Wire “154”

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以前にDomeのことを書きましたが、その前に本来なら、このWireを先に書くべきでした。本作品は国内盤も出ていたサードアルバム”154”です。WireのメンバーはColin Newman (Vo, G), Graham Lewis (B, Vo), Bruce Gilbert (G)とRobert Gotobed (Dr)の4人組で、1976年、ロンドンで結成。元々、彼等はUKパンク・シーンから出てきましたが、何かが違っていました。それで名言「ロックじゃなければ何でも良い」❗️が彼等から発せられたように、セカンドアルバム ”Chairs Missing”から既にポスト・パンクとも言える音楽を指向してきました。しかもシンプルな形で。その一つ完成形が,本作品”154”です(タイトルの数字はそれまで彼等が行ってきたギグの回数とのこと)。彼等の曲は初期はミニマル・ミュージックの様な単純な構造を持っており、それ故に、ハードコア・パンクへの影響も持っていましたが、本作品位になると、構造は比較的単純なのですが、ギター・エフェクターの使用やシンセの導入・アレンジにより、表現力は格段にぶち上がり、ダイナミックな音楽へと昇華されています。特に、プロデューサーでもあるMike Thornのシンセが大々的にフィーチャーされた本作品は素晴らしい出来栄えです。多分、1979年にこんな音楽をやっていたグループはいなかったでしょう。また,歌詞も抽象的でシュールなものが多く、ジャケもそっけない感じで、こんなパンクバンドいないだろ!と言う程です。後発に与えた影響も計り知れず、Big Black, Minor Thread, Minutemen, R.E.M., Elasticaなどが、カバーをしています。ただ、リリース元のEMIは彼等の音楽がコマーシャルではないとして、理解を示さなかったと、Colinは語っています。その為、カットアップされた曲から成るライブ・アルバム”Document and Eyewitness”をリリースして、1980年に一旦、解散します。BruceとGrahamはDomeとして、Colinはソロとして活動した後に、1985年〜1992年にかけて再結成しますが、この時の音楽は大々的にエレクトロニクスを取り入れたものとなります。この時期の1990年にRobertが脱退、バンド名の表記をWirとしています。一旦休止。1999年にRobertが復帰しますが、2008年の作品”Object 47”の辺りでBruce Gilbertが脱退し、その後、Matt Simmsが加入しています。そのメンツで今も活動を続けています。特にファーストから本作品までの3作は名盤なので、是非とも未聴な方は聴いてみてください。

https://youtu.be/gLh15kamjBs

#Wire #154 #MikeThone #PostPunk #Surrealism

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