-
V.A. “Ralph Records: Frank Johnson’s Favorites”
嘘か本当か分からないですが、これは、The ResidentsのレーベルRalph Recordsが所有しているコンピューター、通称Frank Johnsonが選んだヒット曲集と言う体裁を取ったコンピです。初代Frank Johnsonが1970年に「死んだ」そうで、The Residentsのところに新しいFrank Johnsonがやってきました。皆は少し恐れていたようでしたが、彼がアルバムに収録されていないが、ヒットする曲を選んだのだそうです。どこまでか本当かは分かりませんが、また彼らの一流のジョークかもしれませんね。収録アーティスト/グループはTaxedomoon, Fred Frith, Renaldo and the Loaf, MX-80 Sound, The Residents, Snakefinger, Yello, Art Bearsと一癖も二癖もあるメンツです。憂いのある曲をカッコいいビートに載せて演奏するTaxedomoon、ちゃんとイカしたビートにソリッドなギターとヴァイオリンを聴かせてくれるFred Frith、ユーモアに富んだ擬似エスニックなRenaldo and the Loaf、分厚い音の壁でロックするMX-80 Sound、脱臼したポップソングとビートルズのカバー曲のThe Residents、The Residents以上にThe ResidentsなSnakefinger、他のバンドとは違ってシリアスなArt Bears、屈折したエレ・ポップなYello。全て、アルバム未収録曲かシングルのB面に収録されている曲なので、中々、通好みの選曲になっています。もし、The Residentsやその周辺のアーティスト/グループに興味があれば、このコンピはいいかもしれませんね。どうですか?一聴してみてください。 [今回のコンビではないですが、まあこんなアーティストがリリースされていると言うことで] https://youtube.com/playlist?list=PL0SjHv_UkUOOMSiW1ILCCSUNnJdQ6U8sv #RalphRecords #FrankJohnson #TheResidents #Snakefinger #Taxedomoon #FredFrith #RenadoAndTheLoaf #MX-80Sound #Yello #ArtBears
Experimental Pop Ralph Records 不明Dr K2
-
The Human League “Holiday 80z”
英国の工業都市シェフィールドから出てきたThe Human Leagueで、これが分裂前の最後のリリースとなります。このミニアルバムは分裂時にリリースされたもので、本国では7”EPとか7㌅2枚組などの様々な形態でリリースされていましたが、日本向けには、2曲追加して12㌅のミニアルバムとしてリリースされました。まあ、恥ずかしいことに、大きなレコードラベルにはアイドルっぽい写真が使われてますね 苦笑)。The Human Leagueのバイオグラフィーは前回書きましたので、ここでは割愛させてもらいます。このミニアルバムには、未発表曲,ヴァージョン違い、カバー曲などが収められており、少し散漫な印象を与えますが、聴きどころは多いです。A-1 ”Marianne” は未発表曲で、この1曲だけでも買って良かったと思える程、ポップネスと実験性を併せ持った曲です。何度も聴き直したものです。A-2”Dance Vision”はThe Human Leagueの前身The Futureの時の曲で、実験性丸出しのダンスチューンです。そしてA-3はセカンドアルバムにも収録されていた曲”Toyota City”のロングヴァージョンです。B-1”Rock’n’Roll”とB-2 “Nightclubbing”はDavid Bowieの曲のカバーでメドレーになっています。そしてB-3はセカンドアルバムにも収録されている彼等の初期の代表曲でもある”Being Boiled”(このヴァージョンではThe Boys of Buddhaのシンセ・ホーンがカッコいいです)が収められています。しかしながら、今から考えると、これは、The Human Leagueの名前で一儲けしようと言うレコード会社の思惑が見え見えですね。でも、”Marianne”は名曲なので、それだけでも聴いてみて下さい。 https://youtu.be/1F8aZaI9GJc #TheHumanLeague #Holiday80 #Marianne #DanceVision #ToyotaCity #Rock’n’Roll #Nightclubbing #BeingBoiled
Synth Wave Virgin Records 2000円位?Dr K2
-
The Nocturnal Emissions “Fruiting Body L.P.”
