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- The Nocturnal Emissions “Fruiting Body L.P.”
The Nocturnal Emissions “Fruiting Body L.P.”
1979年末に英国Derbyshireで活動を開始したNocturnal Emissions (NE)は、間違いなく、インダストリアル・ミュージックの起源の一つだと言えましょう。1980年の結成当初のメンバーはNigel Ayers, Caroline KそれにNigelの兄弟Dany Ayersですが、1984年以降はNigel Ayersのソロプロジェクトになりました。その音楽性は時代によって多岐に渡り、電子音響系、ミュージック・コンクレート、ハイブリッド・ビート・ミュージック、コラージュ、ポスト・インダストリアル或いはダーク・アンビエントなどの様々なノイズミュージック形態をとっていますが、これは、彼等が、元々、ビデオや映画及びハイパーテクストなどのマルチメディア活動の一部として、サウンド・アートも使っていたからかもしれません。彼等は1980年頃に自身の自主レーベルSterile Recordsを立ち上げ、NEを始め、多数のインダストリアル・アーティスト/グループの作品をリリースしてきています(後に、レーベルはEarthly Delightとなります)。第一弾のリリースは、1979年のコンピで”Standard Response”となります。参加者はNEを始め、Leif Thuresson, Moving Finger, Lieutenant Murnau, S.M. Andrews, Cultural Amnesia, Organbank, MB, Murderwerkers, Johnny Alien, Loss of Headとなります。その後、1980年にはNEの前身とされているThe Pumpのカセット”Just Want To Dance”を、また、同年には、彼等自身のファースト・アルバム”Tissue of Lies”もリリースしています。当初から、メールアートを介して「音響心理戦」なるものを目指していたのも、特徴ではあります。そんなNEのセカンド・アルバムが、1981年にリリースされた本作品”Fruiting Body”となります。正直に言うと、これを初めて聴いた時は,ピンときませんでした。それは、例えば、曲名が裏ジャケとかに書いてあるのですが、その通りに曲間がなっていなかったり、強烈なノイズを期待してのに、Throbbing Gristleを越える音楽を提示していなかったからかもしれません。今回、聴き直してみても、同様の感想ですね。しかしながら、得体の知れない作為は感じられます。それは、彼等が「音響心理戦」なるものを目指していたので、ひょっとするとサブリミナルに何かを仕込んであるのではないか?とか、不鮮明なノイズ・ミュージックの間に挟まれるテープ音に何らかの作用があるのではないか?とかの、作品を聴く事前情報によるからだと推測します。そんなNEですが、この「未消化な」ノイズ作品も触れてみてはどうでしょうか?
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLHP7bAjOIkpCrpkBV2LVypP2EHE-UvWbS
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