumihiroKojima
Death Industrial Cold Spring 3000円位?Dr K2