1979年末に英国Derbyshireで活動を開始したNocturnal Emissions (NE)は、間違いなく、インダストリアル・ミュージックの起源の一つだと言えましょう。1980年の結成当初のメンバーはNigel Ayers, Caroline KそれにNigelの兄弟Dany Ayersですが、1984年以降はNigel Ayersのソロプロジェクトになりました。その音楽性は時代によって多岐に渡り、電子音響系、ミュージック・コンクレート、ハイブリッド・ビート・ミュージック、コラージュ、ポスト・インダストリアル或いはダーク・アンビエントなどの様々なノイズミュージック形態をとっていますが、これは、彼等が、元々、ビデオや映画及びハイパーテクストなどのマルチメディア活動の一部として、サウンド・アートも使っていたからかもしれません。彼等は1980年頃に自身の自主レーベルSterile Recordsを立ち上げ、NEを始め、多数のインダストリアル・アーティスト/グループの作品をリリースしてきています(後に、レーベルはEarthly Delightとなります)。第一弾のリリースは、1979年のコンピで”Standard Response”となります。参加者はNEを始め、Leif Thuresson, Moving Finger, Lieutenant Murnau, S.M. Andrews, Cultural Amnesia, Organbank, MB, Murderwerkers, Johnny Alien, Loss of Headとなります。その後、1980年にはNEの前身とされているThe Pumpのカセット”Just Want To Dance”を、また、同年には、彼等自身のファースト・アルバム”Tissue of Lies”もリリースしています。当初から、メールアートを介して「音響心理戦」なるものを目指していたのも、特徴ではあります。そんなNEのセカンド・アルバムが、1981年にリリースされた本作品”Fruiting Body”となります。正直に言うと、これを初めて聴いた時は,ピンときませんでした。それは、例えば、曲名が裏ジャケとかに書いてあるのですが、その通りに曲間がなっていなかったり、強烈なノイズを期待してのに、Throbbing Gristleを越える音楽を提示していなかったからかもしれません。今回、聴き直してみても、同様の感想ですね。しかしながら、得体の知れない作為は感じられます。それは、彼等が「音響心理戦」なるものを目指していたので、ひょっとするとサブリミナルに何かを仕込んであるのではないか?とか、不鮮明なノイズ・ミュージックの間に挟まれるテープ音に何らかの作用があるのではないか?とかの、作品を聴く事前情報によるからだと推測します。そんなNEですが、この「未消化な」ノイズ作品も触れてみてはどうでしょうか? [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLHP7bAjOIkpCrpkBV2LVypP2EHE-UvWbS #NocturnalEmissions #SterileRecords #FruitingBody #IndustrialMusic #SubliminalEffect #MailArt&Music
インダストリアル Sterile Records 不明Dr K2
-
The Flying Lizards “Fourth Wall”
段ボールをドラム代わりに叩いて、ペナペナのギターに合わせて、往年のロックの名曲を無表情な女性ヴォーカルに歌わせると言う、通常のカバーソングとは全く異なるアプローチでヒットを飛ばしたのが、このThe Flying Lizardsです。本当なら、そのアルバムを紹介するところですが,私は持ってないので、セカンドアルバムをご紹介します。その前に、The Flying Lizardsって何?から。結成は1976年のロンドンで、リード・シンガーにDeborah Evans-Sticklandを迎えてBarrett Strongの "Money" をカバーして、英国・米国のチャーインした、David Cunninghamのバンドと言うよりは不定形プロジェクトで、関係したアーティストの方はDavid Cunninghamに加えて、Steve Beresford, Bob Black, Deborah Evans-Stickland, Robert Fripp, Vivien Goldman, Peter Laurence Gordon, Julian Marshall, Patti Palladin, Sally Peterson, David Toopと英国即興演奏家から素人に毛が生えたような人まで多岐に渡ります。ファーストアルバムでは前述の”Money”の他、Eddie Cochranの“Summertime Blues"もカバー。英国チャートには60位に食い込みました。その後、1979年に本作であるセカンドアルバム”Fourth Wall”を発表しましたが、売れずに。まあ元々が、ヒットを飛ばすために作ったバンドではないので、彼等は気にはしなかったようです。1984年にもSally Petersonと組んでサードアルバムTop Ten”をStalk Recordsからリリース。 これには、James Brown'の"Sex Machine"とLeonard Cohenの "Suzanne"のカバーが含まれており、これら曲は それぞれシングル・カットされています。その後、David CunninghamはテレビのCMや映画のサントラなどの仕事をしていましたが、1978年に作ったダブ・アルバム”The Secret Dub Life of the Flying Lizards”をリメイクしたり、1995年には、ファーストとセカンドアルバムの再発である”The Flying Lizards and Fourth Wall”をRPMから出したりしてます。 それで今回、紹介する本作品もファーストの延長線であり、豪華なミュージシャン(英国屈指の即興演奏家であるDavid ToopやSteve Beresfordや、プログレ界からもRobert Flipp、ミニマルミュージックのMichael Nyman、またThe Pop GroupのGareth Sagerなども)が参加しており、屈折したポップミュージックを演奏しています。曲はDavid Cunninghamが書いており、今回の女性ヴォーカルはPatti Palladinで、余り抑揚の無いヴォーカルを披露してます(なお、彼女はJohnny Thundersとデュオでアルバムを作製したりしているみたいです)。曲によってはインスト曲もありますし、シンセやループが多用された曲もあり、ヴァラエティに富んでおり、色々と楽しめます。またDavid Cunninghamは「ポップミュージックはそれ自体が政治的である」との発言もあり、RIOとの関係もありそうです。それは別としても、世間の評価は低かったですが、音楽ライターの評価の高かった、このセカンドアルバムも聴いてみてください。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL1Oj5iLNw4N2Z5SzCIYWmj15FSzkZJ1d2 [“Summertime Blues”のカバー] https://youtu.be/FDJvr_ZA6jg #TheFlyingLizards #FourthWall #Avant-Pop #DavidCunningham #PattiPaladin #VirginRecords
Avant-pop Virgin Records 2000円位?Dr K2