Palais Schaumburg “Parlez-Vous Schaumburg ?”

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とうとう、Parais Schaumburg (パレ・シャンブルク)のサード・アルバム“Parlez-Vous Schaumburg ?”を入手しましたが、何でこれを欲しかったと言うと、石野卓球氏が紹介していたことと、それだけ音が変わったのなら、じゃあ聴いてみようとなったことだと思ったからです。また、セカンド・アルバムではVoだったWalter Thielschが脱退してしまい、この時のメンツは、Thomas Fehlmann (Synth, Trumpet; 後にAmbient ProjectであるThe Orbを結成), Moritz von Oswald (Drs &Perc; 1990年初頭には、Minimal / Dub Technoを始め、レーベルBasic Channel & Chain Reactionを運営), Ralf Hertwig (Drsで入ってVoへ; その後、2MBや3MB名義でDub Technoを始める)の3人で、ゲストシンガーにInga Humpe (元Neonbabiesで、後にDeutsch-Österreichisches Feingefühl[以下DÖFと表記]を結成)も加わっています。つまり、Palais Schaumburgはアルバムを出す度に、Voが代わっています。そして、バックに演奏をしていたメンバーはダブ・テクノの活動をすることになっています。そんな出入りの激しいグループですが、1984年には、Palais Schaumburgは解散しています。恐らく、このメンバーでは、1年程しか活動していないようです。ただ音的には、Holger Hillerのいたファースト・アルバムの時とは大きく異なり、それこそDepesche Modeのようなエレ・ポップな内容になったようです。本作品はサード・アルバムにして、最後のアルバムになり、内容的には、両面4曲ずつ収録されています。それでは、各曲について、ご紹介していきましよう。
★A1 “Easy Go” (4:15)は、シングルカットされた曲で、キャッチーなエレ・ポップですね。しかも、耽美的でダンサブルです。ホーンやコーラスワークもバッチリです。
★A2 “Spy Versus Spy” (3:36)は、ガムラン様のパーカッションとDrsに合わせて、シンセや跳ねるようなBが乗り、耳元で囁くようなVoとホーン類が何とも雰囲気を醸し出しています。
★A3 “The Tart” (3:33)は、ちょっと不思議なスケールのリズム隊(Synth-B)に、甘いシンセとVoが乗る曲で、サビでは盛り上がりますね。リズムはドラムマシンですね。
★A4 “3 Young Men”(4:05)は、何ともゴージャスなシンセのイントロで、少しだけ日本のゲルニカっぽい展開で、クラシック歌謡のような複雑な曲の進行となっています。リズムはそれ程強調されておらず、アンサンブルに重きを置いています。終わり方が良いですねー。
★B1 “Quiet Village” (4:10)は、ちょっとびっくりするイントロですが、その後は、ダンサブルなエレ・ポップと言うかファンカラティーナになります。Voやコースワークもぴったしですが、歌詞は英語なのかな?
★B2 “Name The Cats” (4:30)では、B1と連続して始まり、怪しげなベースラインが中心にドラムマシンやシンセとなりますが、Voや女性コーラスも中々聴かせてくれます。Gも入っていて、ちょっと凝った曲ですね。
★B3 “Beat Of 2” (5:00)も、シングルカットされた曲で、キラキラした陽性のエレ・ポップで、サンプラー音(ホーン類の音等)も使っているようで、当時としてはハイ・テックな機材での曲ですね。
★B4 “What's The Time” (5:00)は、ゆったりとしたスローな曲で、「ジャングル大帝」とゲルニカの混合物を想起することような威風堂々たる雰囲気ですね。なので、そんなにビート感はありません。

 まあ、Voが変わるだけで、こんなにも音楽が変わるんだとビックリしてしまいました。初代VoがHolger Hillerで骨折ファンクを、2代VoがWalter Thielschでラテン系エレ・ファンクを、そして3代VoがRalf Hertwigで、Depeche Modeのようなゴージャスなエレ・ポップを演奏しており、最早、Neue Deutsche Welleではなくなっていますね。歌詞も英語だし。まあ、これがキッカケとなったかどうかは分からないですが、各人がそれぞれ、ダブ・テクノの道へやThe Orbへと進んでいくのが、何とも独逸人らしいと言うか何と言うか。しかしながら、本作品での曲作りは一流ですので、プレ・テクノのエレ・ポップに興味のある方にはお勧めしますよ!

https://youtu.be/Q_LsWfGqgO0?si=mRIHKWEMQ02O9LJp

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