Konstruktivits “Psyko Genetika"

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メール・アート& ミュージックが盛んだった80年代には世界各国から自主制作のカセットやレコードがリリースされ、盛んに交換されていたのですが、今回、紹介するKonstruktivitsもそんなグループの一つです。Konstruktivits (Konstruktivistsなどの表記もある)は、元々、イギリスのマルチ・インストルメンタリストGlenn Michael Wallisのソロ・インダストリアル・プロジェクトで、1982年に名乗り始めました。それまではHeuteと言うクラウトロックを演奏するトリオ(G, B & Synth)に在籍し、彼はSynth担当でしたが、Throbbing Gristleに影響を受けて、よりヘビーな音楽を目指す為、Konstructivitsを作ったと言うことです(彼は自分のことをNKVDとも表記してます)。Adrian GroverとDave Rouseと共に、ファーストアルバム”A Dissembly“をFlowmotionから1982(1983年とのデータもある)年にリリースしますが、すぐに英国Third Mind Recordsと契約し、1983年に本作品をリリースします。何と!この頃、彼はWhitehouseのメンバーにもなっており、丁度、アルバム”Great White Death”に参加しているとのことです(確認出来ず)。また、それまでは宅録中心でしたが、ライブ活動も始め、シェフィールドでのUK Electronica Festivalにも出演しており、1985-1990年はライブと録音を勢力的に行なっています。1990年には前述の2人に代わりに、Joe AhmedとLawrence Burtonが加入し、World Serpentと契約して、CDを出しています。欧州ではそこそこ反響があったものの、全体としてはセールスが今ひとつでした。また、リリースの遅れなどの問題もあり、レーベルと縁を切り、それによって、JoeとLawrenceの2人も脱退しました。その後、1995年にImpulse Magazineの編集者であったMark Crumbyがメンバーとして加入。更に、Sax兼Perc プレーヤーのAl Shiellsも加入して、トリオで活動しています。2000年に、Markがウイーンに移住したので、その後は、Alとのデュオ或いはGlennのソロとして活動を続け、2012年には、元CabsのStephan Mallinderの新バンドWranglerの前座も務めています。2014年に最新アルバムを出していますが,現在はどうなっているかは不明です。でもBandcampはやってるみたいですね。
それで、本作品ですが、内容的には80年代に出てきた多くのインダストリアル・パンドやアーティストのように、Synthやテープ音、リズムボックスなどを使った宅録系のアブストラクト・ノイズな作風であり、何とも中途半端な印象です。この頃って、皆んな、手探りで自分の音を探して、試行錯誤していたと思うのですが、彼等もまた試行錯誤していたのでは?と思います。B-1の様にヴァイオリンの独奏にリバーブ処理した曲などはT.G.の”Weeping”を彷彿とさせますね。また、B-3は簡素なポリシンセによる曲で美しいです。A-4の表題曲も変化に富んだ組曲風のアブストラクト・ノイズで秀逸です。強烈な音楽ではありませんが、手探りのインダストリアルな過程を体験するには良いアルバムだと思いますので、興味のある方は聴いてみて下さい。

[これは1985年にリリースされたPsyko-Genetika II”]
https://youtu.be/o_Fo1Ezc50I

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